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   その時、大きなうめき声を聞いて、赤い髪の男が視線を前方へ向けた。

    口での奉仕を受けている相棒が放った歓喜の声だった。


   同じように恍惚とした表情で涎を垂らし、大男は声を上げながら、何度も悪寒が来たように

    身体を震わせている。


   さらに、獣のように一際高く咆哮すると、腰を上へ強くつきあげるようにして射精した。

   それは勢いで口から外れ、幼い少年の顔や胸元へシャワーのように白い汁を吹きかけた。

   大量の体液は、トイレの壁や床にも勢い良く飛び散り、生臭い匂いを漂わせた。

   粘着質な液体がまとわりついた砲身を、少年は躊躇する事無く、手ですばやく掴むと

    口に再度咥え込んだ。


   「ウガッ!」

   射精したばかりで敏感になっていた大男は、その刺激でまた声をもらした。

   それだけで、また精液が出てしまいそうだ。

   「ウオオ〜! オレのチンポコが! ハレツする! ハレツしちまう! 」

   そう熱にうなされたように呟きながら、夢中で腰を振っている大男の巨根も萎えていなかった。

   同じような太さと硬さをずっと保っている。

   先端からは、止まらない白濁液がコポコポと洩れ出ている。

   それを人狼の子供は、口内で美味しそうに受けながら、喉を低くグルグルと鳴らしていた。

   まるで、威嚇をしている動物の唸り声のようだった。



   その少年の姿を見ながら、赤い髪の男の背筋には冷たい汗が流れていた。

   トイレで捕まえた時、相手は、身体の発達も不十分な幼い人狼の子供だった。

    性行為など、した事も無い様子だった。


   しかし、今は、とてもそんな感じには思えない。

   男には、目の前の子供が、得体の知れない何か別の生物のように思えていた。

   見た事も無い、《 何か別の者 》だった。



   夢中になり破裂しそうな男根を、少年の尻の間で擦りながら、男の少しだけ残っている

    冷静な思考が、危険な状況がこの身に起きている事を警告していた。


   それは、野生動物の直感のようなモノだった。

   「お前? お前…………。一体?」

   男が小声で呟くのを聞いたのか。少年が体液で汚れた顔を上げ、そっと後ろへ振り返った。

   赤い髪の男はぎょっとしてしまった。

   その人狼の目は金色に妖しく光輝き、口には鋭く尖った巨大な犬歯が見えた。

   その唇から、赤く濡れた舌がチロリと覗いている。

   まるで男を挑発するように、ゆっくりとその舌が唇をなぞって蠢いた。

   「ねぇ、早くちょうだい。その大きいのを入れてよ。

     奥をいっぱい突いてね。嫌らしいお汁を出してね。

     
フフフ、二人一緒でも大丈夫だよ。一緒に犯してよ。

     ボクが欲しいんでしょ? 二人とも。もう我慢できないんでしょ? 」


   少年は、誘うような淫蕩な目つきで、ニヤリと笑う。

   その顔つきは子供というよりも、男に媚を売る妖婦と言った様子だった。

    先ほどまで恐怖で脅えて震えあがり、身体に触られるのを嫌がって泣き叫んでいた子供と

     同一人物とは思えなかった。


    そのまま少年はダイナミックに腰を揺すると、男の膨れた亀頭を自分から尻穴へ

     迎え入れようとした。


    「ウググ〜 」

    巨大な蛇のような砲身が、尻の粘膜へ吸い込まれるように入っていく。

    しっとりと潤い熱くなっている襞が、生き物のように扇動しながら絡みついてくる。

     ペニスを強く締め上げ、奥へと迎え入れる、その様子は、獲物を捕獲したイソギンチャクの

     動
きにとても良く似ていた。

    「く、食われる……。」

    赤い髪の男は、この人狼の子供に食われると瞬間的に悟った。

    それは恐怖よりも陶酔に近かった。

    この子の体内で溶かされて、一緒になって交じり合いたい……そんな強い欲求だった。

    混乱と強い欲望で朦朧としている二人の蛇神の耳には、不気味な笑い声が聞こえていた。

    「みんなそうだよねぇ? ボクが欲しいんでしょ? フフフ、覚悟してね。

     ボクは絶対に 《 獲物 》 は逃がさないんだから! 」


    そう呟く未来流は、まるで 《 別人 》 のようだった。

    その瞳は黄金の輝きを増し、狂気と殺気すらはらんでいた。



                              第4話 了




            
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