Hardware [Videomixer V-4] : development [Roland ED]
written by motordrive

A related site
:developmente offical site http://www.roland.co.jp/
:product introduction page http://www.roland.co.jp/products/dtm/V-4.html



VJミキサーの名機と呼ばれるV−5を世に送り出したローランドさんから、まさに決定版ともいうべきミキサーが出ました。それがこのV−4です!V−5のときはまだそのコンセプトにアナログ映像編集機としての役割が感じられましたが、V−4は音声信号を扱わない点を見てもらえばわかる通り、まさにパフォーマンスのためだけに作られたものであるところがわかります。



■ポイント

各機能の前に触れておくべきポイントとして、電源周りの話を。V−4は非常に立ち上がりが速いです。V−5のとき、スイッチいれてから起動完了までかなりかかってたので、たまに「落ちる」と再起動までかなり焦ってましたがそんな心配はもういらないくらいです。ちゃめっけというか立ち上がるとき前面パネルのLEDがユーモラスに光って楽しいです。こういう遊び好きです(笑)。まだアダプターと本体の差込口近くに、ふいの事故で抜けちゃわないようにラインをまきつけるストッパーがついてます。こういったポイントは非常に嬉しいですね。恐らく相当現場の意見を収集して作ったのだろうとしっかり感じさせられます。 あと大きさがV−5の半分程度になったのはサイコーです!やっぱり荷物が多く遠征も少なくないVJにとって小型軽量化は悲願でした。

■フェーダー

VJミキサーとして最も大きなポイントとなるのは、ミキシングパフォーマンスとその操作性でしょう。言い切ってしまいますが、この点V−4は最高です。頑丈なバー、申し分ない反応の速さはまさにV−5譲り(^ ^)。そしてこのフェーダバーは縦方向だけでなく、自由に横向きにすることが可能です。内側の配線はユーザーが外せないようになってますが、壊れたときにはすぐ交換して修理に時間がかからないように感じに見えます。個人的には「パーフェクト」に感じます。

(追記)
フェーダーに関しては別売りのオプションとして、クロスフェーダータイプが登場しました。これはデフォルトのTバーと手軽に交換することが可能です。このクロスフェーダーに関しては特集ページを用意しました。こちらでクロスフェーダーパーツ.レビューをご参照下さい。

■入出力

V−4は入力として4ついけます。端子自体はRCA4つにS端子2つありますが、このS端子はRCA2つ分に対しての優先されるもので、同時に扱えるのは合わせて4信号ですね。出力としてはRCA3つ(うち一つはプレビュー用)になってます。 入力映像の扱いですが、パネル上部に、Aロール・Bロールとも各入力を選ぶ4つのセレクタがついており任意の入力を選ぶことが可能です。これは非常に便利。後述するエフェクターはAロール・Bロールに対して固有の種類を持っていますが、プレイ中でも、どの入力をA・Bに当てるか?という設定をセレクタを使うことによって自由に変えられるので、全ての入力に対して全てのエフェクトを当てることができます。これはV−5では不可能なことでした。 出力ですが、デフォルトで2つRCA出力がついてるのは、プロジェクター複数設置が多くなってきた現在、とても助かりますね。S-OUT出力からも同時出力しているようです。


プレビュー出力は、ボタン5つで内容を切り替えるタイプです。1〜4の入力画像もしくは最終アウトプットをバックにしたユーザ設定用画面です。ボタン一つでポンと見たいところをプレビューモニタに映すことができるわけです。 V−5のときにあった本体パネルの液晶は無くなっているので、ユーザ設定はプレビューモニタがないとできないわけですが、まあ大体のエフェクト設定などはプリセットメモリが8種類あるので事前セットしておけば問題なしでしょう。ただ欲をゆうならMX−1のようにフレームは落ちてもいいんで4入力映像全てが一瞥可能なモードもあれば、VJでなくイベント業務のときに更に便利になるかな、とかは思いました。 ちなみにプレビューをつぶしていいケースなら、このアウト自体もプロジェクタにまわして、RCA3分配+S出力という形にすることも可能ですね。

■ワイプ・
エフェクト その他特殊効果

-A・Bロール側のパネルに4つづつエフェクトボタン、それに調整用のつまみがついてます。ボタンは計8コとなるわけですが、実際はたくさんのエフェクトがあり、ユーザー設定がメンを使って好みのエフェクトを各ボタンに割り付けることになるわけですね。設定はパネル上部中央のプリセットダイヤルに8つまで割り付けることができるんで、空きプリセットを作っといて、ゲストのVJさんに好きにいぢってもらうようにするといいでしょう(^ ^)
全てを紹介はできませんが、分割にカレイドスコープ、クロマにルミナンス、白(黒)抜きにカラーコレクションと基本的なものはほぼ網羅されているといえるでしょう。
ぼくの気のせいではないと思いますが、特に「抜き」はかなりきれいです。中継時のテロップ出しなどすごく重宝しています。 ワイプですが、通常のクロスフェード以外にも多種多彩についてます。独立した特殊効果のワイプもあるし種類的にはおなかいっぱいでしょう(笑)。BPM(タップもしくは外部)にあわせて自動スイッチングする機能ももちろんついてます。
ちなみに最近、自分のお気に入りはカラコレです。カラーパターンは限られていますが、アナロギーな感じになって、グロー部分が際立つ点がすごく好みです。サイケデリックな雰囲気もでるし、映像の輝度をあげた感じになってかなりドラッギーです。ノウハウ的な蛇足ですが、つまみで調整できるのはカラーパターンだけなのですが、ABロール同じ映像を割り当ててフェーダーで調整していけばカラコレのかかり具合の強弱もコントロールできます。

※一番左が元画像です。次にこれにカラコレをかけます。2番目のスナップはプレビュー画面ですが、カラコレがかかったことを示す文字反転が確認できますね。3番目は結果です。

※一番左が元画像です。次は分割ですね。調整つまみをひねれば8、16、32、64、、、とどんどん分割が進みます。3番目はカレイドスコープ効果ですね。

■外部コントロール

外部コントロールとしては、MIDI、またローランドさんの独自規格である「V-LINK」を利用することができます。これ使うとDV−7PRなどとうまい連携できるみたいなんですが、さすがに利用したことがありません。(利用されてる方いましたら、ぜひ追記情報ください)

■追記
ちなみにABロールの入力映像を割り当てる切り替えスイッチは非同期のようです。画面にでている入力チャンネルをダイレクトに切り替えるとかるいノイズは確認できました。映像の切り替えはフェーダーで行うことが基本となります。ただし、ABロール各コントロールエリアには、フェードなしで押してる間、そちらのロール出力の映像がアウトプットされる四角いボタンがついてます。フェーダーを使わずぱちぱち絵を切り替えたいときは、これを使ってくれ、ということでしょう。

また今回ワイプに関しては、深くふれてませんが多彩なパターンやPinP、そしてエフェクティブな特殊ワイプも多数存在します。必要な形(鋭角)はだいたい網羅されているので、ワイプに関して不満足な部分はないはずです。

■総評

とりあえず2003年12月現在、VJを始めた人がハードウエア・ミキサー欲しいけど何がいいですか?と聞いてきたら、迷わずV−4と答えられるほどのスタンダードだといえるでしょう。値段は10万を切っており、セレクタ・分配機の役目も内包してエフェクト充分、レスポンスも激速。あらゆるシステムを使ってるVJにオススメできる一品です(^ ^) /