大切な人がいる――戦争の時代においてそれがいいのか悪いのか。
大切な人を守るため戦って、勝ち取ろうするそれは力になる。
ただ、自分たちの立場は違う。
互いに軍人――常に戦場の中にいる。
いつ、死ぬか割らない状況下で、失う事を考えて、その時が来たら自分はどうなってしまうのか。最悪のシナリオを考えずにいられなくなった。
側にいれば守ってやれる、せめて目の届くところにいてくれれば…
――イザークに任務がくだった。
軍に入って初めてお互いバラバラになった。
イザークは二コル・ラスティと輸送艦の護衛、ディアッカとアスランは待機となった。
これが、事実上の初陣。
今までのシュミレーションではなく、実際宇宙に出ての任務。
「…何かいいたいことがあるならはっきり言ったらどうだ?」
「えっ?」
軍艦の自室、どうやら色々考えながらイザークを目で追っていたらしい。
「人のことジロジロと…」
「見てた?俺」
はぁと盛大にため息を付くといかにも機嫌が悪いですと言う顔でディアッカを睨む。
「何もないなら、俺は先に寝るぞいいな?」
返事も聞かずにさっさとベッドに入ってしまう―明日は、任務遂行の日。
――何をって訳ではない、考えがついていけない。
ずっと側にいたから、いるのがあたりまえだったから。
本当は行くなって言いたいのか。だったら、軍に志願する前に止めればよかったこと
でも、志願すると聞いたとき“あぁ、やっぱり”という思いもあった。
悪い意味で頑固。いい意味で意志が強い。
そんなイザークが好きになったから、志願も止めなかった
――待つしかない。どんなに考えたってその答えしか出ない。