1ページ目/全3ページ 第七話 〜人格交代〜 未来流の体内にあった神経毒が、あらかた中和されてしまうと。彼の牙は小さくなり、 鋭利な光を放っていた金色の瞳から、穏やかな色彩の薄茶色の瞳へと変わってしまった。 息を乱して倒れている未来流の耳元で、麗二はそっと囁いた。 「なあ、そろそろ、俺の弟を出してくれね〜か? 素直なお前もけっこう良いけどな。 嘘つきで意地っぱりな方も、俺は気に入っているんだよ。」 未来流は面喰らった表情をしてから、フフッと可笑しそうに笑った。 「モノ好きだねぇ。オニ〜チャンは。あんなのにつき合っていたら苦労するから。 早く捨ててしまえば、楽になるのに。」 未来流は、深い琥珀色になった瞳で麗二の顔をじっと眺めていた。その瞳は麗二が 良く知っている弟の優しい瞳と同じだった。 麗二も同じように、温かい眼差しで弟をみつめていた。 「ねぇ、ボクが出てきた理由はわかっているんだよね?」 「今が満月で発情期だからだろ? 」 「フフっ、やっぱりオニーチャンは何でも知っているんだね? だったら、どうしたら、 ボクが消えるかもわかっているんだよね? 」 麗二は答える変わりに、衣服を脱ぎ捨てると全裸になった。同じく生まれたままの姿で、 ベッドに寝そべっている未来流を強く抱き締め、その柔らかい口唇へ口づけをした。 本来、人狼が満月期に獣化し、野生へ戻るのは生殖行為のためだった。 ずっと太古の昔から続いている、子孫を残す行為に他ならない。長い年月、失われずに 残った大切な本能だった。 獣化は性的に満足すれば、自然に修まってしまう。 そのため、立派に成人し、伴侶を見つけてしまえば、何も特別な事をしなくとも自然に 落ち着いていくのだった。 逆に、生殖機能が未発達の十代では、安定が悪くなる。 未来流のように、ふだんから本能を押さえ込んでいる者は、鬱積がたまると激しく 獣化する事がある。 獣化は肉体だけを変化させるのではなく、《 凶暴なもう一人の未来流 》のように、 精神すら変化させてしまうのである。 だから、獣化を戻すには、その鬱積を取り去り、身体も心も満足させてやれば良い。 今朝、麗二が、自宅のトイレで未来流の自慰を手伝った事も、突き詰めてしまえば 同じ事だった。 麗二は、未来流と何度も舌を絡めあった。 未来流は頬を染め、うっとりとした表情をして、麗二に身を任せていた。 そのまま未来流の首筋、胸元と舌を這わせながら、麗二は下腹部へと腕を差し入れた。 未来流は自分で足を開くと、麗二が触れやすいように導く。 指を入れた箇所は、すでに粘膜が蕩けきって開き、いつでも麗二の硬い物を奥深くまで 受け入れる準備が出来ていた。 相手の強い望みを理解して、麗二は未来流と身体を合わせると、ゆっくりと腰を推し進めた。 大きく広げられた未来流の白い太股は、小刻みに震えていた。麗二は、その細い足首を 掴むと、さらに大きく割り裂くようにし、未来流の秘所へ視線を向けた。 自分の歪な男根が、幼い弟の小さな蕾のような後穴を刺し貫こうとしていた。 弟の身体を傷つけないように慎重に亀頭を潜りこませてゆく。 最初に締め付けるような強い圧迫感がして、その場所を通り過ぎると、亀頭部を柔らかな 粘膜が包み込んだ。 麗二が腰をさらに進めようと力を入れると、ひきつるような強い抵抗があり、未来流が 小さなうめき声を上げた。 生意気な口を利いているが、未来流は、やはり性交の経験が無いように麗二には思えた。 「未来流、力を抜け。怖い事なんかね〜からな。すぐに気持ち良くしてやるからな。」 麗二は、未来流の気をそらすために、右手でペニスへの愛撫を始めた。 腰の動きと合わせながら、未来流の小ぶりな砲身を上下に優しくさすってやった。 「あ、あん、……。」 可愛らしく喘いで腰を揺らすと、未来流の身体から緊張が幾分やわらいだ。 麗二はそれに合わせて腰を揺すりながら、自分の大きな棍棒を襞の奥まで突き進めた。 ![]() ![]() 小説マップへ戻る 2ページ目へ進む |