≪RPGのシステム案、その2≫
*遭遇判定
今回は簡単な内容です。同じことを考えたことがある人も多いかもしれません。なおゲーマーでない人のために用語解説をしておきますと、敵との遭遇のことを格好良くエンカウントと言います。ゲーマーでない人がこのページを見るかどうかは怪しいものがありますけれど。
敵との遭遇状況には、大きく分けて2種類あります。1つは敵シンボルに接触した時など特定の状況で(プレイヤーがタイミングを選べる方法で)発生する、イベント的な戦闘です。もっとも最近では、ザコ戦もシンボルエンカウントで行うRPGも多くなったような気がしますけど。もう1つは移動しているとランダムで突然発生する、ランダムエンカウントです。今回はこの、ランダムエンカウントについて書こうと思います。
・・・なぜかって? それは私が、ランダムエンカウントの方が好きだからですよ。
ランダムエンカウントで重要なのは、その発生確率です。確率が高すぎると戦闘ばかりでうんざりしてきますし、低すぎると「敵と戦わせろー」という人はうんざりしてきます。そこでほど良く戦闘になるように調整する必要があるのですが、現在のRPGの場合、割といい感じの作品が多いような気がします。昔の作品はひどかったですけどね。
・・・って、あれ? ということは、今回のルール紹介は不要だったりする? いやいやいや、私のアイデアはもっと良いものだと信じて、このまま書くことにしましょう。
昔のRPGでは、1マス進んだだけで敵に出会うこともありました。運が悪いと10マス進む間に数回もの戦闘が行われることがあり、かなりのストレスになることがありました。
このようなことがなぜ現在のRPGで見られないのかというと、おそらくは「戦闘終了後(および町等から出た直後)、しばらくの間はエンカウントしない」という処理が行われているからではないかと思います。似たようなものとして、「戦闘終了後、次のエンカウントは15マス以上20マス以下進んだ時に行われる」というような処理になっていると思える作品もあります。いずれにせよ、戦闘終了後しばらくは安全タイムなわけです。そのうえエンカウント率を調整できる手段が存在する作品もありますね。
でもこれらは、ちょっと楽すぎるような気がします。またいつも同じようなタイミングで戦闘が発生するのは、ちょっとつまらないようにも思えます。
そこで私は考えました。ランダム要素が高く、1マス歩いただけでもエンカウントする可能性がありながら、大抵の場合はちょうど良いタイミングでエンカウントするという、緊張感と快適さを両立させる方法を。
方法は簡単です。1マス目で戦闘が発生する可能性は非常に低く、2マス目、3マス目〜となるごとに遭遇確率が上昇していくようにすればいいのです。例えば1マス目は1%の確率でエンカウントし、それ以降は0.5%ずつ確率が上昇していく、というのはどうでしょうか。もっとも数値はテキトーなので、作品によって調整する必要はありますけれど。
以上でお終いです。今回は本当に簡単だったなー。
*リアルタイム戦闘
以前に別のページで、「リアルタイム制の戦闘はターン制の戦闘よりも劣るシステムである」というようなことを書きました。これは私が色々なことを考えた結果、リアルタイム制の戦闘で素晴らしいシステムを作るのは無理そうに感じたからなのですが、せっかくなのでその時に考えていた中での最高のシステムを書いてみようと思います。
なおこれは、私がRPGを作るのであれば採用しないアイデアであることを、最初にお断りしておきます。
では説明開始。
戦闘画面のキャラクター名の横に、行動可能までの時間を表す線(ゲージ)を表示します。時間がたつほど短くなっていき、0になると行動が可能になります。ただし通常のリアルタイム戦闘と異なるのは、0になったら命令を出せるのではなく、0になったら行動するということです。ではいつ命令を出すのかというと・・・それは少しだけ後で説明します。
このシステムでは、基本行動というものを設定します。これには「攻撃」と「防御」の二種類があり、設定が「攻撃」になっているキャラクターは、行動が可能になれば自動的に通常攻撃を行います。そして攻撃を行った後は、線が少しだけ伸びて次の攻撃をする準備をします。設定が「防御」になっているキャラクターは、常に命令可能な状態(線が0の状態)で防御行動をとり続けます。
ようするに放っておけば、自動で戦闘が行われるということです。
さて、先ほど書いた命令の入力タイミングですが、これはいつでも可能です。キャラクターたちが勝手に戦闘をしているのを見ながら、いつ誰に特殊な行動(魔法だとか道具だとか)をさせるのかを考え、キャラクターを選んで行動を入力します(操作中は時間が止まる)。するとその行動が実行される(発動する)までの時間が線の長さで表示され、0になれば行動が実行されます。当たり前のことですが、高度な魔法を使う時には通常攻撃の時よりも線がずっと長くなります。特殊行動終了後は基本行動に戻ります。
ちなみに誰かが行動している間は時間が止まります。もし複数キャラクターの同時行動を可能にできれば時間を止める必要がなくなりますので、それに越したことはないですが。
このようなシステムにした場合、従来のリアルタイム戦闘での欠点である「何をするかを決めるのには時間がかかるが、行動が決まればすぐに実行される」「武器で1回殴るのと高度な魔法を使うのにかかる時間が同じ」などというおかしさはなくなります。
また戦闘の楽しみ方が、「順番が回ってきた人に何をさせるか」ではなく、「いつ誰に何をさせるか」という、より考える楽しみのあるものに変わります。それでいてプレイヤーが操作しなければならない機会は減り、より快適でテンポの良いゲームとなります。
逆に欠点はというと、通常攻撃の目標を細かく選択できないことくらいだと思います。ただしこれに関しても、通常攻撃をするキャラクター全員に同じ敵を狙わせるようにするのであれば(普通はこうしますよね?)、キャラクターの名前の上に通常は置かれているカーソルを敵に合わせて選択すればいいだけなので、大きな問題にはなりません。
このシステム、良く出来ているとは思うんですよ。でもリアルタイム制戦闘の代表格であるファイナルファンタジーシリーズで使われている、「どう考えてもデタラメなせいで、そのことに気付かない人だけが緊張感を持って楽しめる(気付いた人はふざけるなと思うはずだが小数派)」というシステムよりも楽しめるかというと、そんなには変わらないような気がするのです。ほんのちょっととはいえ複雑ですしね。私のアイデアが既存のシステムよりも優れているのは、違いが分かる人と分からない人が同じように楽しめる、ということくらいでしょうか。
もちろんこれは、「私が考えた中では最高のリアルタイム制戦闘システム」でしかありませんから、実際には非の打ちどころのないシステムを作ることが可能であるかもしれません。でもリアルタイム制戦闘の特性を考えると、質の上限があまり高くないように思えてなりませんし、上限に達していると思えるシステムを作ることも、現在のRPG戦闘システムのレベルを考えると、何十年たっても無理なような気がしてならないのです。
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