手前味噌ではありますが、この1枚は今回の私のベストショットであると 自負しております。
朝一でヘンリエッタの部屋を訪れたジョゼの目に飛び込んできたのは、一心
不乱に、というよりは壊れたレコードプレイヤーのように銃の分解/組み立て
を繰り返すヘンリエッタの姿だった。
「眠らなかったのか?」
ジョゼは、べっとりと付いたオイルと埃で黒々と汚れた彼女の小さな手のひらと、
昨晩メイクされたままのベッドを交互に見ながらいぶかるように言った。
「ジョゼさんが、早く扱えるようにと、おっしゃったからです」
ヘンリエッタは、銃から視線を外さずに言った。窓から差し込む逆光の朝日
で表情は暗く沈み、口調も抑揚がなかったが、ジョゼは安易に命令を下した
自分が責められているかのような錯覚に陥り、苦い味のする唾を飲み込もうと
無意識にネクタイをゆるめた‥‥
‥‥とまぁ、本当はこの場所とは別にアニメのあのシーン通りの白いテーブ
ルと椅子があったのですが、コスプレイベントのスペースを作るために「親切
にも」片付けられてしまっていましたorz
一時は「あのシーンが出来ない」とガックリしかけていましたが、ここの
テーブルの上には大きな木が枝葉を差しかけてきていました。一般的に木の
下で写真を撮ると、人間の見た目以上に光が不足しているため、沈んだ感じ
の写真になってしまいます。しかもテーブルの奥からだと逆光。「しめた!」
と独りで指を鳴らしていました(笑)。
そして撮れたのがこの1枚。本来、女の子を撮るのであれば、顔には光を 当てて明るくし、にっこり笑って視線をこちらにもらうのが普通ですが、 これはポートレートではなくコスプレ写真。いかに上記のような原作の感じ を出せるかが勝負?の分かれ目です。カメラの測光パターンをわざと顔から 外し、全体的に平均的な明るさになるように(=顔が暗く沈むように)。鈴歌 さんの座っているベンチに上がり込んでやや極端に上から覗き込むような アングルにし、上下方向を圧縮する事で身長を低く見せるように‥‥
写真でこれら全てを語れればよかったのですが、それができれば私は今頃 プロの写真家になっていたでしょう(笑)。自分の意図が分かってもらいたくて、 こうも回りくどく説明させていただきましたorz