1ページ目/全4ページ <第3話>プリンス様はレベル1 ゾロは正直に言って、かなり困惑していた。 城に入って、1万段もある階段を駆け上がり、最上階のこの部屋に辿り着いたのは 良いが、室内の壁に書かれている文字には面食らった。 確かにベッドには、《 金髪の王子様 》らしい男が眠っている。 自分と、同じ年くらいだろう。 立派な男性であり、顎の先には、ほわほわと産毛のような髭まである。 (こんな野郎と接吻するのかよ? ) 今まで、ゾロが世界中を探索して、様々な困難にぶち当たってきたが、かつて、 これほど悩ませる難問は無かったかもしれない。 ゾロが部屋に入った途端、石で出来た扉は開かなくなってしまった。 しばらく扉を押したり、引いたり、と頑張ってみたが、重い扉はびくともしない。 さらに、この部屋には明り取りの窓すら、一つも無いのだ。他に脱出経路があるとは、 到底、思えなかった。 部屋の中央に、ただ天蓋のついたベッドがあるだけで、その周囲がランプに照らされて ぼんやりと光輝いていた。 (やっぱり書いてある通りに、コイツに接吻しなきゃならね〜のかよ? ) 度胸の据わっているゾロも、さすがにこれには、躊躇していた。しかし他に方法も無く、 しばらく悩んだ末、指示通りに事を起こしてみた。 金髪王子の顎を掴んで仰向けにすると、ムニャムニャと寝言を言っている唇に、 恐る恐る接吻をする。 ゾロの目には、王子の奇妙な具合に巻いた眉毛が映っていた。 (なんだ〜この眉毛は?? ) ゾロが不可解に思って気を抜いていると、突然、その男が抱きついてきたのだ。 驚いてそのまま固まっていると、今度はゾロの口の中へ王子の舌が進入してきた。 (うわ〜なんだよ?! ) (やめろよ! てめぇ! 舌を入れてくるんじゃね〜よ! 薄気味の悪い野郎だぜっ! ) ゾロが引き剥がそうとした途端、舌先にチロリと男の柔らかい舌が当たってきた。 その途端、ゾロの背筋から腰骨の辺りへ、ゾクゾクとした感覚が走っていった。 さらに男の舌が、ゾロの舌へと激しく絡まり始めると、その感覚はダイレクトに 腰のさらに下へと到達したのだった。見る間に、ゾロは股間が熱くなるのが自覚できた。 (何だ?? こりゃ? ) 自分の腕を差し入れて、股間に触れてみると、明らかにゾロの局部は 立ち上がっていた。それも、かなりの勢いでズボンの布地を押し上げ、脈を打つように 拍動しているのもわかった。 金髪の変な男と接吻しながら、自分はものすごく興奮しているらしい。 そう言えば、しばらく荒野を放浪するばかりで、女を抱いていない事に気がついた ゾロだった。懐には、商売女を買うような余計な金なんぞ、全く持ち合わせて いなかったからだった。 ![]() 小説目次ページへ戻る 2ページ目へ進む |