ぶらぶらと本屋さんに行ったら、1冊の雑誌に目が留まりました。「pen」という雑誌の9月1日号です。特集が『サイボーグ009完全読本』。「サイボーグ009」といったら、僕が漫画を読むことになった原点の作品です。今でも忘れません。小学校の低学年の頃、父親に連れられて行った父親の知人の家でつまらなそうにしていた僕に、知人の息子が「少年キング」というマンガ雑誌を買ってきてくれました。そこに連載されていたのが、「サイボーグ009」でした。初めて手にしたマンガ雑誌でしたが、その中に掲載されていた「サイボーグ009」を読んですっかりとりこになってしまったのです。
悪の組織“ブラックゴースト”によって戦争用に改造されたサイボーグ戦士が、ブラックゴーストを裏切り、世界の平和のために彼らと戦う姿に、戦争や平和などということはよくわからないのに、感動しながら読んでいました。
「地下帝国ヨミ編」のラストシーン、宇宙でブラックゴーストを打ち破った009=ジョーを空を飛ぶことができる002=ジェットが助けに来ます。しかし、二人で地球に戻るにはジェット燃料が足りず、ジョーはジェットに無駄死にしてはダメだと言います。ジェットは「おっともうおそい、大気圏突入!」「ジョー!きみはどこに落ちたい?」と聞きます。流れ星のように落ちて行く彼らに、空を見ていた何も知らぬ少女が平和を祈ります。もう、泣いてしまいましたねえ。何度も何度も読み返しました。
あれから、何度か連載が再開しましたが、話が難解となり、ストーリーが中断したまま作者の石ノ森章太郎さんが亡くなってしまいましたが、今年息子の小野寺丈さんの手によって小説として蘇り、さらに新たなストーリーとしてこの秋映画化もされます。今の世の中に、石ノ森さんが作品に託したメッセージが伝わることができるのか、気になります。
宮部みゆきさんの「ソロモンの偽証」を読み始めました。ようやく150ページほどまで進みましたが、話はまだ一人の少年の死体が発見されたところまで。果たして、殺人なのか自殺なのかもまだわかりません。先はまだ長いです。
|