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   第八話 〜未来流の秘密・前編〜


   未来流と麗二は何度も求めあった。

   獣の体位では我を忘れて激しく腰を擦り合わせ、正常位ではお互いを優しく抱き締めながら、

   狂おしげに口づけを交わして足を絡めた。


   今は胡座を組んだ姿勢の麗二に対して、未来流が上になり自分から腰を沈めていた。

    不慣れな未来流はぎこちない動作で、それでも懸命に腰を上下に動かしていた。

    
時々、麗二が意地悪をするように強く腰を

    突きこんでくる。それも、未来流の感じる前立腺を的確に狙って突くのだ。


   「あ、あん。やだ、意地悪やめて! 」

   「意地悪じゃね〜だろ? 気持ち良いトコだろ? ココが凄い感じるんだろ? 」

   麗二はそう言って微笑みながら、敏感な粘膜を亀頭で何度も突き上げると、未来流は

   たまらずに喘ぎ声を上げた。


   「うん。すごいイイよ。ソコが感じちゃう。オニ〜チャンのオチンチンが気持ち良いよ! 

    いっぱいしてね!  もっと突いてね! ずっとボクを離さないで! 」


   《 野生化した未来流 》は、快感にとても素直に反応する。頬を赤く染めながら、自分の

   思うまま、感じるまま、腰を上下左右にくねらせていた。


   獣化を解く一番の方法は、溜まった鬱積を満足させてやる事だった。身体だけでなく、

   心から、相手の欲望を満足させてやるしか無い。


   麗二は、弟と性交をする事には、今も強い抵抗があった。

   しかし、他の方法を思いつかなかった。

   性的に満たすためだけなら、別に麗二が相手をする必要は無い。誰か適当な相手を

    見繕えば良い。


   しかし、麗二は、この弟の姿を他人に見せたいとは、とても思えなかったのだ。

   他の誰かと性行為をしている弟の姿を、麗二は考えるのも嫌だった。


   ただ、それ以上、思考を進めると、とても恐ろしい回答が待っているような気がする。

   麗二は、なるべくその事を考え無いように、ひたすら腰を動かし、弟を感じさせる事に

   専念した。


   未来流は、兄の硬くなった男根に突かれるのが、気持ち良くてたまらなかった。

   今、大好きな兄と抱き合っている。

   二人でセックスをしているのだ。

   「大好き! 大好き! 麗二が一番大好きだよ! 」

   夢中で身体を揺らして叫ぶ未来流を、麗二は温かい瞳で見つめていた。

   それから、未来流の腰を両手で掴むと、跳ね上げるように力強く突き上げた。


   「あ〜またイク! もう死ぬ! 麗二、死ぬぅ〜! 」

   「ああ、いっぱい感じろよ! 未来流! 」

   感極まって涙を流している未来流を、麗二は何度も抱き締めて攻めたててやった。

   最後に「麗二! 」と大きな悲鳴のように兄の名を呼ぶと、とうとう未来流は失神して

    しまった。
弛緩して動かなくなった未来流の表情は、母に抱かれ、満たされて眠る

    赤ん坊のようだった。


   麗二は、未来流の額にかかった髪を払い、手の平で汗を拭ってやると、そっと優しく

   口づけした。


 


                                  
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