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第2話 〜満員電車は危険がいっぱい〜
未来流(みくる)は登校のため、電車に揺られていた。
窓の外には、飛ぶように町並みが流れていく。
朝の通勤時間なので電車は混雑していた。四方を人に囲まれ、手足すら自由に
動かせない状態である。 酸素の密度が薄いのか、とにかく息苦しい。
未来流はつり革に右腕でつかまり、瞳を閉じた。
兄の麗二(れいじ)には、外出を止めるように注意を受けたが、未来流は聞く気にはならなかった。
(あんな変な事をした癖に。偉そうにして! )
今朝の出来事を考えると、未来流は、恥ずかしさのあまり顔が紅潮してくる。
トイレで自慰を目撃されたあげく、麗二に悪戯されたのだ。
ペニスを摩られ、さらに、お尻に指を入れられてしまった。
(お尻に……。 )
思わず、その時の情景が頭に浮かんでしまい、未来流は身体をヒクヒクと震わせてしまった。
(尻の穴に指が……あんなに深いところまで。スゴイ気持ち良い……。お尻が気持ち良い。 )
そのまま、無意識に尻に神経を集中してしまった。自分でも尻穴がキュッキュッと
窄まるのがわかる。
(ココに入っていた。麗二のが。麗二の指が二本も……。 )
麗二の太いけれど、形の良い二本の指の感触を思い出してしまった。
その指はとても長くて、自分の腹のずっと奥の方までスルスルと入ってしまう。
まるで、細い蛇のように絡み合いながら、直腸の奥で蠢きあっていた。
(うわっ! うわっ!)
ただの想像だと言うのに、敏感な部分を擦られる感触を思いだし、
前までが硬く芯を持ち立ち上がってきた。
せっかく家で四度も抜いてきたのに、台無しだった。
走っている電車の中で。
それも、見知らぬ人と肩を摺り寄せるほどに接近している、こんな状況だと言うのに。
下着の中でペニスを硬くしている自分に、未来流は情けなくて泣きたくなってしまった。
それでも妄想は止まらない。
麗二は優しく微笑みかけながら、未来流のはちきれそうな砲身を摩りたてていた。
同時に尻穴にも、また二本の指を奥まで差し入れ強く摩ってくれている。
「気持ち良いか? 未来流? ココが良いのか? 」
耳元で囁く声もとても温かい。
実際の麗二だったら、きっとこんな事は言わないだろう。
自分のこんな失態を見たら、面白そうにからかうか、馬鹿にして鼻で笑うに違いない。
未来流は想像の中で、麗二に優しく抱かれながら甘えていた。
おまけに、自分でも恥ずかしくなるような、いやらしい声を出していた。
(うん、すごく気持ち良いよ。だから、もっと触って! 奥まで触って! 麗二の指が良いの。
それを奥までいっぱいちょうだい。 それで、奥をグチュグチュして欲しいの! )
背筋まで痺れるような気持ち良さに、自分の腰を振って麗二におねだりしていた。
「痛っ!」
突然、未来流は本来、想像では有り得ない痛みを尻の奥で感じた。
直腸の粘膜に爪を立てられたのだ。
驚いて目を開けて下を見ると、いつのまにか制服の濃紺のズボンが膝の辺りまで落とされていた。
剥き出しになった自分の太股が見え、白いブラウスに股間は隠されていたが、
その中には太い男の腕が入っていた。
当然、麗二の腕ではない。
顔を上げると、きちんとネクタイを締め、スーツを着た若いサラリーマンらしい男と目が合った。
かなり興奮しているのか顔を赤く染め、眼鏡の中の細い目は血走っていた。
その男が未来流の下着の中まで腕を差し込み、硬くなったペニスを摩っているのだ。
(うわ! 痴漢だ! )
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