新大阪駅でJRから地下鉄に乗り換える時、なんとなく目につくのが「元祖たこ昌」
の文字。JRや大阪空港の売店でよくおかれて持ち帰りのおみやげたこやきが
「たこ昌」だったので以前から気になっていました。
でも、たこやき懐石ときいた時は、なんじゃそりゃと驚きました。
社長の名前を見ておわかりの通り社名は社長の名前の一字をとったものです。
根っからの大阪っ子で、とてもパワフルな印象が残りました。大阪名物でありながら
おみやげとしてたこやきは持って返ることができないということに目をつけ、
おみやげのたこやきの開発、販売を始めたところ、ただ者じゃない。
元祖たこ昌の元祖は冷凍たこやき、おみやげのたこやきの元祖という意味だそうです。
社長の趣味がグルメで、懐石にしてはとおもいたち8年前に開いたのがこの店です。
前菜食前酒から、たこ焼、明石焼、から揚げたこ焼、あんかけたこ焼き、
しそ巻きたこやきなどが、豪華なこだわりの器にのせて出てきました。
最後のシャーベット以外は、本当にたこづくしの懐石です。
たこやき懐石は、庶民のたこやきというのは否定しないが、時間や雰囲気を贅沢に
使った空間で味わうたこやきもいいのではないかということではじめたそうです。
雰囲気もたこやき屋というより古風な料亭風。値段的には、ちょっと高めですが、
でも懐石料理やフルコースを食べるくらいならそれ以上に楽しめます。
ここのたこやきは、何もつけないしょうゆ味のだし入りたこやきです。
ちょっとやわらかめであっさり味で、おいしいです。たこも大きいし。
から揚げたこ焼きは、一般に出まわっているのよりからっと揚がっていて、
コリコリとした舌触りがとてもおいしかったです。紙鍋や壱銭焼きもなかなか美味でした。
この店で使っている箸は、杉の木製の一本一本の手づくり。自然保護のため、
使った後、袋に入れて持ち帰って家で利用してください、というというのもユニーク。
ここのたこやきは、8割が手焼き、2割が機械だそうです。
手づくりの方はみごとな流れ作業で、汁を流す人、ひっくり返す人、焼けたたこ焼きを
出す人と10人くらいの分業体制で焼かれていて初めて見た焼き方なのでびっくりしました。
たこやきを焼く機械を初めて見ました。鍋に汁を流してから一周するとたこやきに
なっています。ただ、たこやきの底だけが平坦で完全な球ではありません。
「大阪出る時連れてって〜」というCMをテレビで流していて、
おみやげのネーミングが「連れてって」だそうです。
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旧26号は時々利用していたのに、たこ昌さんは知らなかった。
これまでのお店とはちょっと違う、と感じながら、
半分期待し、半分はとまどいながら、浜寺店に向かう。
駅からお店まで、歩いてもたいした距離ではないが、何も無い。
この石津川に、こんな上品なお店があったなんて、・・・穴場です。
京都を思わす、しっとりとした店内にぴったりの上品なたこ焼が楽しめます。
社長が凝っていると言うだけあって、器がすごく素敵です。
たかがたこやきにこれだけのお皿を使うとは、まさにたこ焼屋のイメージを
くつがえすお店、いや、割烹です。洗練されたセンスを感じます。
ガラス張りの厨房では、十数人の女性が、たこ焼を焼いていました。
人数もさる事ながら、何より印象的だったのは、働いている姿が、
すごく楽しそうだったことです。
これまでの取材で耳にしたところでは、「たこ焼を焼くのは結構重労働である」
ということでした。汗を流しながら、忙しそうに焼くのがたこ焼と言う感じ。
確かに手先は、急回転で動いているのですが、役割分担が上手く機能しているのでしょう、
余裕が感じられました。
社長登場!話を聞けば聞くほどアイデアマン。ハイソサエティ。
納得「この社長にして、たこ焼懐石のアイデアが生まれた」という感じです。
お味は、「百聞は一見にしかず」是非ご賞味ください。
心(目)もお腹も満たされるたこ焼です。
金沢出身の私は、情緒を感じてしまいました。
特に、印象に残ったのは、食欲そそる「食前酒」、特上の明石焼きと言う感じの
「たこ焼入りおすまし」、”揚げたこ”とは呼ばない、まさに「から揚げ」、
そして、「壱銭洋食!!」たこ焼屋さんのお好み焼には、偏見があったのですが、
この壱銭洋食は、絶対に食べたい一品です。
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