2003.03.24

根室本線漫遊(釧路−根室)

眠い!何しろ朝の5時30分である。
今、綾小路さんは釧路駅に向け歩いている。
今日は根室本線の釧路−根室間を一日かけて出来るだけ探索をする予定である。
そこで始発の根室行きの列車に乗車するためこんなに早いのである。
FMムーの近くのカプセルホテルから15分、ようやく釧路駅が見えてきた。

釧路駅

綾小路さんは釧路駅5時55分発の始発に乗車した。
列車内は朝一番しかもまだ6時前だというのに混んでいた。
立っている人こそいないがクロスシートはほとんど埋まっていた。
しかしその後は下車する人はいても乗車して来る人はいなかった。
やはりローカル線の香りがただよう路線である。

やがて列車は厚岸駅に到着した。
ここで時間調整のためか6分ほど停車するとのアナウンスがあった。
綾小路さんは午後に厚岸駅を探索し名物駅弁のかきめしを購入する予定でいた。
しかし先ほど通過した上尾幌駅の駅舎が気になっていた。
なかなか古くて趣のある駅舎であったが今回下車して探索する予定はなかったのである。
うーんどうする。考える事しばし。
今ここで厚岸駅の探索をすませば上尾幌駅の探索が出来る。
しかしかきめしはこの時間には購入出来ないだろう。まだ6時40分過ぎだから。
結局はかきめしをあきらめ厚岸駅の探索をすませる事にした綾小路さんであった。

厚岸駅

厚岸駅を6時47分に出発した列車は糸魚沢の湿原地帯を通過して、厚床駅に停車した。
ここからは平成元年の4月29日に廃止となった標津線が分岐していた。
実はここ厚床駅の1駅先の奥行臼駅こそ綾小路さんが鉄道ファンになったきっかけの駅なのである。
古い駅舎やホームが現存していている。

さて国鉄の駅で終点や分岐駅には必ず転車台があったという。
列車の中から目を凝らして探す。
あった、あれだろう。転車台自体は撤去されているがぽっかりと巨大な穴が開いている。
このあと列車の運転手に聞いた話ではニセコのSL運転が復活した時にここの転車台はニセコ駅に転用されたとの話である。
そういえばニセコ駅に転車台があった。あれは残っていたのではなく移転されたものだったのだ。

厚床駅 (左)駅舎 (中)標津線記念碑 以上はH14-9-30撮影 (右)転車台跡 車内より撮影

厚床駅を発車した列車はいつの間にか根釧台地上を走っていた。
このあたりの地形は特徴がある。
海から崖がせりあがりその崖上の台地は緩やかな丘陵状態となっている。
そして海岸線を見るとなんと結氷しているのである。
これが流氷なのかどうかは分らないが驚きの風景であった。

海面の結氷

列車は8時前に落石駅に到着し、綾小路さんはここで下車した。

落石駅

落石駅からは8時42分発の上り列車で姉別駅へ向かった。

姉別駅

続いて9時46分発の下り列車で日本最東端の東根室駅に降り立った。
盛土上の線路脇に板張りのホームのみという無人駅である。

東根室駅

東根室駅から根室駅までは徒歩で移動する事にした。1.5キロ。
歩くこと20数分、根室駅に到着した。
明治38年までに当時は釧路線として釧路まで鉄道が敷設されていた。
釧路本線として大正6年12月1日に釧路−浜厚岸間が開業した。(厚岸−浜厚岸間はその後廃止)
大正8年11月25日には厚岸−厚床間が開業。翌大正9年11月10日には西和田までが開業した。
最後に大正10年8月5日に西和田−根室間が開業して釧路本線は全通し、滝川−根室間が根室本線と改称された。

根室駅 (左)駅舎 (中)根室本線終点の看板 (右)坂下の根室港には流氷が見えた

綾小路さんはここ根室での昼食を”エスカロップ”と決め込んでいた。
以前は根室でしか食べられないというキャッチフレーズを聞いたが最近になり札幌でも食べられる店を発見した。
それは根室の料理人が考案したそうで、バターライスにとんかつ、デミグラスソースかけといったものである。
綾小路さんは以前に何回か行ったことがある駅前通りの”ニューモンブラン”という喫茶店に行った。
しかしシャッターが降りている。あれー、休みか?がっくり。
しかしそこは抜け目がない綾小路さんであった。
もう一軒の有名店である”ドリアン”に行って首尾よくエスカロップにありつけたのである。


腹ごしらえを終えた綾小路さんは12時26分発の上り列車で茶内駅に向かった。
駅舎らしくない派手なカラーリングを施されているが駅舎自体は古そうだ。

茶内駅

続いて14時20分発の下り列車で浜中駅に向かった。

浜中駅

綾小路さんはいよいよ14時58分発の上り列車で上尾幌駅へと向かった。
駅舎は古いもので出入り口上部には上尾幌”驛”の文字が架かっていた。
駅前にはさらに古い駅前旅館の建物があったがすでに廃業していた。かなり月日が経った感じだ。
綾小路さんは恵比島駅前(明日萌駅)の旅館を思い出したがこちらは間違いなく本物だ。

上尾幌駅 (左)趣のある駅舎 (中)きのこの里の木柱がある、付近で栽培されているとの話 (右)さらに古い駅前旅館

かきめしは食い損ねたが代わりに上尾幌駅を探索出来、満足の綾小路さんであった。
続いて16時41分発の下り列車で尾幌駅へと向かった。
こちらの駅舎はすでに取り壊され客車タイプの待合室があるだけであった。
しかし片面1面のみの現在のホームの手前側に使用されていない古びたホームがあった。
昔は現ホームが島式ホームであり、古い片面ホームと合わせて3面あったと推察できた。
先ほどの上尾幌駅はその配置となっていた。

尾幌駅 (左)待合室 (中)使用されていないホーム (右)現ホーム端、このホームの右側にもホームが1面あったハズ

釧路−根室間など一日かければ全て探索出来そうな物と思ったがここまでだった。
綾小路さんは17時30分発の上り列車で釧路駅に向かった。
そこから釧網本線に乗換えて摩周駅で下車。民宿にて宿泊したのである。

綾小路さんの漫遊は釧網本線(網走−知床斜里)に続く!


今回の漫遊で探索できなかった駅

(左)東釧路駅 H15-1-13撮影 (中)門静駅 H14-9-29撮影 (右)門静駅 車内より撮影

(左)別保駅 H15-1-13撮影 (中)糸魚沢駅 H14-9-29撮影 (右)初田牛駅 車内より撮影

(左)別当賀駅 (中、右)昆布盛駅 全てH14-9-29撮影

(左)西和田駅 車内より撮影 (中、右)花咲駅 H14-9-30撮影




網走
至 滝川 釧路 東釧路 武佐 別保 上尾幌 ※1


※1 尾幌 門静 厚岸 糸魚沢 茶内 ※2


※2 浜中 姉別 厚床 初田牛 別当賀 ※3


※3 落石 昆布盛 西和田 花咲 東根室 根室

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