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   (こいつぁ〜マズイな。)

   ゾロは、止めないとマズイと思っていたが、離れるどころか、自分から男の身体を

   ベッドへと押さえ込み、その温かい口内へ深く舌を差し入れて、何度も愛撫を

   繰り返していた。


   相手の金髪男は、フウフウなんて苦しげに息を乱している。

   間近で良く見ると、相手は、かなり整った綺麗な顔をしている。


   その眉をひそめた切なげに歪んだ表情や、快楽で真っ赤に上気した頬が、

   妙に色っぽく見えたりする。


   (コ、コイツは、かなり力を持った魔物かもしれねぇな。

    魔法には、チャーム(魅了)なんて技もあるからな。俺は、気がつかね〜うちに、

    コイツにそういう魔法をかけられたのかもしれねぇ。)


   そうで無ければ、初対面の男相手に欲情する自分の心理が説明できなかった。

   (くっそぉ〜!! 魔物なんかに、俺が負けるかよッ!! 

    俺は、世界一の剣豪になる男だっ! )


   ゾロは、普段でも恐ろしいと良く言われる顔を、ますます厳しい凶暴面に変えて、

   王子とまるで格闘でもするように、ベッドの上で組み合い、口づけを交わしていた。


   ゾロが抱き締めている相手の身体は、男とは、思えないほど華奢だった。

   王子は、サラサラしたシルクのような寝巻きを着ているが、ゾロは、その中へ強引に

   腕を差し込んで、スベスベしている腹や背中をさすっていた。


   時々、尖った乳首らしいモノへ、手の平が触れる。

   ゾロは、その柔らかな感触に驚きながらも、芯の硬い突起物へもっと触れようと、

   奥へと手を潜りこませていた。


   そのうちに、腕の中で暴れ始めた王子が、ゾロの腹部へ足蹴りを入れてきたので、

   その強い衝撃で、やっとゾロはベッドから後退した。


   その蹴りは、実に見事で、ヒットしたゾロのわき腹は、骨の隋までビリビリと痺れてしまった。

   (コイツ?! 優男の癖に、かなりの格闘センスを持ってやがる。

    なるほど。確かに、この森の化け物どもの親玉に違いない。

    コイツが、どうやら、ボスキャラらしいな。)


   ゾロは、いつでも、男に攻撃をしかけられるように、1歩分の間合いを取って対峙した。

   きっと、この男を倒すと、特殊なアイテムが入手できたり、レベル上げのヒントが

   あるのに違い無かった。





                          
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