露出時間の決定


先ほどのS/Nの結果を元に露出時間を決定しましょう。
まず、色は考えずに白黒画像において露出時間とS/Nの関係がどうなっているか実験してみます。ある画像の強度分布をグラフにしてみましょう。次のグラフは露出1秒と16秒の強度断面図です。16秒の方がS/Nが向上してることがわかります。

緑:16秒 青:1秒

では露出時間0.125〜16秒の間でS/Nがどう変化してるかをグラフにしたものを見ましょう。一見してS/Nが露出時間のルートに比例して向上していることがわかります。これはちょうどコンポジット技術と同じです。

露出時間とS/N (緑の実線はルート関数)


いままではひとつの色だけを見てましたが、次にRGBごとの露出とS/Nを考えてみましょう。はじめのグラフで示した通りS/Nはルートに比例しています。CCDは強度に対して線形性がいいので、露出時間に比例して信号強度が上がっていきます。つまり、

Signal ∝ time

S/Nが時間のルートに比例するということは、ノイズが時間のルートに比例して増加していると考えることができます。
S/N ∝ √time
∴ Noise ∝ √time

わたしが使用しているMeadePictor416XTのRGBの感度比は4:2:1であります。ということは、同じ露出時間でR信号はG信号の2倍の強度を得て、逆に、青の信号はG信号の半分の強度しか得ません。同じ露出時間ですからRGBそれぞれに発生するノイズは同じ量ですから、RのS/NはGの2倍、Bは1/2のS/Nを得ます。グラフで表すと次のようになります。

RGBごとの露出時間とS/N

前のページで許容されるS/Nを決定しました。もう一度かくと、

Red S/N = 8

Green S/N = 16

Blue S/N = 4


ですから、グラフをみて各色のS/Nの値から露出時間を読み取ると、上記のS/Nを得るための露出時間は次のようになります。

Red Exp. = 1

Green Exp. = 16

Blue Exp. = 4


合計時間21の内の16を緑が占めてます。また赤の露出時間はたった1ですみます。いままでの露出時間等の値からするとかなりかけ離れた値でありますが、計算ではこの露出時間比がもっとも時間効率良く撮影できることを示してます。

露出時間がわかったので、これを検証してみましょう。




1999,5,22
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