2003.04.05
北信越・北陸漫遊(上越線・吾妻線)
やはり今日は雨だった。
昨日降られなかっただけ儲けものであった。
例の健康ランドは駅から2キロもあったのである。
雨の中30分ほど歩き越後湯沢駅に到着した。
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越後湯沢駅
雨のため早めに健康ランドを出たので駅にはかなり早く着いた。
まあ昼食の駅弁を購入し、朝食には駅そばを食べればいい時間になるだろうと思っていた。
しかし駅に入ると駅弁屋はまだ開いてなかった。綾小路さんはがっくりした。
しかたない、じゃあ駅そばだけでもと駅そば屋をのぞいたが中には人がいたが開店準備中であった。
まあ10分もすれば開くだろうと思い先にホームの探索を終えた。
しかし駅そば屋は一向に開店する様子がない。
綾小路さんは発車の10分前まで粘ったが結局開店しなかった。
そのうちに列車がやってきたのでしかたなく乗車した。
座席に座り荷物を下ろしたが発車まであと5分以上はあった。
そこでラストチャンスと階段の上の駅弁屋を見に行った。
すると、やった!開いたばかりで駅弁を並べていた。8時開店だったのだ。
綾小路さんは牛肉弁当か舞茸弁当が食べたかったがどちらもまだ朝のこの時間帯には販売していなく、いくらたらこめしを購入した。
その間に隣のそば屋もようやく開店したがもうそばを食べる時間はなかった。
本当は昼食用だったが腹が減っていたので早速駅弁を食べることにした。
半分ほど食べたところで8時08分。列車は発車した。
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越後湯沢駅弁 いくら・たらこめし ¥1000
駅弁を食べ終え綾小路さんは一息着いていた。
そのころ列車は越後中里駅を過ぎトンネルに入っていた。
そこで綾小路さんはある重要なことを思い出した。
ぱんぱかぱーん、ぱんぱんぱん、ぱんぱかぱーん、今週のハイライト。(またかよ、おっさん。)
そうだった、このあと土合駅と土樽駅を探索するが前後にループ線を通過するのだった。
綾小路さんはあわてて辺りを伺った。
トンネル内で外は真っ暗だが列車は緩やかに右方向にカーブしながら進行していた。
すでにループに突入していたのだ。バッグから地図と資料を取り出し確認する。
そうかこのあといったんトンネルを出てまた別のトンネルに入るのだな。
今通過しているトンネルから次ぎのトンネルを出るまででループを描いているのである。
ループの3/4以上がトンネルでボケっとしていると気が付かないがループ線は貴重なので満足した。
この後にあともう一つループを通過するはずである。
ここで地図を見ていて気付いたが在来線のルートは2本あった。
そのうち上り線のみがループを通過するのであった。ラッキー!
ループのトンネルを抜け、この後に探索予定の土樽駅を発車した列車は全長9702mの清水トンネルに入って行った。
長い清水トンネルを出た所が土合駅である。綾小路さんはここで下車した。
朝からの雨はいつの間にか雪に変わっていた。
ここは上下どちらかのホームが地下と聞いていたのでどうやらそれは下り線のようである。
しかしどこに入口があるのか分からない。まあそのうち分かるさとまずは上り線ホームを探索した。
改札口を出ると何やら待合室が混んでいる。駅舎の前にも車が10数台駐車していた。
おかしい、ここはそんなに混む駅ではないと思ったが・・・
どうやら谷川岳登山客のようだ。雪で登山のタイミングを計っているみたいだった。
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土合駅 (左)駅舎遠景 (中)駅舎近景 (右)上り線ホーム、下り線が地下に移設される前はホームの左側が下り線ホームだったようだ。
駅舎を撮影しているときに奇妙なものが目に付いた。
通路らしきものが駅左手から真っ直ぐに出て国道を渡り前方の山肌まで伸びトンネルに繋がっていた。
何だろうと思っていたらこれが実は下り線ホームへの連絡通路だったのである。
駅舎の探索を終えて中をぶらぶらしてたらようやく掲示板で分かった。
てっきり駅舎の脇あたりから地下への階段があるものと思い込んでいたのであった。
そろそろ下り線ホームへ行くかと先程の連絡通路を渡った綾小路さんはびっくり仰天!
なんじゃあ、これは!
そこは延々と地下に続く階段の入口であった。
降り始めて綾小路さんは幸運を実感した。
ここからホームまで462段、連絡通路の階段も合わせると全部で486段あるらしい。
途中1/4の辺りに(下から上ってくるので3/4か)休憩用のベンチも置いてあった。
下り列車で来て上り列車で帰る場合は登りが必要だし、上りまたは下り列車で来て一時下車で駅舎を探索すると往復の必要がある。
綾小路さんの場合の上り列車で来て下り列車で帰るのがベスト。いやあ偶然にしろ運が良かった。
この下り線ホームは昭和42年に複線化のため全長13500mの新清水トンネルが完成したときにその途中に移転したそうである。
そういえば上り線のホームの反対側は使われていなかったがもともとは下り線のホームだったのである。
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土合駅 (左)下り線階段への連絡通路、国道をオーバーパスしている。 (中)全462段を上から見たところ。 (右)下り線ホーム
あっと言う間の1時間30分が過ぎ9時59分発の下り列車がやってきた。
綾小路さんはこの列車に乗車して土樽駅に引き返した。
駅の入口は土樽スキー場への入口を兼ねているからであろうか。
駅舎の入口は2重扉となっていてその間がやたら長い。
大きな亀が首を横に向けている感じである。
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土樽駅
この後は上り列車で渋川駅まで行き吾妻線に乗車する予定である。
しかし土樽駅の探索中に下りの臨時列車があることが分かった。土曜、休日のみの運転であった。
この列車で一旦越後中里駅まで戻る事にした。
これは先程のループ線区間の下り線を乗車してみたくなったのである。
列車は土樽駅発車後に途中で上り線と分岐して別のトンネルに入った。
なにぶんトンネルの中なのではっきりとはしないがやはりループはしないで半楕円(当然長手方向)を描いたような軌跡であった。
やがて上り線と合流して越後中里駅に到着した。
ここで12時06分発の上り列車で再び高崎方面に向かった。
列車は先程のループ線を通過。再び土合駅に到着するがこんどは通過する。
そしてトンネルを2つほど通過していよいよもう一つのループ線に差し掛かった。
今度は左カーブだ。しかし今度はもっとトンネル区間の割合が多い。
オール地上のループ線に乗って見たいものだ。肥薩線の大畑駅付近はどうだったか。
少なくともトンネルの割合は多いだろう。
一方ほとんどがトンネルの土佐くろしお鉄道の若井−荷稲間は昨年乗車した。
あとは日本国内にループ線が残っているとの事実は綾小路さんは知らない。
樺太には日本が敷設したループ線が残っているとは思うが一度乗車して見たいものだ。
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ループ線からの湯檜曽市街
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水上駅
上越線は大正9年11月1日に上越北線として宮内−東小千谷(現小千谷)間が開業した。
その後は越後川口、越後堀之内、浦佐、塩沢、越後湯沢までと毎年のように延長して行った。
越後湯沢までが開業したのは大正14年11月1日の事である。
一方、高崎からは上越南線として大正10年7月1日にまず高崎−渋川間が開業した。
こちらは2〜3年毎に沼田、後閑、水上までと延長して行ったのである。
水上までの開業は昭和3年10月30日であった。
最後に清水トンネルを含む区間の水上−越後湯沢間が昭和6年9月1日に開業して高崎−宮内間が全通した。
水上駅を12時45分に発車した列車は30分そこそこで渋川駅に到着した。
綾小路さんはここで下車し次は盲腸線である吾妻線に乗車である。
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渋川駅
13時52分、高崎からの吾妻線直通列車がやってきた。
吾妻線乗車は当初いつの日か分らないがJR線全線完乗のための一歩と考えていた。
しかしこの時は新たな目的が出来ていた。
乗車している内にある特徴が分った。
綾小路さんがあまりお目にかかった事がない出入口が主体の待合室である。
今までは待合室の一部が駅ホームへの出入り口というのが一般的でその反対はなかった。
JR北海道では客車タイプの待合室が多く見られるが特にそこを通過しなくともホームへの出入りは自由である。
しかしここでは出入口が主体でまるで待合室部分は付属物であった。
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出入口主体の待合室 (左)金島駅 (中)郷原駅 (右)岩島駅
吾妻線は温泉天国みたいである。鉄道と並行して道路が走っているが饅頭屋やドライブインを多く見かけた。
地図を見ても沿線に温泉が多いのが分る。
極め付きは草津温泉である。
誰もが知っているであろうこの温泉には沿線の長野原草津口からJRバスが接続している。
そして綾小路さんが下車した駅も川原湯温泉駅であった。
実はこの駅には下車する予定はなかったのである。
しかしこの駅はダムが完成すれば町もろとも湖底に沈むとの事を知ってしまったのだ。
先日購入したJR全路線なるほど辞典(実業之日本社:南正時著)に載っていたのである。
”今行かなければ次は湖底だ”の思いもあったが綾小路さんが好きな木造瓦屋根の駅舎でもあったからである。
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川原湯温泉駅
駅員に聞いたところまだまだ4〜5年先だとの話であったが多分もうこの駅舎にはお目にかかれないであろう。
16時08分、次の列車で終点の大前駅を目指した。
途中、羽根尾駅で上野行きの特急列車を待つため4分程停車した。
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羽根尾駅
列車はそこから10分強で終点の大前駅に到着した。
吾妻線は大前駅が終点ではあるが隣の万座・鹿沢口駅で折り返す列車が多い。
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大前駅
吾妻線は昭和20年1月2日、貨物専用線の長野原線として渋川−長野原(現長野原草津口)間が開業した。
昭和27年10月1日には日本鋼管の専用線であった長野原−太子間を国有化した。
昭和46年3月7日に長野原−大前間を開業し全通。同時に吾妻線と改称した。
そして同年の5月1日には前年に休止していた長野原−太子間は廃止となった。
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長野原草津口駅
ようやく本日の予定は終了した。
この後は渋川で下車せず高崎方面に引続き乗車。
高崎の手前の井野駅で下車である。
そこで群馬健康ランドにて一晩過ごす予定である。
綾小路さんの漫遊は北信越・北陸漫遊(信越本線・飯山線)に続く!
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