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    第3話 〜狼少年と蠢く蛇・その1〜




   未来流(みくる)は、降り立った駅ビルの地下にあるトイレへと入っていった。

    目的の中学校の駅ではなく、途中下車してしまった。


   馬鹿な人間のせいで、また勃起してしまったのだ。

   このままでは、学校へ行くどころか、まともに歩き続ける事も不可能だった。

   男子トイレの個室へ入り鍵をかけると、ズボンと下着を脱ぎ、便器に腰かけて両手でペニスを

    握り込んだ。


   「うっ」

   思わず小さなうめき声を立ててしまい、慌ててトイレに人がいないか聞き耳を立てる。

   「人なんていないから安心しなよ。まあ、人じゃねぇ〜のはココにいるけどな。」

   そんな声が上から聞こえてきたので、驚いて見ると、トイレの壁と天井の三十センチ程の狭い

    隙間から覗いている男がいた。


   短い髪を真っ赤に染めた目つきの鋭い男だった。

   人間なら背伸びをしても、そんなトコロから顔を出せるワケが無い。

   未来流は、恐怖を感じて背筋が寒くなった。

   もし犬や猫のように、背中に毛があったら全て逆立っていただろう。

   未来流が驚きのあまり呆然とした隙に、その赤い髪の男は個室の中へと飛びおりた。

   驚愕すべきことは、人間なら頭も通らないような狭い隙間をスルスルと抜けて侵入した男の

    動きだった。未来流の目の前で、その男の身体がぐにゃぐにゃとゴムのように変化したのだ。


   未来流は悲鳴をあげると、慌てて下着とズボンを身につけ、鍵を開けて外に飛びだした。

   しかし、扉の外には、大男が天井にスキンヘッドを擦るようにして立っていた。他にも仲間が

    いたらしい。
 未来流は、自分からその大男の腹へ飛び込む形になってしまった。

   「どけよ! このデカブツ! 」

   未来流は叫びながら外へ向かって走ろうとするが、大男に完全に行く手を塞がれている。

   さらに、男の両手がグニャリと曲がったかと思うと、未来流の身体に太い紐のように巻きついて

    きたのだ。その腕は滑りがあり、魚が腐るような生臭い体臭がした。


    大男の腕は暴れる未来流の全身に巻きつき、後ろ手にしばり上げてしまった。

    そして、もがく未来流の制服を手早く脱がせると、邪魔そうにトイレの床へ投げ捨てた。


    そこに赤い髪の男も加わり、獲物をいたぶる捕食者のように、二人がかりで未来流の身体を

    小突きまわし、ブラウス
に爪を立てて楽しそうに引き裂いた。

    時間をかけて、未来流は下半身に薄い下着をつけているだけの姿にされていった。

    大男の腕の中で泣き叫ぶ未来流を、二人は嫌らしく笑いながら眺めていた。


   未来流の肌は、艶があり真っ白に輝いている。

   その白い胸には綺麗な桜色の乳首が見えた。小さな二つの粒はふっくらと立ち上がり、

    実に柔らかそうだった。


   下着からはみ出した丸みのある尻肉は、小さいが引き締まり、はじけそうな弾力があった。

   「ふ〜ん、まだガキだが。美味そうな身体じゃねぇか? 」

   赤い髪の男がそう言うと、スキンヘッドの男は無言で口から大量の涎を溢れさせた。

    ポタポタと未来流の顔や身体にもかかってきた。
やはり腐臭のような生臭い唾液だった。

    臭覚の敏感な人狼の未来流は、吐き気がしてたまらなかった。


   相手が普通の人間なら、未来流の力で簡単に払いのける事ができる。

   しかし、その二人の男は、満月期で力のみなぎっているはずの未来流が、本気で暴れても

    ビクともしなかった。




                               
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