「ん…?」
何か薬臭いような気がする…。
病院?…ううん。違う。病院の匂いほどきつくない。
それならここはどこなの?

あっ君から逃げてて、全速力で走ってて、それから…それから、
確か喘息おこしちゃって、廊下で倒れて…。
っと言う事はここは保健室?でも…。だとしたら、
いったい誰がここまでつれて来てくれたのだろうか?

気になって重たい瞼をパチッとあけたら眩しい世界が広がった。
目がしょぼしょぼする…。イタイよぅ。
もうだいぶ咳もなくなったし、発作軽くてよかったみたい。




ふと横を見るととてもバツの悪そうな表情をした… あっ君がいた。
とても重苦しい沈黙が流れた。
私は逃げ出しちゃってなんて言えば良いか分からないし、あっ君は
あっ君で私が発作をおこしたのは自分の責任だと思い込んで いるのでしょう。 


どっちも悪い事をしたのだから気にしなくてもいいのに…。
でも自分だって気にしているから口を開けない。


最初に沈黙をやぶったのはあっ君だった。



「香澄…?大丈夫か?俺調子に乗り過ぎた。ごめん…。」
まそか発作をおこして倒れるなんて思わなかった。
きちんと注意をはらわなかった俺の責任だ。
クラスであんな事をしてしまったし…。
今さらになって後悔の嵐だ。
…馬鹿か俺は。とりあえずあの時の返事がほしい…。
香澄の体調ももちろん気になるけど…。だけどさぁ…。


「香澄さん。クラスで言った事については考えてくれましたか?俺は
本気なんだけ ど?」



ビックリした。あれ本気だったんだ…。
でもさ、それって「お付き合い」をするって事になるんだよね?
私今まで付き合った事なんかないよ…。
どんな事をすればいいのか全く分からないし…。
あ!!でもあっ君は何回かお付き合いした事があるっぽいな。
でもこれ以上返事を引き延ばせない。だけどたまだあっ君の事をきちんと好
きがどうか 分からない。
いや。もちろん好きなんだけど「幼なじみ」としてなのか「恋愛感情」
で好きな のか。
だからまずは…また友達からはじめたい。



「まだ付き合うとかそういうのは考えられない。だからまずは今まで
はなれてい た期間の時間をうめませんか?それから出来れば付き合い
たいんだけど…。ダメ?」




「本当に!?マジで!!……っやったぁぁぁぁ!!それじゃ あこれからデート
とかで時間潰そうね?」
今の言葉はつまりある程度変わった俺の事を分かってから付き合いたいっ
て事で あって…。
もしかしたら俺の勝手な解釈かもしれないけど、だけども嬉しい事に
は変わ りない。だから。


「香澄は俺の事絶対に好きになるよ?」

自信ありげにいったけどそんな事実際はわからない。
でも俺は俺なりに頑張りたい。
これから香澄の都合もちょっとは考えるけどほうっておく。
だけど優しくするから…。
だから俺の事好きになって…。



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