講  演  会



                                                               講師: 落合 勇様
                                                                        河野 善福  記
                                                                     (講演の概要を筆記したもので、お話のすべてではありません)
         第1部  日系企業"中国ビジネス成功"のキーワード

   落合氏は、昭和45年ダイエー入社。 ほかほか亭に勤務の後、上海ローソン総経理として上海のローソンを立ち上げられた。
   現在は潟xストプラクティスの代表取締役。

   日本の人口は、1957年に9,000万人、2007年には12,000万人、2057年に9,000万人になるといわれている。
   一所帯あたりの人口数は、1977年に3,3人だったものが、現在は2,5人になった。
   ローソンでは"御用聞きサービス"を開始した。弁当1つでも届けて、その地域の人がどのような年齢で、どのような生活をして
   いるかを知り、地域のニーズをつかもうとしている。
   上海ローソン進出の経緯は、1995年1月上海市長の要請を受けて、アジア最大の消費潜在力を持つ上海に1996年2月25日オープンした。
   上海ローソン49%、中国側51%の出資であった。 当時の中国は外資企業への軋轢、フランチャイズシステムの未整備、言葉や
   習慣の違い(人の融   合不足)、など問題が多かった。
   外国企業が進出しても、赤字のために優秀人材が流出し、従業員のモラルが上がらなかった。
   日本側が持っていた意思と中国人の意思の違いから、問題が多発し、"現地化"することとした。決定権を中国人に渡した。
     ・中国方主導の資本関係。 
     ・経営執行体制の現地化。 
     ・ビジネスフォーマットの現地化(インセンティブ制度の強化) 
     ・差別化商品を現地取引先に変化。
     ・百聯集団との提携。
     ・日本ローソンからは支援のみ。 (セブンイレブンは日本が主導)
   人材面では人件費は10分の1、従業員は優秀な人材が採用できる。
   店舗の出店は、ビルイン、大学地域、大型マンション内、低生活水準エリア、などとし、
   ミニスーパーのコンセプトで出店した。 買って30分以内に食べる商品をどれだけ売るか?が、最も重要な課題であり、
   現地を一番知る中国人による経営を実行した。
   毎年100店舗以上の出店を行い、"町のホットステーション"を合言葉とした。
   中国進出で認識すべき重要事項は
     ・行政当局との対応
     ・中国人の資質は優秀
     ・彼らの行動は面子が優先
     ・雪中送炭 
   上海にコンビニは現在約5,000店ある。
   上海の面積は国内の0,06%に過ぎないが、経済活動の中心地である。平均月収は3万円。
   屋台の5元弁当が主力であったが、SARS以降は弁当、おむすび、パンが大幅に伸びた。
    ◆ 中国投資のキーワード
     ・ 中国は人口が日本の10倍、国土は28倍ある大きな国である。何事も実数でやらないと見誤る。
     ・ 定点観測が必要(変化が早い)。
     ・ 小さく産んで大きく育てる。
     ・ まじめ、まめ、我慢強い。
     ・ 箪笥調査が必要。(タンス、冷蔵庫、トイレ、などの中身を見て知る)
     ・ 現地化(アメリカシティ銀行は支店長が総て中国人。彼らはこの銀行を一番認めている)
     ・ 共存 (共に栄える)
     ・合併パートナーは複数の候補から一社を選ぶ。(許認可は中央政府と地方政府の両方の承認を要する)
     ・ 優秀な通訳を置く。



         第2部  成功企業から学ぶ"ファーストフード事業"の戦略

   *ファーストフードは「商品」「マーケティング」「セールス」によって構成されている。
       「商 品」には
          ・新商品
          ・コア商品
          ・差別化 がある。
       「マーケッティング」は
          ・個店販促
          ・プロモーション
          ・インセンティブ が重要。
      「セールス」は
          ・Q(品質)
          ・S(接客)
          ・C(クリーン) が重要。
   *QSCは本部チェックと、各店チェック体制の確立がなされねばならない。 
  
   *マクドナルドは、食事の早食化で伸びた。(その対極として、スローフードがある。)
     マクドナルドは2000年に130円のものを65円にした。その後に価格上下を行い、顧客からの信頼を失った。
     原田新社長が就任して、次のような改革を行った。
     *24時間営業にして、340店舗を改装した。
     *客の注文に応じて調理する方式をとった。(スタンバイ方式は事前に概略の調理をするので新鮮野菜が使えない。)
     *食材の品質(新鮮)を改善した。
     *100円メニューの6割の価値を10〜50円値上げした。
     *店舗限定で、テストマーケティングを行った。
     *COプロジェクトが実施前の3ヶ月間ディスカッションを行った。

   *ワタミは、いかにして客単価を上げるかに対応して、高価格商品をセッティングした。
     *280円が普通だったメニューに、380円と480円のメニューを入れた。
      マーケットは少子高齢化と競争の過激化で必ず小さくなる。 
     *社員教育の強化を図り、自社の農園で作った有機商品だけを原料に使うようにした。
     *メニュー数105に増やした。
     *センターでの前処理を強化して、店舗での負担を軽減した。
     *形式化したマニュアルをどれだけ持っているか?、がこれからの企業の業績を左右する。
  
   *ローソンの教育は、店の責任者教育は本部で行い、クルーは各店舗で教育する。
     *商品管理、品質管理のどこに問題があるかを抽出することが重要。
     *多少高くても、ヘルシーなものを売る。
     *和風回帰の世情の中、地域性(周りの客のニーズ)を出す。
     *カロリー表示は客の目線に入るようにする。
     *コンビニの客層は5〜6年前は10代が多かった。今は50代が多い。ハンバーガーを支持した人たちが、高年齢になっている。
       戸別配達をしないと客のニーズは判らない。動けない人なのか、単身なのか、やり方を変えないでいると淘汰される。
     *セブンイレブンは日販60万円、他のコンビには45万円、この違いは何か、・・セブンイレブンは"自分の店は自分で守る" 
       他のコンビニは本部がやってくれる。
                              (このページの写真は私のカメラで撮影したプライベート写真です)    

H19.02.20   会場となった月岡温泉あたりに雪は無かった。

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