トップページに戻る エセコラムに戻る 次の回へ

≪喫煙のメリット≫

 公共施設や職場などで禁煙化、分煙化が進み、愛煙家は肩身の狭い思いをしているのではないだろうか。一方でタバコ嫌いの人は、現在主流となっている分煙では納得できず、完全な禁煙を望んでいるのではないだろうか。
 両立させることが難しいタバコの問題だが、生活に大きな影響を与えることだけに、何らかの答えを出す必要があるだろう。しかし正しい判断を行うためには、正しい知識が必要になる。そのため、喫煙という習慣がどんなことなのかを書いてみたい。今回は、喫煙のメリットと言われていることを対象にしてみた。

【ストレス解消】
 タバコに含まれるニコチンを摂取することは、ストレスの解消に効果がある。また喫煙という行動そのものが退屈しのぎになる。

*しかし・・・
 ニコチンは容易に依存症(慢性薬物中毒の一種)を引き起こし、依存症になるとタバコを吸えないことが強いストレスになる。つまりタバコのせいでたまるストレスを解消するためにタバコを吸うようになり、実際には逆効果である。そのためストレスは、タバコ以外の手段で発散するべきであり、それができない状態ならば、その状態そのものに問題があることになる。ストレスの害は非常に大きいが、解消する手段を間違えてはいけない。
 タバコが嫌いな人にとっては、他人の喫煙はストレスにつながる。
 実際には明らかなデメリット。

【経済効果】
 タバコは栽培から販売まで、多くの人に職を与えているだけでなく、膨大な税収を国にもたらしている。

*しかし・・・
 喫煙による健康被害は、税収をはるかに上回る医療費の増加をもたらしており、実際には国民の負担につながっている。そのため実質的には麻薬と同じ物であり、麻薬に関わることは、仕事ではなく犯罪である(注)
 喫煙者と非喫煙者はガンなどの病気になる確率が大きく異なり、保険料に差がないことが多い現在は、喫煙者は非喫煙者に余分な保険料を負担させていることになる。
 喫煙者は、一人あたり年間40万円の損失を勤め先に与えているという試算もある。
 実際には明らかなデメリット。

注:麻薬のすべてが非合法というわけではなく、医療用の合法的な物も存在する。

【コミュニケーション】
 会議や雑談には付き物。話題になることもあり、また交流のきっかけになることもある。

*しかし・・・
 タバコがなくても話はできる。
 分煙の場合には喫煙者のみが喫煙場所に集まるため、喫煙者と非喫煙者との会話は少なくなる。
 会議のような重要な場面では、喫煙に費やす時間は無駄でしかない。
 実際にメリットはあるが、それ以上のデメリットが存在する。

【容姿改善】
 タバコを吸うと2〜4kgやせる。

*しかし・・・
 やせていることが美しいわけではない。しかも体重に最も影響するのは食事や運動といった生活習慣であり、これを正すだけで2〜4kgならば容易にやせられる。また喫煙は老化を促進し、皮膚への影響も大きい。
 喫煙にはやせる効果と、(間接的に)太りやすい体質にする効果があり、そのバランスがとれ体重の変化が止まるのが2〜4kgやせた頃。タバコを止めても体質はすぐには戻らないため、将来タバコを止めたくなったときには、それ以上に太ってしまう可能性がある。
 メリットは小さくデメリットは大きいが、価値観は人それぞれ。

【ファッション】
 アクセサリのひとつになる。

*しかし・・・
 タバコが嫌いな人には悪いイメージを与える。
 喫煙者の自己満足を含めれば、メリットのほうが大きいか。

【まとめ】
 有名なものを挙げてみたが、メリットと言われている事の多くはマヤカシに過ぎないと言えるだろう。それどころか、その多くが麻薬の特性と同じであることは、重大な問題ではないだろうか。
 これらの一部は私個人の意見であるが、ほとんどは事実とされていることをまとめただけである。しかし愛煙家には、正論とは受け止めてもらえないかもしれない。
 でも考えてみてほしい。誰もがかつては非喫煙者であり、ある日を境に喫煙者となったはずだ。だから昔を思い出してみてほしい。今より辛い日々を送っていただろうか。喫煙をすることで、失ってしまった物はないだろうか。
 また喫煙を始めたきっかけを思い出してほしい。それは誰もが納得してくれる理由だろうか。胸を張って人に語れることだろうか。

 最後にあなたに問いたい。「喫煙権と嫌煙権、どちらが大切だと思いますか?」


トップページに戻る エセコラムに戻る 次の回へ