佐渡島
今回の年末年始は一人旅。どこへ行こうか…と思案の結果、以前から行きたいと思っていた佐渡島を選択。冬に行くのも風情があろうか…と。
前回の年末年始は波照間で、その時も「波が高いと行けないかも…」と思ったけれど、今回はもっとその危険性が高いと思っていた。実際、数日前は高速船は欠航の日もあったし(フェリーは大丈夫だったみたいだけど)。
しかし、何の問題も無く無事に到着。ほとんど揺れなど感じないほどだった。島の神様に感謝です。
両津港に着いてレンタカーを借り、まずは海岸に沿って北へ。「内海府」と呼ばれる湾内は、驚くほど静かな海でした。
しかーし!
北端の弾崎を西に周って「外海府」と呼ばれる側になると状況は激変。
「日本海の荒波」が文字通りに目の前に…
観光客どころか地元の人の影すらほとんど見えず、一人でうろうろしている自分自身がなんだか可笑しくなってしまいました(笑)。
初日は外海府に面した宿に泊まったのですが、雪はほどほどでしたが、夜通しものすごい風でした!
佐渡の海岸は岩場が多かったです。外海府では、波打ち際に「波の花」が舞っていました。
右の写真は「尖閣湾」という景勝地で夏場は観光船も出ているようですが、今の時期は船を出すなんてとんでもない状態(苦笑)。写真を撮るにもすごい風なので、「ひょえー」とか言いながらぱぱっと撮って、すぐに逃げかえるような感じで…
北西端の相川は、集落ではなく「街」になっているので、さすがにちょっとホッとしました。
ここは有名な金山で栄えた街。今回訪れるまで知らなかったのですが、平成に入るまで採鉱されていたのだとか。意外でした。てっきり江戸時代だけのものと思っていたので。なので、近代の産業遺産も残っていて、独特の景観を呈しています。
しゃれた外観の古びた建物や、古い街並みが保存されています。これらを活かした街の再生の取り組みもされつつあるようで、案内板もあちこちに設置されていて便利です。
佐渡島の形は誰でも思い浮かぶと思いますが、真ん中が東西方向で凹んでいて、そこが国仲という平野になっています。東が両津、西がかつて国府のあったところで、新旧の中心地でしょうか。北側は大佐渡、南側は小佐渡と呼ばれ、どちらも山地で、北西の相川、南西の小木という土地がかつての港町で栄えたところ。
相川も港町ということなので、左上の写真のような風情のある坂があります。
また、佐渡は石仏の多いところです。街中や路傍の各所に仏様たちがたくさんいらっしゃいます。
そして港町には、やっぱり猫が似合う(笑)。あったかい季節ならもっといるのかな?
佐渡に行きたかった理由の一つは、お寺を見たいということでした。両津港に着いてすぐに観光協会を覗いたら「佐渡へんろ」という本が置いてあったので購入し、今回の旅の重要な御供になりました。佐渡は当然日蓮さんにゆかりのあるお寺が多いのだろうと思っていたら、それはそのとおりにしても、真言宗のお寺がこんなにあるのは意外でした。地図上ではもっとたくさんお寺があったから、他の宗派も多いのかなぁ?
この写真は、南西に降って小木に行く途中の「蓮華峰寺」さん。真言宗で金剛峯寺、室生寺と並ぶ三大聖地…となってるのはちょっと大げさな気もするけれど、空海さんが投げた独鈷杵がここに落ちた、という伝説は面白い。都から見て鬼門にあたるので「小比叡」と呼ばれるらしいけれど、真言宗なのにその名は…とこれまた微妙な(笑)。
でも、仏様こそ直接拝めないものの、境内も建物もとても良い雰囲気のお寺さんでした。客殿の表にたくさんある大きな梵字、門の梁の魚、八角堂…いろいろ興味深かったです。
小木まで降って南の海岸に出て、さらに西へ向かうと「宿根木」という古い街並みがあります。小さな入り江に出来た街で、規模は小さいですが昔の雰囲気を上手く残してあります。年末年始なので数軒あるお店はどこもお休みだったですが、こういうところでのんびりして、できれば泊まってみたいものです。
右は白山神社の狛犬さん。隣の称光寺さん(時宗)も良い雰囲気のお寺さんでした。
さらに最西端に行くと沢崎鼻というところに出ます。佐渡の灯台はどれも良い姿でした。
ちなみに、佐渡ではコンビニは10軒も無いと思いますが、釣具屋さんはかなりありました。こういう海岸では、けっこう釣り人の姿がちらほら…この寒い中、足元を波に洗われながらよく頑張るなぁ…と、私も釣り人ではありますがとても真似できないと思いました(笑)。