Rush Guidance Page



 うちは、2アーティストの共存サイトです。私にとって特別な二つのバンド、それがRushでありQueenであるわけで、 この組み合わせになっている理由は、それにつきます。完全に私個人の趣味であって、他に理由はないです。
 で、まあRushファンの方は、まず絶対Queenを知っている。「Rushは知っているけれど、Queenは知らない」なんて人には、 お目にかかったことがありませんし、まず絶対いないと断言できますね。それに両方のファンというのは、私くらいかと思いきや、 「両方好き」と言う方も、かなりいらっしゃいます。

 しかし、逆もまた真なり、じゃないんですね。「Queenファンだけど、Rushなんて知らない」と言う方は本当に いっぱいいらっしゃる。悲しいかな、それが真実。だって日本じゃ、Rushは思いっきり知名度低いですから。

 でも、このサイトのトップページを訪れていただいて、「相方はどんなのだ?」と興味を持たれたQueenファンの方が 万一Rページにいらっしゃったとしても、ファン用に作っているページゆえ、入門や紹介的なことは何も書いていない。 それじゃ、やはり不親切だし、せっかく共存サイトなのだから、相方のことを少しでも知っていただけたらな、とも思えるので、 (いえ、決して強制はしませんが)このコーナーを作りました。
 Rushについては比較的薄いのだけれど、 興味はある、2,3アルバムは持っている、でも詳しいことは知らない、という方にも参考にしていただけたら、幸いです。


まずはRushというバンドの概要から。

出身地はカナダ、トロント。
デビューは'74年。
メンバーは3人。まだ現役。
今までに出したアルバムは、スタジオ盤17枚、ライヴ4枚、ベスト盤3枚。
トータル売上、約3700万枚。
RIAAのゴールドディスク22枚は、歴代3位。
'80年初頭から今まで、北米ではアリーナ級のメジャーアクト。

――超はつかないまでも、かなり成功しているバンドの一つなんです。

そして、簡単なメンバー紹介を。

Alex  Lifeson (Guitar 本名 Alexander Zivojinovich
 1953年8月27日生、出身地Canada British Columbia州 Fernie)
Geddy Lee   (Bass、Vocal、Keyboards 本名 Gary Lee Wainrib 
 1953年7月29日生、出身地Canada Ontario州 Toronto)
Neil  Peart  (Drums、Percussion Lyrics 本名 Neil Elwood Peart
 1952年9月12日生、出身地Canada Ontario州 St.Katherines)

バンド結成は1968年にさかのぼります。Neilはセカンドアルバムから入ったメンバーですが、 それ以来今にいたるまで、ずっとこの3人でやっています。


それでは、Rushとは具体的にどんなバンドなのか――

(注:プラスもマイナスも含めて、一般的な認識と思えるものを列挙しました。 もちろん個人的主観も入りまくりですが、中には他のRushファンの方に殴られそうなことを 書いてしまったかもしれません。(汗) あらかじめ断っておきます。ごめんなさい!)

 海外ではプログレに入れられるほうが多いけれど、日本ではプログレ扱いはあまりされない。 基本的にはハードロックバンドだけれど、ポップに寄った時期もあり、実はジャンル分けが 非常に難しい。Queen同様、存在自体が一つのジャンルである。

 なぜそうなるかの理由の一端は、表面上のサウンドが、アルバムごとに変わっているから。 作品が商業的に成功しようが失敗しようが、常に自分たちのやりたい方向へ変化していく。

 でも、どんなにサウンドが変化しても、常に「ああ、これRushだ!」と、一発でわかる個性がある。

 で、その個性が強すぎて、メジャーな北米でも、好きな人と嫌いな人とに、はっきり分かれる。 それゆえ、あまりラジオでもオンエアはされず、決してメジャーストリームにはならない(なれない)ので、 「the biggest cult band」などとも言われます。

 その個性の一端は、ヴォーカルの声質によるところもある。生理的に嫌いな人も多し。 どんな声か? うーん、初期の頃は「ヘリウム吸ったロバート・プラント」っぽくって、 友人によれば、「首を絞められたような」または、「蛙をつぶしたような」(笑) 私個人の意見では、「男と女と子供と大人と老人を全部混ぜたような」と言う感じです。

 でもそれ(↑)もRushの貴重な個性なんですよね。好きな人は好きです。(私も)

 カルト・バンドと言われる一因には、えらく熱心なファンが多いということもある。 はまると、むちゃくちゃはまるので。

 楽器演奏技術は、3人とも超名人級。(特に北米での)評価は非常に高し。 とりわけNeil Peartは「ドラムの神様」とさえ呼ぶ人、多し。 「世界一タイトなリズムセクション」と言う評価もあります。

 リズムセクションだけでなく、3人のアンサンブルは息がぴったりで、思いきりタイト。 特にそれはライヴにおいて本領発揮され、ライヴでノックアウトされる人、多し。 Rushはライヴバンドなのだ! たった3人でアルバムを再現してしまう業は、超人的とすら言えます。

 でも悲しいかな、来日公演は過去一度だけ、'84年。

 変拍子を使い、結構複雑なことをやっていますが、それをさらっと聞かせる自然派。難しいことを難しそうにやるより、すごい!(ファンの声)

 ミュージシャンにファンが多いので、「Musician's musician」とも呼ばれる。ことに90年代には、 Rushがセールス的にピークだった'80年代初頭に洗礼を受けたファンたちが次々にデビューしました。代表的なところでは、 Dream Theater、Soundgardenなど。(メンバー全員ではなく、一部ですが) 他にもスマパンなど、「影響を受けた」と言う人、 かなりあり。(しかも結構メジャーどころが)

 ↑に書いたように、セールス的なピークは'80年代初め頃。でもそこから決して「派手に落ちない」のが、このバンドの強みかな。 (強いファン層に支えられているためだと思います)

 ただし、一般的に見て、決してとっつきはよくないようです。かなり個性的なサウンドな上、第一印象では どの曲も同じに聞こえるという意見も聞きます。(個性が強すぎるせいか) 最初はピンと来ないという人多し。 (かくいう私もそうでした)なぜかは、わかりませんけれど。

 でも聴いているうちに、はまる。全員がそうとは、言えませんが。はまる人は、本当に深みにはまります。 (かくいう私もそうでした)

 前に書いたように、ヴォーカルの声質を受け入れられるか、というのも分水嶺の一つかな。 ダメな人は、無理には勧めません。

 ルックス的には、まあ、地味なオジさんたちです。ただ、Alex Lifesonは、昔は美形でした! 

 というわけで、ルックス的に売りはありません。昔のAlexは例外ですが。(くどいぞ!)

 ステージセットは大掛かりで、ライティングやレーザーショウ、バックのグラフィックなど、非常にきれいだそうです。 北米では、定評があります。でもその大量の機材がネックになって、来日公演が'84年以来実現しません。(涙)

 なんで日本では受けないのか? んー、まあ、いろいろな理由が考えられますが、(地味、とっつきづらい、華がない、オジさん、声が・・、 ちょっと個性ありすぎ、言葉の障壁etc) 端的に言ってしまえば、日本人の感性に合いにくいのでしょうか・・

 でも、ある意味、とってもかっこ良さを持ったバンドなんですよ! わかってくれたら良いのに!〔ファンみんなの声〕

 '97年8月、バンドのドラマー&作詞者であるNeil Peartの一人娘さんが、事故で亡くなりました。翌年6月、今度は奥様が ガンで亡くなりました。家族を失い、すっかり悲嘆に暮れたNeilはバンドへの意欲はおろか、生きる希望すらなくし、 しばらくは悲しみの日々を送っていました。

 そんな彼を、あとの二人は精一杯慰めながら、彼が再び生きる希望を取り戻すことを願い、バンドの活動を停止したまま、 じっと待ちつづけました。彼らはバンド仲間というだけでなく、親友なのです。

 そんなNeilも2000年には無事立ち直って再婚し、バンドに復帰しました。前年(2002年)に出た新作は、 実に6年ぶりのスタジオ作です。


――私は、なぜこのバンドが好きなのか――
理由はいろいろですが、「音楽と詞の世界の深みに、はまってしまった」のと、 彼らに「ピュア」な精神を感じてしまうからだというのが、大きいです。





Short Discography

Rush : 1974年
 デビューアルバム。ドラマーは初代のJohn Rutsey。
 かなりツェッペリンぽいです。
 後のアルバムを聴いてから、ファーストを聴くと、笑えます。特に歌詞が。

Fly By Night :1975年
 現在のメンバーでの、最初の作品。いきなり歌詞が知性的に。
 10分を超える、組曲形式の作品がはじめて登場。
 でも、印象はハードロックかな。

Caress Of Steel: 1975年
 二つの組曲を導入し、ハードロック・へヴィメタルを基調にしながら、
 プログレ的要素を本格的に取り入れ始めた作品。
 まだ中途半端という声もありますが、意欲は買われます。

2112: 1976年
 ハードロック・へヴィメタルとプログレが融合した、
 20分に渡る組曲が高い評価を得、初期の名盤とされています。
 SFです。ドラマティックです。
 このあたりで、北米ではブレイクしはじめました。

All The World's A Stage : 1976年
 ライヴ盤です。録音は同年の6月。とっても若々しい演奏です。
 そしてこの当時から、上手いです。
 イギリスでのブレイクは、このアルバムから。
 New Wave以降沈みがちだったイギリスのハードロックシーンを
 救ったのは、AC/DCと、このRushだった、そして彼らの健闘が、
 後に一連のブリティッシュへヴィメタル(Iron Maidenなど)の
 ムーヴメントを生み出す土壌になったことは、
 案外、知られていません。

A Farewell To Kings : 1977年
 ハードロック・へヴィメタル色が後退し、
 プログレッシヴ・テイストがかなり前面に出てきた作品。
 表面上は穏やかな印象だけれど、内面は激しさを感じるアルバムです。

Hemispheres : 1978年
 前作の続編とも言うべき作品。
「CygnusX-1」と言う組曲が前作にPart1、このアルバムにPart2が
 収録されています。それゆえ、続編。
 ちなみにこれもSFです。ちょっと神話も入っています。
 プログレッシヴ・テイスト非常に強いですが、
 ハードロックもかなり入っています。

Permanent Waves : 1980年
 全米で本格的ブレイクとなった作品。長い曲は減っていて、SF、神話的
 素材もなくなりました。一見とっつきやすそうな曲もあります。
 プログレ・ハード・ロックという感じ。。?

Moving Pictures : 1981年
 Rushのアルバムの中では、一番売れた作品。最高傑作ともされます。
 内容的には、前作をさらにぎゅっと凝縮し、洗練させたような感じです。

Exit Stage Left : 1981年
 セールス的には、絶頂期のライヴ盤です。演奏は凄いです。
 レコードの完璧な再現&ライヴならではのエナジー。
 惜しむらく、録音状態が悪いなぁ。
 '97年にリマスター盤が出ましたが、改善されたのでしょうか。

Signals : 1982年
 内容に満足でき、さらにセールス的にも大成功のアルバムの後は、
 その路線を――と考えるのが普通かもしれませんが、
 彼らはここでサウンドを大転換。
 シンセサイザーの大導入&ロック色はちょっと後退。
 ファンはびっくりの作品です。
 でも、曲のクオリティは高いです。演奏も。

Grace Under Pressure : 1984年
 個人的には、ここから新譜をリアルタイムでフォローし始めました。
 来日公演もあり、思い出深い作品です。
 前作の路線をさらに突き詰めた感じで、張り詰めた緊張感が漂います。

Power Windows : 1985年
 で、ここからポップ化するんですよね。
 シンセサイザーの比重もますます増え、軽快な印象です。
 でも、歌っていることは、けっこうへヴィです。

Hold Your Fire : 1987年
 ポップ化、キーボード路線のピーク。
 イヤぁ、これはロックという範疇ではないかも。
 とっても「歌謡曲」しています。でも個人的には、聞きやすくて好き。

Show Of Hands : 1988年
 キーボード・ポップ化時代の集大勢とも言えるライヴ。
 同期はかなり使っていますが、完璧な演奏です。

Presto : 1989年
 また方向を変えちゃうんですよね。キーボードを減らし
 ナチュラル・テイストのアダルトロックを目指した、という感じです。

Roll The Bones : 1991年
 前作路線ですが、地味さはあまりなく、比較的聞きやすい曲が多い。
 ロック味もさらに戻っています。後半数曲、過渡期的な煮え切らなさを
 感じるという声も多々ありますが、一般ウケはしました。
 初のラップにも挑戦。でもラップ導入の評判はあまりよくなかったらしく、
 最初で最後となりました。

Counterparts : 1993年
 また変えてしまった。おりからのグランジブームを取り入れて、
 思いきりハードに。またまたファン驚愕。
 以前の作品ではよくあった「ひねり」的なものがなくなり、
 ストレートにもなりました。速球勝負。

Test For Echo : 1996年
 これは、ハード&へヴィは前作と変わらないんですが、
「ひねり」がかなり入り、ぱっと聞きは穏やかな印象すら受けます。
 ちょっと不思議な作品。

Different Stages Live : 1998年
 本来は前4作の集大成的な役目のはずなのですが、Neil Peartの
 家族に悲劇が起きたこともあり、バンドの未来が非常に不確定な時期で
 あったのを反映してか、デビューから今までの総集編になっています。
 おかげで3枚組み。
「これで終わってもいいように」と言う覚悟さえ感じてしまう、
 ちょっと悲壮なライヴ盤でした。

Vapor Trails : 2002年
 でも、復活しました。ハードです。元気です。エネルギー全開です。
 とてもエモーショナルです。
 私的には、Counterpartsを突き詰めた感じ、という感じもします。
 キーボードが完全になくなり、有機的なトリオ編成の音に戻りました。
 ダイナミックです。


   歴史が長く、なおかつサウンド変遷も激しいバンドなので、メンバーは不動でも、第何期とか、何々期いうくくり方を よくされます。もっともポピュラーな区切り方は、4作ごとに出ているライヴ盤で切る方法。内容的には、どちらかというと 2枚ずつで変化している、という感じなのですが、ライヴ盤区切りは分かりやすいので、よく使われています。
それに基づいて大まかに区切ると、

第1期 : デビューから「2112」まで : ハード・メタリック期
第2期 : 「Farewell〜」から「Moving Pictures」まで : プログレ期
第3期 : 「Signals」から「Hold〜」まで : シンセ・ポップ期
第4期 : 「Presto」から「Test〜」まで : ナチュラル・ハードロック期

となります。
「Vapor Trails」から第5期に入るわけですが、うーん、個人的には第4期の集大成みたいな印象を受けてしまう。 第5期が完結されるかどうかはわかりません。(でも、ファンはそう願っています)


 では、私はいかにしてこのバンドに出会い、はまったのか。非常に個人的な話で恐縮ですが、Part2です。

Rush〜出会いから今まで。





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