与那国島
わりと長い休暇になったので、できれば海外・・・と目論んだものの、すでにツアーに空きは無し。
では、ということで久しぶりに沖縄方面に行くことにした。
じゃあどの島?、として思案したのは与那国と波照間。以前から行きたいと思っていた果ての島々。
波照間はきっと、行ったことのある黒島に似ているのではないかと勝手に想像し、断崖に囲まれ、より「絶海の孤島」の雰囲気がありそうな、与那国を選択。これが今回の旅の前半である。
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考えてみれば、沖縄を一週間以上も一人旅するのは初めてだ。自分でも意外。

初日は島に着いたのが夕刻だったので、宿の自転車を借りてちょっとだけ散策した。

これは島の北側、祖納(そない)という島一番の集落にある港の堤防から撮った写真。
奥の山が最高峰の宇良部岳で右の崖地がティンダハナタ(大蛇鼻、と書いてある資料があった)と呼ばれる聖地である。

いかにも沖縄らしい雰囲気のある聖地で、湧水があった。これに触れると浄化される気がする。
東崎からは島の南へ。
地形の起伏の状態を伺い、次の目的地までの距離と祖納へ引き返す場合のルート、自分の残存体力などを思案しながら、とりあえず自転車をこぐ・・・と言うか、登りなら「押して歩く」、下りなら「わーい!」とは叫ばないけれど、そういう気分で風を切っていく。
途中、立神岩などを眺めつつ、新川鼻(あらかわばな)の遊歩道へ。この先には「人面岩」と呼ばれる不思議な岩がある。あまりに安っぽい名称ではあるけれど、神秘的な存在感のある岩であることに間違いは無かった。この遊歩道も、たしかに人為的な遊歩道なのだけれど、神社の参道のような神聖な空気が漂っていた。左の写真は、沖縄で「クバ」と呼ばれ、神降るとされるビロウの並木。右は遊歩道で見かけたハイビスカスとクワズイモ、月桃。いずれも沖縄らしい植物。
続き
ティンダハナタの麓、祖納集落の外れを流れる田原川の湿地。そこそこ良い感じの雰囲気があって、鳥も多くて良いのだけれど、川の中は外来種のティラピアだらけ・・ ・
沖縄には良くいるけれど、どうやって入ってきたのかなぁ? もちろん人が放したんだろうけど、住める範囲がすごく狭いのに、良く定着できるな、とある意味感心する。
川底に丸く見えるのが1匹のテリトリー。口の中で子育てをするらしいので、ここで育てているのだろうか?

ちなみにジャンボタニシのピンクの卵もあったし、ホテイアオイもたくさんだった・・・
初日は「おじぃーの家」という素泊まりの宿に泊まった。何も無い相部屋の安宿だったし、きれいとは言い難い建物だったけど、宿の人はとても親切だし、宿泊者とのお話も楽しかった。自転車も車もタダで貸してくれるし、ご飯とみそ汁は提供してくれるので、自炊半分の長旅逗留者には最適だろう。
私としては、島の初日だし、島らしいものが食べたい・・・と、宿の方のおススメの「どぅーらい」(集まる、という意味らしい)というお店へ行ってみた。ちなみに、与那国住まいの知人のおススメの店でもあったので、期待感大であった。
左はカジキの刺身。与那国はカジキ漁が盛んらしい。真ん中はソーミンチャンプルーなのだけれど、これも島特産の「長命草」(ボタンボウフウ)という草が混ぜてあり、独特な香りがする。右は石垣牛の刺身。あとは、写真は無いけどモズクを注文。どれも美味かった! もちろん、最初はオリオンの生、続いて泡盛でいただいたのは言うまでもなし。
宿代が2千円なのに夕食代が4千円になった(笑)。でも安いよね。
2日目からは「なかたけ荘」というところに3連泊。こちらの宿は昔の民家をそのまま使っている。以前はおばぁが経営していたらしいけれど、今は京都から移住された母娘(と9歳の息子さん)が運営している。オーナーさんはジャージー牛を飼育しているらしい。沖縄で乳牛って珍しいと思ったら、やはり加工・販売なども面倒なのだとか。ちょっとしかお話できなかったけど、もっといろいろ聞きたかったな。

この宿では、同じように連泊している人や常連さんやなぜか島の人たちなどが一緒に夕食を食べたり食事の後の飲み&おしゃべり(沖縄ではこれを“ゆんたく”と言う)に興じていて、とても楽しい。
しかし、予想はしていたけど、同宿の人たちも相当に重い離島病?であった。そして「島の人」もかなりの数が移住者だった。
与那国と言えば・・・海底遺跡、というダイバーさんたちがかなり多かった。ハンマーヘッドシャークもお目当てらしい。出会った観光客の8割くらいはそんな感じ。
一方、「与那国に行くよ」という話を東京あたりですると、帰ってくる反応の8割くらいは「Dr.コトー」である。
そして、かなり少数派であるが、しかもその多くは年配の男性であるが、チョウを目当ての人たちも存在する。
そして、与那国と言えば何と言っても「ヨナグニサン」であろう。世界的にはそれなりに広く分布するらしいが、日本ではこの島と西表などにしかいない世界最大の「ガ」である。これは、遊歩道でお会いしたチョウ好きの方が見つけてくれた幼虫である。
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2日目は本格的に島の散策。自転車を借りて東崎(あがりざき)へ向かう。
与那国は起伏が大きいので自転車だと大変、とは聞いていたけど、日数が十分あるから行ける所まで行ってみるか、という気分で。

祖納の集落を抜けて農地に出たところ。この道をまっすぐ行って、左奥に見える道の方へ登っていき、右奥に見える風力発電所の方に向かうと東崎である。
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東崎に到着。馬と牛がいっぱいいた。
与那国では「与那国馬」という小型の在来種が育てられている。
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灯台付近から沖を望む。
崖下をウミガメが泳いで行った・・・
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なんだかんだ、頑張れば自転車で島を一周できそうだなってことで、お昼ごはんは南の集落の比川(ひがわ)で食べた。左が光里食堂(ひかりしょくどう)でいただいた、ゆし豆腐定食である。豆腐屋さんの食堂なので、豆腐が美味しい。ボリュームもたっぷり。炊き込みご飯と刺身もついて、800円である。サービスで豆乳がいただけて、これがまた美味い!
右は、お約束?の「志木那島診療所」である。私も好きなドラマだったので、ちょっと嬉しい。さすがに来訪者が絶えない感じであった。なお、入場料は300円。屋上はタダだったので、屋上だけ登ってみた(笑)。それにしても、新しく作ったセットなのに、ちゃんと古ぼけた感じになっててスゴイ。