バナ豆劇場 ─3─
撮影現場に訪れたショーンをエリックが待ち受けていた。
「ショーン」
エリックは、にやにやと笑っていた。
ショーンは、眉をひそめた。
「ショーン。実は、セットが・・・」
エリックは、満面の笑みで、ショーンに告げた。
ショーンは、エリックの足を蹴り上げた。
「クソ!せっかく早出してきたのに!」
「早い?ショーンなんて、遅いほうじゃないか。俺なんか、朝日が昇る前から、ずっと待ってるんだぜ?」
エリックは、大げさに痛がりながら、悔しそうに顔を顰めるショーンを笑った。
ショーンは、タバコを取り出し咥えた。
「なぁ、エリック、一体どのくらい待たされそうなんだ?」
「さぁ?・・・なぁ、ショーン、口寂しいのか?」
エリックは、ショーンの口からタバコを取り上げた。
口元にいやらしい笑いを浮かべて、ショーンを見下ろした。
ショーンは、エリックの背後にある太陽に目を眇めながら、エリックの顔を見上げた。
エリックは、ショーンの腕を掴んだ。
「ショーン、いいものを舐めさせてやろうか?」
ショーンは苦虫を噛み潰したような顔をした。
「ごめんこうむる」
「どうせ、何時間か待たされることになるんだ」
「エリック、そんなことより、タバコを返してくれ」
ショーンの腕を、鍛え上げられたエリックの手が引っ張った。
ショーンの体は、大きなエリックの体に抱きこまれた。
「俺は、もう、ずいぶん退屈な思いであんたのことを待ってたんだ。ショーン、しばらく、二人きりで楽しく時間つぶしをしよう」
エリックは、ショーンを引きずり、人気の無いトレーラーへと連れ込んだ。
ショーンは、エリックに両手をつかまれ、腕を上に上げた状態のままだった。
その状態で、エリックのペニスを口に含まされていた。
ショーンの膝は床についていた。
唇だけでの奉仕は苦しい。
ペニスを飲み込もうと無理に顔を前後させるせいで、ショーンの唇から、唾液がこぼれた。
「どう?ショーン。これのほうが満足できるだろ?」
エリックは、ショーンの手首を掴んだまま、自分の腰を突き出した。
ショーンは苦しそうな顔をした。
眉の間に皺が寄った。
エリックは、舌なめずりをして、ショーンの顔を見下ろした。
ショーンの高い鼻が、エリックの下腹でつぶれていた。
「おいしい?」
悔しそうに見上げるショーンの目は、うっすらと潤んでいた。
それでも、ショーンの舌が、エリックのペニスの根元を舐めようと伸ばされた。
見下ろす顔の淫猥さに、エリックは、ごくりと喉を鳴らした。
エリックは、ショーンの手首を高く吊り上げ、指先へとキスをした。
「ショーン。後、どのくらい待ち時間があると思う?」
「・・・知るか」
ショーンは、エリックの陰毛の中へと鼻を突っ込み、丁寧に舐めながら、冷たく言い放った。
エリックは、ショーンの指へとキスを続け、指先を口に含んだ。
「なぁ、ショーン」
エリックは、サンダルのつま先で、ショーンのジーンズの前を踏みながら聞いた。
目は、肉づきのいいショーンの腰を舐めるように見ていた。
「・・・できると思うか?」
ショーンは、舌を伸ばしたまま、エリックを見上げた。
エリックの目は、興奮していた。
そうさせたのが、自分だと思うと、ショーンの中に蠢くものがあった。
ショーンは、エリックのサンダルに、自分から腰を擦り付けた。
「残念」
エリックが、強く掴んでいたショーンの手を離した。
ショーンは、やっと自分の手を取り戻した。
指先が、エリックのせいで濡れていた。
「セットが直ったみたいだ。スタッフが探してる」
エリックは、トレーラーの窓から、視線をショーンに移した。
ショーンの顎を掴むと、苦労して、頬へと口付け、そのまま、強引に、顔を動かし始めた。
ショーンは、ただ喉を開いているだけだった。
口の中を自由に使われ、エリックのいいように扱われた。
それでも、ショーンの口内には快感があった。
エリックのペニスが擦り上げていく上顎が気持ちよくて、ショーンは、目を瞑った。
エリックが、ショーンの口内に射精した。
すぐさま、ティッシュが差し出される。
「ショーン。あと、10歩分くらいだ。さっさと吐き出せ。あんたのほうまで、面倒が見てやれなくて、すまないな」
エリックは、ジッパーを上げ、ショーンの体を床から立たせた。
ショーンが口を拭いたティッシュを受け取ったエリックは怪訝そうな顔をした。
「ショーン?」
ティッシュが濡れた痕跡は殆ど無かった。
「・・・匂いが残るだろう?」
エリックは、たまらないという顔で、笑い、ショーンの口の中にガムを放り込んだ。
ガムを噛む、ショーンの唇にキスをした。
スタッフが、ドアが開いたのは、二人のキスが終わった直後だ。
BACK NEXT