バスク地方(スペイン・フランス)
去年はノルウェーに行って、雄大な自然が楽しめたけれど、文化・食事が今一つ・・・だった。
一昨年のポルトガルはその点ではバランスが取れて楽しかったので、またヨーロッパの小都市・田園地域で文化・食事が楽しめそうなところを・・・ということで、「バスク地方」へ行ってみた。
バスク地方というのは、スペインとフランスの西側の国境地帯の一部地域で、独自の文化・言語を持っている・・・ということらしい。私の場合は、サッカー関連の情報の中で、そのようなことを少し聞いていた程度である。詳しいことはとても語れないので、興味のある人は調べてみてほしい。民族的に周辺地域と特に際立った外観の違いがあるということではない様子。
面積は2万km2ほどで、四国より少し大きく、九州よりはだいぶ小さい。人口はスペイン側が200万でフランス側が100万といったところらしい。
旅は、スペイン側から入り、フランスに移動、そしてまたスペインに戻ってくるコースとした。
左は、最初に泊まったスペイン側の、フランス国境付近のオンダリビアという街の古城ホテル。パラドールと呼ばれている。ポルトガルのポサーダと同じような半官半民の宿泊施設。さすがに中は風格があった。
右はオンダリビアの城壁内の旧市街。赤地に白と緑のクロスがバスクの旗で、白地に赤のクロスはオンダリビアのもの。
「漁師組合」という名の有名店で昼食。左の「魚のスープ」が「世界一美味しい」という触れ込み。
世界一かどうかはともかく、なかなか美味しかった。右のタコも。実は、左の写真の左上にちょこっと写っているオリーブオイルの美味しさが一番感動したかも。店で探して思わず1リットル缶を買ってきてしまった(笑)。
こちらは夕食を頂いた店。バスク地方は「ピンチョス」で有名らしい。小さなパンに魚や肉や野菜を乗せた軽食で、店のカウンターにさまざまなものがずらりと並んでいる。これをつまみに軽くお酒をあおって、食べたらまた次の店へ・・・というのがスタイルらしい。外国で食べなれない料理を大量に供されて困る日本人は多いと思うけれど、こういうスタイルの食事は、けっこうありがたい。そして、これがなかなか美味しかった。
左は、パラドールのホテルの部屋からの眺め。目の前は河口で、その向こうがフランス。
この旅は、というか、この地域は雨が多いらしく、たびたび雨に降られた。でも、困るほどではなかったのはありがたかった。この雨の多さがこの地域の自然の豊かさにもつながっているようで、植生などを見ているとスペインなら荒涼としているのではないか・・・というイメージとは程遠く、緑がとても多い。ただ、いわゆる「南仏」ではないにしても、フランスの最南端なので暖かいイメージを想定していたら、どちらかと言うと日本なら東北地方のような雰囲気の木々で、実際、気温も東京あたりよりは低いようだ。
バスク地方が発祥のものはいろいろあるらしく、右は朝食時に頂いたガトー・バスク。このあともあちこちで・・・。。。
続いてフランスへ。このあたりは「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」への巡礼路になっているそうだ。
今回、立ち寄ったのは、まずは左上の「エスペレット」。ここはトウガラシの名産地で、写真のようにたくさん乾かしている様子が見られる。お土産に買って来たけれど、日本のトウガラシよりもだいぶマイルドな味。
右上と左下は、サン・ジャン・ピエ・ド・ポールという宿場町で、小さな城壁に囲まれている。今回は、移動経路の立ち寄りで、しかもシエスタの時間にあたってしまい、あまり街中が見られなかったのが残念だった。巡礼宿の印の帆立て貝マークがついた建物がいっぱいあった。
右下は、アイノアという小さな村のイチュリアというホテルの夕食。アイノアも良い雰囲気の街と聞いていたのだけれど、夏のバカンスシーズンが終わっていたためか、ちょっとイマイチだった(苦笑)。でも、このホテルと食事は良かった。写真は、エビのパスタのようなものだったかな?
これらの写真は、すべてサン・ジャン・ド・リュズという港町。
上は市場。魚は、わりと日本と似ていた。でも、この地域で良く出てくるメルルーサは、日本では見たことが無い。鮮魚コーナーには無いけれど、ポルトガルと同じで塩漬けタラ(バカラオ)は良く見かけた。チーズの豊富さは圧倒的。何がどう違うのかまったくわからないけど、どれも美味しそう! 少しお土産に買ってきたけど、やはり美味しかった。
真ん中の左は教会。右は、メゾン・アダムという元祖マカロンの店。好みとして、日本のマカロンよりも断然こっちが好き。
下は、港の様子。
サン・ジャン・ド・リュズに近いオーベルジュ・バスクに2泊した。上は夕食。オーベルジュを名乗るだけあって美味しかったけれど、コスパが・・・(笑)。1泊で十分かな?
天気が悪かったり、晴れてても風が強かったりだったけれど、もし穏やかな天気なら、庭でのんびりしたらかなり気持ち良いと思う。
ただし、ここを拠点に動き回るのは難しい。
タクシーで近くのリューヌ山という国境の観光地へ行ってみた。
左上のような観光のための登山鉄道がある。
・・・と言えば簡単だけれど、まず、行ってみたら、晴れてるのに風が強いとかで運休中だった。天候が悪いと運休になるとは書いてあったけれど。仕方ないので2時間くらい「ハイキング」して登って・降りてきたら、午後から運行しだしたのであらためて乗った。
・・・のだけど、上まで行ったらまた強い風雨。こりゃあかん、ということでそのままとんぼ返りしたらまた晴れてきた(苦笑)。おかげできれいな虹が見えてラッキー?だったけど。