越後妻有アートトリエンナーレ
前回に続けての訪問。今回は、特に誰がとか何がとかの大きな目的は無かったので、ガイドブックを片手に気ままに周ってきた。
越後湯沢からレンタカーを借り、どのルートで妻有方面に抜けようかなぁと迷った末、県道334号を選択。最初に観たのは日本工業大学の小川研究室による「はさベッド」。
休耕田に蕎麦の白い花が咲き、こんな木道と稲わらを屋根にした「ベッド」がいくつか設置されてる。右は、ベッドから見た眺め。もちろん、寝転がりました(笑)。
結果的には、今回の「新作」ではこれが一番良かったかな?
これらは現代アートではありません(笑)。通りがかりに見かけた伝統的存在。
左は、庚申塚と書かれていました。単独の庚申塔は良く見るけど、こういう集合体を見るのは初めて。
真ん中と右は小さなお社。今回の旅の訪問挨拶をしました。小さいけど、良く手入れがされた気持ちの良い空間でした。玉に手をかけた狛犬さんがかわいい。
こちらは施設版。左は、今回から新しいセンター施設として位置づけられた十日町の「キナーレ」という現代美術館。中庭的な空間に、ボルタンスキーの巨大なインスタレーション。膨大な古着を、クレーンがひたすらつまんでは落とし、つまんでは落とし…を繰り返す。事前に写真では見ていたけれど、実際に目にすると圧巻だった。「大地の芸術祭」というコンセプトに合うかどうかは別として(笑)。右は、十日町市博物館に置かれた眞田岳彦の麻糸の作品。十日町文様というデザインを作品化しているのだそう。
キナーレでは、クワクボリョウタの作品も、とても面白かった。
今回は、天気予報では雨がちという話だったのだけど、行ってみたら2日間とも良く晴れてくれた…と言うか、暑かった(苦笑)。
稲穂は重く垂れさがって金色に、薄の穂は風になびいて銀色に輝いていた。
廃校を利用した「もぐらの家」にて。土をテーマにしたこの館では、本多裕紀の「今度生まれてくる時も、また」が良かった。階段の最上階につきあたるところに、蓮の葉と花を象った作品が置かれていた。
廃屋を利用した高橋治希の「蔓蔓(まんまん)」。雪椿をイメージした陶器に、この地域の様々な風景が描きこまれている。この人の作品は、GWに瀬戸内で観たばかり。やはり好きだな。この記録を書くにあたってあらためて調べてみたら、2008の金沢アートプラットフォームの「ウシミツ」の作家さんとわかって驚いた。あれも良かったんだよね。今後もこの人は要チェックだな。
行武治美の「再構築」。廃屋の内外にたくさんの丸い鏡が貼り付けられている。これは固定されているのではないので、風が吹くとゆらゆら揺れるのが良いのだ。こういうのは、写真ではわからないところだね。行ってみたら思ったよりもずっと良かった、というタイプの作品。
この人も、調べてみたら瀬戸内でなかなか良いなと思った作品の作者さんだった。どちらのイベントも福武関係だから作家さんが共通しているのはわかっていたことだけれど、自分の好みというのもわかりやすいもんだと実感するね(笑)。
廃屋や廃校が作品の舞台にされることが多いですが、神社もかなり使われています。
左は十日町の妻有神社の平田まどかによる「ツマリの結びかみ」という参加型の作品。地元の方や訪問者が願い事を紙に書いて結んでいく。眼下に十日町の街並みが眺められます。
右は十日町の十二社神社の昭和女子大学・杉浦ゼミによる「山ノウチ」。これも住民参加型。とても面白かった。