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身辺雑記(2012年5月)

2012年5月31日(木)
伊坂幸太郎「僕の舟」

  今日はアンソロジー「最後の恋 MEN’S」(新潮文庫)に収録されている伊坂幸太郎さんの「僕の舟」を読みました。伊坂作品の中でも1,2位の人気を争うキャラクターの黒澤が登場する作品です。今回は泥棒ではなく、探偵の黒澤としての登場です。病床の夫を抱えた老女からの依頼で、彼女の初恋の相手を探すことを請け負った黒澤の調査の結果が語られますが、これが素敵な話になっています。思わぬ調査結果だけでなく、黒澤がついでに調べたという奇跡みたいなある事実は、実は黒澤の優しい嘘かもしれません。誰も傷つけないですしね。でも、本当だったらこんな素敵な話はないですね。先日読んだ「逆ソクラテス」といい、やっぱり伊坂さんは最高です。「夜の国のクーパー」が早く読みたくなりました。

2012年5月29日(火)
伊坂幸太郎「夜の国のクーパー」発売

  オンライン書店に注文しておいた伊坂幸太郎さんの書き下ろし「夜の国のクーパー」(東京創元社)が届きました。すぐにも読みたいところですが、現在、冲方丁さんの「天地明察」を読書中。時代小説ということで、今まで手に取らなかったのですが、これがさすが本屋大賞を受賞した作品だけあって、読み出したらおもしろくて止まりません。上巻を読み終えたので、今夜から下巻に取りかかります。
 このところ出版されるアンソロジーに伊坂作品が掲載されていますが、やはり伊坂さんの作品を読むと「いいなぁ〜小説って」と思ってしまいます。先頃読んだ「あの日、君と Boys」(集英社文庫)収録の「逆ソクラテス」はおススメです。

2012年5月27日(日)
疲れました

 昨日は先週に引き続き、東京に行ってきました。一番の目的は、演劇集団キャラメルボックスの公演「無伴奏ソナタ」を観ることだったのですが、開演時間が夜7時ということもあり、せっかくの東京、何かしなくてはもったいないと貧乏性の性格が首をもたげ上げ、早朝から出掛けて絵の展覧会に行くこととしました。
 まずは、渋谷の“Bunkamuraザ・ミュージアム”で開催している『レオナルド・ダ・ヴィンチ 美の理想』展へ。会場に到着したのは開館前でしたが、すでに長蛇の列。しかし、会場内はそれほどの混雑もなく観ることができました。ダ・ヴィンチ展ということから、ダ・ヴィンチの作品の展覧会と思ったら大間違い。もちろん・ダ・ヴィンチの作品はありましたが、多くはダ・ヴィンチの弟子たちや同時代の画家たちの作品展でした。
 こちらの目玉は、ダ・ヴィンチの「ほつれ髪の女」ということでしたが、この絵が小さいのなんのって。混雑していなかったから真正面からじっくり観ることができましたが、混雑していたら、とてもじゃないけどよく観ることができなかったでしょうね。もうひとつの目玉は、いろいろの人が描いた「モナ・リザ」と、裸の「モナ・リザ」の数々の作品です。これは見ものでした。
 ダ・ヴィンチ展の後は六本木の国立新美術館へ。ここでは『セザンヌーパリとプロヴァンス』と『大エルミタージュ美術館展』の2つの企画展を観てきました。
 セザンヌといえば、僕自身はリンゴなどが描かれた静物画の画家という印象が強いのですが、風景画も多く書いていたことをこの展覧会で知りました。『大エルミタージュ美術館展』は、有名なロシアの女帝エカテリーナ2世が収集した作品が収蔵されているそうですが、今回来日したのは16世紀から20世紀の名前を聞いたこともない画家からピカソまでの作品です。こちら大作も多く見応えがありました。中でもこちらの目玉は、マティスの「赤い部屋」だそうですが、正直のところ、僕にはマチスの良さがよくわかりません。遠近感もないし、子どもが描いたような絵に見えますが、これがマティスの最高傑作のひとつだそうです。ともあれ、杏さんの音声ガイドを聞きながらゆっくりと400年の西洋絵画を観ることができました。
 展覧会を観終わったあとは、まだ観劇には時間があったので、うまく時間が合う映画を探して韓国映画の「ミッドナイトFM」を観てきました。韓流映画と呼ばれる恋愛映画ではなく、「オールド・ボーイ」系のサスペンス映画です。主演はスエという女優さん。「オールド・ボーイ」のユ・ジテがかなり切れた悪役を演じます。韓国でも日本同様スエの失語症の娘役を演じた子役の演技が見事でした。最初から最後まで目を離せない映画でしたが、1800円払うくらいなら「ミッドナイト・イン・パリ」を観た方がよかったかなあとちょっと後悔も。
 キャラメルボックスの「無伴奏ソナタ」は、初めて行った新大久保の東京グローブ座での上演でした。現在キャラメルボックスは池袋サンシャイン劇場の「容疑者Xの献身」と二手に分かれての公演と精力的です。主役のクリスチャン・ハロルドセンを演じた多田直人さんは、僕がキャラメルを見始めた頃はまだ脇役だったのですが、すっかり主役を張るほどの力量をつけてきましたね。存在感があってのは、客演の文学座の石橋徹郎さん。ウォッチャーという主役に対峙する役をものの見事に演じていました。急に出演することとなった畑中さんは、途中から加わったなどとは思えない演技で、観ていて安心感がありました。大拍手です。それにしても、製作総指揮の加藤さん自らが道案内の看板を持って道端に立っていたのにはびっくりしました。
 公演が終了したのが9時近く。帰りの電車が途中駅で人が線路内に入った影響で止まったり、急病人が出て止まったりで到着が大幅に遅れて、家に帰り着いたのが今日になってしまいました。さすがに今日は昨日の疲れで、出歩く気にもならず一日家で過ごしました。ちなみに携帯の万歩計を見たら、昨日は18000歩以上。いやぁ〜、よく歩きました。  

2012年5月25日(金)
明日は東京へ

  明日は先週に続き、演劇集団キャラメルボックスが東京グローブ座で公演している「無伴奏ソナタ」を観に東京に行ってきます。せっかく東京に行くのだから、ついでにBunkamuraミュージアムで開催している「レオナルド・ダ・ヴィンチ 美の理想」と、国立新美術館で開催している「セザンヌーパリとプロヴァンス」も観てこようかなと思っています。
 今週はいよいよ伊坂幸太郎さんの新作「夜の国のクーパー」も発売になります。楽しみです。

2012年5月20日(日)
昨日は東京へ

  昨日は予定どおり朝から東京へ。
 東京に着いてまずは、映画「真夜中のサーカス」へ。開場前の映画館にはすでに長い列が並んでいましたが、無事に席を確保することができました。英国情報部(サーカス)の中にいるソ連の二重スパイ(もぐら)を探す老スパイ・スマイリーの活躍を描いたものです。映画は「1度目、あなたを欺く。二度目、真実が見える。」を宣伝文句に、リピーター割引を実施していますが、確かに1度観ただけでは細かいところがよくわかりません。リピーターとして2度目を観るより、原作の「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」のラストをを立ち読みしようかなあ。
 映画の後は、池袋サンシャイン劇場で公演中のキャラメルボックスの「容疑者Xの献身」を観に行ってきました。「容疑者Xの献身」は、言わずと知れた大ベストセラーになった東野圭吾さんのガリレオシリーズの作品、キャラメルボックスとしては2009年に続く第2回目の公演でした。
 湯川準教授を演じたのは前回同様岡田達也さんでしたが、今回石神役は元劇団員の近江谷太朗さんが演じています。今回石神の役をやるに当たってか、髪の毛を短くしたせいもあって、石神の数学しか興味のない無骨な男のイメージにぴったりです。
 キャラメルボックスの雰囲気とはちょっと異なる感じの作品ですが、そこはキャラメルボックスですから、全体に暗い雰囲気の作品の中にも笑いがあります。特に前回も出演した「相棒」の伊丹刑事役の川原和久さんは、脚本・演出の成井豊さんに唯一アドリブが許されていることもあって、常にエネルギー全開という感じです。前回は前の席ということもあって、川原さんが怒鳴るとつばが飛ぶ様子が見られたのですが、今回も「相棒」同様怒鳴りまくって(かなりアドリブあったようですね)、大いに観客を笑わせてくれました。
 そして、そんな笑いを挟みながらラスト。石神の号泣シーンで暗転した会場内ではすすり泣きの声が聞こえました。正直のところ、前作よりも素晴らしかったです。近江谷さんに大拍手です。
 舞台の後は、再び新宿に戻って、伊坂幸太郎さん原作の映画「ポテチ」を観てきました。
 監督は先に「アヒルと鴨のコインロッカー」「フィッシュストーリー」「ゴールデンスランバー」と伊坂作品を手がけている中村義洋さんです。中村監督、監督に飽き足らず、役所として中村親分(専務?)まで演じています。そのうえ、エンドロールが流れる中、挿入されたシーンにまで登場してしまっています。原作にはありませんが、これまた、なかなかのシーンです。うまいなあ。
 主演は、伊坂作品にはこの人を忘れてはいけません、濱田岳くんです。
 上映時間、わずか68分という短さ。原作が110ページほどの中編ですから、それを考えると妥当なところでしょうか。入場料もさすがに1800円では高いと思ったのでしょう、1300円でした。短い映画でしたが、本当に素敵な映画でした。もう1度観たい伊坂ファンにはたまらない作品です。
 帰りは鉄道が工事のため、特急、急行が一部区間不通になるため、電車を避け、高速バスで帰ってきましたが、先頃の高速バスの事故を思い出してしまいました。

  今日は妻の希望でシネコンへジョニー・デップ主演の「ダーク・シャドウ」を観に行ってきました。ティム・バートンとジョニー・デップのコンビの作品らしいです。ラストにクロエ・グレース・モレッツが驚きの姿を見せてくれました。あの子、いつも派手なキャラを演じますね。ミシェル・ファイファーは歳取りました。

2012年5月18日(金)
明日はキャラメルボックス

 明日は池袋サンシャイン劇場で上演している演劇集団キャラメルボックスの公演「容疑者Xの献身」を観に行ってきます。2009年に続く2回目の公演で、石神役は元劇団員の近江谷太朗さんに変わったほかはメンバーがほとんど変わっていないので、前回以上の感動を与えてくれるのではと大いに期待しています。
 せっかく東京に行くので、地方で公開されない映画も観てきます。伊坂幸太郎さん原作の「ポテチ」と、ジョンリレ・カレ原作のスパイ小説[ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ」の映画化「裏切りのサーカス」の2本の予定です。本当は「ポテチ」を観て、あとはBunkamuraで開催中の「レオナルド・ダ・ヴィンチ 美の理想」展をを観に行く予定でしたが、「裏切りのサーカス」を観た人の感想を読んだら、どうにも観たくなってしまったので、明旧ま展覧会はパス。
 来週末にもキャラメルボックスの別の公演を観に行く予定なので、「レオナルド・ダ・ヴィンチ」は来週にして、それ以外に「セザンヌ展」と「エルミタージュ美術館展」も観てこようかなと妻の顔色をうかがいながら思案中です。

2012年5月15日(火)
山本周五郎賞に原田マハさん

  山本周五郎賞に原田マハさんの「楽園のカンヴァス」が選ばれました。先日読んだばかりですが、これは本当に面白い作品です。絵に興味のない人でも、ぐいぐい物語の中に引き込まれていきます。このところの原田さんの「楽園のキャンバス」、「旅屋おかえり」とも超!おススメです。今後の原田さん、大いに期待できます。受賞おめでとう!
 今週末、伊坂幸太郎さんの「フィッシュ・ストーリー」に収録されている「ポテチ」の映画を東京に観に行ってきます。すっかり内容を忘れているので、今夜から再読です。

2012年5月14日(月)
1日遅れの「母の日」

  やはり、月曜日はブルーマンデー。正直のところ、気分がいまひとつですね。
 昨日は「母の日」。僕と妻の母親たちにはプレゼントと食事を御馳走しました。ところが、我が3人の子どもたちからは何の連絡もないと、妻は大いに不満。ようやく、昨夜遅くに娘から電話だけかかってきましたが(娘に言わせると、プレゼントは社会人として給料をもらっている一番上の兄がやるべきとのことで、電話だけ)、2人の息子からは音沙汰なし。ところが、今夜遅く、宅配便が上の息子からのプレゼントを配達してきてくれました。一日遅い「母の日」のプレゼントとなりましたが、妻は大喜び。昨日の不機嫌さはどこにいったのか、大いに機嫌がよくなりました。さてさて、我が息子よ、「父の日」は忘れていないだろうなあ。

2012年5月11日(金)
長い1週間でした

  GW明けの1週間がようやく終わりました。連休明けが月曜日からというのは疲れました。長かったぁ〜。とりあえず、土、日は休み。明日は、映画「宇宙兄弟」を観に行ってきます。休み明けは、また仕事が忙しくなりますが、来週の土曜日は東京へ行って、キャラメルボックスの公演「容疑者Xの献身」と、伊坂幸太郎さん原作の映画「ポテチ」を観て、余裕があればBunkamuraで開催している「レオナルド・ダ・ヴィンチ 美の理想」を観てくる予定です。それを楽しみにどうにか来週も乗り切らなくては。読書は、いよいよ小路幸也さんの東京バンドワゴンシリーズ第7弾「レディ・マドンナ」に取りかかります。

2012年5月6日(日)
GW終了

  GWも今日で終わりです。どこに行ったわけでもなく、晴れの日には愛車を洗い、調子が悪かったトイレの照明と換気扇を修理し、テレビ周りに積み重ねてあったDVDを整理し等々日頃気になっていたけどなかなか手に付かなかったことをいっきに片付けました。 
 結局、映画は前半に観た「テルマエ・ロマエ」と「HOME 愛しの座敷わらし」のほかは、後半に「わが母の記」を観ただけでした。「わが母の記」は、このHPを訪問していただいている冴子さん、Tansyさんのおススメだったので観にいたのですが、これは期待以上の作品でした(語彙が乏しくてうまく表現できないのですが。)。何と言っても樹木希林さんの演技が凄かったですが、役所広司さんとその妹たちを演じたキムラ緑子さん、南果歩さんも負けていません。宮崎あおいさんも相変わらずかわいかったなあ。GWのせいもあってか、田舎のシネコンにしても珍しくほとんど満席でした。観客のほとんどは年配のお客さんでしたが、いい映画であれば、普段映画館に足を運ばない年配の人も来るんだなあと一人で納得。
 GW中の読書は前半に読んだ原田マハさんの「楽園のカンヴァス」、初野晴さんの「千年ジュリエット」のほかは、後半に薬丸岳さんの「死命」、再び原田マハさんの「旅屋おかえり」、伊坂幸太郎さんをはじめとする4人の作家による「しあわせなミステリー」を読了、現在法条遙さんの「リライト」を読書中です。う〜ん、積読本をできるだけ片付けようと思っていたのですが、思ったよりも読書が進みませんでした。

 3人の子供が思い立ったように帰ってきて、家で過ごし、今日は最後に残っていた娘が東京に戻り、今夜はいつもの日常に戻りました。明日から仕事ですが、気分が乗りませんねえ(笑)

2012年5月1日(火)
GW前半終了

  GW前半が終わりました。何ということもなく平穏に終了し、今日は出勤です。映画は初日に「テルマエ・ロマエ」と「HOME 愛しの座敷わらし」を梯子しただけ。GWということもあって、映画も観客動員が見込むことができる子供向けが多く、このGWで観ようと思っているのは、あとは5日に公開の「宇宙兄弟」くらいです。来月12日からは伊坂幸太郎さん原作の「ポテチ」が公開されるので、東京まで観に行きたいと思っています。
 読書は、原田マハさんの「楽園のキャンヴァス」と初野晴さんの「千年ジュリエット」を読了。今は薬丸岳さんの「死命」を読み始めました。「楽園〜」も「千年〜」もなかなか楽しむことができました。どちらもおススメです。
  今月発売の本では、何といっても30日発売予定の伊坂幸太郎さんの「夜の国のクーパー」(東京創元社)が一番の期待です。シリーズものでは垣根涼介さんの君たちに明日はないシリーズの第4弾「勝ち逃げの女王」(新潮社)が中旬に発売になります。それ以外は辻村さんの新作などがありますが、いつもの月に比べて購入本は少なくなりそうです。