頷け。それが最良の選択だ。2
酒の開放感は、どこまでの間違いをジェダイたちに許すのだろうか?
オビ=ワンは、新たなステージをアナキンに示され、ごくりと、喉が鳴るのを感じた。
オビ=ワンは、自分がジェダイとして許しがたいほど心弱いのだということを自覚していたから、然密な意味で、誰かと性的な関係を持ったことがない。
だが、ジェダイとして、戦地を駆け回るうちに、何度か、捕虜として縛されることはあり、そして、そのたび、この美しいブロンドをしたジェダイは、強制的な性行為を強いられてきた。
過去、オビ=ワンは、3度レイプされた経験がある。
任務半ばで、命を落とすよりはずっとマシだと思うその行為は、しかし、何人もによって、全く容赦なく繰り返され、オビ=ワンにとって痛みしか記憶に残らぬ出来事だった。
切れて血を流すアヌスに、まだ、猛ったペニスがぶち込まれる。
強引に引き抜かれるそれに掻き出され、前の男の精液がオビ=ワンの尻を伝っていく。
もはや、それが白いということはない。
オビ=ワンの血液と交じり合い、薄いピンクの色をしている。
全く食料を与えられなかったというのに、尻から注ぎ込まれたものだけで、満腹だったとオビ=ワンは感じていた。
捕虜交換条約によって守られる人権どおり、表面的な外傷は、頬を殴られた時に切れた唇だけというジェネラルは、検査のための医務室に連れて行かれると、必ず自分を診察する医師を指名した。
よくまっすぐ立っていられるものだと思うほど、肛門に裂傷を負ったジェダイをベッドへと寝かす医師は、なによりもまず、性病の検査を始める。
「レギンスにも血が付いています。よくこれで椅子に腰掛けましたね」
「……そうか。でも、君に言われたとおり、柔らかな布をそこに挟んだから、結構耐えられたよ」
「出来るだけ、抵抗せずに、力を抜いているようにという私の助言は、あまり役に立たなかったようですね」
やっと医師と二人きりになり、安心したのか、一気に顔色を悪くしたオビ=ワンは、それでも小さく笑った。
「いいや。毎日、10人にも、20人にもやられていたんだ。どれほど私が力を抜いていようと、どうしたって切れるさ」
ジェダイから下着を脱がせた医師は、そこに当てられた布がかなりな分量だというのに、すっかり赤く染まっているのに、痛ましい顔でオビ=ワンを見つめた。
「見目のよいのも考え物ですね」
「いつも迷惑をかけてすまない」
「いいえ。あなたの内臓が半分も抉られ、5パーセントの成功に賭けながら臓器の培養することに思えば、手違いで殺してしまう気にさせないあなたの容貌は、やはり私達にとって得がたいものなのだと思います」
悲惨な性的暴力に晒され、悲壮な顔で戻ったジェダイを、最初に治療することになった医師は、その時から、産める性であるジェダイたちが、任務に付く前、そっと手渡されるさまざまな抗生剤をこのジェダイにも与えていた。
だから、オビ=ワンは性的な暴行を受けようと、ウィルスに感染する心配は少ない。
それでも、その暴力は、ジェダイを傷つける。
医師は、できるだけ、内蔵の破裂を起こした。または、骨が粉砕するほどの骨折を負ったと、医務室へ運ばれてくるジェダイたちと同じように、オビ=ワンを扱った。
「でも、まぁ、マスター・ケノービ。前回に比べれば、あなたは上手い転び方をしたと思います。これならば、人工肛門を取り付けるべきかどうか、真剣に悩む必要はないですから」
オビ=ワンは、親しい誰かの身体を愛してやる方法を知らなかった。
だが、性の対象となることであればできた。
体の中へ、他人のペニスを受け入れることは、苦痛が付きまとう行為だが、しかし、……それをアナキンがするのであれば、決して耐えられない種類の痛みではないだろうと思った。
出来るだけ、尻に力を入れぬようにして、とにかく呼吸を続けていればいいのだ。
防御しようとするから、体が硬くこわばる。
アナキンのやり方が、どうであれ、絶対に、両手で数え切れなくなった後に、まだ圧し掛かってくる男達の時よりは苦しいはずなどないのだ。
もしかしたら、オビ=ワンが苦痛の声を上げたとしても、アナキンだって、尻の粘膜が切れ、そこを擦られる痛みに泣き喚いたオビ=ワンを歓んだあの男たちのように興奮するかもしれない。
甘やかに見つめるアナキンの視線の中で、自分の心を探ったジェダイは、好奇心に負けた。
オビ=ワンは、アナキンと寝てみたかった。
その気持ちは、正直に曝け出してしまえば、まだ、アナキンがオビ=ワンのパダワンに過ぎなかった頃から、師匠の胸に隠されていた。
オビ=ワンは頷く。
「そうだな。アナキン。それは、今晩の私たちとっては、選んだとしても許される選択肢なのかもしれない」
オビ=ワンからの同意を得たアナキンは、嬉しそうに笑うと、ぎゅっとオビ=ワンを抱きしめた。
陽性に酔った弟子は、いつもより、ずっと笑顔が多くて、オビ=ワンは、心がほんわりと暖かくなったような気がした。
この笑顔をもう一度見られただけでも、オビ=ワンにとって今晩は、最良の夜だった。
独り立ちしたジェダイナイトは、殆ど師匠の手を煩わせない。
一般のホロネット視聴者と同じ程度にしか、オビ=ワンも弟子の姿を見ることができない。
チュニックを脱がすアナキンの手に、まるで焦りのないことがオビ=ワンにとっては口惜しかった。
ジェダイの規格を最初から超えていたオビ=ワンの弟子は、やはり、規範を守ってはいなかったのだ。
ジェダイオーダーは、ジェダイたちに性行為を禁止したりはしてしない。だが、特定の相手を慈しむためにその行為を行うことは、ジェダイのコードに触れた。
けれども、近く肉体を交わすことは、どうしても相手に対して情を湧かせ、そのため、ジェダイたちは、極力その身を謹んでいるのだ。
アナキンは、オビ=ワンにさも愛しげなキスをいくつも与えながら、急くこともなくチュニックをはだけていく。
優しく抱きしめられながら、アナキンにはこんなに愛情深く触れる相手がいるのだとオビ=ワンは知りたくもないことを教えられた。
それでも、アナキンの唇が自分の首筋を辿っていくのが、オビ=ワンには嬉しい。
少し濡れた感触のするそれが首筋を辿れば、こんなにも自分の体は甘く、熱く反応するのだと、人生の中でオビ=ワンは始めて気付いた。
オビ=ワンの口が軽く開き、そこから生ぬるく湿った息が惜しげもなく吐き出されているのに、アナキンは、また笑みを浮かべた。
アナキンは、嬉しくて仕方がないのだ。
一生敵わないと思っていた師匠が、ほんの少し触れただけで、これほど容易く自分の思い通りの反応をする。
予想通り、オビ=ワンの体は初心で、返してくれたキスのテクニックだって、とてもぎこちないものだったが、思っていた以上に、師匠の体は気持ちのいい手触りだった。
触れた唇は、柔らかだった。
今、自分の舌が触るミルク色の肌も、戦地の前線に立つジェダイのものとは思えない。
脱がされるばかりで、自分の手をアナキンのチュニックへ伸ばすことさえ思いつかないでいるらしいオビ=ワンからは、どんなセックスの技巧も望めそうになかったが、アナキンはこの身体を触っているだけで満足できた。
さすがに鍛えられ盛り上がるオビ=ワンの胸へとキスをしながら、アナキンはくすりと笑う。
「結構、正直者ですね。マスター」
オビ=ワンの腕は、アナキンを抱くために伸ばされていないというのに、その腰は、アナキンへと擦りつけられていた。
過度に過ごした酒で箍の緩むアナキンは、そんなオビ=ワンの様子が、楽しくて、かわいらしくて仕方がない。
性欲があるのかすら、ずっと疑っていた師匠が、股間を膨らませ、それを自分へと押し付けている。
唇は吐き出す息に濡れ、戸惑って天井ばかりを見つめているオビ=ワンの目尻は赤い。
胸を弄られることよりは、ずっとアナキンに押し付けている膨らみを弄って欲しそうなオビ=ワンに、アナキンは、下腹へと手を伸ばした。
レギンスの上から、師匠の腫れたペニスを握る。
「あっ」
オビ=ワンは、短い声を出した。
「マスター。柔術の時間じゃないんですから、体から力を抜いてください」
股間を狙って攻める手から逃れるように、身体を丸め込もうとしたオビ=ワンの髪に、アナキンはキスをした。
反射的に反応してしまった自分の体を恥ずかしそうにして、オビ=ワンがおずおずと、入れていた力を抜く。
「ほら、ちっとも痛くないでしょう? 心配しなくても、気持ちよくするだけですから」
アナキンは布の上からオビ=ワンのペニスの形を探るように何度も撫で、そうやって柔らかく刺激を続けてやると、オビ=ワンの腰は、ソファーの上から浮き上がった。
オビ=ワンは、体の奥からこみ上げて自分をせっつく、性欲をコントロールできなかった。
オビ=ワンは、もっとアナキンにペニスに触れて欲しかった。
出来ればこんなまどろっこしい布越しなどではなく、直接握って扱いて欲しい。
それを、さりげなく伝える方法など、師匠は知らなかったので、オビ=ワンは、アナキンのチュニックを掴んだ。
近づいた身体に真っ赤にした顔を摺り寄せ、頼む。
「ア・アナキン。私のものは、もう濡れてしまっているんだ。気持ちが悪いんだ。なぁ、脱がしてくれ」
アナキンは、驚いた顔をした。
「……ええ……まぁ、でも、それは、すごくいいですね」
あまりにオビ=ワンが不器用なので、アナキンは、師匠がたまらなく愛しくなっていた。
まるで蹴り落とすようにレギンスを脱いだオビ=ワンは、頼りない目をしているくせに、待ちきれず、大きく足を開いて、アナキンの手をそこへと誘導する。
「これが触って欲しいの? オビ=ワン?」
アナキンは、逃げようとするオビ=ワンの目を見つめた。
「……。……いや、あの、」
オビ=ワンの顔が反らされる。しかし、硬くなったまま先端を濡らし、揺れているペニスは、アナキンが触ると、正直にムクリと、サイズを大きくした。
アナキンは尿道口に盛り上がるヌメりをカリ全体に塗り広げてやりながら、真っ赤に頬を染めて身を硬くするオビ=ワンの足の間で、自分にとって都合のいいポジションを探した。
このソファーは決して狭いというわけではないのだが、大きく足を広げたジェダイの股の間に、更に男が楽々と入り込むができるほどには広くなかった。
オビ=ワンの片足が居場所を失いソファーから滑り落ちる。
「どういうのが、オビ=ワンの好みに合いますかねぇ?」
足が落ちたせいで、更に大きく角度を開いたジェダイマスターの股の間で、アナキンは色気のある目付きで笑った。
焦った師匠の体の状態を分かっているアナキンは、焦らしはしなかった。
オビ=ワンのペニスを手に握り、何度も扱き上げてやる。
弟子入りしたばかりの時より、少し緩んだ師匠の腹が、快感によじれ、ベコリとへこんだ。
「あっ。あっ。アナキン!」
オビ=ワンは、膝を立て、アナキンの手が与える刺激を喜んで受け取っている。
あまりに簡単に快感に負けるオビ=ワンの態度に、アナキンはもしかしてこの師匠はものすごく経験がすくないのか、もしくは……初めてなのではないかと、疑う気持ちにすらなった。
いくら諌められようと、愛というものはこの世で一番大切にしなければならないものだと思っているアナキンにとって、それは反発したくなるばかりなのだが、ジェダイは、愛する人を持つことを許さない。
では、極自然に湧き上がる性欲をどう処理するのかといえば、ジェダイたちは皆、口を噤むのだ。
金で解決する方法もある。しかし、数いるジェダイの中には求道者のように寡黙なジェダイがいた。彼らは、そんなことが身のうちにあることをちらりともみせなかった。
アナキンの師匠は、このタイプだ。
もしかしたら、オビ=ワンにとって、これがはじめてのセックスである可能性はある。
アナキンは、やめるとうことも考えた。だが、しかし、酒の酔いは、アナキンの倫理コードを緩めていた。
弟子にペニスを握られて顔を赤くし、きつく目を瞑っているオビ=ワンは、とても気持ちよさそうに身体を汗で濡らし、快感に身を任せている。
手の中のペニスがこのセックスに怖気づくことは一度もなく、アナキンの動きが止まれば、焦れてせっつく性急さだ。
アナキンはオビ=ワンのペニスを扱きながら、その身体に覆いかぶさり、赤い舌を覗かせる唇をペロリと舐めた。
驚いたオビ=ワンが、バサリと、睫の音がしそうな眼を開ける。
濡れて光る目は、アナキンの顔をじっと見つめていた。
そして、急に申し訳なさそうな表情をした。
「……悪い。私ばかりじゃずるいな。アナキン、私も、ちゃんとやるから」
もう出したいばかりだろう硬さに、ペニスを濡らしているというのに、オビ=ワンは、アナキンの首を抱いた。
「悪かった。……、その、お前がしてくれたようには、気持ちよくはしてやれないだろうけれど……」
なんとも魅力的な告白を耳元でするジェダイマスターをアナキンは抱きしめずにはいられなかった。
ぎゅっと抱き寄せたアナキンの腕の中で、オビ=ワンが身を捩る。
「あの、……アナキン。私のでお前の服が濡れる」
「ええ、マスター。あなた、ずいぶん良いみたいですもんね」
アナキンがチュニックとレギンスを脱ぐのを手伝ったオビ=ワンは、弟子にソファーへと横になるように言うと、その上へ方向違いに跨った。
オビ=ワンの性器は、アナキンの顔の前へと突き出されており、弟子の髪を踏まないよう注意深く開かれた足は、大きく開いている。
あまりに大胆な師匠の態度に、アナキンは興奮した。
白く丸いオビ=ワンの尻を手の中に納め、その柔らかさを楽しみながら、広げる。
オビ=ワンがビクリと尻に力を入れる。
重く垂れ下がっている師匠のペニスへとふっと息を吹きかけてやる。