ワールド・トレード・センター
今年度アカデミー賞の最有力候補
20世紀最大の悲劇。 2001.9.11のワールド・トレード・センター。 あの悲劇の中で避難する人々を救助する
ためにビルの中に入った消防士や警察官がいた。 瓦礫の中から逃げ出すチャンスはあったのに仲間を助けるために
命を捨てた男もいた。倒壊した瓦礫に閉じ込められた二人の警察官の”信頼と希望”。 埋もれた彼らを救出しようと
する海兵隊員・消防士・警察官の”勇気と活躍”。 無事を祈る家族の”支えあって生きる愛情”。
二人が奇跡的に救出されるまでの感動の物語り。
字幕翻訳 戸田奈津子
【キャスト】 〔文中に挿入している花はすべて私が撮影した写真です〕 河野 善福
ジョン・マクローリン (ニコラス・ケイジ) 港湾局警察署(PAPD)の巡査部長。瓦礫の下で妻や家族を思い続ける男。
ドナ・マクローリン (マリア・ぺロ) ジョンの妻。15歳の長男はスティーブン。長女ケイト12歳。10歳のジェイ。
4歳のエリンの母。
ウイル・ヒメノ (マイケル・ペーニャ) 港湾局警察署(PAPD)の署員。
アリソン・ヒメノ (マギー・ギレンホール) ウイルの妻、ドイツ系の女性。 4歳の女の子ビアンカの母。 妊娠中。
ドミンク・ぺズーロ(ジェイ・ヘルナンデス)港湾局の若い警察官。 1次崩壊で死ぬ。
ダック・アントニオ (アルマンド・リスコ) 港湾局の警察官。 1次崩壊の時、逃げることが出来たが同僚を助けようとして
2次崩壊で死ぬ。
【ストーリー】
朝の港湾局警察署。 署員が制服を着用し、拳銃を身につけて勤務開始の準備をしている。 巡査部長のジョンが署員
を集めて、「9月11日、火曜日・・今日も、仕事が入ったぞ」と今日の勤務配置を各班の責任者に説明を始める。 「コマン
ダー・カズメ氏だ。・・・ スコールマン・・1番現場、コールビート3番、バズーロー・・6番、アルメルド」「ハイ」 「5番、ロドリ
ゲス・・9番」 誰もが黙ってメモを取っている。 続いてフイールド刑事が「この女の子を捜してくれ・・・ホーリー・カーリーだ」
と告げて、写真付きの紙を高く掲げた。 「ロードアイランド州に二人でバスに乗ってやってくる」 部長のジョンが「気を引き
締めて助け合ってやってくれ・・」と挨拶して解散した。
署員が各々持ち場に散って巡回を始める。 人々の雑踏する地下街で署員が雑談をしながら巡回をしている。 「ジュラビ
が誰を連れてきたと思う?。・・・金魚のフン野郎だと思うよ」 「あの女か?」 「ヤツがお前に了解済みってさ」 「楽しんでる
だろう?」 「じゃあ・・また後でな」 二人は別れていく。
署員のウイルはバス・ターミナルが担当で一人で巡回している。 男性と女の子の二人連れを見つけて監視していると「す
みません」と通行中の女性が声をかけてきた。 「ワールドセンターはどこですか?」 ウイルが振り向くと、くっきりと晴れた
青空に、高くそびえ立つワールド・センタービルが見えた。
港湾局警察署の中。 巡査部長のジョンが同僚と話をしている「またバス停に・・」 「どうした?」 「運搬トラックが停まって
いる」 その時ジョンは「ズシーン」と巨大な地響きのする音を聞いた。 室内の器具が揺れた。 「何だ?!」ジョンは走った。
街の中を巡回中の全ての署員に携帯無線機が呼びかけている「全員 B20・B28に集合せよ」 「ウイルはB20・B28に
出向せよ」 ウイルが若い署員ドミニクを見つけて、走って署に帰りながら聞く「一体何があったんだ!」
港湾局警察署に集まった署員に、テレビからの女性アナウンサーの声が聞こえる「今朝の情報で飛行機がワールド・トレ
ード・センターに落ちた模様です・・・・悲劇としか言い様がありません」 「何てこった」 続々と署員が帰ってくる。 テレビ画
像には煙を噴き上げるWTCが写し出される。 アナウンサーが「飛行機がそのままビルに・・・」と告げている。 「信じられん
・・・誰だ操縦していたのは」 「ガス欠か?」 「有り得ない」 「操縦の仕方を忘れたんだろう」 「小型機じゃないぞ}みんな
が思い思いに勝手なことを言っている。 「みんな聞け・・・注目してくれ」奥から大きな声がしてフイールド刑事が出てきた。
「情報によると、タワー内の人は避難中だ。 早急に応援を・・・」 巡査部長のジョンが引き継いで「呼ばれた者は出動しろ
・・ダウンタウンに直行だ・・・。プールニッキー、コールビート、ワシントン、ポライリー、ヒメノ、ポルドイ、ファブリー、ロドリゲス、
ジョーワイルデー、ゾロ、スコールマン・・・」
街は逃げ出す人や車で大混雑をしている。 「ここは通行止めです」 「押さないでゆっくり・・」 と警察官が交通整理をして
いる中を逆行するように署員が進む。 巡査部長のジョンが「近道を使う・・全員車に早く乗れ」と指揮を取る。 パトロールカー
が「早く避難を・・・ここから速やかに非難をしてください」と叫んで通る。 港湾局警察署署員の乗った車がサイレンを鳴らし
て急行する。
車内で若い隊員のドミニクが携帯電話を持ちながら「妻から電話があって判った。・・・信じられんがもう一つのタワーにも・・
・」と言う。 「何い!」 「ラジオで言ってるんだと・・・」 「何だと?・・・誰も信じないぞ」 「自家用飛行機じゃないぞ」 部長の
ジョンは自ら車を運転しながら「道具を一式用意しよう・・・爆弾、化学兵器、生物兵器、上からの攻撃にも備えるのさ。・・・こん
なに悲惨なのは初めてだ」と言う。 「速やかに避難してください」という拡声器の声が聞こえる。 ジョンは「5〜6万人ってと
こかな?」とつぶやく。
バスの車内からタワーが見え出した「タワー2にも衝突したみたいだ」と誰かが叫ぶ。 ドミニクが「さっき俺が言っただろ」
と言うが。 「一つ目のタワーの煙だよ」と誰も相手にしてくれない。 署員のウイルがドミニクに「携帯を貸してくれ」と言うが、
ドミニクは「今、圏外だ・・・使えないんだよ・・」と答える。 「これから地獄だな」 「落ち着け・・93年の事件後タワーには緊
急機関が・・・我々はするべきことをやろう」とフイールド刑事が言う。 「ウエスト・・・ブロードウェイから回れ・・」と無線で指示
が来る。 「了解」
頭上から散乱した紙が降りそそぎ、大勢の人々が避難をしている。 パトロールカーやサイレンを鳴らしている緊急車両の
走る中を、怪我をした人が血を流しながら介助されて歩いている。 部長のジョンが「チームを中に送れ!・・」と叫ぶ。 救助
隊員が黙々と逃げ惑う人の流れと逆行して歩く。 見上げるビルは黒煙を噴出し、落下物が降りそそぐ。 誰もが望然と見つ
めたまま声が出ない。 署員が「ここで待機しろ・・・調べてくる」といって中に入る。
飛び降りる人影が見えた。 「なんてこった」 「最悪だ」 「上に行くぞ」 「助けようがない」 「やってみよう」 通行人が「あそ
こに子供がいるんだ」と言うがジョンが「大丈夫・・・救助済みだ」と答える。 ジョンは「いいか良く聴け・・・タワーから避難さ
せろ!。・・・パックの使い方は判るな?。・・・言い訳はするな」と言う。 「使う機会が無かったので・・・」 「教えたはずだ・・・」
ジョンが聞く。 「希望者は?・・前に出ろ」 最初にウイルが「行きます」と答えた。 「おれも・・」とアントニオが答える。
若いドミニクがみなを押し退けながら前に出て、「僕もです」と答える。 さらに、メルとカートとクリスが加わった。 ジョンは
「よし・・・これがチームだ、5番の建物に行くぞ。・・・後に続け、離れるな」と言って歩き出した。 留まった者たちはビルの上
を見上げている。
ジョンは「良く聴け・・・メモ帳・警棒・止血道具をもて、後はここに置くんだ」 「ドッチのタワーに・・・」 「両方のタワーだ・・
北側が1番。・・南側が2番タワーだ。・・・目の前のが5番だ・・・早くは位置につけ・・・行くぞ!」 ビルの中から全身を血に
染めた女性が悲鳴を上げながら走り出る。 器具置き場に行って、ジョンが命令する「このボトルとヘルメットもだ。・・・使える
か確認をして置け」。 全員が防災服やヘルメットを着用し酸素ボンベを背負って警備室に来る。 ジョンが聞く「ヘルメットは
もうないのか?」 「地下にならある・・・ジミーがいるはずだ」 ドカーン・・・ズシーンと爆発音と倒壊音が間断なく続く。 ジョン
が言う「地下の出入り口に向かう・・・中央ホールを出たところに階段がある注意して付いて来い。・・・ビルは110階もある。
もっと準備が必要だ」 遅れて合流したウイルが「信じられません・・近くの教会の屋根がつぶされました。・・・」と報告して、
部長が階段を降りていこうとするので、「どこへ?」と聞く。 ジョンは「道具を取りに行く」と答える。 ジョンは「息のない人は仕
方がない」と言いながら、エレベーターに乗って4人で地下室に行く。 地下街も怪我をした人達が助け合って続々と避難をし
ている。 天井からは水が漏れている。 ショーウインドウのマネキンが一点を見つめ動かないのが異様に感じる。
地下街でクインズに出会う。 ジョンが「上の階を頼む」と言うが、 「人が多すぎて・・・」と言う。 「どうする?」 「行きます」
「よし・・・付いて来い。・・もっと道具が必要だ。タンクを装備しろ」 ウイルが「クインズ・・元気か?・・眼を怪我してるぞ」と聞く。
「大丈夫だよ」 ジョンが指示する「道具を1番の建物から出せ。・・・2番との通りに出入り口がある」 クインズが「ベンとジェ
リーが階段に・・・」と言うが「彼らは避難した」とジョンが答える。 「飛び火だろ」 「2機目が墜落したのか?」 「ヒルからは1
機だと聞いた」とクインズが言う。 ウイルが「テレビを見たか?」と、クインズに聞く。 「そんな暇はないさ・・・ペンタゴンにも
墜落したみたいだ」 「DCだと?・・・」 「世界が終わるかもな」 「クリス・・・ビビルなよ」 ジョンが言う「メルと・・・カートとは
残れ、ほかは付いて来るんだ」 また、ドカーンと大きな爆発音がした。 残ったメルとカートのところに顔見知りのラノルドが
来る。 「やあ、ラノルド・・・元気か?・・・避難の手伝いをしているところさ・・」 「君も逃げようよ・・」 「待機中なんだ」
ブリッジの形態無線機が「16階で問題発生です」と伝えている。
ジョンはメルとカートの二人をその場に残し5人がエレベーターで1階に登った。 ジョンは「エレベーターの遮煙装置を作動
しろ・・・準備は出来たぞ」と命じる。 「1番タワーに行く。・・・はぐれるなよ」 そこで海兵隊の人たちとすれ違う。 ジョンが
「少佐・・・まだエレベーター内に人が・・・」と声を掛ける。 「何てことだ・・・30人の救助に1時間だぞ。・・・ほかを当たって
くれ」と言われる。 「お互いに気をつけて・・・」 「あんたも・・」と言って海兵隊の人たちと分かれる。 ウイルが消火器など
を載せた車を押していると、アントニオが声をかけてくる「おい、ウイル・・・交代するぜ・・」 「ありがとう」ウイルはアントニオの
肩を叩いて礼を言った。 ジョンは無線機で「今からタワー1に突入する」と署長に伝える。 「ダメだ」と返答がくる。
署長は「道がふさがれている・・・人が死んでいるんだ」と返答してきた。 「タワー2に何か異変は?」と聞いた時、ビルが地
鳴りを起こしバラバラと天井が剥がれて物が落下し始めた。 人々が「キャーッ」と悲鳴を上げて逃げ惑う。 ガラスがバリバリ
と音を立てて砕け散る。 ジョンが「走れ!・・・エレベーターに急ぐんだ!」と叫ぶ。 走る隊員の身体に一段と激しく、天井や
壁の砕けた塊が襲い掛かる。 頑丈なはずのエレベーター・シャフトが音をたてて崩壊した。 暗闇の中で轟々と音を立てて
ビルが倒壊していく。
暗黒の中でかすかに動く人の吐息が聞こえる。 ジョンが「誰かいるか?」と大声で聞く。 何の音も無い。 「誰もいないの
か?」 埃と煙に咳き込みながら「シャードフ・・シャードフ。・・・ゾロ・・・・ヒメノ」と部下を呼ぶ声が聞こえる。 近くで埃を吸って
咳き込んでいる者がいる。 ジョンがさらに「ロドリゲス・・・クリス・・・」と呼ぶ。 ジョンが「クリース・・エイロッド・・・アントニオ!」
と呼ぶがまったく返答が無く、近くの瓦礫がまた崩れ落ちる。
ジョンがウイルのそばにいる。「なんてこった。・・・最悪だなウイル」と声をかける。 「大丈夫だ。・・・」 ジョンが「みなの状
況は?」と聞く。 ウイルが「挟まれている・・・ダメだ。・・・足を動かせない。・・・巡査部長は?」と聞いた。 ジョンは「無事だ
怪我は無い。・・・だが、動けない」と答えた。 ウイルがパイプを持ち上げようとするが瓦礫が崩れ落ちるだけで身体は抜け
ない。 無線機が「ガーガー」と音を立てた。 ジョンが「Aー13・・・港湾警察署員・・・ヒメノ・・アントニオ・・・倒れています・・
中央ホールで身動きが取れない。・・両方のタワーが・・5番エレベーター・・・」と呼びかける。 しかし、「ダメだ繋がらない」と
あきらめる。 ジョンが「大丈夫か?」とウイルに声を掛ける。 「大丈夫だ」 ジョンは「ラジオを点けろ」と言う。 「つぶされた」
「俺のは壊れてる」 「バッテリーとマイクがなくなった」とウイルが答える。
アントニオが動いて二人のところまで来た。 ウイルが「また会えたな・・」と言う。 「良かったウイル・・・大丈夫か?」 「俺
たちは無事だ」 アントニオが言う「心配するな出してやる・・・ウイル出れるぞ」 「なぜここだと?・・・」 ジョンが「エレベータ
ー付近は一番頑丈だ・・・」と言う。 アントニオが「何て事だ・・・けがだらけだ・・・今助けてやる。 あと少しだ・・・光が見えた
ぞ」と言い、「6メートルくらいの高さだ・・・おーい、救助班助けてくれ・・・ここを開けてくれ」と叫ぶ。 アントニオが「いいか」と
言って、ウイルを引っ張るが動かない。「自分だけでは無理だ。・・上に行って助けを呼んでくる」と言う。 しかい、ウイルが
「ダメだ・・・今助けてくれ」と言う。 アントニオがいくら引いても動かない。 アントニオが言う「無理だ、ウイル・・」 「頼む・・・
見捨てるな・・・お願いだ。・・・お前ならできる」とウイルが懇願する。
その時再度の崩落が続き、アントニオの悲鳴が聞こえる。 三人とも瓦礫の下敷きになった。 ウイルが「おい・・・ダック・・
・俺だ、ウイルだ。・・・寝るな。・・・少し休め」というが、アントニオは「もうダメだ」と答える。 「そんなことは言うな」 アントニオ
が「生き残れると思うか?・・・いいやつだなウイル」と言う。 「お前もな」 アントニオが言う。 再度の崩落でアントニオは瓦
礫に挟まれた。ウイルにはどうすることも出来ない。 アントニオが言う「銃がない」 「そうだな・・・」 「ヒメノ・・・未だ光が見え
る・・・たぶん6メートルくらいの高さだ」
そのころ地上は火災で灼熱の地獄になっていた。
テレビが全国に伝えていた「お伝えし難いことですが、ハイジャックされた飛行機2機がツインタワーに衝突しました。・・
1機目の衝突から15分後2機目の飛行機も衝突しました。」全世界の人々は悲痛な面持ちでこのニュースを聞いた。
「おそらく飛行機かヘリコプターがペンタゴンに衝突し職員は避難しました。・・・火元の詳細は現情報では不明です。・・これ
は現場の映像ですが、ペンタゴンに機体が陥没し燃えています」 港湾局警察署の署員たちも唇をかみ締めテレビの放送
を聴いていた。
ウイルの妻アリソン・ヒメノが大きなお腹をして事務所にいる。 二つ目の倒壊映像をテレビが写している。 女性職員が
「彼はまだボストンよ」と教えてくれる。 掛かってきた電話にアリソンが出る。 「アリソン?」 「ジェリー?」 弟のジェリー
からだった。 「トンネルを見ているが誰もいないぞ。・・車も走っていない。・・呼び出されたんだ。・・送ってくれる人は?・・
アリソン・・・」 「ああ・・うん」 「30分後に家で会おう・・・父と母には電話する」 アリソンの机の上にはウイルとアリソンと
長女ビアンカの三人が微笑んでいる写真が飾ってある。 アリソンは「エリカを迎えに行くわ」と言って部屋を出る。
ニューヨーク、ゴーシェン。湖のほとりのジュディーの家。 巡査部長ジョンの妻ドナ・マクローリンは、ジュディーなど女友達
と三人で楽しい時を過ごしていた。 テレビがニュースとして伝えている。「千人もの人が中で仕事を・・・その建物が倒壊し
ました。 報告によると多くの消防士や警察官、救助隊員がゆくえ不明です。 行方不明者と死亡者の数は正確には不明
です」 ジュディーが「このニュースばかりよ・・・ジェイは全消防署に電話をしていたわ・・・・すぐ近くなのよ」と言う。 ジョンの
妻ドナが「ジョンもだわ・・・建物に詳しいし心配だわ」と言う。 テレビが「これがあのビルです。 完全に倒壊しました。・・・
マンハッタンは地獄です」と伝えている。 ドナが言う「ジュディー・・私を見て・・・良く聴いて、彼らは避難したわ。わかった?
・・・殆どの人もよ。・・問題ないわ。・・・93年の時も無事だったのよ」 ジュディーが言う「あの時は倒壊していないわ。」
もう一人の女性が「みなにキャンセルの通知を入れなきゃ。・・・”未亡人の会”を開いている時じゃないわ」と言って立ち上が
る。 ドナが「私もジョンを探す。・・警官も大勢いるし、見付かるわよ」と言う。
立ち上がった女性が電話を掛けているが繋がらない。 何気なく外を見て「ジュデイ・・・」と呼ぶ。 「何?・・」 家の外に
港湾局警察署の車両が3台やって来た事を見つける。 ジュディーが「きっとジョンが死んだのよ」と言う。 ドナは「違うわよ」
と言ってやる。 署員が入ってくる「ジュディさん・・・」と声を掛けられただけでジュデイは、耐えていた糸が切れたように、
両手で顔を覆ってワッと泣き出す。 署員は「彼は無事です。・・・居場所もわかり、連絡も取れます」と言った。 ジュディー
は「生きているのね」と顔色を変えて喜ぶ。 「ええ、これから救出に向かいます」 「良かった」 「本当に良かった」彼女たち
は抱き合って喜んだ。
倒壊したWTCビルの地下。暗闇の中で三人は救助を待っている。 ジョンが携帯無線機に向かって言う「港湾警察署員
現在8時13分・・・今警官たちは、エレベータ付近に閉じ込められ、・・・頼む動いてくれ。・・・咽喉が渇いた」 ウイルも「本
当だビーチにいるみたいだ」と言う。 ウイルが「痛みは?」と聞く。 ジョンが「波がある・・・2〜30分間隔だ・・・波が来る
たびに、痛みが薄れていく。そのたびに眠くなってくるよ」と言う。 ウイルが「だめなのか?」と聞く。 ウイルは「俺は寝た
いよ・・・痛みもなくなるし・・」と言う。 ジョンが「ウイルしっかりしろ・・・眠ると死ぬぞ。・・・まだチャンスはある・・・脳が生
かしてくれる。・・そう信じている」と言う。 ウイルが聞く「ジェーンの映画知ってるか?」 「女優の名前は?」 ウイルが答
える「デミ・ムーアだ・・・巡査部長のセリフだが、”痛みは良いことだ、痛みは友達だ”。・・・生きてるって事だ」 ジョンが
「俺は見てないんだ」という。 ウイルは「頭から離れないよ。」と言う。 ジョンが「助かるさ。・・ただ、眠るなよ」と言う。
また地響きがして地下まで閃光が走る。瓦礫と火玉が崩れ落ちてきてアントニオを直撃する。 ウイルが「炎が!・・・」と
叫ぶ。 ジョンが「どうすることも出来ん」と言う。 崩落が続き、火の固まりと瓦礫が落ちてくる。 「クソッ」 アントニオが
「ギャーッ」と悲鳴を上げた。 ウイルが「燃えているぞ」と叫ぶ。 ウイルが「おい・・この風はどこから・・・」と問う。
「わからない」 ウイルが言う「火の消え方が変だぞ・・・死ぬかもナ」 「判らない」 アントニオが「何か話してくれ・・」と言う。
「無理だ」 「俺に何でもいいから、俺に話しかけて呉れようゥ」と、アントニオが泣き声で言う。 急にアントニオが「ギャ
ーッ」と悲鳴を上げて、「膝がつぶされた。・・・喋ってなんかいられるかよう」と泣き声になる。 ピストルの発射音と閃光が
続き、ウイルが泣きわめく。 ジョンが叫ぶ。「やめろ!・・ウイル!・・・やめろ!」 ウイルが「バン・・バン」とピストルを撃ち
続ける。 「ウイル。・・もう弾はないはずだ」 ウイルが「左足に当たったぞ!・・・人生最大の悪夢だ」とわめきながら言う。
ジョンが「正気に戻れ!」と叫ぶ。アントニオが瓦礫の下敷きになって死んだ。 ウイルは泣き続けている。
テレビのニュースもまだ混乱している。アナウンサーが「ユナイテッド76便は飛行中に・・・失礼・・ユナイテッド93便でし
た。」と訂正している。
ウイルの妻アリソンが港湾警察署に電話をしている。「すみません・・・まだ何も情報が・・・」女子職員が返答をしている。
「アリソンか?・・・私の知り合いだ」と言って、ブライアンが替わって電話に出る。 「彼は部下をバスに乗せていたよ」「行
ったのね・・・」 「ああ」 「それで・・・彼はビルに?・・・」 「判らない・・」 「ウイルもビルの中に?・・・」 「まだわからない」
「判るでしょ・・・どうなの?」 4歳の女の子、ビアンカが母の大きい声に驚いて逃げ出す。 「情報が入れば電話する」
「ビアンカ怒鳴ってごめん・・・ブライアン知ってるでしょ?」アリソンが声を強める。
ブッシュ大統領の顔が映り、テレビが伝えている「攻撃が始まった時、ブッシュはフロリダに・・・ルイジアナの軍事基地に
入り声明を発表した・・・”この国は今試されている。 失敗は有り得ない。必ず乗り越えます。・・・神の加護を・・・”」 アナ
ウンサーが続ける「大統領機が発ちましたが、安全のため行き先は公表せず」・・・。 テレビを聞いている人達が「戦争は
避けられんな・・」と言っている。
教会の中。 海兵隊員のカーンズがお祈りをした後で同僚に言う「行かなければ・・・」 「どこへ・・・」 「ニューヨークだ。」
「許されん。・・・救助に行くのは緊急隊員だけだ」 「海兵隊に来て、最高の瞬間だ。・・・神は私に助ける力を与えた。・・・
人々と国を守るために・・・今が、その時だ・・・神を信じろ」
ジョンの家。 テレビのニュース解説が続いている。「人の死がどう影響するか?・・・ニューヨークだけではなくアメリカは
変わったのです。・・・今日の悲惨な出来事は、歴史に刻まれるだろう。・・・アメリカがテロに遭った事を・・・」 妻のドナに
10歳の息子のジュイジュイが言う「ママ・・・パパは土曜日の誕生会をおぼえてるかな?・・」 「当たり前でしょ・・・テロで忙
しいだけよ」 兄のスティーブンが「でも、たくさんの人が助からないんだよ」と言う。 ドナが言う「教えちゃだめなんだけど、
来週パパが野球観に行くってよ・・・」 「本当に?」 「シーッ・・」
家に車が2台近付くのが見える。 ドナが子供たちに「ここにいて・・」と言って玄関に行く。 10歳のジェイが「どうしたの?
」と聞く。 「仕事だよ・・・家族に知らせるためだよ」と兄のスティーブンが言う。 玄関でドナがやってきた弟のジェリー聞く
「何しに来たの?・・・来ないで・・・家には入らないで」 ジェリーが言う「ドナ・・・判らないんだ」 「ゆくえ不明と聞いたわ」
「俺たちが確認した・・・ジョンを・・・」と言って抱きしめる。
ウイルの妻、アリソンがトイレに駆け込んで嘔吐して泣いた。 駆け寄った父の胸で「パパ・・・」と言って泣いた。 「大丈夫
・・・心配ない・・・ウイルは強い男だから心配するな・・・おいで外に出よう」 「ビアンカになんて言えばいいの?・・・」
家族を心配して、港湾警察署署員の家族が集まり始めた「行方不明なだけだ」 「きっと大丈夫よ・・」 アリソンの父親が
「医者を呼ばないと・・」と言う。 「なぜ?・・」 「動揺してる」 「この世界に何が起きてるの?」とアリソンが訊ねる。
テレビが放映を続けている「テロリストの卑劣な行為・・・私たちは全力で、できる限りの人命救助を・・」 「現在の死傷者
数は?・・」 「死傷者数は最後に考えることです・・」
海兵隊員のカーンズが散髪をしている。 彼は真剣な眼差しでテレビの放送を食い入るように見つめている。
倒壊したWTCビルの地下。暗闇の中で二人が話す。 ジョン巡査部長が言う「あの爆発音は93便だ。・・ロビーを破壊し
たんだ」 部下のウイルが言う「舗道が崩壊したんだろ・・・俺たちはどうなる?・・・酸素はどのくらいもつ?」 「判らない・・・
長くてもたぶん24時間だ・・・14時間か、16時間かも?・・・絶対寝るな」 ウイルが聞く「いや、・・6〜7時間かも・・・トルコ
地震をおぼえてるか?・・・・小さい女の子が4日間もこんな境遇に・・まだ3歳だったぞ」 「俺たちも大丈夫だ・・・出血も少
ないし・・・巡査部長」 「なんだ?・・」 「子供は?・・」 「4人だ」 「そりゃ多い・・」 「妻が頑張った」 「名前は?・・」 「15
歳の長男はスティーブンだ。・・ケイトが12歳で、ジェイジェイが10歳。・・・おチビのエリンは4歳だ。・・・遅く生まれた子だ・
・・予定外だったんだ」 ガチャンと物の落ちる音がした。 ジョンが「何だ?・・今の音は?」と聞く。 ウイルが「パイプがここ
に・・・」と答える。 全身に力をこめて動こうとしても瓦礫はまったく動かず、わずかに小石が崩れ落ちる。
エリンが生まれる前の巡査部長ジョンの家。 ジョンがトイレにいる妻に「昨日も吐いたのか?」と聞く。 妻のドナが「今
日も吐いたわ」と言いながら、トイレから出て、「ちょっと見て・・・」と言って妊娠試験紙をジョンに見せる。 「どうした?・・」
ドナが「線が出てる」と言う。 「線?・・」 「ええ」 「いいぞでかした・・・やったぞ」ジョンはドナを抱きしめた。
巡査部長ジョンの家。 テレビが「人々が次々と出てきます。とても異様な光景です」と告げている。 妻のドナが息子の
スティーブンと眼が合うが、すぐに眼をそらす。 家族みんなが、黙ってテレビを見ている。 テレビは「顔や衣類に瓦礫の
灰が積もっています」と言って、逃げてくる人々を映しだしている。 「当局の調査では400人の警官と消防士、救出班が
タワー内に、・・その半数が行方不明です。 生存者発見の知らせを待っています。 このニューヨークで多くの人々が・・・
死亡者の一覧です・・・電話でご確認を・・・」画面に死亡確認者の氏名が次々と表示されている。 ドナが「こんなにたくさ
ん?・・・どうしよう?」と言う。 息子のジェイが「行こうよ・・・パパを探しに・・・」と言いだす。 「見当も付かないよ」 「電
話は?」 「つながらないよ」 「何もできん」 「誕生日のことでしょ」 ドナが「やめて・・」と言う。 ジェイが「僕らを必要とし
ているよ。・・探しに行こうよ・・・ママ」と言うが、ドナは「ジェイジェイ待って・・・きっと連絡が・・」と言って止める。 ジェイが
「みなのためだよ・・・どうでもいいのか?」といって席を立つ。
長女のケイトが母親のところに来て「恐いんでしょ?」と声を掛ける。 ドナが「実は最後の言葉すら覚えてないのよ」と答
える。
ビルの倒壊現場のそば。 「一般の人は入れません」警察官が道路を通行止めにして警備している。 海兵隊員のカー
ンズが制服を着てやって来る。 彼は「通してくれ・・」と言って警備線の中に入り、倒壊したビルの方に歩いて行く。
倒壊したWTCビルの地下。暗闇の中で二人は動けない。 ウイルが「すこし休憩するよ」と言う。 ジョンが言う「OK、で
も寝るなよ」 「代わるよ」 「なに?」 ウイルが言う「アントニオが俺に交代するって言った・・・・交替してなかったら、・・そし
てダンに俺が待ってろって言ったんだ・・」 ジョンが「俺が言ったよ」と言うが、ウイルは「俺だよ」と言う。 「見捨てるな、と
言った・・・逃げられたのに・・クリスも大怪我を・・それで中に・・・」 「自分で言え」 「伝えてくれ・・」 ジョンが言い出す「俺
がみなをここに・・・何のためだ?・・・何が出来た?」 「俺たちは志願した。・・ここに詳しいヤツラばかりさ。・・・誰も救助
活動をやめない・・・最高のヤツに付いてきただけさ」 「最高?」 「自分で決めたことだ」 「そうか・・・ありがとう ウイル」
また一段と激しい崩落で地響きが続く中で。 ジョンが「みんなどこかでまた会おう」と叫び。 ウイルが「巡査部長は誇りだ
」と叫ぶ。 崩落と地響きが停まらないウイルが「もうダメだ」と言う。 ジョンは「なんてこった」と言う。 「畜生!」「ここはも
う終わりだ} ウイルが言う「これで終わりかよ・・・
生きて戻るんだ・・絶対に帰らないと!・・」
ウイルが妻のアリソンのことを思い出す。 ”ウイルの家。 ベットに妻のアリソンが寝ている。 ウイルが起き上がりそっと
アリソンを引き寄せる。 眠っているアリソンの頬にキスをする”
また一段と激しく"ゴーゥ、ゴーウ、ガラン・ガラン”と瓦礫の崩落音と地響きが続く。 ウイルが呼びかける「ジョン!・・生き
てるか?」 ーーー 「多分・・大丈夫だ・・・ここにいるよ」力ないジョンの返事が返ってきた。
港湾局警察署内。 テレビが、怪我をして逃げてくる人たちを映しながら伝えている。「もう片方も20分前に倒壊しました。
・・・完全に崩れ落ちました。・・我々は目撃しましたが、火災のために轟音とともに、一瞬で倒壊しました。三つのビルが
倒壊です。」 男子署員がテレビを見ながら女性署員に話している「大勢が巻き添えだ」
通行止めにしている道路。 疲れ切った表情の救助隊員が引き上げてくる中を、ただ一人海兵隊員のカーンズが倒壊し
たビルのほうに歩いて行く。 大勢の野次馬が通行止めをしている警察官のところまで押しかけて来る。 「さあ、下がっ
てください」 「ここは危険です」 「まだ望みはある」 「今夜はダメだ」 「行かせて呉れ」 「2次災害に遭うからダメだ」
混乱している災害現場にカーンズがやって来る。 負傷者があふれ、瓦礫が散乱し、救助隊が黙々と作業をしている。
カーンズが立っている男に声を掛ける。 「ここで何を?・・」 「待機だ・・危険だと言ったのに、全部崩れ落ちたよ。・・・全
員お陀仏だ」 カーンズが言う「まだ煙も収まらないな」 「外からでは何も判らん」 カーンズは壊れたビルの中に入って
いった。
ジョンの妻ドナ・マクローリンが家の地下室にある作業部屋に入る。 ジョンが作業台の上に投げ出している工具や筆
記具を手に取り、いとおしそうに撫でては戻している。 壁には工具が整然と掛けられている。
数日前を思い出す。 ジョンが息子のジェイに「板はここに置いて、・・・のこぎりは簡単だ、力を抜いて・・・やってみるか
?」 ジェイが鋸を持つ。 「無理やりするな・・」とジョンが言った。
倒壊したWTCビルの地下。 暗闇の中でウイルがジョンに聞く「奥さんの名は?・・・」 「ドナだよ」 「ドナ?・・いいね、
アメリカらしい名前だ。・・・うちのはアリソン、イタリア人でドイツの血も引いてて、いい女です。」 「ドナが台所を改装した
いっていうけど、俺は大工の腕に自信があるから、悩んでいるところだ。・・収納場所が無いって急がされてね。・・・だか
ら、ここから出ないと、・・・ドナは・・彼女はいい女だよ」 「うちもだ・・」とウイルが言う 「どんな人だ?・・」 「彼女は・・妊
娠5ヶ月で・・・女の子だって話です。・・・ビアンカって4歳の娘もいて・・・」
ウイルが数日前のことを思い出す。 ベットの中でウイルがアリソンに聞く「なぜ?、ビアンカって名前を?・・」 「好きな
の・・」 「ビアンカは君が選んだ・・」 「だから?」 「今度は僕が・・エリッサはどうだ?」 「エリッサ?・・・ピザ屋さんみた
いだわ・・・オリビアはどう?」 「子だくさんになりそうだよ」 「オリビア・エマニュエル・・良いじゃない」 ウイルが暗闇の中
で苦しんでいる。
アリソンが婦人科の病院に着ている。 父親と弟のジェリーとその妻カレンが付き添っている。 アリソンが「赤ちゃんの
名前はエリッサにする」と言いながら階段を下りて来る。 ジェリーが「処方箋をもらうから・・」と言う。 「何の処方箋?」
「医者が君に・・・赤ちゃんの万が一に備えて・・」 「万が一?・・」 父親が「必要な場合にだ・・判るね?」と言う。
アリソンが「もう行くわ」と言う。 「待ちなさい・・」 「ここで待つなんて嫌よ」 アリソンはウイルのことが気になってジッと
していられない。 三人で薬局に行く。 アリソンが「家には絶対に帰らない。・・歩き回っても問題なしよ」と言う。
ジェリーが「家に帰ろう」というが、安否を聞きたくてジェリーに「携帯は?」と聞く。 ジェリーが「忘れてきた」と言うと、
カレンに「携帯ある?・・」と聞く。 カレンが首を振る。 「携帯を持たずに家を出たの?」とアリソンは不満そうに言う。
帰り道の車の中。 赤信号がなかなか青に替わらない。 アリソンは車を降りて車道に出て「何してるの?・・・信号が
変わらない」とイラついている。 ジェリーが「アリソン・・」と呼んでも、彼女はかってに一人で歩いて先へ行く。 「車に戻
れ・・・家に帰るぞ」と言って、無理やり車に引き込んだ。 家に帰ってすぐにアリソンは母親に「彼から電話は?」と聞く。
母親が静かに首を振った。
倒壊したWTCビルの地下。 暗闇の中でウイルが言う。 「巡査部長殿。・・なんだか少し気分が・・・」 「何だ?」 「も
う・・・」 ジョンが言う「お前も俺も死ぬ・・・いいか?・・・俺も・・・お前も死ぬんだ」 「まだ死にませんよ」 「そうかな」
「頼みを聞いてくれますか?・・」 「何だ?」 「無線に記録を・・・生まれてくる子の名前はオリビアと・・・アリソンに愛し
てると・・・オリビアと名付けるようにと・・・」 ジョンが無線機を取り出して録音する。 「こちらマクローリン・・・港湾警察署
の警官が生まれてくる娘に”オリビア”と、・・・そして妻のアリソンに、彼は”愛してる”と・・・もうダメだ・・・家族に伝言を・・
とても彼女を愛してると・・」
ジョンはキリストが現れ、手を差し伸べる姿をうつろな意識の中で観た。
ジョンの家。庭でエンジンの掛かっていない車に乗っている10歳の息子に母のドナが「ジェイジェイ何をしているの?」と
言う。 「探しに行くって言っただろ」 「降りなさい」 「やだ」 「今すぐ降りるのよ」 「嫌だ」 「言うことを聞いて」 「なぜダ
メなの?」 「よくないわ」 「どうして?」 「何が出来るの?」 「二度と遭えないかも?・・・」 「わかったわ・・・おいで出掛
けるわよ」
ウイルの家の夕食時。 母親がアリソンに聞く「もう食べないの」 「いらない」 「赤ちゃんの分も食べなくちゃ・・・マカロニ
でも作ろうか?」 「いらないわ・・・すこし散歩してくる」 アリソンは夜道を歩いて娘に逢いに行く。 ビアンカは母親を見て
「ママ」と走り寄る。 「おいで」といって、抱き上げる。 「パパは帰ってくる?」とビアンカが聞く。 「どうかな・・・わからな
いの」
倒壊したWTCビルの地下の暗闇の中。 地上で捜索者の探す声が、暗闇の中に聞こえてくる。 海兵隊員のカーンズが
「生存者は叫んでください・・・いたら返事をしてください」と懐中電灯を持って瓦礫の上を歩いている。 もう一人捜索者が
居てカーンズに声を掛ける。 「そっちはどうかね」 「見当たりません」 「この辺りはどうですか?・・・あれは?」 「どうした
?」 「明かりが?」 「音を立てずに静かに歩け・・・もう引き帰えせん・・・行くぞ」 「トーマスです」 「カーンズだ」 二人は
握手をして、まだ火の消えていない瓦礫の間を歩き「だれかいませんか?」と探しまわる。 二人がかざす懐中電灯の光が、
むなしく瓦礫の山を照らす。
倒壊したWTCビルの地下の暗闇の中。 二人の閉じ込められた瓦礫のすぐ上で火が付いた。 ウイルには炎の中にキリ
ストの姿を見た。 「巡査部長・・ジョン・・」 「ああ」 ウイルが話す。「マジでやばいかも・・・キリストに会いました。・・・それ
で、小便を飲めっていわれました。 ・・”私は飲めないけどって”・・キリストが言ってた。・・・・私も飲めないよ・・・・・”ようこ
そ我が家に”とも・・・寝るなよジョン」 ジョンが力なく言う。「ああ・・・死んでたまるかよ・・・何か話せよ」 ウイルが言う「ケー
ブルテレビでやってた”刑事物語”を観たか、テーマソングをおぼえているか? 警官になって、実の姉を逮捕したりするんだ。
俺は警官になって6年だけど、いまだに実感が湧かない。あんたは?・・」 「21年だ」 「そりゃ長い・・・巡査部長はタフ
だ」 「そうさ・・・だからこうして・・・ずっと・・俺は嫌われ者だ。・・・出来る男だからな」 「大丈夫か?・・・きっと助かるさ」
港湾署員のトーマスと海兵隊員のカーンズが、くすぶり続ける瓦礫の山を登って生存者を探している。 「聞こえたら返事
をしろ!」
倒壊したWTCビルの地下。 ウイルが呼ぶ「おい、ジョン・・・寝たら終わりって言ったの覚えてるか?・・・しっかりしろ脱
出するぞ」
瓦礫を乗り越えて、港湾署員トーマスとカーンの捜索が続いている。
倒壊したWTCビルの地下。 暗闇の中でウイルが叫ぶ「巡査部長・・・・・!」 返事が無い。 ウイルが「ジョン・マクローリ
ン!・・」と叫ぶ。
地上で探索中のカーンズが「聞こえたら合図をしてくれ!・・・」と大声で叫んでいる。 ウイルがジョンに「聞こえますか?
・・・寝たんですか?(返事が無い)・・巡査部長!」と大声で聞く。 ジョンが「ああ・・・ここはどこだ・・?」と聞く。
「地獄ですよ・・・地獄で生きてます」 「そうか・・諦めるんじゃないぞ・・・何か話せよ」
地上でトーマスとカーンズが何かの物音を聞いた。 「下がって・・」 懐中電灯で隙間を照らしてみる。 「気にするな」
立ち去ろうとした時、「ゴホン・・ゴホン」と人の咳する声が聞こえた。 「ここだ」 トーマスが「聞こえたぞ!」と叫ぶ。
地下から「おーい!」と呼ぶ声がした。 トーマスが「叫び声だ・・・」と言う。 地下からウイルが「早く出してくれ!」と叫んだ。
カーンズが「今行く!」と大声で答える。 「おーい!」地下から返事がある。 「ここだ!・・・」 懐中電灯で探すが「見え
ない」 「死にそうだよ・・・
助けてくれ!」 「見つけたぞ・・・そのまま動くな良いか?」 「見捨てないでくれ」 「安心しろ海兵隊だ・・・君は発見された
んだ」 ウイルが言う「そりゃ素晴らしい・・・最高だぜ・・・・聞いてるか?・・海兵隊だってさ」 ジョンは「ああ」と頷くのがやっ
とだった。 トーマスが「早く救出を・・」と言ったが、カーンズは「ちょっと待て、・・・」と言って救援の電話を掛けようとしたが
「つながらない・・」
トーマスが「もう一度掛けろ」と言う。 電話がつながった。 「今、・・WTCにいる。」 電話に出た職員が「どうなんだ?」と
聞く。 さらに「正確な位置は?・・・ご苦労・・・警官二人を・・」と伝える。 電話を切って立ち上がり、周りの職員に報告する。
「発見したぞ!・・・生きてるぞ!」 聞いた職員がウオーッと歓声を上げる。
ジョンの妻ドナたちが車で事故現場に向かっている時、車内電話が鳴った。 車を運転していた男が「俺が出る」と言っ
て電話に出た。 しばらく話を聞いていたが「なんてこった・・・発見だ!」と言って小踊りした。 「有難うございます。・・・
ポートオソリティーのバス停施設だ。・・・彼を励ませってよ」 ドナは「何て言えばいいの・・」と言って涙ぐんだ。
ウイルの妻アリソンが4歳のビアンカとベットで寝ていると、父親が部屋に飛び込んで来て「生きてる」と知らせてくれた。
アリソンは「何?」と言って飛び起きた。 「死んで無かった」と父が言った。 アリソンは父親の胸に抱きつき喜んだ。
「今、救出中だ、・・ヤツは頑丈だって言っただろ」 「なんてこと・・」 「さあ・・行こう」 アリソンはビアンカを抱いて部屋を
出た。 「どこに行けばいいの?・・・彼をどこに迎えに行けばいいの?」
事故現場に救出班が駆けつける。 「海兵隊か?」 「ああ」 「スコット・フォックスだ・・・状況は?」 「誰だ?」 「港湾
署員だ」 「20フイートくらいだ・・・掘りにくいぞ」 「崩さないように・・・慎重に動かすんだ」・・・スペースが必要だ・・・消防
士は?」 「消防士は未だか・・」 「消防士を呼んでこい」
スコットが本部に電話をする。 「警部・・・応答願います」 「何だ?」 「スコット・フォックスです。・・・地下に警官2名を
発見・・・人手が必要です。・・機材もお願いします」 「ハンドソーを誰か持ってないか・・・切断道具が必要だ」 「免許は
切れてるがやれると思います」 「名前は?」 「チャック・セレイカです」 「セレイカ・・来い」 「本当に行くのか?」 「幅が
狭いぞ」 男がセレイカに「これを持って行け・・これはナイフだ。・・役に立つ」と言ってナイフを渡す。 「悪いな・・・名前は」
「カーネスだ」 「本当の階級は?」 「巡査部長だ・・・大丈夫か?」 「ああ」 「任せたぞ」 「万一の時には妻に愛してい
たと伝えてくれ」 「良いか?準備は」 「さあ行こう!」 「判った」 二人が瓦礫の隙間から地下のエレベーターを目指す。
港湾警察署の中。 ジョンの妻ドナたちが駆けつける。 「ねえ・・ジョンはどこ?」 応対に出た女性署員が「マクローリン
さんですか?」と聞く。 「ええ」 彼女が説明する「彼は生きています・・・でも、問題があって・・声は聞こえるけど、閉じ込
められてるのです」 ドナは泣きそうになって長椅子に座り込む。 「ウソよ・・そんなのウソよ!・・・彼は長年働いたプロな
のよ・・どこなの?・・・私も行くわ」 「残念ですが危険すぎます」 「どこなの?」 「ベルビュー・・・」 「有難う」と礼を言って
ドナは署を出て行った。
WTCビルの倒壊した現場。 引き続いて、近くで爆発音が響いてくる。 現場で指揮を取っているカーネスが「搬送先は
?」と聞く。 「リバティー病院だ」 「マクローリンは?」 「この中です」 「気をつけろ!」 消火のための放水が続く。
ウイルが地下で「くそッ・・一体何なんだ、これは?」とつぶやく。 地上からカーネスが呼びかける「聞こえるか?」 「ああ」
「光をこっちにくれ」
スコットとチャックが瓦礫の隙間を這って、ジョンたちのところに近づいた。 スコットが問う「チャックどうだ?」 「びくともしな
い・・・・彼の熱が上がってきた」 「服を掛けてやれ」 「使えウイル」と言って服を渡す。
地上では、指揮官カーネスが叫んでいる「急げ!急げ!・・・早く撤去するんだ・・・丁度お前の真下だ」
地下ではチャックが瓦礫を持ち上げようとして、「クソ!・・動かない・・・聞こえるか?・・・コカインを使うか?・・・動かすに
は20人は必要だぞ」と言っている。
地上で指揮官カーネスが「いいか・・今からこじ開ける。・・・5秒後に開始する。 準備は良いか?」と叫んでいる。
機械が動き瓦礫が持ち上がるが、地下では逆に強く挟まれた。 「くそ!・・失敗だ」
地下でウイルが「チャック・・すまない・・・もうじき崩れる・・・全員死ぬことは無い、逃げてくれ。」と言う。 チャックは「撤
去すりゃいいんだろ?」と言う。 「時間が無い」 「人を助けるのがすきなんだ・・・一緒に出よう」 ウイルが言う「俺は動け
ない・・一緒には無理だ」 チャックはジョンに声を掛ける「聞こえるか?・・・水はあるか?」 「誰なんだ?」 「ヤツは俺の
パートナーだ・・・おい、ジョン!・・・俺は大丈夫だすぐに行く」 「了解ウイル・・・・お前は?・・」 「マクローリン?」 「CSU
のスコット・ストラウスだ・・・大丈夫か?」 「水を呉れ」 「今から届ける」 ウイルも「大丈夫かジョン」と声を掛ける。
「彼が死にそうなんだ。・・・」 ウイルが言う「全員が助かる最後の手段は、俺の脚を・・・切り落とせ・・・切るんだ、
この足を・・」 スコットが言う「足を切るなんて無理だ・・・どこも切らない・・・いいな?」 「この足はもうダメだ。 切るんだ。
・・・でないと彼が死ぬ」 スコットが言う「ウイル・・・彼は20メートル下だ・・・深刻な状況なんだ。・・足を切っても助かる
保証はない。・・・だから、俺に任せろ」
港湾局警察署内。 朝、ウイルの妻アリソン・ヒメノと妹たちがやって来る。受付で「ヒメノの妻と妹よ・・・話があるの」と言う。
「ご家族は喫茶室でお待ちいただいております。」 喫茶室に行ったが大勢の職員が雑談をしている。 「冗談じゃないわ」
「さあ、次のところに行こう」 署を出ようとしたとき、ジョンの妻ドナとすれ違うがお互いに何も知らない。
WTCビルの倒壊した現場の地下。 「いけるぞ!」 「大丈夫か?」 「愛してるぜジョン」 現場は混乱し、大声で叫びあう。
スコットが「頑張るんだ・・・おい!聞こえるか?」と問う。 ジョンが言う「ウイル・・言うんだ・・・俺も脱出するって…言え!」
始めにウイルが救出される 「スゲエぞ!」 「コイツは凄いぞ」 担架に乗せられたウイルが運び出される。 ウイルが周
りを見回して「ビルはどこだ?・・・どこなんだ?」と問う。 「さあ、落ち着くんだ」
地下で救助隊のスコットが、 「いたぞ!」他叫ぶ。 ジョンに「聞こえるか?・・・・ジョン・・もう大丈夫だ・・自由だぞ・・・」
ジョンが力なく言う「スコット・・」 スコットが「どうだ覚えてるか?・・・気がついたのか?」 チャックも「ジョン・・聞こえるか
?」と聞く。 「ジョン・・お前も脱出したんだぞ・・・意識が戻ってきたか?」 「運び出そう」 「了解」 「動かないぞ」 「息が
荒いぞ」 「担架をもってこい」 「そっと乗せろ」 「起きろジョン・・・さあもう大丈夫だ」
テレビ局のレポーターが声を荒げている「ベルビューからの救出者だ・・・・呼吸数26・・血圧50の90」
ウイルの妻アリソンや、妹たちの待つ部屋にウイルが到着したと連絡が入る。 「おい・・到着したぞ」 「息はあるらしい」
「こっちだ」 アリソンがウイルに駆け寄り、すがりつく「何てことなの・・・助かったのよ・・ウイル、聞こえるの?・・愛してる
わ・・良かった」 ウイルの目には未だ視界がぼやけてよく判らない。 「手術をします」と看護師が告げに来た。
アリソンが聞く「足は大丈夫なの?・・・大丈夫よね?・・・大丈夫と言って」 ウイルが「大丈夫だ」と言って、さらにアリソン
のおなかの子に、「おはようオリビア・・・」と呼びかける。 「違うわ・・エリッサよ・・・あなたの・・・」 かまわずウイルが
「オリビア」と呼ぶ。 医者が「まだ完全じゃない・・手術をします」と言う。 「助かるの?・・」 「最善はつくします」 アリソ
ンが言う「ウイル・・・私はオリビアよ・・・分かった?」 「分かったよ」
地下の現場で。 ジョンの意識が遠退いている。 「上に載ってるヤツを切り取るんだ」 「これを取り除かないと」 「よし
いいぞ!」 「医療班を呼べ・・・点滴が必要だ・・・早く医療班を・・」 「おいジョン。・・着いたぞ・・」 「良かった・・」 「いい
ぞジョン!・・・頑張れ・・・頑張るんだぞ!・・・あきらめるな」 「聞こえるか?・・・おいジョン・・目を覚ませ」 「起きろ!・・
ジョン!・・・助かったんだ兄弟・・・ジョン!・・おいジョン!」 意識が朦朧となったジョンには最愛の妻ドナの姿が見える。
ジョンが涙を流しながらドナに言う「もうダメだ・・・もっと注意していれば・・・ミスッた。・・・すまなかった。・・・俺を愛して
くれたか?・・そして、俺の愛情は伝わったか?・・一体どうなんだ?・・」 「伝わったわジョン・・・たった今ね」 妻、ドナ・
マクローリンの顔が微笑んでいる。 「みんな被害者なの・・私と子供・・・そしてあなたも・・本当のミスは見つめる事をや
める時よ・・・さあ、あなた・・子供にはあなたが必要なの・・私にも必要なの」 「無理だ・・俺は出られない」 「台所は出ら
れるでしょ」 「ああ・・だがここは台所か?・・俺はまったく動けない」 「動けるわ」 「動かしてジョン・・・さ、やってみて・・」
「無理だ俺は」 「きっとできるわ」 ジョンの目の前に見えていたドナの幻影が消えた。 ジョンの目には涙が一杯たまっ
ていた。
港湾局警察署の控え室でジョンの妻ドナたちが疲れた顔をして待っている。 そばにいた黒人女性がドナに「何をやって
るのか、悪い情報すらないわね」と声をかける。 ドナは「私は夫を探しているのよ」と答える。 その女性は「そうだったの
・・・私は息子なのよ・・・南棟のオペレーターなの・・いい子よ・・・ケーキのようにビルが壊れた時、・・・・気が狂うかと思っ
たわ。・・・昨日の夜、夕食を作ったのに帰りが遅くって冷めちゃったの。・・喧嘩したわ・・・あの時抱きしめてやれば良かっ
たわ」次第に眼に一杯涙をためて泣きながらドナに話す。 ドナは「分かるわ・・・私には判るわ」と言って彼女を抱きしめて
やる。 彼女は「お願い・・・帰ってきて・・」と言う。 ドナは「分かるは・・私も・・・私もよ」と言ってお互いに抱き合いながら
泣き続ける。
地下では必死の救助活動が続く。 ジョンの目が太陽の光で徐々にまぶしくなる。 担架に乗せられたジョンの体が地上
に引き上げられる。 救助隊の人々の手から手に担架が手渡される。 拍手と歓声が上がる。 「ありがとう・・・・ありがとう
」ジョンが礼を言う。 「大丈夫か?」 「よく頑張ったな・・・もう安心だ」 「良くやった!」 「すごいぞ!」 「助かったな・・・
家に帰れるぞ」 「ありがとう」ジョンが答える。 煙が立ち登り、まだあたり一面が瓦礫の中でジョンが運ばれる。
署長に案内されて、ドナたちが病院に行く。 病院の廊下で、手術室に運ばれる途中のジョンに出会う。 ドナが駆け寄
って「ジョン!・・・大丈夫」と聞く。 「ドナ・・」 「愛してるわ・・ジョン」 「お前が俺を支えてくれた・・・愛してるよ」
ビルの倒壊現場にはまだ煙が充満している。 ブルドーザーが散乱した瓦礫を押し退けている。 たくさんの人々がボラ
ンテア活動をしている。
港湾署員のトーマスが ”ウイスコンシン警官”の制服を着ている男に声をかける「ウイスコンシンから?・・」 「ああ・・手
伝いに来た」 男が聞く「君も手伝いに着たのか?」 「ああそうだ」 「仕事は?・・」 「救助士です」 「ご苦労さん」
海兵隊員のカーンズが携帯電話で妻と話をしている「今日は帰れない・・・人手が足りないんだ・・・最後を見届ける」
瓦礫を整理している港湾局警察官のところに、同僚が来て伝える。「マクローリンは手術中だ・・・14人足らない」
「何を言ってる・・千人は埋まってる。・・くそったれ!」
地下鉄の駅の構内。 壁一面に大勢の行方不明者の写真が貼られている。 その一枚一枚をアリソンとその父親が
丁寧に見て廻っている。 病院のベットにはジョンが寝ている。
その2年後・・・・足を引きずりながら、ジョンが被災地の会場で開かれた集会に現れる。 ドナが走り出て、ジョンに
キスをする。 ウイルも足を引きずって会場に来る。 妻のアリソンやジェリーやカレンたちが迎えに出て、ウイルと抱
き合う。 たくさんの拍手に迎えられてジョンとドナが群集の中を進む。 次々に大勢が駆け寄ってジョンとウイルを祝
福する。 スティーブンやジョイの笑顔も見える。
”9月11日は全員に重要な日だ。 それは間違いない。 助け合うことを思い出させた、他人を意識した。 それ
は単に正義のために、これからも語り合う・・・忘れないために・・・多くを学んだ・・・ ”
ウイルも妻のアリソンも、救助に係わった人々や関係者たちと再会を喜び、続々と集まってくる。 ウイルが「オリビ
アおいで」と呼ぶと少女が振り向く。 少女は笑顔で一目散にウイルに駆け寄って彼の腕の中に飛び込んだ。 ウイル
が少女を高く持ち上げて笑った。
””トレードセンターで、87カ国2,749人を失った。 消防士343人。 84人の湾岸警備隊。 37人の警察、そして
23人のニューヨーク市民。 たった20人が助かり、ウイルとジョンは18番目と19番目だった。 ウイルは13日で8回
の手術、ジョンは6週間で27回も昏睡状態になった。 現在彼らは引退し、家族と暮らしている。 後にデーブ・カーネ
スは二度イラクに行った。””
= 終わり =
平成18年10月7日 ロードショー公開
平成18年10月8日 鑑賞 記載
韓国映画 「奇跡の夏」 LINK
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