☆ MUSIC LIFE 近年休刊になってしまいましたが、70年代から80年代半ばにかけてには、洋楽専門誌としては、もっともメジャーな雑誌でした。当時はA4版で厚さは一cmちょっと、カラーグラビアなどの写真も多く、取り上げるアーティストも、かなり多岐にわたっていました。 巻末には「He Said、She Said」という、読者のギャグ投稿ページがあって、そこで毎月のようにQUEENがネタに上がっていました。特に、Freddieの登場率はトップクラスでした。今は、Freddieは伝説のヒーローであり、非業の死を遂げたことで、半ば神格化されているような感もあって、茶化すなどとんでもないという雰囲気ですが、当時は、もう茶化されまくっていましたね。特異な風貌や衣装、
とくに白やダイヤ柄などの、胸の大きく開いたぴったりタイツや、赤白トランクスに着物という、初期のステージ衣装は、笑いのネタには、うってつけだったようです。 70年代後半、特に'77年ごろまでの「MUSIC LIFE」でのQUEEN記事は、読み手であるファンにたいして、単なるルックス重視、音楽二の次のミーハーファンでなく、音楽そのものを愛するファンになろう、ミュージシャンをアイドル扱いするのではなく、その素晴らしい音楽を生み出す演奏家たちとして尊敬しよう、そんなスタンスで呼びかけるような記事が、時々ありました。 MUSIC LIFE誌は80年代後半、だんだん記事のトーンが変わっていき、B4版の大きさになる頃には、まるで以前同誌から分かれた「ROCK SHOW」のような、ポップス系アイドルの専門誌(MLは、扱っているアーティストはロック系でしたが)のような色合いを帯びていき、ロックのもっともメジャーな雑誌という地位は、同誌から分かれた「BURRN!」に奪われることとなりました。その後、「BURRN!」から新編集長を迎えて立て直しをはかりますが、‘98年、ついに休刊となってしまいました。70年代後半から80年代前半まで、個人的にはバイブルのような雑誌だっただけに、非常に残念な思いがします。 ※1 最初の来日増刊号は、すぐ売り切れになり、「幻の増刊号」と言われていました。 |
☆ MUSIC LIFE 増刊号 MUSIC LIFE誌は、‘75年、'76年、'79年、'81年と、QUEENが来日するたびに、来日特集号と銘打った臨時増刊号を出していました。QUEENのコンサート・レポート、スタッフの裏話、来日中の行状記、評論家たちによるQUEEN論、占い師が見たメンバーの運勢など、一冊全部QUEEN。盛りだくさんの内容でした。来日はしませんでしたが、‘77年にも出ています。 QUEENの来日増刊号のほかに、「QUEEN、KISS、AEROSMITH、三大バンドの激突号」などというものもありました。当時、この三つが日本でもっとも人気のあったロックバンドでした。(BCRはロックバンドとはみなされていなかったし、「MUSIC LIFE」ではなく、ポップス系アイドルを扱った「ROCK SHOW」の管轄でした) |
☆ 音楽専科 MUSIC LIFEのライバル誌、とも言われていましたが、80年代に休刊となったようです。グラビアはMLと比べて少なかったのですが、読み物は充実していて、かなりコアなアーティストも取り上げ、マニアの間では評価の高かった雑誌でした。MLは横書きでしたが、音楽専科は縦書きの記事で、それゆえ装丁も逆でした。 |
☆ ROCK SHOW 70年代後半に、MUSIC LIFEから分かれて出来た姉妹誌。当時BAY CITY ROLLERS全盛の頃でもあり、BCRファミリー、FLINTLOCK、BUSTER、などのアイドル系ポップスグループを中心に扱っていました。ブームがピークをすぎたあとも、JAPANやCULTURE CLUB、DURAN DURANいった、ポップよりのイギリス系アーティストを中心に扱っていたようです。 好きなのはわかるけれど、音楽と関係ないところで騒ぎすぎると、コアなファンや男性は離れていってしまいますし、もとのムーヴメント自体が衰退すると、共倒れになってしまう危険もある、というのを、測らずも実証したような感じになってしまったようです。 ※ BON JOVI、GUN‘S’ROSES、MOTLEY CLUE、POISON、SKID LOW、WARRANTなど、80年代後期は、華やかなロックバンドが大活躍した時期でした。ご記憶の方も多いことと思います。(私もかなりはまりました)BON JOVIは、いまやエアロと並ぶ大物ですが。 |