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身辺雑記(2015年8月)

2015年8月31日(月)
久しぶりの出勤
  先週の木曜日、金曜日と夏休みを取って4連休後の月曜日。さすがに久しぶりの出勤は辛いです。とりあえず、出勤後は机の上にうずたかく積まれた書類を決裁することから始まり、普段の調子を取り戻すのにひと苦労でした。
 休みは初日に東京へ行っただけで、あとはのんびりほとんど家で本を読んだりDVDを観るという怠惰な生活を送っていました。休み中に読んだ本は、藤谷治「あの日、マーラーが」(朝日新聞出版)、柚木麻子「ねじまき片想い」(東京創元社)、小林泰三「記憶破断者」(幻冬舎)、羽田圭介「スクラップ・アンド・ビルド」(文藝春秋)、本多孝好「魔術師の視線」(新潮社)の5冊。久しぶりに芥川賞受賞作を読みました。今夜からは荻原浩さんの「金魚姫」(角川書店)を読み始めます。
2015年8月28日(金)
遅ればせながらの夏休みの消化
  昨日、今日と遅ればせながらの夏休みを消化しています。子どもが小さい時のように子どもを連れて家族で海水浴だ高原だということもないので、昨日は一人で東京へ行ってきました。貧乏性の性格故か、せっかく行くのだから時間をめいっぱい使おうと、朝早くから、展覧会を3つ梯子し、映画もこれまた3本観てきました。最終電車に乗って帰ってきたのは既に日を跨いでおり、さすがに今日は疲れてどこにも行かずに家でグッタリしていました。
 展覧会は、すでに1度観た東京芸術大学美術館の「うらめしや~冥途のみやげ展」の後期展示と三菱一号館美術館の「画鬼暁斎展」の後期展示、そして映画の上映時間まで時間が空いたので、東京国立博物館で開催中の「クレオパトラとエジプトの王妃展」の3つです。
 「うらめしや~」は、展示の中心になっている圓朝コレクションを始め、前期と後期でほとんど入れ替えがあったので、2度目といっても初めてと同じで、観に行った甲斐がありました。全生庵の圓朝コレクションもこれで50作品すべてを観ることができて満足。なかなか見事な幽霊画コレクションでした。
 「画鬼暁斎展」は、再度今回の目玉であるメトロポリタン美術館が所蔵する水墨画を観るために行ってきました。平日といいながらも前回よりも意外に人が多く、特に外国人が目立ちました。暁斎の絵は外国人受けがするのでしょうか。自分へのお土産に「暁斎絵日記おちょこ」を4種類購入。
 「クレオパトラとエジプトの王妃展」は、時間調整で入館したので、駆け足で観たのですが、プトレマイオス朝とかアメンホテップとかラメセス2世(僕らが習った時はラムセス2世でしたが)などが語られていて、高校時代好きだった世界史で勉強した古代エジプトのことを思い出しました。近年、クレオパトラの像だと認められた大理石で作られた顔が展示されていましたが、確かに美人だなあと思う端正な顔立ちです。アントニウスが恋してしまったのは仕方なかったかも・・・。
 映画は地元では公開予定のない、本多孝好さん原作の「at Home」、ジェイク・ギレンホールの快演が評判の「ナイトクローラー」、そして台湾映画の「共犯」の3本です。
 「at Home」は、犯罪で生計を立てている疑似家族の物語です。お父さん役の竹野内豊さんもいいですが、お母さん役の松雪泰子さんが暴力振るわれた血だらけの顔になったり、化粧もしていない顔になったりと頑張っています。ウーマンラッシュアワーの村本さんが悪役ですが、役柄的には合っていましたが、演技的にはいま一歩ですね。暴力的なシーンは多かったですが、映画としては割と好きです。ただ、男性陣と女性陣がそれぞれ疑似家族になる理由は描かれていましたが、両者がどうして家族になったのかが描かれていないのは中途半端な気がします(ペットショップで出会って、家に食事を招待するところまででした。)。原作でもそうだったのかなあ。
 「ナイトクローラー」は、ジェイク・ギレンホールの快演に尽きます。あのギラギラとした狂的な目に引きつけられます。映画を観るまでは、真面目な青年が事件現場の映像を撮り歩くうちにしだいに精神を狂わせていく話かと思いましたが、元々ジェイク・ギレンホール演じるルイス・ブルームは、正義とはほど遠いところにいる男でした。あまりに後味が悪い映画です。
 「共犯」は、台湾の青春ミステリー映画です。1昨年観た台湾映画「あの頃、君を追いかけた」に感動したので、今回期待して観に行ったのですが、同じ青春映画ですが、「あの頃~」と異なって、こちらはミステリーという形をとったせいもあって、爽快感や感動はありませんでした。あまりに悲しい結末です。
 充実しすぎた1日のせいで、今日は何もする気になれず、ようやく小林泰三さんん「記憶破断者」を読んだだけ。それも残念ながら僕にはまったく合いませんでしたねえ。途中で投げだそうかと思ったくらいです。
2015年8月25日(火)
世界陸上4日目
 世界陸上も4日目となりましたが、いまだ日本選手のメダル獲得はおろか入賞さえありません。今夜は期待の二世選手、高校2年生ののサニブラウンくんが出場する男子200メートルが行われましたが、なんとガトリンに次ぐ組2位で準決勝に進出しました。ガトリン以外早い選手がいなかったという幸運もあったのでしょうけど、それにしても後半の粘りは凄かったですね。他の2選手も準決勝進出が決まりました。拍手です。今後メダルを期待できそうなのは、昨日のやり投げ予選で2位の記録を出した新井選手くらいでしょうか。気負わずに頑張ってもらいたいですね。
  誉田哲也さんの「武士道ジェネレーション」を読むのをちょっと止めて、先に図書館から借りた小谷野敦さんの「このミステリーがひどい!」を読了。いやぁ~、古今東西の人気のミステリーを端から批判していました。まあ、でもこれは小谷野さんの考えですからね。この人にかかってはほとんどのミステリーが「つまらない!」です。
2015年8月23日(日)
世界陸上開幕
  昨日から世界陸上が始まっていますが、日本勢は昨日の男子マラソン、メダルが期待されていた競歩とも入賞すらできずに惨敗。5年後の東京オリンピックを前に、課題が残されました。今夜の注目は男子100メートル。ボルトとガトリンの対決は凄かったですねえ。予選、準決勝ともそれまでの爆発的な強さを見せられなかったボルトに対し、余裕で決勝まで進んだガトリンが、今回はリベンジを果たすかと思いましたが、決勝ではボルトが不安視されたスタートを成功させ、100分の1秒差で勝利。いやぁ~、二人の戦いに釘付けになってしまいました。そうそう、決勝に進んだ女子100メートルの福島千里さんには拍手です。
 江戸川乱歩賞受賞作、呉勝浩さんの「道徳の時間」読了。イタズラ事件の現場に残された「生物の時間を始めます」「体育の時間を始めます」のメッセージ、そして陶芸家の服毒死体のそばに書かれていた「道徳の時間を始めます」というメッセージという設定に惹かれましたが、選考委員も指摘しているように、動機があれでは唖然としてしまいます。応募作に修正を施した上で刊行しているようですが、どこが修正されたのでしょうか。動機の点については修正はされなかったのでしょうか。 
 今夜からは誉田哲也さんの「武士道ジェネレーション」(文藝春秋)を読み始めます。久しぶりのシリーズ第4弾です。 
2015年8月21日(金)
「表参道高校合唱部!」がおもしろいです。
  金曜日22時からTBSテレビで放映中の「表参道高校合唱部!」がおもしろいです。先週の放送で意地悪だった女の子も心を入れ替えて合唱部に参加。いよいよ合唱コンクール目指して体制が整いました。これからいよいよ後半戦に突入ですね。今日もちょっと感動です。とにかく主人公・香川真琴役の芳根京子さんが爽やか。ホント、青春満喫しているという感じですね。女の子の部員たちはみんなかわいいし、僕が高校生だったら率先して合唱部に入ってしまうなあ。
 図書館から借りていた本を読み終わったので、今夜からはようやく、第61回江戸川乱歩賞受賞作、呉勝浩さんの「道徳の時間」(講談社)を読み始めます。 
2015年8月18日(火)
家族とは
 世間では老舗家具店で父娘が家族を巻き込んで権力争いをし、また大手菓子メーカーでも兄弟の権力争いが父親を巻き込んで行われるなど、血を分けた家族といってもなかなか理解し合うのは難しいようです。アイスランドのミステリー作家、アーナルデュル・インドリダソンの「声」は、家族をテーマにした作品です。こちらは家族間の権力争いとは異なりますが、子どもを自分の思うままにしようとした故に壊れていく家族関係が描かれます。オススメです。
  今夜からは江戸川乱歩賞作家、下村敦史さんの「生還者」を読み始めます。  
2015年8月17日(月)
無音盆踊り
 ネットのニュースに、最近は、地域のお祭りを騒音と感じる人も多く、苦情対策として、踊り手がイヤホンで音楽を聴きながら踊る「無音盆踊り」が登場したという記事が出ていました。夏の風物詩といえば、花火に盆踊りですが、住民の意識の変化もあるのでしょう
か、それらに対する「うるさい!」という苦情が年々多くなっているそうです。中には地域のお祭りを止めないと爆弾を爆発させるなどという脅迫があったところもあるようです。とはいえ、「無音盆踊り」では、イヤホンから音楽が流れてくる踊り手はともかく、周囲で
見ている人には異様な光景に映るでしょうね。「ゾンビ踊り」と評されるのもうなずけます。ちょっと世知辛い世の中になってきたようですが、[うるさい!」と苦情を言う人にも事情はあるでしょうしねぇ。難しい問題です。
 アーナルデュル・インドリダソンの「声」(東京創元社)読了。エーレンデュル捜査官シリーズ第3弾です。前作までと同様おもしろい。いっき読みでした。  
2015年8月13日(木)
お盆です
 帰省ラッシュが始まったようです。昨日は息子がいつもはバスで2時間かかるところが高速道路が大渋滞で倍の4時間以上かかったと、疲れ切って帰省してきました。僕自身は月曜日に休んだ以外は暦どおりで会社に出勤でしたが、高速道路とは対照的に市内の道はいつもの通勤時間帯と異なってガラガラ。世間はお盆休みですねえ。  
2015年8月12日(水)
日航機墜落から30年
  御巣鷹山に日航ジャンボ機が墜落してから今年で30年。今朝の毎日新聞に乗客のひとりの河口さんという方が迷走する飛行機の中で家族に宛てて手帳に書いたメモが全文掲載されていました。子どもたちに母を助けてといい、妻には子どもを頼むという遺書代わりの219字のメモに思わず目頭を押さえました。妻子を残して逝く無念さはいかようなものがあったでしょう。遺族の方にとっては節目ということはないと思います。改めて合掌。
2015年8月11日(火)
「オールド・テロリスト」読み始めました
 村上龍さんの「オールド・テロリスト」(文藝春秋)を読み始めました。これは大作です。簡単に言ってしまえば、老人たちがテロを始める、それも若者を手足にして実行するという作品です。まだ100ページほどで、物語の全体像が見えてきませんが、先の展開が気になってページを繰る手が止まりません。明日休みなら、このまま眠らずに読んでいたいところです。
2015年8月9日(日)
「時をかける少女」観に行ってきました
 今日は朝から東京へ。まずは、東京芸術大学美術館で開催している「うらめしや 冥途のみやげ」展へ。明治時代の落語家、三遊亭圓朝が収集した幽霊画コレクションを中心に日本の美術史における「うらみ」の表現を辿った展示会です。円山応挙伝の有名な幽霊画や先日展示会を観に行った河鍋暁斎の幽霊画、さらには浮世絵の葛飾北斎や歌川国芳などの「うらみ」の作品が展示されていました。やっぱり夏となれば幽霊ですよね。混雑もなく、ゆっくりと冷房と幽霊画で涼むことができました。
 その後は今日の主目的である劇団キャラメルボックスの「時をかける少女」の公演へ。千秋楽だったので会場の池袋サンシャイン劇場は満員の盛況。「時をかける少女」は筒井康隆さん原作のジュブナイル。中学生の頃、この作品をNHKが少年ドラマシリーズの記念すべき第1作「タイムトラベラー」してテレビドラマ化し、すっかり魅了されてしまいました。SFジュブナイルを読み始めるきっかけになった作品でした。その後も原田知世さんや仲里依紗さん主演で映画化されたり、テレビドラマ化されてきましたが、今回キャラメルボックスが、原作のその後を舞台化するというので、期待して観に行きました。
 主人公は原作の主人公である芳山和子の姪である尾道マナツ。彼女が和子同様ラベンダーの匂いの煙を吸ってタイムトラベルの能力を持ってしまったことから物語は始まります。原作の芳山和子と深町一夫の別れの際の言葉を元に感動のストーリーが紡がれます。主役を演じたのは木村玲衣さん。153センチと小柄ですが、パワフルで躍動感がありました。舞台上を駆け回っていましたね。最終日とあってかなり声が枯れていましたが、これからその点を鍛えていくのでしょう。ゲスト出演した元劇団員の近江谷太朗さんのアドリブが当意即妙でうますぎました。
 最後は昨日から公開された映画「日本のいちばん長い日」を観てきました。終戦直前、ポツダム宣言を受諾するか否かで揺れる日本を描いていきます。時の内閣総理大臣、鈴木貫太郎を演じたのは山崎努さん。とぼけた演技が上手いですねぇ。陸軍大臣、阿南惟幾を演じたのは役所広司さん。本土決戦を叫ぶ陸軍の長として確固たる意志を持って行動する男を演じます。何を演じさせても観ていて安心感があります。血気に逸る若手将校・畑中少佐を松坂桃李くんが演じます。鬼気迫る顔でした。
 スクリーンは満席でしたが、年寄りしか観に行かないだろうという予想に反して、劇場内は年配の方から大学生くらいの人たちまで種々雑多。戦後70年が経ち、日本が戦争をやっていたことさえ知らない若者が増えている中、ぜひ若い人たちにも観に行ってもらいたいですね。
 一日満足して帰りの電車に乗ったら、駅を通過中に人が飛び込んだようで停車。その上救助のために一時電源を落としたので、エアコンも止まる最悪の状況でした。30分弱で電気がついたからよかったものの、このままだったら大変でした。明日が月曜日だから精神的に辛くなってしまうのでしょうか。
2015年8月6日(木)
広島に原爆が投下された日です
  広島に原爆が落とされて70年。帰宅してからNHKで放送していたスペシャル番組を観ました。戦争を実体験した人も一番若くても既に70歳を越え、戦争がどういうものであったかを語る人も少なくなってきました。今、参議院では安保法案が審議されていますが、安倍総理は今日の日をどう考えているのでしょうか。そして、戦争に行くのはイヤだと行った若者を利己的考えだと批判する自民党議員はこの番組を観て何を思うのでしょうか。この番組の後、本棚にあった「トランクの中の日本」という写真集を引っ張り出しました。中にある「焼き場にて、長崎」と題された1枚の写真。死んだ弟を背負って焼き場の前で気を付けの姿勢でじっと前を向いている少年の写真です。こんな姿を子どもたちにさせては絶対いけない、それが大人の責任です。
2015年8月4日(火)
猛暑日が続きます
 猛暑日が止まりません。夜は熱帯夜が続き、寝苦しくて熟睡できない日が続きます。この暑さ、まだ当分続きそうです。
 薬丸岳さんの新作「Aではない君と」(講談社)のプルーフを読み終わりました。子を持つ親に考えさせる問題作でした。さて、感想を書かなくては。
 いよいよ明日から「ジュラシック・ワールド」が公開になります。既に公開された各国ではかなりの人気のようなので、大いに期待できそうです。娘も観たいというので、土曜日に観に行く予定です。
2015年8月1日(土)
連日の猛暑日に熱帯夜
  連日の猛暑日に熱帯夜。こう暑いと読書という感じではありませんが、今月は何と言っても第61回江戸川乱歩賞受賞作、呉勝浩さんの「道徳の時間」(講談社)です。連続イタズラ事件が発生し、現場には『生物の時間を始めます』『体育の時間を始めます』といったメッセージが置かれていたということから始まる殺人事件。なかなか、おもしろそうな予感がします。
 映画は、いよいよシリーズ第4弾の「ジュラシック・ワールド」と、こちらもシリーズ第5弾の「ミッション・インポッシブル/ローグ・ネイション」が公開されます。どちらもシリーズをかかさず観ている作品です。楽しみです。終戦の日を迎える中で、「日本の一番長い日」も気になる作品です。安保法案が問題となっている今、8月15日を描くこの作品をどう観るべきなのか、考えさせられます。
 お盆前には東京へ出かけて、劇団キャラメルボックスの「時をかける少女」の公演を観に行ってきます。筒井康隆さん原作の小説は、僕にとってはNHK少年ドラマシリーズの第1作として忘れることができない作品です。“芳山和子”と“ケン・ソゴル”という登場人物の名前は今でも忘れることができません。あの音楽と城達也さんの語りも印象的でした。それ以後、SFジュブナイル作品を読みあさったものです。あの時買った鶴書房盛光社の本は家を建て替える際に捨ててしまったけど、もったないことしたなあと後悔しています。舞台は、原作をそのまま舞台化したものではなく、原作のその後を描いたものだそうで、大いに期待したいです。
 東京に行ったついでに、東京芸術大学美術館で開催中の「うらめしや~、冥土のみやげ」展を観てきます。三遊亭圓朝の幽霊画コレクションを中心に円山応挙、歌川国芳、月岡芳年、河鍋暁斎などの「うらみ」の競演だそうです。暑い中、ちょっと涼んできます。