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≪RPGのシステム案、その1≫

*戦闘時のコマンド

 オーソドックスなコマンド選択式RPGの場合、こんな戦闘コマンドメニューはどうでしょうか。

攻撃
魔法
防御
武器交換

 ・・・え、何か足りない? ヘンなものがある?
 はい、「道具」がありません。これは大問題です。ついでに「特技」もありません。これはまあ、どうでもいいと言えばいいんですが。「逃げる」もありませんが、これは決定とは別のボタン(XだとかRだとか)を押すことで選択できるようにします。で、「武器交換」なんてものがありますが、これは後で説明します。
 この状態で、十字ボタンの左を押すとこうなります。

(道具1)
(道具2)
(道具3)
(道具4)

 道具コマンドはっけーん!
 ( )でくくっているのは、実際には装備している道具の名前が入るからです。戦闘中に使用する道具は装備しておかなければならず、装備できるのは1人4つまで。そして戦闘中に使用した道具は、予備を持っていれば戦闘終了後に自動で補充されます。
 このようにすれば、コマンド入力の手間を省くことができ、より快適なプレイが可能になります。

 さらにこの状態で十字ボタンの左を押す、あるいは初期コマンド状態で右を押すとこうなります。

(特技1)
(特技2)
(特技A)
(特技B)

 これも道具と同じで、実際には特技の名前が入ります。1〜2はキャラクター(職業、クラス)固有の特技で、A〜Bは装備中の武器に付いている特技です。
 特技が最大4つでは少なくない? と思われる人も多いでしょうが、私の理想とする攻撃手段は「通常攻撃」をメインとするものであり、単に強いだけの特技をバンバン使っていくという派手さ重視のシステムは好きではないため、4つあれば十分なのです。それにこれは戦闘時にコマンドで使用する特技の数であり、常時発動するものは別ですからね。
 これは「通常攻撃」とは単に殴っているのではなく、そのキャラクターにとって最もバランスの良い、多くの場合で最良となる攻撃方法を実行しているはず、という考えによるものです。

 ちなみに「特技1〜2」に入るものはこんな感じです。

例1:「強撃」・・・破壊力重視の攻撃で、命中率が少し下がり回避率と行動速度が大きく下がるものの、ダメージは大きく上がる。
例2:「幻惑」・・・ようはフェイント。攻撃力は乏しいが、1ターンの間目標の全技能値および行動速度を下げる。

 つまり「幻惑」や同類の魔法で弱体化させた敵に「強撃」を使えば、「強撃」のメリットを残したままでデメリットを大きく減らすという、地味ですが効果的なコンボになります。RPGにおけるコンボとは、「この技とこの技を同時に使えば、それらとは別の強力な技が発動する」というようなプレイヤーに分かりにくいシステムにするよりも、このような考えれば思いつくようなものの方がいいと思うのです。本当に地味ですけどね。おまけにバランス調整も難しそうだし。

 それと武器に付いている「特技A」ですが、これはすべての武器に1つずつ、その種類に応じたものが付きます。

例1:大剣だと「なぎ払い」・・・範囲攻撃。命中率が低めで攻撃回数は1回固定。
例2:弩だと「狙撃」・・・行動速度を犠牲にした、命中率とクリティカル率が高い攻撃。

 「特技B」は魔法の武器用のものです。考えるのが面倒なので、例は書きません(汗)。

 ちなみに武器は主武器と予備武器の2つを装備でき、通常の攻撃や特技は主武器を使用します。そして「武器交換」コマンドを選択したターンは予備武器を装備して通常攻撃を行い、それ以降のターンは主武器と予備武器が入れ替わります。つまり「攻撃」が予備武器によるものになり、「特技A〜B」には予備武器の特技が表示されるようになるというわけです。こうすれば戦闘中の武器持ち替えも簡単に行えます。何を装備していたのか分からなくなることが多そうなので、メニューの上あたりに武器名を2つとも表示した方がいいですね。なお武器の持ち替えは、戦闘終了後に元に戻します。

 最後におまけ。「防御」は自分を守るのではなく、「防御」選択後に誰を守るのかを選択するようにします。そして自分を選択すれば防御能力大幅アップ、他人を選択すれば防御能力そこそこアップでかばう効果もあり、ついでにそのキャラクターが眠っていれば叩き起こす効果もある、という風にするのはどうでしょうか。基本コマンドに多くの意味を持たせることで、ルールやコマンドを簡素化しながら戦術的な楽しさを高める、それが私の考える理想の戦闘システムです。


*逃亡システム

 逃げたくなる状況というのは、強い敵と出会った時だけでなく、弱すぎて戦うのが面倒な時にもあります。でも弱すぎる敵から逃げるって、なんか納得できない気がしませんか? なので私ならばこうします。

 レベルがこちらよりもある程度低い敵の場合に限り、「逃げる」コマンドが「追い払う」に変化する。「追い払う」は100%成功するうえに、経験値と戦利品が少しだけ手に入る。
 「追い払う」を使用した場合、その地域のモンスターが警戒態勢になることで、その地域での敵出現率が一時的に大きく下がる。1回でも戦闘を行えば、(プレイヤーが積極的にモンスターを狩ろうとしていると解釈して)出現率が元に戻る。この出現率低下に関しては、設定で有効にするか無効にするかを切り替えられるようにする。

 それから逃亡に失敗した時の処理ですが、逃亡失敗ってストレスになりますよね。なので私ならばこうします。

 逃亡成功率100%アイテムを導入する。

 これがどういうものかと言いますと、例えば保存食というアイテムがあるとします。通常は冒険中に休憩して全員のHPやMPを回復するために使うものです。しかし腹ペコなモンスターから逃亡するのに失敗した場合には、「保存食(残りa個)を使用しますか?」という選択肢が出て、決定ボタンを押すと保存食を1回分捨てておとりにすることで、確実に逃亡できるようにするというものです。キャンセルボタンを押せば通常の逃亡失敗として戦闘を継続します。

 今の例では「腹ペコなモンスターから逃亡」と書きましたが、実際にはモンスターの腹ペコ判定なんて面倒くさくてやってられないので、モンスターの種族をいくつかのグループに分け、グループごとに有効な逃亡用アイテムを1つだけ設定し、それが自動で選択されるようにします。動物系ならば保存食、人間や妖魔ならば敵のレベルと数に応じたお金という風にです。やっかいなのがゾンビとかゴーレムのように欲の無いモンスターですが、この手のモンスターには油でもばらまいてすっ転ばせる(移動速度を遅くする)という強引な設定でもいいんじゃないかと思います。どうせ他のアイテムの場合でも、100%逃げられるというのは強引でゲーム的ですし。ちなみに油は使用することでランタン(照明器具、アイテム欄には表示されない基本装備)に火をともしてダンジョン内での視野を広げる効果があるだけでなく、敵にぶつければ炎耐性を下げる(炎無効モンスターには無効)という効果も持たせます。
 ようするに、普通に使用できるアイテムを逃亡用アイテムとしても利用することで、プレイヤーはアイテムの残り個数と使い道を考えながら冒険するようになるというわけです。
 なお100%の逃亡成功率を甘すぎると感じるならば、逃亡判定のやり直しというのでもいいと思います。この場合、逃亡用アイテムを消費し続けることで、1回の逃亡で何度もやり直しを可能にするかどうかは好みの問題です。

 最後に逆のパターン。敵に逃げられた時の処理です。
 魔物を根絶やしにするのが目的なRPGであれば、逃げられた敵の経験値がもらえなくて当然です。でも一般的なRPGでの冒険は、敵のせん滅が目的ではありません。
 つまり洞窟の奥に眠る財宝入手が目的という場合などには、敵に逃げられるのは本来はその敵に勝利したことになると思うのです。逃げられたのではなく、追い払ったと解釈すべきだと思うのです。そんなわけで私がRPGをつくるならば、逃げた敵の経験値や戦利品も通常通りもらえるようにします。敵を怯えさせて逃亡率を高める魔法も導入し、倒すか追い払うかを考えながら戦術を練る楽しさも盛り込んでみたいので。
 補足ですが、逃げやすい敵というのは脅威になりにくいわけですから、その分倒した時のメリットは少なめにしておくべきだと思います。逃げられても通常通りに経験値などが手に入るという甘い仕様は、こうした部分でバランスをとればいいわけです。

 ・・・メタルスライム? ああいうギャンブル的な理由でプレイヤーを夢中にさせる敵って、いなくていいと思うんですよ。あれはあれで楽しいことは確かなので、バランスが壊れていなかった初期のドラクエに限れば、否定はしませんけどね。

【注:メタルスライム】
 ドラゴンクエストシリーズに出てくるボーナスモンスター。やたらと素早く硬く魔法などもほぼ効かず、すぐに逃げ出してしまうが、倒せれば莫大な経験値が手に入る。初期の作品以外では簡単に倒せる方法が存在し、経験値稼ぎにはメタル系モンスター狙いが飛びぬけて効率が良いという、つまらない現象を引き起こしている。


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