◇ 仏教質問箱 ◇

         
日本語になった仏教の言葉 そのB

             
【日常語とは正反対の仏教語】編


    ◇ 無学(むがく) ◇


        「無学の人」、すなわち
「学のない人間」と、
        日常的には悪いイメージで使われる言葉です。

        ところが、仏教の世界でいう『無学』とは、
        
【学ぶこと無し】と読み下し、
        【すべてを学び尽くして、もはやそれ以上学ぶことの無くなった
        最高の状態・人】を表す、
ほめ言葉として使われるのです。

        つまり、仏教でいう『無学の人』とは、
        
【何でも知っている博学多才な最高の人物】、なのですよ。


    ◇ 分別(ふんべつ) ◇

        ゴミの【分別】は『ぶんべつ』と読みますね。
        この場合の『分別』とは、良い意味で使われ、
        逆に、常識はずれの人間を『無分別なやつだ』、などと
        悪い意味で表現したりするのが普通です。

        ところが、仏教の世界における【分別】とは、
        
『ふんべつ』と濁らずに読み下し、
        【分け隔てをすること】と、逆に
悪い意味で使われるのです。
        たとえて言うならば、
        人間を
【良い子・悪い子・普通の子】と分け隔て、
        差別することが【分別】なのです。

        ですから、仏教で言えば

        【無分別】
(分け隔てや差別をしないこと)こそが
        
素晴らしいのだと、教えられているわけです。



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