4ムビスタでの豆アレック人形についての話題の時の小話。


ショーンが取り上げた電話口で、ヴィゴが嬉しそうに勢い込んだ。
「ショーン。あんたの手元にも、フィギアは届いているのかい?」
「なんの、話?」
ショーンは、いきなり始まったヴィゴの話に、首を傾げた。
「俺の手元には、届いたんだ。あんた、自分のフィギアなんだから、1体は必ず、手元に届けられるだろう?」
「だから、何が?」
「新しく出来た、アレックのフィギアだよ」
「・・・ああ、アレ。もう、随分前に貰ったから、忘れていた。なに?ヴィゴ。わざわざ、買ったのか?」
「うちには、2体ある」
ヴィゴの声は、自慢げだった。
「注文したのが、俺だけじゃなかったから、結果として、2体になったんだけどな。これが、2つあると、おもしろくて」
あまりに楽しげなヴィゴの声に、ショーンは、嫌な予感がした。
「お前、何して、遊んでるんだ?」
「・・・まぁ、いろいろ」
十分な含みを持ったヴィゴの声に、ショーンは、眉の間に皺を寄せた。
ヴィゴは浮かれた声のままだ。
「今度会う時は、ショーンも、自分の人形を持って来いよ。うちのラブカップルに混ぜてやる」
ショーンは、力強く受話器を握りしめた。
「・・・何してる?何してるんだ。ヴィゴ」
ショーンは、低い声を出した。
電話口のヴィゴは、楽しそうに笑っていた。
「ショーンも、俺のフィギアで遊んだら?」
「お前・・・」
「うちは、俺のフィギアを中心に、すごくいいハーレムが出来上がってるぞ。ショーン達が、そりゃぁ、もう、かわいくて」
「一生、人形と遊んでろ!」
ショーンは、電話を切ろうとした。
「なぁ、ショーン。あんたと、あんたのエッチは、見応えあるぞ」
嫌がらせのようなヴィゴの言葉に、ショーンは、下ろしかけていた受話器を思わず戻した。
「ヴィゴ、お前はバカだ」
冷たい声で言い放つ。
間髪入れずに、ヴィゴが言葉を返した。
「ショーンを死ぬほど、愛してるからね。そりゃ、馬鹿だろうさ」
ヴィゴは、たらし込むような甘い声を出した。
まんまと嵌ったヴィゴの罠に、ショーンは、一瞬赤面し、ごほんと、風邪でもないのに、空咳をした。

 

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