−映画のネタバレ感想など−


劇場版 仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE

轟轟戦隊ボウケンジャー 最強のプレシャス





平成仮面ライダーもアギトから続く恒例の夏の劇場版も6作目となりました。
「劇場版仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE」。
アギトが本編のサイドストーリー、龍騎が「最終回先行」(実際は”パラレルワールド”的なものでしたが 、そういうことを可能にした設定自体がすごいと思います)、555は時間軸的にはTVの後だが 設定を変え全く別の世界の話として作ってありました。
ブレイドはTVシリーズの後日談、それも4年後ときっちり設定してあるにもかかわらずその後放送されたTV版の ラストは違うものになっていました。
このあたりからもう変に期待せず劇場版はTVとは違うものと認識して見る様になりました。
そして、響鬼については過去の話の時代劇というおもしろい試みでしたが、いろいろ私的には気に入らないところも 多く結局「ないしょの部屋」は作りませんでした。
だから今回のカブトに関しては期待もせず気楽に見れたのでそれなりに楽しかったです。
もちろんいろいろと突っ込みどころは満載ではあり、決してよく出来た映画とは言いがたいですが・・・・
だから今回は併映のボウケンジャーと合わせての”ないしょの部屋”です。
では、おもむくままに感想などを。


【世界設定】
今回はTVとはまったく違う設定の世界観になっています。
TVは隕石の被害は東京の一部レベルのものでしたが、劇場版では海が全部干上がってしまうほどの大被害で 世界は現在の状況ではありません。まあいわゆる「北斗の拳」状態ってやつ。
世界(日本)を牛耳ってる組織「ZECT」とそれに反旗を翻した氾濫分子「NEO ZECT」が抗争をしている時代・・・
ってまあこの手の世界観を実写で描くには日本映画はまあもう力不足ですね。
最近はCGでそこそこ背景はごまかしてるもののもう絶対的に見せるものが限られてるので世界観の狭いこと。 このあたりはおなじようなシチュエーションの555の時の方がよっぽどちゃんと描かれていたと思います。

【新ライダーたち】
劇場版の新キャラクターの仮面ライダーは3人。
「仮面ライダーケタロス」
「仮面ライダーヘラクス」
「仮面ライダーコーカサス」
そう、今回はカブトを中心とする”ムシキングバトル”なのです(笑)。
ケンタウロス、ヘラクレス、コーカサスという今や「ムシキング」でもう定番となった世界のカブトムシたち がモチーフの銅・銀・金 の仮面ライダーです。
初めて見たときは”うまい!”と思いましたね。わかりやすく劇場版ならではって感じもあるし、これまでの映画の 劇場登場ライダーの中では一番いいんじゃないでしょうか。
ただ、この3人は同じ立場の3人組みたいなキャラだと思っていたら実際には全然違いました。
仮面ライダーケタロス=大和鉄騎はZECTの仮面ライダー部隊のリーダーのエリート。
いかにもエリートっぽいキャラが なかなかいいです。ただ最終的には小物扱いだったのが気の毒です。まあ”銅”なので仕方ないのですが・・・
仮面ライダーヘラクス=織田秀成は敵対するNEO ZECTの若きリーダー。
ヘラクレスカブトムシというと2年前の仮面ライダーブレイドのモチーフでありなんかデザインは似ています。
だからなのかは知りませんが今回は天道になぜか共感するといういい役どころのキャラクターになってます。
仮面ライダーコーカサス=黒崎一誠 K1ファイターの武蔵が演じることで今回の映画の売りのひとつになったキャラクターです。 謎の黄金の最強ライダーという設定になってます。
このあたりがこの映画のちょっと弱いところで、中盤までZECTのリーダーは大和であり結構強敵ぽい印象なのに 最後はいきなり出てきたこのコーカサスが最強の敵になるというのがねえ。
この3人の仮面ライダーは変身するといきなりこの姿になるのでマスクドフォームはありません。

【ムシキングバトル】
ということで仮面ライダーたちのムシキングバトルがくりひろげられます。
ま、左のような感じです。
TVシリーズのキャラクターも登場するのですが、なぜかサソードだけは冒頭の仮面ライダーの説明のシーンで少し映る だけで本編には登場しません。
仮面ライダーカブト=天道総司は流れ者でZECTとNEO ZECTを手玉にとってある目的を果たそうとするキャラクター。 もちろん”俺様”ぶりは健在。
ガタック=加賀美新はZECTのエリート戦士。TVのへたれぶりとはちがって頑張ってます(笑)。でも天道にふりまわされる ところは変わってません。
仮面ライダーザビー=矢車想。TVでは資格者が次々と変わっていくザビーですが、劇場版ではパーフェクトミッションの彼が エリートぶりを発揮しています。ブレイドもといヘラクスに負けて敗退。
仮面ライダードレイク=風間大介は自由人らしくNEO ZECTのメンバー。やはりゴンのいない大介はピンときませんね。 ムシキングバトルに参加する前に仲間に裏切られ敗退。
ということでヘラクスはコーカサスにハイパークロックアップに敗退、ケタロスはカブトに敗退し機動エレベーターでの ラストバトルへと展開していきます。

【人のものでパワーアップ?】
今回カブトのパワーアップフォームであるハイパーフォームが登場します。
アギト以来後半商戦に向けての最強フォームの初登場が劇場版のイベントになっていおるのですが、 今回のパワーアップはちょっといただけません。
パワーアップのキーになる「ハイパーゼクター」はもともとコーカサスが持っていてそのため 通常のライダーたちのクロックアップに勝るハイパークロックアップが可能になるのです。
でコーカサス曰く天道の目的はそれだったらしいのですが(最後の展開を考えるとこれが必要だったのかもしれませんが) カブトはなんか隙をみてそれを奪い取って(というかかすめとった?すった?)パワーアップしたのです。
そうすると逆に取られたコーカサスは弱くなるわけでこのあたりがムシキングバトルをやってたわりに釈然としないところです。
TV版ではもっとちゃんとパワーアップしてくださいね(笑)。

【超ご都合主義】
最後は迫り来る隕石をハイパーフォームが受け止めてハイパークロックアップで時間をもどし(おおっ!)、 落下してくる渋谷隕石(今回は違うか)にぶつけて違う未来を作るというまあもうあきれんばかりのご都合主義!
この時間を戻すという効果を知っていて天道は最初から最強ライダーの持つハイパーゼクターを狙っていたのかもしれません。

【ガタック大活躍】
TVシリーズではヘタレで影の薄い加賀美くん=ガタックが劇場版では大活躍します。
というのも今回の設定では加賀美くんとひよりは婚約しているのです。だから加賀美くんはひよりのために頑張るのです。
天道とともに戦いにいくあたりまさにダブルライダーって感じになってました。
でも哀しいかな最後はコーカサスに倒され天道に脱出させられるんですけどね。

【スターウォーズ】
加賀美くんとひよりが婚約していてそこにひよりを守るという天道が現れる。
この展開ではヘタレの加賀美くんのこと、多分天道にひよりをとられてしまうんだろうなあと思っていたら意外な展開!
そう「スターウォーズ」です。ひよりは天道の”妹”だったのです! (ルークがレーアの妹と知った時のハンソロの表情を思い出しますね)
ここで初めてひよりを守るもの恋人と兄が同じ立場で共闘するのです。パチパチ。
いやーやられました。これは考えてませんでしたね。たしかに妹というのはありかなと・・・・・
って、TVシリーズじゃ天道には”妹”おるやん!
それじゃひよりが妹だなんて考え浮かぶわけないじゃないですか。

とにかくまあいろいろとありますがそれなりに楽しく見れたのでよかったんじゃないでしょうか。






さて「轟轟戦隊ボウケンジャー 最強のプレシャス」です。
「仮面ライダーアギト」の併映の「百獣戦隊ガオレンジャー」からのこの劇場版も回を重ねるごとに完成度が上がり 前年の「魔法戦隊マジレンジャー インフェルシアの花嫁」は戦隊もののエッセンスを短時間につめこんだすばらしい作品に なっていました。
それとくらべるとさすがに見劣りがしましたが充分楽しめる内容になっています。

で、驚いたのは冒頭のプールのシーン。給水口に明石の腕時計が吸い込まれるという場面・・・・・
この時期にこれはいいのか!とドキッとしましたよ。
後で知ったのですが東映では急遽 「ボウケンジャーからのお願い」として「プールであそぶときは、おとなの人のいうことをよくきいて、 給排水口(みずのながれていく穴)などにじゅうぶん気を付けて、たのしくあそんでネ」というテロップを流したり 張り紙をしたそうです。でも私は気付きませんでした、ということはあまり効果ないんじゃないの?

今回の敵は星井七瀬演じる未知の生命体ミューズなのですがTVでおなじみのネガティブシンジケートの 方々も冒頭で登場します。
ゴードム、ジャリュウ、ダークシャドウが一同に介してるのを見るとなんかいいですね。クエスターたちもロボで サイレンビルダーとのバトルをくりひろげます。

毎回楽しませてくれるおなじみのラストバトルのロボ戦。ちょっとどうかなと思いました。
今回の目玉は劇場版のオリジナルロボ=ダイタンケン(右)
ゴーゴージェットを中心にゴーゴードリル、ゴーゴーショベル、ゴーゴーミキサー、ゴーゴークレーンの4台が フォーメーション2で合体したロボでオモチャ的にはゴーゴージェットを買ったらそこでわかってしまうんですけどね。
で、映画ではまずアルティメットダイボウケンが巨大ラスボスに捕まります、手足の4台のビークルとレッドの乗った ゴーゴージェットが脱出します。そして失敗すれば全てのゴーゴービークルが爆発するという(おいおい) 禁断のフォーメーション2を「これが俺の冒険だ!」とかいってレッドは独断でやっちゃいます(おいおい)。
こうしてダイタンケンがダイボウケンを救い出しダイタンケンとダイボウケンがラスボスをやっつけます。
と、一見これで万々歳なのですが、問題なのはサイレンビルダーです。
この一大事に何をしていたのかと言えば、救急活動を行っていたのです。
というのもアルティメットダイボウケンがラスボスに向かう時にレッドがシルバーに「サイレンビルダーは救急活動を頼む」 と支持したのです。そりゃたしかに大事ですけどやはり映画のクライマックスのロボ戦にはサイレンビルダーも参加させるべきでしょう! 空中戦が苦手なら援護射撃するとか。とにかくここがこの映画の一番がっかりしたところです。

今回、ボウケンレッド=明石暁(さとる)の父親、倉田保昭演じる明石虹一が登場します。
まあ、うっとおしい親父です。さすがにあのレッドの親父ですね(笑)。
というのもボウケンレッド自体が勢いで「冒険だ」「冒険だ」と言ってるみたいな感じでかなりうっとおしいです。
他の4人のキャラも徐々に個性が出てきてますし、新加入のボウケンシルバーが一見とっつきにくそうで実は 結構いいやつというキャラをうまく出すことに成功してます。だから余計にレッドのキャラがうっとおしく思えてしまいます。

ガオレンジャー以来劇場版のスペシャルエンディングは楽しみにしているのですが今回はエンディングがありませんでした・・・
とにかく毎年平均点以上の出来ではある戦隊劇場版でした。






上はこの劇場版のチラシです。
「35年目の進化、30回目の出発」というコピーがすごくいいですね。
さて、映画に合わせたグッズが最近は減っています。
バンダイのオモチャですが昨年は劇場版オリジナルのロボ「セイントカイザー」が出ましたが今回のダイタンケンは既存の オモチャの組み合わせ商品になっています。劇場公開に合わせてセットして「ダイタンケン」として売られたわけではありません。
仮面ライダーの方はスタンダードソフビのEXとして「仮面ライダーコーカサス」「仮面ライダーヘラクス」「仮面ライダーケタロス」 が公開と同時に発売されました。
また、トイザらス限定のオモチャもブレイドの「醒剣グレイブラウザー」を最後に発売されてません。
そういえば劇場限定のユタカのフックトイも今回はなかったような気がします。

毎年恒例の前売り券の特典は仮面ライダーカブトかボウケンレッドのプルバックモデルでした。 レッドはゴーダンプにのってるのでここは劇場版オリジナル「激走!カブト」にしました。
一瞬新メカか?と思ったのですが、カブトゼクターでした(笑)。
そして毎回前売り券+800円で劇場公開記念プレミアグッズが付いてきます。
最初のころはガシャポンHGだったりしたのですが響鬼の時から限定ソフビになっています。
今年は「ライダーヒーローシリーズK 仮面ライダーカブト ライダーフォーム クロックアップバージョン」か 「ボウケンレッドスタートアップバージョン」です。
クロップアップという設定が好きなので当然カブトの方にしました。
ブラッククリアーの成型色にギンラメがはいっているのですが、ちょっとラメのサイズが大きいと思います。
それと昨年のヒビキの時はレギュラーより重厚に塗られているのが売りだったんですが、今回も塗りはていねいで 手の先とベルトがちゃんと塗られています。





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