今日はアンソロジー「最後の恋 MEN’S」(新潮文庫)に収録されている伊坂幸太郎さんの「僕の舟」を読みました。伊坂作品の中でも1,2位の人気を争うキャラクターの黒澤が登場する作品です。今回は泥棒ではなく、探偵の黒澤としての登場です。病床の夫を抱えた老女からの依頼で、彼女の初恋の相手を探すことを請け負った黒澤の調査の結果が語られますが、これが素敵な話になっています。思わぬ調査結果だけでなく、黒澤がついでに調べたという奇跡みたいなある事実は、実は黒澤の優しい嘘かもしれません。誰も傷つけないですしね。でも、本当だったらこんな素敵な話はないですね。先日読んだ「逆ソクラテス」といい、やっぱり伊坂さんは最高です。「夜の国のクーパー」が早く読みたくなりました。
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