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☆心に残って感動する映画 ★最新映画レビュー2004年
最新映画レビュー:2004年1月
今月は、密度の濃い4本です。
洋画3本は全てアカデミー賞関連の旬の映画。邦画の「半落ち」も大ヒットして話題になりました。詳しくは↓。
2004年1月レビュー一覧
シービスケット  評価:☆☆☆☆★ / おすすめ度:☆☆☆☆
あらすじ:  2003年/2時間21分/アメリカ
'30年代の米国。事故で息子を亡くした大富豪ハワード。自動車の登場で職を失ったカウボーイのスミス。不況で一家離散、騎手を目指す青年レッド。失意の3人は、小柄な競走馬“シービスケット”に自身の未来を託す。
伝説の名馬“シービスケット”を巡る実話を映画化した感動のドラマ
感想: (泣ける度:☆☆☆☆)
色々な映画批評とか馬好きの友達からの絶賛を聞いて、すご〜く期待して見てきました。結論から言って、その期待に十分応えてくれた映画でした。
前半はどんどん場面が変わってわかりにくくて、展開があれって感じでした。でもまあそこはそんなに問題じゃなくて、大富豪のハワードが息子を失った後のショックから、再婚した後馬主になって立ち直るってことがわかれば十分です。
やっと3人が出会ってからがこの映画のメインです。後半はまさに期待通り(?)感動的な展開になっていきます。レースシーン中心の後半にわかりにくさは全くないです。純粋に楽しめます。特に意外と引き込まれたのがレースシーンで、すごい迫力です。普通に馬が好きになってしまいそう。
3人の中でも特に騎手のレッドが、ハンデを抱えながらも、こちらも小柄というハンデを抱えたシービスケットに乗ってあきらめずにレースに挑んでいく姿勢は、本当に心打たれます。こういう映画好きです。騎手も危険な仕事で楽じゃないです(笑)。
ラストが読める感じがしますが、この映画が完全に実話に基づいているというのが、他の感動系の映画と比べてすごいところです。そう思って見ると、う〜ん、いい話だなあと素直に感動できるのではないかと思います。
ラスト・サムライ 評価:☆☆☆☆★ / おすすめ度:☆☆☆☆★
あらすじ:  2003年/2時間34分/アメリカ
明治初期。西洋化を推進する日本政府に依頼され、軍に西洋式の戦術を教えることになったオールグレン大尉(トム・クルーズ)。かつて南北戦争で名を馳せながらも、自分を見失っていた彼は、日本の侍たちに触発され、生気を取り戻していく。
トム・クルーズ、渡辺謙、真田広之ら日米の豪華キャストが集結した話題の感動的歴史スペクタクル。
感想: (泣ける度:☆☆☆★)
僕は全然日本史に詳しくないので、予告編を見たときからどんな話かあんまりピンときてなくて、見てからあ〜こういう話かぁって感じでした。自分の日本に対する知識のなさを感じてしまいましたが、時代考証がおかしいとか色々な批判を耳にしてもよくわからないわけで、純粋にハリウッドのエンターテイメントとして楽しんできました。ただ唯一渡辺謙が英語ペラペラだったのには違和感があったり、うらやましかったりもしたような(笑)。
内容ですが、展開はとてもわかりやすいです。さすがにハリウッドだけあってスケールが大きい映画になってます。戦闘シーンとかはやや重いくらいで、迫力はまずまず。随所に感動する場面があった感じがしました。
評判の渡辺謙の演技の部分で感動はしたんですけど、よく言われる「日本人の誇りが云々・・」という感じは受けませんでした。そこまで深く見れなかったというか・・。武士道はなかなか現代人には難しいものかもしれません(笑)。
主役の3人の演技はもちろん、日本人の子役の演技が特に素晴らしかったと思いました。ただ個人的には真田広之の出番が少なすぎな気が・・。もうちょっと出した方が良かったのでは。。
映画での美しい日本の風景(本当は撮影はニュージーランド)とか村での暮らしも印象的で心地いい感じがしました。昔の日本の素晴らしかった点とかが十分伝わってきました。
この作品は、ハリウッドがかつての日本をある程度忠実に誉めてくれている作品なので、やはり見て損はない娯楽大作だと思います。
ミスティック・リバー 評価:☆☆☆★ / おすすめ度:☆☆☆★
あらすじ:  2003年/2時間18分/アメリカ
ボストンの下町に暮らす少年、デイブ、ショーン、ジミー。ある日、突如現れた謎の男に連れ去られたデイブは、心と体に深い傷を負う。25年後、ジミーの愛娘が殺害され、刑事となったショーンが事件を担当することに。
名匠クリント・イーストウッド監督が、デニス・ルヘインの同名ミステリー小説を映画化。
感想: (泣ける度:☆☆☆)
アメリカで公開されると、批評家から大絶賛された作品。内容が重〜い感じだと見る前からわかっていたのですが、思ったよりも(ずっと)重い映画でした。「悲劇」というのに相応しい映画。決してハッピーエンドにならず、どんよりした感情に襲われるラスト。
ストーリー的には、悲劇という以外に特にたいしたことはありません。犯人探しが主題ではないことはわかります。この映画で見せたかったのはやはり主演の3人の演技合戦でそれぞれに浮かび上がってくる心の闇でしょう。みんな負い目を感じています。25年経った後という設定でそれを表現するのは難しいはずですが、見ているこっちにはひしひしと伝わってきました。
特に素晴らしかったのが、毎回ですが見る者を引き込む演技を見せるショーン・ペン。彼の映画での役柄の名前がジミーで、ケビン・ベーコンがショーン役をやることがわかりにくいという意見もありましたが、それを感じさせないほどでした。あとはティム・ロビンスももちろんですが、その妻役のマーシャ・ゲイ・ハーデンも迫真の演技でした。ていうかこの映画は脇役もみんな素晴らしいのですが。
問題は、決して感動できないバッド・エンディングの映画であるということ。でもたまには涙をさそうだけの単純なドラマよりも、重厚な人間ドラマが見たいという人には、配役も完璧なぴったりの映画でしょう。そういう面では、期待を裏切らない映画だと言えます。ちょっと大人向きかもしれませんが(笑)。

半落ち 評価:☆☆☆☆☆ / おすすめ度:☆☆☆☆★
あらすじ:  2003年/2時間1分/日本
アルツハイマー病を患った妻・啓子に懇願され、彼女の首を絞めて殺した元警部の梶は、最寄りの警察署に出頭する。彼は素直に完全に自供するかにみえたが、殺害から自首するまでの2日間については口を閉ざしてしまう。
横山秀夫の同名ベストセラー・ミステリーを、豪華キャストで映画化
した感動ミステリー。
感想: (泣ける度:☆☆☆☆☆)
邦画ということでそれほど期待しないで見に行ったら思いのほかおもしろくて感動だったいい例がこの映画。期待以上で見た後で満足感でいっぱいになってうれしい(笑)そんな感じです。
内容ですが、前半は途中で警察上層部の隠蔽工作とかも描かれて色々詰め込みすぎな感があり、ちょっと話についていきにくかったです。まあそこは原作に忠実にしすぎたからでしょうか。気になったら原作を読んでみるとちゃんと確認できます。
後半の終わりの方には、ついに梶警部の空白の2日間の真相が明らかになっていきます。僕が映画館で見たときは、後半の残り1/4くらいからずっと泣きっぱなしだったような(笑)。最近涙もろいのでしょうか。でもこんなに映画で泣いたのは久しぶりでした。ただここでもちょっとわかりにくいところもあるので、しっくりこなかった方には原作もおすすめです。若干内容が違います。
全編通して、良心の極みの末に法を犯した梶警部の苦悩が伝わってきて映画に入り込めます。扱われている内容は、社会問題になっているような解決の難しい重大なもので、考えさせられることも多い点も優れている。ラストは、重い映画なのでこう表現するのが適切かはわかりませんが、ハッピーエンドと言えそう(?)。
アルツハイマー、骨髄移植と重くて非常に難しいテーマを扱っている感涙の犯罪ミステリー傑作。
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