◇ 仏教質問箱 ◇


              『法然上人』  《足跡》その4

 


            ◇ 一枚起請文(いちまいきしょうもん) ◇

                特別の人間、
                いわゆるエリート階級だけの仏教を、
                『すべての人々への救い』という、
                
【仏教が本来あるべき姿】に戻したのが、
                法然上人でした。

                数々の法難に遭いながらも
                念仏のおしえを広め続けた法然上人は、
                1212年(建暦2年)、正月(1月)25日、
                御歳80歳にて、ご入滅されますが・・・

                その亡くなる2日前、病の床にありながら、
                弟子に請われて、
                
【自分のおしえ、すなわち、念仏の心とその実践】
                ・・・について、
                その本意を一枚の紙に
凝縮して遺されました。

                これが
【一枚起請文】です。

                浄土宗のお経の本のほとんどに載っている
                この一枚起請文の文中には、

                
“両手を以て印す”(両手印を以てす)

                ・・・と、あり、
                京都の黒谷にある金戒光明寺に現存する
                直筆のものには、確かに、
                法然上人の両手の印が押してあるそうです。

                生前、ひとつの寺院も建立することのなかったという
                法然上人ですが、その
【念仏のおしえ】は、
                時代も空間も超えて、
                私たちのもとへ
しっかりと遺されているのです。



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