| 2025年11月30日(日) |
| 昨日は朝から東京へ |
昨日は観劇と美術展鑑賞のために朝早くから東京へ出かけ、帰ってきたのは今日になってからという強行軍でした。
午前中は上野の国立西洋美術館で開催中の「オルセー美術館所蔵 印象派 室内をめぐる物語」へ。今月初めに友人に会いに東京へ行った際についでに観ようと思ったのですが、その日は三連休初日もあってか美術館は長蛇の列で入場規制がかかっていたため断念。今回は開館後すぐに行ったこともあり、並ぶことなく順調に入場できました。上白石萌音さんによる音声ガイドを借りて鑑賞です。印象派といえば家の外の自然光の下での風景等の絵が思い浮かぶのですが、今回は屋内を舞台とした作品が並びます。目玉は日本初公開となるエドガー・ドガの「家族の肖像(ベレッリ家)」です。エドガー・ドガといえば、バレリーナの絵で有名ですが、これはドガの叔母一家を描いた作品です。家族の肖像ですが、描かれている夫婦も二人の子どもたちも表情が硬いです。特に夫人の顔なんてどこを見ているのかわからないまったくの無表情。説明によると、夫婦関係はこの時点ですっかり冷めきっていたようですね。あと、印象に残ったのはアルベール・バルトロメの「温室の中で」という自分の夫人を描いた作品です。先に亡くなった奥さんを愛していたんでしょう。この絵も、今回一緒に展示されている絵の中で奥さんが来ていたドレスも終生手放すことはなかったそうです。
西洋美術館の後、午後はまずは本多劇場で公演中の竹中直人さんと生瀬勝久さんによる竹生企画の第4弾、「マイクロバスと安定」を観劇。小惑星の衝突によって地球が滅亡するまであと3年の舞台演出家の家が舞台となります。設定としてはよくある設定で、作・演出の倉持裕さんも今作を執筆するに当たり、私の好きな伊坂幸太郎さんの「終末のフール」も参考にしているそうです。物語は、竹中直人さん演じる成清圭吾の家にかつて彼と一緒に芝居をしていたがその後30年以上疎遠となっていた生瀬勝久さん演じる戸張が娘を連れてやってくるところから始まります。出版社に勤めていた飯豊まりえさん演じる戸張の娘・早帆が役者になりたい、成清を知っているのなら稽古の様子を観たいということで連れてきたのだったが・・・。世の中の一時の混乱が落ち着き、破滅の未来があっても今まで通り芝居の演出をする成清、何らかの思いを成清に抱いている戸張、本当にしたかった役者に挑戦しようとする早帆、惑星との衝突なんて政府の陰謀だといって信じない成清の隣家の浜野謙太さん演じる山野辺ら、死という未来に向かって生きる人々の様子を描いていく作品です。どうしても、こういう作品を見ると、自分だったらどうするだろうと思ってしまいますよね。ラスト近くで早帆が成清と戸張が30年以上疎遠になっていた理由を語り合う場面に、「将来みんなと今のみんなの話をしたかったな」と言います。ジーンときてしまいました。ラスト、衝突まで1年というとき、テラスから遠くに見える花火の音を聞いていると、突然明るい光に包まれ舞台は暗転し、轟音が響きます。「あれ、まだ1年あるはずなのに、惑星が衝突したのか?どういうこと?」と思うと、いくらか明るくなった舞台に一人成清がいて、窓ガラス越しに車のテールランプ(おそらく戸張の運転するマイクロバスの)の赤い色が去っていってエンド。ここはいったいどう理解していいのでしょうか。小惑星は1年早く衝突したのか。う~ん、最後の場面の意味するものがわかりません。消化不良です。倉持さん、正解を教えてほしいです。それにしても、役者としてやっていくこととなった飯豊まりえさんの赤いワンピースは映えましたねえ。
終演後新宿に戻って、SOMPO美術館で開催中の「モーリス・ユトリロ展」へ。パリの街並みを描いた画家です。この作品展も、花瓶にさされた花の絵1点を除き、すべて風景画です。”白の時代”と言われたように白い石壁の建物の絵が多かったですね。自分が通ったキャバレー、「ラバン・アジル」の建物は繰り返し描いているのに、中にいる人々の様子は描いていません。本当に風景画家ですね。閉幕まで2週間ほどを残すだけですが、それほどの混雑はなく、約70点の作品をじっくり鑑賞することができました。
その後、今度は渋谷のパルコ劇場で公演中の「大パルコ人⑤オカタイロックオペラ 雨の傍聴席、女は裸足」へ向かいました。宮藤官九郎さんが脚本を書き、阿部サダヲさん、松たか子さん共演のこの作品、よくチケット取れたなあと思いながら座席へ。阿部さんと松さんはテレビ朝日の7月期のドラマでも夫婦役を演じましたが、今回もまた夫婦です。物語の舞台となるのは2042年の法廷。阿部さん演じるミュージカルスターと松さん演じる演歌歌手との離婚裁判が全世界に発信されているという設定です。その焦点となるのは慰謝料と長男の親権です。始まって20分ほどたったところで何と物販販売のための休憩に入りました。裁判官が使う木槌、ガベルというそうですが、そのガベル型ライトの販売、レンタルが行われました。阿部さんを応援する際は青のライト、松さんを応援する際は赤のライトをつけて振ってくださいというものです。歌手のコンサートみたいですね。休憩中にはこのガベルライトについての裁判官役の藤井隆さんの客いじりもあって笑いました。ライトは自宅にあればそれを持参してもいいという告知があったので、購入するのはもったいないなあと思い、娘から借りて持参しました。とはいえ、この歳のおじさんがノリノリで振るのはちょっと、いや、かなり恥ずかしい。結局持っていったもののバッグの中にしまったままでした。前の方の席にいた韓国人気グループのライトを持った女性は慣れているのかノリノリでライトを振っていましたねえ。劇団新感線も同じようにライトを振ることがあるそうですが、なかなか普通の演劇でライトを振るというのはないですよね。お客も慣れていないのか、購入してもちょっと控えめに振っているという感じでした。ロックオペラ風に松さんと阿部さんが歌うのですが、松さんは、演歌を歌っても上手ですねえ。今回、座席が中央通路の後ろの2列目だったので、松さんが歌いながら通路を通るのが間近で見えて最高でした。阿部さんも松さんに負けないですねえ。宮藤さんの作品なのでコメディかと思って観たのですが、確かに大いに笑ったのですが、ストーリーは意外に深刻な展開になりました。ラスト、大人計画の皆川猿時さんが思わぬ登場を見せてくれます。そうそう、弁護士役の三宅弘城さんですが、ドラマーとして凄かったですね。パンフレットを読んだら、「グループ魂」でドラムを担当しているそうですね。納得。観客席も立ち上がってのラスト、大満足の2時間半でした。 |
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| 2025年11月24日(月) |
| 三連休も終わりです |
三連休も今日で終わりです。この三連休の初日は、オンラインショップで購入したスマホを自分で設定、データの移動をせっせと行いました。今では懇切丁寧に設定の仕方を説明するYouTubeもありますし、以前と違って簡単に自分で設定できるようになりましたね。ショップで行うとかかる手数料を倹約です。6年ぶりの更新だったので、ホームボタンがなくなり、ついに私のスマホも顔認証になりました。ようやく世間の進化に追いつきました。
昨日はシネコンに山田洋次監督、木村拓哉さん、倍賞千恵子さん共演の「TOKYOタクシー」を観に行ってきました。山田監督は93歳、倍賞さんは84歳と、失礼ながら相当な高齢者ですが、ここまで頑張れるのですから凄いですよね。場内はキムタクのファンと思える若い女性が見えましたが、ほとんどが年配の方ばかり(そういう私もそうですが)。二人といえば「寅さん」を思い浮かべてしまいますが、多くの人が「寅さん」のファンなのでしょうか。さすがに”さくら”も歳を取られましたね。
いよいよ11月も最終週です。週末は東京へ美術展と観劇に行く予定です。観劇は本多劇場で公演中の竹中直人さん、生瀬勝久さんの「マイクロバスと安定」とパルコ劇場で公演中の阿部サダヲさん、松たか子さんの「大パルコ人⑤オカタイロックオペラ」です。美術展はSONPO美術館で開催中の「モーリス・ユトリロ展」です。楽しみです。
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| 2025年11月15日(土) |
| 「平場の月」観に行ってきました |
| 今日は妻の希望でシネコンに「平場の月」を観に行ってきました。堺雅人さん、井川遥さん共演の朝倉かすみさん原作の同名小説の映画化です。原作が刊行されたのは2018年12月ですからもう7年前。私も原作を刊行当時に読みましたが、内容はほとんど覚えていませんでした。パンフレットによると、原作者の朝倉さん自身も「自分でも少し忘れていて、映画を観る前に半分読んだ」と言っているくらいですから、読者である私が忘れていても仕方ないですね。今日観て一番感じたのは、やはり堺さんうまいなあということとともに、井川さんを見直したということです。井川さんといえば、癒しの女優さんとよく言われますが、今回の役は、ちょっと男勝りの言葉遣いで、大腸がんのためにストーマをつけたりと、今までの美人女優のイメージとはまったく違う役どころでした。化粧は薄めですが、相変わらず綺麗なのは変わりありません。個人的には、日本アカデミー賞の主演女優賞に推薦したいですね。それから脇役として多くの有名俳優さんたちが出演していましたが、その中でも印象的だったのは、焼鳥屋の大将を演じた塩見三省さん。調理場の片隅に静かに座っているだけですが、存在感は抜群。ラスト、堺さん演じる青砥のためにバックで流れる薬師丸ひろ子さんの「メイン・テーマ」を大きくしてあげるところはいいですねえ。地味な映画ですが、じっくりのめり込むことができる映画でした。
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| 2025年11月10日(月) |
| 紅葉真っ盛り |
先週金曜日に休みを取り、1泊で妻と娘と3人でドライブに行ってきました。ドライブで走った高原は紅葉が真っ盛りで、木の葉は黄色や赤色に鮮やかに染まり、目の保養になりました。やはり、日本の秋は素敵ですよねえ。昼食は誕生日を迎えた私と妻のために娘がご馳走してくれました。十割蕎麦がメインですが、コース料理となっており、サラダ、野菜の天ぷら、茶わん蒸し等見た目も味も素晴らしい料理でした。メインの2種類の十割蕎麦も細麺で私好みでした。娘には感謝です。
休日に森絵都さんの「デモクラシーのいろは」(KADOKAWA)を読了。これは面白かったです。今年のマイベスト10の上位を争う作品です。現在、雫井脩介さんの「犯人に告ぐ4 暗幕の裂け目」(双葉社)を読書中です。シリーズ完結編のようです。
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| 2025年11月1日(土) |
| 11月になりました |
11月になりました。今年もあと二か月を残すだけです。今日は大学時代の同級生と久しぶりに会うために東京に行ってきました。彼が出張でこちらに来た際に会って以来、なんと30数年ぶりの再会です。これまで年賀状のやり取りだけで近況を伝え合っていたのですが、お互い元気なうちに一度会おうということになり、両方が行きやすい東京で会うことに。当たり前ですが、お互い歳を取りましたが、東京駅の改札口で待ち合わせしてもすぐわかりましたねえ。2時間という短い時間でしたが、近況を語り合いながら美味しいお酒を飲んできました。気の置けない友人と飲む酒は、一段と美味しかったです。
友人と会うのは夜なので、その前に、東京で芸術の秋を堪能。東京都美術館で開催中の「ゴッホ展 家族はつないだ画家の夢」と東京国立博物館で開催中の「運慶 祈りの空間 興福寺北円堂」を観てきました。前者は、ゴッホ家が受け継いできたファミリー・コレクションに焦点があてられた展示会です。全然売れなかったゴッホの理解者は弟のテオでしたし、テオの死後はその妻のヨーがゴッホの作品を世に出すことに尽力したそうです。ゴッホの作品が今の世にも評価して残っているのは、彼ら家族の努力もあったのでしょう。後者は京都の興福寺所蔵の弥勒如来坐像、無著菩薩立像、世親菩薩立像、四天王立像(持国天)、四天王立像(増長天)、四天王立像(広目天)そして四天王立像(多聞天)の国宝7体だけの展示でしたが、さすが国宝です。これは観る価値がありましたねえ。言葉で表現できないくらいの感動で圧倒されました。高橋一生さんの音声ガイドを聞きながらじっくり鑑賞しました。
二つの展覧会が意外と順調に観ることができたので、どうせなら上野で開催されているもう一つの展覧会、「オルセー美術館所蔵 印象派 室内をめぐる物語」を観に開催場所の国立西洋美術館に向かったのですが、なんと入場制限で大行列。係の人に聞くと会場内もかなりの混雑ということで、今日は観るのを断念しました。とにかく、グッズ売り場に入るための列が美術館の建物から外に伸びているのにびっくりでした。開催したばかりの三連休初日ですし、日本人は印象派が大好きですからねえ。
「印象派展」は観ることができなかったものの、ゴッホを観て、国宝を観て、そして友人と旧交を温めた素敵な、そして満足のいく一日でした。
今月の読書ですが、今年のベスト10がだいたい10月末までの刊行の本が対象なので、ちょっと本の発売も落ち着いているという感じです。その中では、七河迦南さんの「わたしがいなくなった世界に」(東京創元社)。児童養護施設七海学園の子どもたちと保育士・北沢春菜が遭遇する日常の謎を描く「七つの海を照らす星」、「アルバトロスは羽ばたかない」に次ぐシリーズ第3弾です。前作「アルバトロスは羽ばたかない」が刊行されたのが2017年11月ですから8年ぶりの新作ですね。前作の内容もすっかり忘れてしまったのですが、感想を読むとかなり感動したようなので、その続編ですから期待したいです。そのほかでは、久しぶりの湊かなえさんの新作「暁星」(双葉社)も楽しみです。現役の文科大臣で大御所作家でもある人物が全国高校生総合文化祭の式典の最中に刺殺される事件から始まる物語です。湊さん自身が「29作目にして、私はこの作品が一番好きだと断言できます。」という作品です。
今月の映画は10月と違って観たい映画は少なめです。洋画では「プレデター バッドランド」、邦画では朝倉かすみさん原作の同名小説の映画化で堺雅人さんと井川遥さん共演の「平場の月」、山田洋次監督、倍賞千恵子さん、木村拓哉さん共演の「TOKYOタクシー」、あとは「新聞記者」が数々の賞を受賞したシム・ウンギョンさん主演の「旅と日々」くらいでしょうか。「プレデター バッドランド」はプレデターを主人公に描いた作品です。今まで“狩る”側のプレデターが“狩られる”側になります。「平場の月」の本の内容はすっかり忘れていましたが、改めて感想を読むと、幼い頃実は好きだった相手と中年になって出会ったときの二人の想いを堺雅人さんと井川遥さんがどう演じてくれるのでしょう。「TOKYOタクシー」の山田洋次監督は94歳、倍賞千恵子さんは84歳です。お二人とも年齢相応に老いましたけど、その年齢でまだ頑張っていますからねえ。特に山田洋次監督は凄いです。そして、私にとっては倍賞さんはいつまでも綺麗なままの“さくら”です。
今月の展覧会は本日観た「ゴッホ展 家族はつないだ画家の夢」、「運慶 祈りの空間 興福寺北円堂」に、今日混雑していた「オルセー美術館所蔵 印象派 室内をめぐる物語」はもう少し後に観ることとして、今月後半にはSOMPO美術館で開催している「ユトリロ展」を観に行きたいと思っています。
そして、今月は観劇を2本。本多劇場で開催する「マイクロバスと安定」とパルコ劇場で開催する「大パルコ人⑤オカタイロックオペラ」を観に行く予定です。前者は、竹中直人さん、生瀬勝久さん、飯豊まりえさんらが出演、後者は、阿部サダヲさん、松たか子さん、峯田和伸さん、、宮藤官九郎さんらが出演です。 |
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