4ページ目/全5ページ 浴槽の中で、ついにゾロを追い詰めたサンジだった。 「お前、何隠してんだよ?」 「別に隠しちゃいね〜よ」 サンジが訊ねると、ゾロは大粒の汗を流しながら、そう答えた。 かなり長く湯に入っていたのか、顔も身体も真っ赤になっていた。 言葉とは裏腹にちっとも普通には見えなかった。 相変わらず、湯の中にタオルを入れたまま、自分の股間をしっかり隠している。 (こうやって湯に入って良いのかよ??) (店の人に怒られるんじゃね〜の?) それはやはりマズイだろう。 とにかくサンジはゾロのタオルを取ろうと、湯の中に右手をつっこんだ。 お湯と言うのは、外から見ていると距離感がかなり違うのだ。 サンジは思うようにタオルに手が届かない。 懸命に手を伸ばして、やっと届いた様子だったので、力いっぱいタオルをむしった。 ウギャ〜〜〜!! 銭湯の浴室全体が震えるほどに、ゾロの甲高い絶叫がこだました。獣じみた声だった。 サンジも一緒に叫び声を上げそうになっていた。 ゾロの股間のブツをモロ掴んでしまったのだ。 中に鉄でできた芯でも入っているように、ものすごく硬い。おまけに太くて長い。 さらに、全裸で仰向けにゾロが浮かんできた。 たまたま一緒に湯につかっていたサンジの顔のまん前に、ゾロの股間が漂着したのだった。 その赤黒い幹には血管が幾重にも浮き出ていて、先端は傘のように開いた形で、サンジには 尿道の穴までしっかり見えてしまった。 想像を絶するグロテスクさだった。 (うわ〜俺、コレを掴んじゃったよ!?) サンジは見る間に顔を赤らめると、ゾロにこう叫んでしまった。 「ゾロのアホ!! 死ね!!」 サンジはどうして良いのかわからず、既にパニックになっていた。 ザバッと一気に湯からあがると、逃げるように浴場を後にした。 ほんの少し涙なんかも出てしまった。ちょっとした恐怖体験に近かった。 サンジは、この事件からますます男が苦手になったように思う。 (一緒にいるなら、やっぱり可愛い女の子が良い!!) サンジの女好きの始まりが、小学校時代のこの事件のせいだとは、ゾロは気がつく事は無かった。 |
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