お気楽スナップ講座
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ここでは、単なる「大写し」でなく、キャラの活き活きとした表情を捉えるためのクローズ・アップの撮影の仕方を説明します。
16. 特別講座(2) 表情を捉えるクローズ・アップ

頭切ってもあご切るな

まず初めに、クローズ・アップの構図について考えます。顔のアップと言うと、必ず、首から上全体をフレームに入れるものだと考えている方は意外に多いのではないでしょうか。もちろん、特に髪型や帽子を見せたいのであれば、それらをきちんと入れなければなりませんが、ポートレートとしてキャラの表情をメインに見せるのであれば、頭は必ずしもフレームに入れる必要はありません。アップの写真は、キャラの目から上の部分がある程度残っていれば、頭が切れていても不自然とは映らないものです。

ポートレートにおいては、無理に頭全体を入れようとしてフレーム内に無駄な空間を増やすくらいなら、思い切って頭を切り捨ててしまった方がインパクトのある絵が作れます。写真の一つの理想は、画面内のすべての部分が意味を持っていることです。

ですが、一方で、キャラのあごは必ずフレームに入れるようにしましょう。あごが切れてしまうと、とても見栄えの悪い絵になってしまいます。アップの撮影については「頭切ってもあご切るな」というのが基本です。

なお、頭全体を入れる場合は、周囲にある程度の余裕を残しておきましょう。頭全体がフレームぎりぎりに収まっていると窮屈な印象を与えます。ちなみに、リアルでは、一般に、頭の上に握りこぶし一個分くらいの空間を空けておくと収まりが良いとされています。

また、キャラが真正面を向いている場合を除いて、フレーム内ではキャラの視線の方向に広く空間を取るのが基本です。こうすることで画面に自然な動きが生まれ、構図も安定します。キャラの向いている方向に余裕がないと、これもやはり窮屈なイメージを与え、キャラの動きを殺してしまいます。

ただし、これには例外があって、キャラをやや後方から捉えるアングルでは、キャラの顔がフレームの端にあっても、さほど違和感はありません。また、敢えてキャラの背面に空間を広めに取って不安定な構図にすることで、心理的な演出を加える方法もあります。詳しくは「構図」の項で説明します。

モーションの中で切取る

顔のアップならば、身体は写らないのだから普通に直立状態で撮れば良い、とお考えの方も多いかも知れません。ですが、直立状態の写真は、無表情で単調な絵になりがちだし、有り体に言って、平凡です。ポートレートであれば、やはりキャラの活き活きとした表情を捉えたいものです。

キャラに表情を与えるには、たとえ顔だけのアップであっても、攻撃/テクニック・モーション(ロビーであればロビーアクション)を利用することをお奨めします。モーションの途中では、体勢や顔の向きが様々に変化し、「表情」の項で説明したとおり、それがキャラに豊かな表情を与えてくれます。また、首から下の部分も、それがほんのわずかに写っているだけでも、見る人に動きをイメージさせ、それによってさらに表情がリアルに見えてきます。

下の写真は、左が直立状態を撮影したもの、右がウォンド系3段目のフィニッシュの瞬間を切取ったものです。ポーズの違いはほんのわずかですが、これだけでも写真のイメージは随分違ってきます。

なお、もちろん、通常の直立状態もポーズの一つと捉えることができます。静的なイメージの絵に仕上げたい場合には、敢えて直立状態で撮るという選択肢もあるでしょう。ただし、上でも言ったとおり、直立状態の写真は、撮りやすいだけに平凡になりがちです。このようなスナップでは、アングルや背景、光やエフェクトによる演出に凝ってみるのも一興です。
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横への広がりを考慮する

様々なモーションを利用すれば、頭を大きく傾けた状態で撮影することもできます。ですが、このようなスナップでは、画像をアップロードする際の画面の横への拡大(「部分撮影と全体撮影」参照)によって、顔がいびつに見えてしまう場合があります。傾きが深いほど、撮影倍率が高いほど、また、真正面から撮影した際に、この歪みが目立ちます。浅い傾きに留める、アングルを正面からややずらすなどして対処すると良いでしょう。

このページで使用されている画像は(株)ソニックチームの許諾を得て、ニンテンドーゲームキューブ用ゲーム「ファンタシースターオンライン エピソード1&2」よりキャプチャーしたものです。配布や再掲載は禁止されています。
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