1ページ目/全3ページ 第八話 〜未来流の秘密・前編〜 未来流と麗二は何度も求めあった。 獣の体位では我を忘れて激しく腰を擦り合わせ、正常位ではお互いを優しく抱き締めながら、 狂おしげに口づけを交わして足を絡めた。 今は胡座を組んだ姿勢の麗二に対して、未来流が上になり自分から腰を沈めていた。 不慣れな未来流はぎこちない動作で、それでも懸命に腰を上下に動かしていた。 時々、麗二が意地悪をするように強く腰を 突きこんでくる。それも、未来流の感じる前立腺を的確に狙って突くのだ。 「あ、あん。やだ、意地悪やめて! 」 「意地悪じゃね〜だろ? 気持ち良いトコだろ? ココが凄い感じるんだろ? 」 麗二はそう言って微笑みながら、敏感な粘膜を亀頭で何度も突き上げると、未来流は たまらずに喘ぎ声を上げた。 「うん。すごいイイよ。ソコが感じちゃう。オニ〜チャンのオチンチンが気持ち良いよ! いっぱいしてね! もっと突いてね! ずっとボクを離さないで! 」 《 野生化した未来流 》は、快感にとても素直に反応する。頬を赤く染めながら、自分の 思うまま、感じるまま、腰を上下左右にくねらせていた。 獣化を解く一番の方法は、溜まった鬱積を満足させてやる事だった。身体だけでなく、 心から、相手の欲望を満足させてやるしか無い。 麗二は、弟と性交をする事には、今も強い抵抗があった。 しかし、他の方法を思いつかなかった。 性的に満たすためだけなら、別に麗二が相手をする必要は無い。誰か適当な相手を 見繕えば良い。 しかし、麗二は、この弟の姿を他人に見せたいとは、とても思えなかったのだ。 他の誰かと性行為をしている弟の姿を、麗二は考えるのも嫌だった。 ただ、それ以上、思考を進めると、とても恐ろしい回答が待っているような気がする。 麗二は、なるべくその事を考え無いように、ひたすら腰を動かし、弟を感じさせる事に 専念した。 未来流は、兄の硬くなった男根に突かれるのが、気持ち良くてたまらなかった。 今、大好きな兄と抱き合っている。 二人でセックスをしているのだ。 「大好き! 大好き! 麗二が一番大好きだよ! 」 夢中で身体を揺らして叫ぶ未来流を、麗二は温かい瞳で見つめていた。 それから、未来流の腰を両手で掴むと、跳ね上げるように力強く突き上げた。 「あ〜またイク! もう死ぬ! 麗二、死ぬぅ〜! 」 「ああ、いっぱい感じろよ! 未来流! 」 感極まって涙を流している未来流を、麗二は何度も抱き締めて攻めたててやった。 最後に「麗二! 」と大きな悲鳴のように兄の名を呼ぶと、とうとう未来流は失神して しまった。弛緩して動かなくなった未来流の表情は、母に抱かれ、満たされて眠る 赤ん坊のようだった。 麗二は、未来流の額にかかった髪を払い、手の平で汗を拭ってやると、そっと優しく 口づけした。 ![]() ![]() 小説マップへ戻る 2ページ目へ進む |