☆ 星の一生
宇宙の中で誕生した恒星は、水素とヘリウムのかたまりです。まわりから中心部に重力が集中する
ため、ぎゅっと押された中心部は非常に高温高圧になり、核融合反応を起こします。これで星は輝い
ているわけです。水素は核融合反応の結果、ヘリウムになります。この水素が燃えている期間が、星の
全盛期です。その期間は星の重さによって決まります。大きい星ほど、燃料が長く持つ、と言うわけ
ではなく、逆に重量の大きい星は中心部のかかる圧力も大きくなるので、水素が燃えるペースが速く、
より高温になり、より短期間で燃えつきます。逆に軽い星のほうが、長く燃えます。ただ、燃える水素
の量は少ないので星の温度は上がらず、赤っぽい星になります。 ☆ ブラックホールって、何?
ブラックホールは、太陽の三十倍以上の重さを持った星が寿命を終えた後、
自分の重さを支えていられず、際限なく重力で潰れ続けている状態、といえます。もはや、中性子でも
いられないわけです。中心に向かう重力はものすごいものがあり、吸いこまれたら最後、光さえ、そこ
を脱出できません。なぜ光が脱出できないのか、ということについての説明は、ものすごく専門的に
なってしまうので、理系の人でないと難しそうだし、(ちなみに私は文系です。理論は、あまりよく
わかったとは言えません) ここでは割愛します。 ☆ 白鳥座X−1
1962年に、白鳥座の中に強いX線を発している源があることが発見されたのが、最初です。
そのX線を観察しているうちに、ある星からそのX線は発せられているのだけれど、その星自体が
直接の源ではない。その星は太陽の12倍から20倍ほど重く、今は水素の核融合で燃えている、いわゆる
壮年期の星で、どうやら目に見えない相棒の星と、お互いに周りを回りあっているらしい。でも、その
相棒の星が見えない──そして観測の結果、どうやらその相棒の星はブラックホールらしいということ
がわかったのです。 ☆ ブラックホールに落ちるとどうなるか?オリンポスに飛び出す──かどうかは、知りません。少なくとも、中心の一点に向かって落ちつづ けることは確実なようです。すべての物体は中心の一点に向かって落ちつづけることになります。 中心の一点にあらゆる物体が集中したら、どうなるか──これは、言ってみればビッグバン直後の 宇宙の状態と同じで、宇宙の法則がまったく通用しなくなってしまう世界です。これを特異点と呼び、 ここに吸いこまれた物質は、現存する宇宙から消えてしまうことになるそうです。そして、どこへ行く のか? これに関しては、あまりに想像を超えた世界であるため、まだ明らかにされていないようです。 |