きみこむ日記
 
  2010年1月〜6月                                        銀色文字トップに 戻る
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   切ってあります。 ご了承下さいませ。



   6・29

   試験も終わったし(来月もうひとつあるんですけど)
   仕事帰りに、なにか映画でもと思い立ち
   「アイアンマン2」 を観てきました。
   実は前作を観てないのですけど、どうしても
   ロバート・ダウニー・Jr氏に会いたくなりまして。


   映画は自身がアイアンマンだとマスコミの前で告白した
   トニー・スタークが彼と亡き父を恨む男・イワンから狙われるお話。
   ネットでちょこっとだけ予備知識を入れていたこともあって
   前作なしでも十分に楽しめました。


   アメコミヒーローといえば、バットマンとかスパイダーマンが映画化されて
   世界的に有名ですが、こういうのって必ずヒーローが悩む設定になってるんですね。
   トニーは他のヒーローよりも人間像が庶民的というか (大富豪には違いないけど)
   人間的弱さが強く押し出されているのが面白いと思います。
   だって、いくら余命が短いと自暴自棄になったからとはいえ、
   あのパワースーツ姿のままパーティで飲んだくれたり、ふざけて手のひらから出す
   レーザー光線(?)でスイカを割ったりするんですよ。そりゃあ親友も恋人も怒るよね。


   先日の 「シャーロック・ホームズ」 もそうでしたけど、ロバート・ダウニー・Jr氏の持ち味は
   凄い能力を持ちながらも、完璧なヒーローになりきれないアンバランスな脆さに
   あるんだなあ。 彼の表情の底に悲しみを秘めたあの目が、周囲の人間に
   「とんでもないヤツだけど、放っておけない」 と思わせる可愛げにつながってるのかも。


   原作がアメコミということもあってか、緊迫した場面でもくだらないジョークが飛び出したり
   (たとえば、なにもかも破壊する超小型ミサイルのニックネームが 「別れた妻」 とか)
   アイアンマン姿のトニーが、ファストフード店屋上の巨大なドーナツ模型の上で
   ドーナツを食べて注意されたり、結構笑える場面もありました。


   アクション映画は普段ほとんど観ないのですが、たまにはこういう娯楽映画も良いですね。
   エンドロールの後に、続編を匂わせる映像がありましたので
   「シャーロック・ホームズ」 同様、次作を待つ楽しみができそうです。



   6・26

   ワールドカップ、日本代表の決勝トーナメント進出おめでとうございます。
   いやー翌日は寝不足で大変でしたー・・・・と言いたいところですが、寝てましたスミマセン。


   熊本 「ソング&ダンス」 のお話はもちろん、映画 「ハゲタカ」 に
   寺島しのぶさんと大森南朋さんご出演の映画 「ヴァイブレータ」 を見たので
   それについても語りたいのですが、なにしろ明日、仕事関係の筆記試験があるもので
   試験終了までちょっぴりお預けです。


   でも、せめてこれだけはってことで一言だけ。
   ソング&ダンスの村さんは相変わらずの美声に、一生懸命なダンスが良かったけど
   「スターライト・エクスプレス」 だけは、高井さんの、あのねじ伏せるような
   「上から目線の俺様スターライト」 が懐かしかったです。 
   高井スターライトと田中ラスティの親子ゲンカ歌唱(笑)、もう一度見たいな〜。



   6・22

   先週の 「龍馬伝 第25回・寺田屋の母 」。 
   龍馬がお登勢に出会った場面で緊張してご飯がのどを通らなかったり
   一気に12歳の少年に戻っちゃうところが可愛いかったですね。 
   龍馬と呼んで欲しいと頼む表情がとっても魅力的でした。


   その後は歴史的な大事件が相次ぎ、龍馬が神戸村と京都を
   行ったり来たりめまぐるしい展開でしたが、一番びっくりしたのは
   武市先生が用意した毒まんじゅうですよ。
   「以蔵にこれを喰わせてくれんかえ・・・」 って武市の手元がアップになった瞬間
   日本中に 「うわ、でかっ!」 という衝撃が走ったのは間違いない(笑)。


   以蔵の拷問シーンや、牢で頬に涙のあとを光らせながら座りこむ武市先生など
   辛い場面が多い土佐パートですが、弥太郎が登場すると悲惨な中にもどこかコミカルな
   味わいが出てくるのがスゴイなあ。
   しかし、あの後藤象二郎と龍馬がのちのち協力する間柄になるとは
   とても思えないんだけど、心情の変化がどんな風に描かれるのかも気になります。



   6・19

   世間はワールドカップで賑やかですが
   私めは相変わらずぼちぼちDVDを見ています。
   「ハゲタカ」 話 その5。


   過去のNHK土曜ドラマとは色んな意味で違う作品ですが
   雰囲気を支えた大きな要素は、音楽にもあると思います。
   初見では正直ちょっとうるさいようにも感じたのですが、
   リピートするうちに慣れて楽しめるようになりました。
   とくに精神的な転落を思わせる、ピアノの効果音はよくできてるなあと思います。
   バーで鷲津が1人ピアノを弾くシーンもこれでしたね。


   「ハゲタカ」 の音楽は民放番組のニュース映像によく使われると
   映画版DVDコメンタリで大森さんがおっしゃっていましたが、
   気をつけてるとこれがたしかに。
   先々週だったかな、土曜夜の 「ニュースキャスター」 ではメインテーマその他が
   5ケ所ぐらい流れてました。


   さて、DVDを見るたびに思うのは、カメラはホントに作り手の 「目」 なんだなあってこと。
   監督の大友啓史さんがいかに、大森南朋さんの細やかな演技にほれ込んでいるか
   他の登場人物とは段違いのカメラワークの多彩さ、目元アップの多さが
   雄弁に物語っております。
   加えて衣装や美術、照明他スタッフ総動員で
   鷲津をいかに美しく格好良く撮るかに腐心してるといいますか、
   堅い経済ドラマのはずなのに、ムダに色気を発散させるような
   あの鷲津のポージングはなんなんでしょ(笑)。


   例えば1話の終わり、西野の父がホライズンを尋ねてきた場面で
   こちらを向いているだけなのに、ちょっとだけ片足を引くようにして
   すらりと立つ姿とか、飯島とバルクセールの裏取引をするために
   アヤシイ料亭で待ち合わせする場面。
   もう飯島が座ってるのに、なぜそこで見返り美人風に立ってるんだ鷲津(笑)。


   それにしても鷲津って、三島製作所のおやじさんもしくは芝野先輩から派生して
   やっぱりどこかファザコンなんでしょうか。
   大空電機の会長にはなんとなく弱腰だし、自宅に呼ばれたときの
   雰囲気には年長者への気遣いが感じられます。


   で、個人的になんといっても面白いのが大空電機工場での、加藤との邂逅シーン。
   彼は 「特級技能士」、つまり大空電機きっての職人だという紹介を受けつつ
   レンズを磨いている加藤と目が合った時、鷲津は蛇ににらまれたカエルのごとく
   一瞬、言葉にならない衝撃を受けてるんですね。


   まさか武市半平太として吉田東洋さまから足蹴にされた前世の記憶が(笑)・・って
   ことはないでしょうけど、やっぱり過去のことが脳裏をよぎったんだろうなあ。


   大森さんがインタビューで 「鷲津を演じながら大事にしていたのは、
   過去に大切な人を死なせたという記憶」 だと仰ったそうですが
   このドラマにハマッてみて、当たり前ですが
   「どんな登場人物も、思いがあるからその先に行動がある」 という
   ドラマツルギーの基本の大切さを痛感しました。


   そこが揺るがなければセリフがなくても充分観客には伝わるし、 大森さんが
   役柄に芯からなりきれるタイプの俳優さんだからこそ
   大友さんは、鷲津の内面はすべて大森さんの目で語らせることにしたんですね。
   そう思って見ると、いろんな人の言葉をちゃんと鷲津は表情で
   細やかに受け止めてるし、反対にわざと心を閉ざした瞬間も
   (芝野に西野の父の死を告げられる場面とか)ちゃんとわかるようになってます。


   皮肉なことだけど、大森さんにとってもこういう描き方が
   一番魅力が発揮できる設定だったんじゃないのかな。
   失礼ながら大森さんは正直なところあまり滑舌が良い方ではありませんし
   説明的な長セリフよりも、あの雄弁かつ繊細な目で演技をじっくり
   見せてこそ輝くキャスティングといいますか。


   最後に見た特典映像、鷲津コスプレ状態でぼそぼそしゃべる大森さんには
   思わず笑ってしまいますが、役者さんってスゴイなーと感心する落差でもあります。
   大森さんのこれまでの茫洋とした役柄+のんびりほわーんとした外見イメージをものともせず
   泣く子もだまるファンドマネージャーを演じさせようと思い立った
   大友さんの勇気が、やっぱり一番スゴイっすね☆


   というわけで、ドラマ版のお話は一段落。
   まだ続くのかと怒られそうですが、次回は映画版について語らせて頂きます。



   6・14

   土日に県外出張だったもので、今日はお休みでゆっくりしてます。

   昨夜、国内のインターネットは 「はやぶさ」 の話題で持ちきりだったみたいですね。
   テレビは予想に反してサッカーばかりだし、ネット動画サイトはパンク状態だったとか。
   回収したカプセルの中身がどうあれ、今回の世界的快挙のおかげで
   以前、事業仕分けに引っかかっていたJAXAも、きっとこれからは胸を張って
   どどんと予算を計上できるんだろうなあ。 


   なにより個人的に嬉しいのは、以前に比べるとレベルダウンしたと言われる
   日本の技術者が、まだまだ世界をあっと言わせられると証明できたことです。 
   今年も韓国から来日している技術系大学生たちに教えてあげられることが
   沢山ありそうで、今からわくわくしてます♪


   さて、昨夜の 「龍馬伝 第24回 愛の蛍」 のお話。
   歴史ドラマとしてのストーリーはあまり進まなかったけど、
   登場人物たちの心情がきめ細かく描写されてなかなか良かったです。


   とくに、弥太郎が牢獄の武市を訪ねて 「自分の商売にさしつかえるし、富さんも待ってるんだから
   堂々とほんまの事を言いや、武市さん!」 と、迫る場面。
   以蔵の悲鳴を聞いた時には、立ってるのもままならない様子だったのに
   ここでは大殿様への忠義心と武士としての誇りを取り戻して
   冷然と言い返す武市と、迫力にのまれて何も言えなくなる弥太郎の表情がとっても良かった。 


   格子で顔の一部しか見えないのですが、これがかえって
   まるで劇画のようにシャープな陰影を作ることに成功してると思います。
   中で移動しながらしゃべることも考えると、あれはきっと
   ずいぶん丁寧なテイクを重ねて撮れた映像なんでしょうね〜。


   弥太郎といえば、ラストで赤ん坊を抱きあやしながら
   ふと物思いにふけるような繊細な表情も素晴らしかった。
   夫からの謝罪の言葉に対して、数匹の蛍を届ける富さんの様子や
   お龍と龍馬のカットバックなど、それぞれの心情が
   しみじみと伝わってくる回だったと思います。


   それにしても、大殿さまは一体どうしたんでしょう。 極楽浄土への執着も不思議だけど
   なぜあんなに謎の茶人 (演じてるのが大和田さんってとこがまたアヤシさ倍増) に
   傾倒してるのか? お酒が過ぎて精神的に不安定になったという設定かもしれませんが
   どうもこのへんだけは説明不足感が否めず。
   もしかしたら、いずれ武市と和解する伏線なのかもしれません。


   しかし、2部の終了が1回伸びたおかげで
   投票日が武市先生の最期と重なっちゃうのかなあ。
   切腹の緊迫した画面に、無粋な選挙速報のテロップが流れるのは
   正直カンベンしてほしい気もしますが、どうなるんでしょ。



   6・11

   夕方、家に帰ったらJPからメールが届いていました。
   あれ、メルマガ登録したっけ?と一瞬考えたけど
   そういや今井さんのCDをここから購入したんでした。
   メールは柳瀬大輔さんのファーストコンサートに関するご案内。


   最近、元四季俳優さんが四季の舞台に復帰する
   ケースが増えているようですが、柳瀬さんは
   そういう可能性はないのかなあ。
   いずれは石丸さんや下村さんみたいに、東宝とかホリプロ主催の
   ミュージカルに出演して頂きたいものです。
   柳瀬さんは背が高いし、低音の歌声にあの暖かい包容力とくれば
   元タカラジェンヌさんの相手役として、最高だと思うんだけどな〜。


   あと 「シカゴ」 の弁護士みたいに、一見優しそうだけど実は・・・みたいな
   ちょい悪役にも、個人的にはかなり期待しとりマス☆



   ・柳瀬大輔ファーストコンサート〜夏鳥風月
    日時 : 2010年7月15日(木)・16日(金)/開場18:30 開演19:00  
    場所 : 品川協会グローリアチャペル



   6・8

   ここ数日、ニュースは総理大臣の交代と新内閣の事で持ちきりですね。
   突然の鳩山総理辞意表明に、驚いた方も多いと思います。


   でも、2日ほど前の地元新聞に、70代女性からの
   「朝の情報番組で、梅酢とらっきょう漬けの紹介があり
    分量をメモしながら見ていたのに、途中で鳩山首相辞意表明のニュースに
    切り替わってしまった。 どうしてくれる」 という主旨の投稿が載ってて
   失礼ながらちょっと笑ってしまいました。


   首相が誰に替わっても、庶民には毎日食べて、生きぬくための
   現実的な生活が続いていくのですね。
   新内閣には、今度こそ良い国作りを目指して頑張って頂きたいものです。



   6・5

   夏のような暑さになった今日、美容院に出かけました。
   担当の美容師さんが福山雅治ファンなので
   話題はやっぱり 「龍馬伝」。
   「長崎ロケ、行きたくてたまらなかったんですよー」 だそうです。


   私が最近、武市半平太から 『ハゲタカ』 にハマってるという話をしたら
   「あー大森南朋さん、なんか急に出てきた感じですよねぇ」 と、彼女。
   うん、確かに。 今月の舞台も前売チケ完売と聞きますし、大河で
   知名度一気にアップなのかも。
   で、今日知ったのですが、7月には大森さん初の単行本も出るそうです。


                              ・・・もしかして、これも買うのかなあ自分(笑)。



   6・3

   10周年記念日の今日、「相棒」 シーズン9と
   劇場版の年末公開が同時発表になりました。


   これで、今年後半は 「臨場」 見て、「龍馬伝」 見て、
   「ジョーカー 許されざる捜査官」 見て、「踊る大捜査線」 見て、
   「相棒」 シーズン9見て、映画 「相棒」 見たら
   もうお正月って感じでございます。 あー幸せ♪



   6・2

   夏ドラマの話題があれこれマスコミに登場してますが、個人的に
   楽しみにしているのが、7月から始まる堺雅人さん主演の
   刑事ドラマ 「ジョーカー 許されざる捜査官」 です。


   堺さんって刑事役の記憶があまりないなあと
   思ったのですが、このドラマの主役・神奈川県警の伊達一義は
   昼間は温厚な人柄の 「仏の伊達さん」。 しかし、夜は別の顔・・という設定だそうで。
   なんだか必殺仕事人の現代版?って感じもしますが、堺さんなら
   あのほわほわした笑顔と、内面の落差が激しい演技がかなり面白そう♪



   6・1

   6月は衣替えの季節、今年もクールビズの波が広がりそうです。
   しかし涼しくてエコになるのはわかってるけど、ノーネクタイのスーツ姿って
   男性美という点では水で薄めたコーヒーみたいになっちゃうのがホント残念☆


   少しお休みしていた 「ハゲタカ」 話 その4 です。 
   鷲津以外の登場人物について。


   まず、芝野健夫。
   柴田恭兵さんといえば個人的には 「あぶない刑事」 で記憶が止まってたので
   最初はエリート銀行マンという役柄がちょっとピンときませんでした。
   でも全部を見ると印象もガラリ。誠実さと信念を併せ持つ人物として
   柴田さんはぴったりだったのではないでしょうか。
   それにしても、柴田さんがこんなに魅力的な声の持ち主だとは知りませんでした。
   ソフトな語り口になんともいえない清潔感があって、ナレーションなんか似合いそう。


   三葉銀行の支店で半年ほどとはいえ一緒だったことから、
   鷲津に対しては半分無意識に先輩風を吹かせることもある芝野。
   しかし5年であまりにも雰囲気が変わった後輩を
   どう理解すべきか戸惑う表情が、すごく繊細だなあと感心してしまいます。


   でも芝野って、真面目かつ非常に有能なのにどこか鈍感というか
   あんがい根がおおざっぱそうなのは面白いですね〜。
   三島製作所の出来事はそう小さくないはずなのに、鷲津の顔を見て
   すぐに思い出せないのはもちろん、自分の欺瞞にも最初は気づいてない風で。


   「あなたが私を変えたんだ、芝野先輩」 
   鷲津が 「先輩」 って言葉を使うとき、単なる憧れや親近感だけじゃなく
   皮肉のニュアンスも含んでいますが、その真の意味を
   芝野が理解するのにはずいぶん時間がかかってしまいます。
   でも、考えてみれば政治家でもそうでしょうけど、
   あんまり繊細では上には行けないのかもしれません。
   (だからこそ、それを知ってる鷲津は外見武装して繊細さを隠すわけですし)


   お次は西野治役の松田龍平さん。
   彼はオジサマ世代&ビジネスエリートてんこ盛りの今作中で
   唯一イマドキ風の若者という設定ですが、かなり老成しているというか
   冷めた口調の中に、人なつこさとドライな面が同居してるのが面白いなあ。
   鷲津とはまた別の意味で、内面に複雑な屈折があるのが治の魅力だし、
   これも松田さんだからこそできた味つけなのでしょう。
   つかみどころがないというか、あの一種妖艶さのある風貌も
   なにをしでかすかわからない不気味さが感じられて良かったです。


   視点を変え、物語を大きく動かす役割を課せられた治には、
   ドラマの本質に接近するセリフが多いですよね。
   たとえば雨の工事現場で、訪ねてきた芝野に治が 「じゃあ貸して。300万」 というシーン。
   銀行を揶揄する意味でよく言われる、 「晴れの日に傘を貸して、雨が降ったら取り上げる」 たとえ話を
   前振りに、芝野が銀行マンとして本音と建前を (やはり半ば無意識に) 体よく切り分けていることを
   治の言葉はずばりと指摘します。 
   ここって、視聴者が感じるじれったさを解消させる効果もあったんじゃないかな。
   20代の若造相手に、ひとっことも言い返せないエリート銀行マン・芝野。
   あれは凄い名シーンだと思います。


   それと、個人的に治と鷲津がらみのシーンで好きなのは
   後半のテレビ出演。 「一夜漬けにしては立派じゃないですか」 と言われて
   「なに?」 って瞬間湯沸かし器的に怒る鷲津です。 
   ああ見えて鷲津は結構なおこりんぼさんで、そこがちょっと可愛い(笑)。


   というわけで、続きはまた後日。 すみません、長くて。  



   5・26

   録画していた 「龍馬伝・第21回 故郷の友よ」 を見ました。
   最後には新撰組まで登場、色々盛り沢山でしたが
   なんといっても今回の見どころは、武市先生がらみの場面でしたね〜。


   弥太郎に色んな生き方があると認めることができるなら、
   自分自身も好きに生きたらいい!と、言われるシーンは
   よく目に入らないなと感心するぐらいスゴイ砂ぼこりと強風の中。
   ここで、武市が頑なに大殿様への忠義や侍のあり方に
   こだわるからこそ、後半で妻にだけ見せる素の顔が際だって
   感じられたのかも。


   収二郎切腹の一件で攘夷派に対する風向きの変化を
   ひしひしと感じつつ、それでももう生き方を変えられない武市先生。
   こざっぱりした静かな家の中、朝餉の膳を前に
   もう叶わぬとわかっている夢を語る中で、城からの使いを
   迎える演出には泣けました。


   とくに 「夏が終わる前に桂浜へ行こう。 海がきらきらして美しいろう」 と
   言う時の大森さんの声がホントに優しくて切なくて。
   大きな目が涙で一杯になっても、ぎりぎりこぼさないまま富を見つめる表情は、
   もう女優さんなみの泣き芸と言っても良いすごさです。


   富を演じる奥貫さんと二人、ささやかな幸せを守ってあげたかったと
   心から思える武市夫妻の最後の別れ。
   今後はさらに厳しい展開が待ってると思うと
   かなり辛いですが2部終了まであと1ヶ月、壮絶な切腹にいたるまで
   大森さん渾身の演技を心して見届けたいと思います。



   5・24

   すっかりドラマづいている昨今ですが
   今日は 「ハゲタカ」 話はひと休みして
   先日新聞で読んだ 「演じるように歌う」 というタイトルの
   インタビュー記事のお話を。


   八代亜紀さんといえば、沢山のヒット曲を持つベテラン歌手ですが
   独特のハスキーな声をどう聴かせるかとか、技巧をこらすことは一切考えず
   「歌詞に描かれた誰かのことを、その人の代わりに歌っているだけ」
   なのだそうです。


   もちろん、素人だって歌ってる間はなんらかの感情移入はするし
   歌手ならなおさら、歌詞を大事に歌ってるとは思うのですが
   八代さんの場合はちょっとレベルが違うような。


   だって 「イントロが流れると心にぐぐっとこみ上げてくるのね、
   『あっこの人はこんな経験をしたんだ』 と思ったり、歌詞の
   登場人物が泣いてる姿が見えてきたりするんです」
   って、普通 「見えて」 はこないですよね〜。
   もともと、古来から歌は神様を下ろすものだったそうですが
   創作といえども登場人物や作者の魂みたいなものが
   言葉を通じて、八代さんの感性に伝わっちゃうのかもしれません。


   だから、「私のモノマネはできない。 雰囲気はまねできても
   歌に込める思いまでまねするのは難しい。」 
   と、ご自身が物まねタレント泣かせと言われる理由を
   明かした締めくくりにも、妙に納得の記事でした。



   5・22

   今夜テレビをつけたら、スーツ姿の柴田恭兵さんが
   「ハゲタカ!」 って叫んでて思わず2度見してしまいました。
   土曜ワイド劇場 「越境捜査」 で、捜査を一緒に進める
   刑事(寺島進さん)のあだ名みたいです。あービックリした☆


   さて、昨日の続き。
   「ハゲタカ」 話 その3です。


   鷲津政彦の魅力、外見は前回触れましたが
   内面について個人的に一番をあげるとすれば
   自分の思いを簡単に口にしないところでしょうか。
   序盤ではアメリカから飛来した非情なハゲタカ、冷たい印象の男です。
   なにか尋ねられても黙っているシーンが多いし
   誰に対しても、自分の内面をほとんど明かさない。
   それどころか、わざとドライにふるまうこともあって
   由香にバーで問い詰められる場面では、三島製作所のことを 「くだらない昔話」と
   ばっさり切り捨ててみせます。


   でも、実は一番センシティブで、誰よりも情の深い男なんですね。
   ずっと孤独な戦いを続け、黙って耐え忍んでいる鷲津。
   全編とおして、鷲津は全く言い訳をしません。
   由香に対しても、最後まで亡き父親のことを謝罪させたり
   鷲津の口から人情話を一切語らせなかったところが、この脚本と演出の
   スゴイところだと思います。


   最終回まで終わってから改めて巻き戻してみると、悪役風に描かれた前半でも
   西野の父に御車代を渡す場面や、大河内に 「社長業ご苦労様でした」 と一礼する場面など
   クールなようでいて、相手への敬意を忘れない面があるとわかって面白いです。
   買収のやり方にしても強硬手段に出る前に、必ず1度はチャンスを与えてるし
   相手から感情的になじられても、同じレベルのケンカはしない。
   経営者としての資質や経営手法に問題があれば、ずばりと指摘するけれど
   人間性すべてを踏みにじるような事は決して言ってないんですね。


   鷲津が冒頭で言い放つ
   「日本を救いに来ました」
   「この会社を助けに来たんですよ」 というセリフも
   最初は単なる詭弁に聞こえるんですが、後半になると
   ホントに鷲津なりの正義を、信念を持って貫こうとしているんだなあと感じられます。
   なので、比較的本音を話しやすい芝野にはちゃんと言ってます。
   「私は自分が正しいと思うことをやっているだけです」


   それが万人にとっての正義かどうかはともかく、彼はハゲタカとして企業を食い物にしようとか
   「金儲けのためには誰が不幸になってもかまわない」 と思っているわけではありません。
   ディールに関する戦いに勝った時も、ほっとはしてるでしょうけど
   あまりあからさまに喜んだ顔をしないのは、勝利によって生じる
   敗者の痛みもちゃんと感じているから。
   (もちろんホライズンにやとわれている以上、利益を上げて
    ファンドマネージャーとしての職務をまっとうすることは大事でしょうが)


   後半でホライズン本社の意向に背き、彼が取る行動と結末は
   現実問題として考えれば賛否両論あるんでしょうけど、ドラマの展開としては
   なんとも切なくて良かったなあ。 
   どんなに辛い事態になっても何も言わない鷲津のけなげさ、いじらしさもさることながら
   ようやく芝野が全てに気づいて手を差し伸べる体育館の場面は
   先輩への片想いが実って良かったねーみたいな甘さがあって、ちょっと照れました(笑)。
   それにしても、鷲津はどうしてあんなに 「芝野先輩大好き」 なんでしょうね〜。


   まだまだ続く 「ハゲタカ」 話。 次回こそは他の登場人物について語りたいと思います。



   5・21

   未見の皆様には申し訳ありません。
   「ハゲタカ」 話 その2。


   ドラマ版の主要登場人物は9割が男性。
   しかし数少ない女性と、誰も恋愛関係にならないので
   ラブシーン皆無、家庭など生活感のある場面もほとんどありません。
   でもこれが社会という名の戦場で、ぎりぎりまで神経を張りつめる人々の世界に
   視聴者が集中できた要因だと思います。


   さて、登場人物について。

   まずは鷲津政彦。
   大森南朋さんのことを、私は 「龍馬伝」 武市半平太で知りましたが
   世間的には、この鷲津役でブレイクした俳優さんなのでしょうか。


   脚本の確かさに支えられ、演技力で役柄に深みを与えたのも
   たしかですが、やっぱり鷲津政彦という人物の複雑な魅力は
   外見というか造型の素晴らしさからも生まれてるんじゃないかなあ。
   ホント、NHKのメイクと衣装・小道具スタッフさんに表彰状を送りたいわ(笑)。


   大森さんはすらりとした体型で足が長いので、細身のスーツが良く似合うし
   足を組んだり指を組み合わせる動作もしなやかな感じです。
   さらにネクタイやチーフ、カフスといった小物を
   白、ブルー、シルバー系を多用したシャープな印象でまとめてるので
   一部の隙もないスーツ姿は、どの場面でも端正で美しい〜。


   しかし大森さんの鷲津には不思議とキザな印象はないんですよね。
   これはご自身の性格なのか、ことさらカッコよく見せようとしてないというか、
   気取った感じがしないところが清潔で禁欲的な色気の要因かしら。


   たとえて言うなら、白いリボンを結んだセーラー服の少女が
   背筋を伸ばして座ってるみたいな。
   なんの媚もなく、自分がどう見えてみるか考えもしないんだけど
   実は凛とした魅力を振りまいている。 そのことに、無自覚風なのがちょっと面白いです。
   まあ鷲津にとってスーツを整えるのは、おしゃれではなく
   武装とか武器装填の意味合いしかないってのが一番なのでしょうけど。


   そして小物で特筆すべきは、なんといってもあのドS眼鏡(笑)。
   鷲津が心理的武装をする小道具として、とても効果的に使われています。
   大森さんは丸っこい垂れ目が特徴ですが、あれをかけると
   一重まぶたの冷たさだけがうまい具合に強調されて、あっという間に
   クールビューティの出来上がり。


   大森さんの目って映る角度によって、まったく違う雰囲気が出るのが
   凄いなあと思います。
   おこりんぼ眉毛できりりとした戦闘モード顔も
   眼鏡をはずすと、ふとした瞬間にあどけなさや脆さが出て
   彼がひた隠しにしている真情を語ってしまうんですね。
    「目は口ほどに物を言い」とはよく言ったものです。


   それにしても、監督の大友啓史さんが、いかに大森さんの鷲津に
   ほれ込んでいるか、あの舐めるようなカメラワークによく表れてるなあ。
   なにしろ目元のアップシーンの多いこと多いこと。
   あれをハイビジョンの大画面テレビで見たら、なんかスゴイことになりそうだ☆


   ・・と、書き始めたら
   あれこれ出てきて他の登場人物にたどりつきません。
   ごめんなさい、今日はとりあえずここまで。
   続きは明日に譲りたいと思います。



   5・16

   「ハゲタカ」 話 その1。
   このドラマが3年前に初放映されたときはもちろん
   その後の再放映、再々放映も全然観てなかったのですが
   「龍馬伝」 の武市半平太が良いキッカケになりました。


   で、最後まで見ての全体の印象なのですが
   これは面白いですね〜。最後まで見てわかることが
   いくつかあるので、6回終わったらまた1回目を・・で、エンドレスって感じ。
   コミカルな場面はまったくなく、経済用語も多いので
   最初は正直とっつきにくいけど、1話をクリアした後は
   ドラマティックな展開や登場人物たちの心情に
   どんどん引きこまれて見てしまいました。


   NHK土曜ドラマには力作が多いですが、
   この 「ハゲタカ」 の評価が特に高く、
   イタリア賞をはじめいくつもの受賞歴があるというのも
   全編を見ると納得です。


   主人公は、外資系ファンドマネージャー・鷲津政彦。
   1998年、5年ぶりに帰国した彼の目的は 「腐った日本(企業)を買い叩く」 こと。
   彼が渡米前に勤めていた銀行の上司・芝野健夫や
   テレビ局の経済記者・三島由香の行動をからめつつ
   前半では老舗旅館と中堅玩具メーカー、後半は大手電機メーカーが
   買収される姿を、数年の経過と共に描いています。


   まず最初に感心したのが、この買収先企業の設定。
   それぞれのケースが抱える経営者の問題がとてもリアルなんですね。
   老舗旅館は父親から事業承継されたものの、後継者の息子に経営の才覚がなく
   ゴルフ場経営などに手を広げて破綻寸前だし、玩具メーカーでは
   タレント性のある女性経営者とその一族が企業を私物化、同族企業の内紛をさらします。
   そして、4万人の従業員を抱える大手電機メーカーに迫る最大の危機は
   古き良き日本の家族型経営を掲げるカリスマ経営者の存在とその死。


   個人的な話ですが、過去に経営コンサルタント会社に勤務してまして
   沢山の経営者にお会いする機会がありました。 なので、
   多少誇張されているとはいえ、ドラマを見ながら
   (いるいる、こういう社長) って思わずうなずいてしまうリアリティが面白いなあ。


   これらに加え、ライブドアを彷彿とさせる新興IT企業が登場したりして
   (そういえば、ニッポン放送買収騒動の時、ホワイトナイトかと騒がれたのは
    ソフトバンクの孫氏でしたっけ) 時代の空気がよく出てると思います。


   ちょびっとだけ真面目な話をすると
   この作品の大きなテーマのひとつは 「会社はだれのものか」 ですね。
   学生時代、初めて 「法人」 という概念 (人間ではないけど、法律で人格を付与された存在)に
   触れてへーこれも人格なんだーと、ちょっとした衝撃を受けたのを思い出します。  


   どんなに苦労して設立しても、名の知れた老舗であっても
   企業買収によって、創業者の手からいともたやすく会社が離れていってしまう。
   しかも同業者との合併とか吸収ではなく、まったく関係のない外資系ファンドが
   突然金にものを言わせて会社を買い取り、利益目的でさらに転売される。


   そこには、多ければ万単位の数の従業員と家族の生活がかかっているはずなのに
   組織再編や合理化といったスマートな名の元に、遠慮なく大ナタが振るわれてしまいます。
   これは実際にも起こっていることですし、従来型の経営を続けてきた日本企業が
   「ハゲタカ」 飛来に震え上がるのも無理からぬことですよね。
   しかし、それを 「悪魔の所業」 とするか、企業存続のための 「次善の策」 と考えるのか
   現実の社会でも簡単に答えは出せないのでしょう。


   ドラマの中で鷲津は、買収対象となった企業(基本的に経営不振を抱えている)の
   経営者から罵声を浴びせられたり、お茶をぶっかけられたりで完全に 「悪人もしくは敵」 扱い。
   じゃあ、お金の問題に関して、つき合いの長い銀行が何かしてくれるかといえば
   ときに銀行自らが不良債権を、ドラマにも出てくる 「バルクセール」 で売りさばくことだって
   やっちゃうわけで、それぞれが保身のために動くのはある意味仕方がないとも言えます。


   そのへんの陰の部分というか、立場によって変わらざるを得ない価値観を
   人間の感情の部分も拾いつつ、できるだけ複数の面から描こうとしているところが
   この作品の良いところではないでしょうか。


   とまあ、堅苦しい話はここまでにしまして。
   なんといっても一番の魅力は、買収劇そのものではなく
   鷲津をはじめ、出来事に関わっていく人間一人ひとりですよね。
   というわけで、次回はおなじみのミーハーモード(笑)、ドラマの登場人物について
   書きたいと思います。



   5・12

   NHKドラマ 「ハゲタカ」 に激ハマリ中です。
   レンタルに飽きたらずテレビ版DVD買っちゃいました。
   こんなはずじゃなかったのに、なぜなんだ(笑)。
   映画版はレンタルで、今3回目観てます。
   未見の方にはご迷惑かもしれませんが、のちほど語らせて下さい。 ぺこり。



   5・9

   昨日、福岡シティ劇場を、四季専用劇場として使用する
   最後の公演となった 「エビータ」 千秋楽に行ってきました。


   14年間の締めくくりとして、芝さんか野村さんあたりから
   ご挨拶があるかなと思いましたが、カテコでのコメントや看板は特になし。
   配布されたキャスト表の下の方に
   「公演を支えてくださった皆様 ご声援いただき、
    本当にありがとうございました!!」
   という文言が入っていましたが、これは千秋楽なら
   だいたいいつも入ってる文章なのでしょうか。


   発表が二転三転した結果迎えた最終日だし、今後のことに
   言及しにくいからの措置なのかもしれませんが、少なくとも
   14年間地方に専用劇場を置けたことは劇団として誇りに思えることでしょうし
   別に悪いことをして撤退するわけじゃありませんから、これまでありがとう
   今後のご愛顧もよろしく、みたいな挨拶はあっても別に良いと思うんだけどな〜。


   てな感じで劇団の対応には複雑な気持ちもありましたが、
   本編は俳優の皆さんの気合いが入って素晴らしかったです。
   たまたま前方席だったので、生声もびしびし響くし
   野村エヴァや芝チェの表情の細やかさもよくわかりました。
   教えてもらって初めて気づいたのですが、カサロサーダでエビータを見上げる
   金田ペロンは目に一杯涙を溜めてるんですね。
   冒頭で棺をのぞき込み、動揺を抑えるように目を閉じる表情や
   病床のエヴァを抱き寄せる仕草など、普通の愛情とは言えなくても
   彼なりの情が感じられて良かったです。


   翌朝(9日)の西日本新聞は、朝刊1面にカテコの写真を結構な大きさで
   掲載していました。「ありがという14年間の感動 『福岡の四季』 終幕」 という
   タイトルで、当日のことを伝えています。
   くわえて3面記事のページには、終演後劇場入口に出てきて下さった
   黒ジャージ姿の芝さんと渋谷さんの写真も。
   私自身はこの現場には居合わせていませんが、
   両こぶしを突き上げて 「絶対帰ってきます!」 と語ったというのが
   なんかとっても芝さんらしいなあ。


   記事には他にも四季が福岡に来てくれたことで、九州からデビューする演劇人が増えたことや
   山村の小学校で、廃品回収でチケット代を工面しながら毎年観劇行事を組んだことを
   振り返る校長先生のコメントもありました。
   熊本亜紀さんや田中彰孝さんが福岡シティ劇場での観劇をきっかけに
   この道に進んだことは知っていましたが、NHK人形劇「新・三銃士」で
   主役の声を務めている池松壮亮さんが、福岡市出身で
   元 「ライオンキング」 ヤングシンバだったとは全然知りませんでした。


   結果的に興行収入の減少による撤退という結果にはなりましたが
   九州に専用劇場があったことでこの14年間、多くの人に
   色んな影響を与えたんだなあと、記事を読みながらちょっとしみじみ。
   もちろん私自身も2003年の福岡オペラ座再演をきっかけに
   こうして皆様とのあたたかい交流を得る幸せに出会えたわけですから、
   寂しさだけでなく感謝の気持ちも大きいです。


   今後も全国公演地のひとつとして、四季観劇の機会はあるでしょうし
   細々とでも九州でミュージカルの灯がともし続けられることを
   キャナルシティを見上げて心から祈った、2010年5月8日でした。



   5・5

   週末、友人に誘われて
   フランス映画 「オーケストラ!」 を観てきました。
   この作品、日本では上演館が少ないのですが、フランスでは
   「アバター」 に負けないくらいの人気が出たとか。


   主役はロシア・ボリショイ交響楽団の掃除係に甘んじている男、アンドレイ。 
   彼は30年前はこの楽団の名指揮者だったのですが
   政治的な理由から指揮者の座を追われ、当時の仲間は皆
   オーケストラ楽団員としての職を失ってしまいました。


   ある日、掃除中の支配人室に届いたのがパリ・シャトレ座からの
   コンサート招聘ファクス。
   アンドレイはこのファクスを手に、30年前の思いを遂げるべく
   古い仲間を集め、楽団をでっちあげてパリへ行こうと思い立ちます。


   前半はペースも快調、コメディ場面が多くて楽しいくらいどんどん事が運んで行きます。
   マフィアの結婚式で始まった銃撃戦をかいくぐり、パーティ会場を四つんばいで逃げ回りながら
   スポンサーに依頼したり、昔の仲間を集めるのに救急車を使ったり。
   可笑しかったのは、パスポートが間に合わないので、ジプシー系の
   バイオリニストに頼むシーン。
   「わかった、各自写真を1枚用意してくれ」 と言われて待っていると
   出発当日、ジプシーの仲間達が空港ロビーの床に座って堂々とパスポート偽造(笑)。


   なんとかパリにたどり着いてからも、騒動に次ぐ騒動でもう大変です。
   オケメンバーに参加したユダヤ系ロシア人親子が、携帯電話とキャビアをセットにして
   コンサート会場で商売をしたり、皆それぞれたくましいのは良いけど
   リハーサルには集まらないし、無事にコンサートができるのかと観客はハラハラ。


   しかし、後半でクローズアップされてくるパリの若き女性バイオリニストと
   アンドレイの因縁話から雰囲気が変わってきます。
   30年前の最後のコンサートで中断されてしまったチャイコフスキーの
   バイオリン協奏曲が再び演奏されるラストシーンは
   音楽の持つ 「力」 を、あますところなく見せつけてくれました。
   上映館は少ないけれど、ぜひ大画面で沢山の人に観て欲しい映画です。

   「音楽は魂を育てる。」 アンドレイのセリフが印象的でした。



   5・1

   天気も良いし、出かけたいと思いつつ
   日頃の疲れが出たのか1日中うとうとしてました。
   夕方になって、連休前にレンタルしていたDVDを鑑賞。
   「相棒」 のシーズン2、生瀬勝久さんが怪演を見せる回です。


   こうして見ると、初期作品は右京さんの変人ぶりが今より際だってて、亀山くんのような
   天然善人キャラじゃないと、ちょっとついていけない感じなのでしょうか。
   伊丹刑事達とのやりとりも激しいし、美和子さんと花の里パートがきっちり和み担当なんですね。
   今は水谷さん自身がもつ優しさが
   杉下のキャラクターにかなり浸透してるんだなあと思いました。


   ところで、明日のテレビ 「題名のない音楽会」 は
   「刑事音楽を捜査せよ!」というタイトルで、刑事ドラマを特集するそうです。
   「相棒」 「古畑任三郎」 「ルパン三世」 など、大好きなテーマソングが
   聞けそうで、ホント楽しみ♪
   (ゲストが柳沢慎悟さんってとこがまた、マニアックで良いわ〜)



   4・30

   GW初日、「エビータ」 福岡公演初日に行ってきました。
   私の 「エビータ」 観劇は2006年9月の東京公演以来。
   前回は井上エヴァと芝チェ、下村ペロンに飯野マガルディでした。
   ミストレスは西田ゆりあさんだったかな。


   野村さんのエビータは初めて、「李香蘭」 で
   ノドが苦しそうだったのでドキドキしましたが
   今回は多少かすれてるかな?という程度でちょっと安心しました。
   2幕カサ・ロサーダの白いドレス姿が可憐で美しく
   民衆に 「私は あなたの娘」 と語りかける様子に
   うーんあれなら皆ファンになっちゃうよねぇ・・と妙に納得。


   芝さんのチェはさすがの安定感。 「サウンド・オブ・ミュージック」 トラップ大佐から
   そう時間がなかったせいか、おヒゲ少なめ (熱帯雨林状態が好きなのに残念☆) でしたが
   あの扮装は懐かしいな〜。 芝さんのチェは、エバを皮肉っているようでいながら
   一種の同志愛があり、倒れた彼女に手を貸す場面など
   仕草が優しいのが良いなあと毎回思います。


   で、今回の新発見は金田さんのペロン。
   私は金田さんのジーザスもラダメスも未見なので
   主要キャストとして拝見するのは初めてだと思うのですが
   昔の銀幕スターのようなクラシカルなメイクが映える美青年ぶりは
   雰囲気がありますね〜。
   野村さんのエバと一緒に並ぶと、夫というより若いツバメみたいでも
   ありますが、妻の野心に煽られてどうにかついていく
   ややヘタレ気味のペロン大佐役はピッタリ。
   背が高いので軍服もよく似合うし、若々しい歌声を安心して楽しむことができました。


   前回とは演出が変わっているのか、ペロンが病気のエバを抱き上げて
   ベッドに横たえる動作がなかったり、あちこち(あれ?)と思う場面もありました。
   たぶん歌も少しカットされていたのかな。
   反対にラストは、臨終のエバが一人床に座り込むような姿勢で
   人生を振り返る時間が前回より長くなっていたように思います。
   なんだか 「ジーザス・クライスト〜」 のラスト、孤独になるジーザスを
   思い出したなあ。


   目に一杯涙をためた野村さんの熱演はとても良かったけれど、
   個人的な好みとしては、最後になってエバの弱さや感傷を見せず
   観客に想像の余地を残して去る方が良かったかな。


   カーテンコールはスタンディングで何度もありました。
   テレビ中継のカメラも何台か入っていたようですし、専用劇場としては
   最後の作品ということで、地元マスコミの注目度も高いのかもしれません。


   初日を入れて8公演、私も何度足を運べるかわからないけど
   キャスト・スタッフの皆さんがお元気で
   千秋楽まで良い舞台を務められますよう、心から祈っています。



   4月29日(祝)マチネ 福岡公演初日 当日の出演者

   エビータ 野村玲子  チェ 芝清道  ペロン 金田俊秀  マガルディ 渋谷智也
   ミストレス 高木美果

   【男性アンサンブル】
   菊池 正  阿川建一郎  石野真一  朝隈濯朗  岩城雄太  白倉一成
   浜名正義  深堀拓也  藤山大祐  赤間清人  根本健一  渡久山 慶
   村中 至  沖田 亘  田島康成  玉真義雄

   【女性アンサンブル】
   佐藤夏木  荒木美保  大橋里砂  真 優香  羽田三美  宝生 彗
   小川飛鳥  山本志織  山西里奈  加藤あゆ美  大槻純子 
   木許由梨  棚木あゆ美  山崎菜摘



   4・25

   出張続きの毎日ですが、先週は母の検査の付き添いに加えて
   父まで日帰り手術(正確には痔の治療です)を受けたりして
   なんだかあっという間に1週間が終わってしまいました。


   そんな中、以前から取っていたチケットを手に
   博多座で上演中の 「ブラッド・ブラザーズ」 を見てきました。
   (結末に触れていますので、未見の方はご注意を)
   この日のキャストは岡田さんと武田さんが双子、彼らの母親を
   演じるのは元四季の金志賢さん。 


   舞台上にあるのは、離れて立つ2軒の家と少し高いところに渡された
   架け橋状の通路、床は下手に向かって結構な傾斜がついています。
   場面転換はなく、音楽の演者さん6人ずっと上手側で姿を見せたまま。
   ただ、10数年の年月を表すため、幕間にスタッフの方が
   建物にツタをはわせたり花壇を作ったりしていました。


   この作品は、貧しさゆえに引き離された双子が
   それとは知らず階級を超えて親友(ブラッドブラザーズ)になり
   やがて悲劇的な結末に向かう物語。
   冒頭から登場するのが、ナレーターという役名の男性で
   狂言回しとして不吉な物語の予兆を歌ったり、牛乳屋や学校の先生を演じたり。
   四季ファンには 「夢から醒めた夢」 の配達人ポジションといえば
   一番わかりやすいかも。


   四季退団以来、ずいぶんお久しぶりだった下村さんのナレーターは
   ちょっと芝居がかった仕草やおどろおどろしい声がぴったりの
   濃いキャラクターで、あー下村さんだ〜(笑)と大納得。


   双子出生の秘密を知っている二人の女性(生母と育ての親)を演じているのが
   金さんと杜けあきさん。
   二人の会話に出てくる
   「新品の靴をテーブルに置くと不吉なことが起こる」 という迷信が
   すべての予兆として描かれていまして
   ちょっと神秘的で面白い趣向だなあと思います。
   この設定が映画なら出てきそうにない、「ナレーター」 という人物の
   存在意義でもあるのでしょうし。


   さて、主役の双子・ミッキーとエディの登場時年令は7歳。
   ちょこっとだけなのかと思ったら、前半はほぼ7歳のままでビックリ。
   これを昔は柴田恭兵さんと三田村邦彦さんも演じてらしたなんて
   なんだか信じられないような。


   小柄な武田さんは貧しい家で生母に育てられるミッキー役。
   服も顔も汚れ放題ですが、もしゃもしゃの金髪が可愛い。 
   お金持ちの家にもらわれたエディは岡田さん、背が高いので
   役作りも大変だと思うけど、子供っぽい話し方はさすがの上手さでした。


   1幕では、コミカルで笑える場面が満載です。 
   階級の違う家で育つことで生じるギャップはもちろん、汚い言葉を
   沢山知ってるミッキーの方が尊敬されちゃうという
   子供ならではの価値観も面白いなあ。
   個人的にはエディのおやつを食べたミッキーが、あまりの美味しさに
   めまいを起こす表情がツボでした。 


   最初は子供時代にこんなに時間を割く必要があるのかなあと思ったけど
   悲劇的な結末が最初に示される分、二人が仲良く遊んだり
   無邪気に笑ったりする場面が切ないんですね。
   エディが引っ越してしまい、残ったミッキーが寂しく歌う 「長い日曜日」 という
   ナンバーが味わい深くて良かったです。


   2幕、無邪気な子供時代が終わり、20歳近くになると二人の運命も分かれていきます。
   ミッキーは工場で働き、ガールフレンドのリンダの妊娠と共に結婚。
   片やエディは裕福な大学生ですが、ミッキーが不景気で工場をクビになり
   兄の犯罪に加担して刑務所に入って、薬を手放せなくなるあたりから
   一気に客席も暗い雰囲気に。


   リンダとエディが浮気をしたと勘違いしてピストルを持ち出すミッキーを
   止めようと駆けてきた母親が 「撃ってはだめ、二人は双子の兄弟なのよ!」
   叫んだとたんに銃声が響き、冒頭と同じようにミッキーとエディが倒れて終幕。 
   リンダと秘密を知っている二人の母親が、遺体のそばに座り込む姿が悲しい結末でした。


   悲劇につながるテーマは 「迷信」 と 「秘密」、それに振りまわされる
   人間の心の弱さというところかな。
   映画でも舞台でも、すべてのドラマを生み出すカギはこの 「弱さ」 だと
   最近ある本で読んだのを思い出しました。


   カーテンコールは、皆さん結末とうってかわって明るい笑顔。
   岡田さんが袖に引っ込むぎりぎりまで手を振る姿に
   レミゼのマリウスが思い出されて懐かしい〜。
   最後は武田さんの 「ありがとうございました!」 で終了でした。
   たぶんお客さんの評判も上々だったのではないでしょうか。
   客席から 「来て良かったねー」 の声も聞かれました。 


   振り返ってみると、色んな意味で想像していたのとは違う作品でしたが
   良い意味で裏切られたって感じかな。
   金さんが一番ソロが多くて大変だったでしょうけど
   個人的には 「蜘蛛女のキス」 よりも、金さんのさばさばした
   持ち味が効いていて、格段に良かったと思います。



   私が観劇したのは、四季から福岡公演中止に関する発表がされた当日でした。
   博多座の客席を立って出口に向かいながら、
   急に胸が一杯になったのは、 「舞台を観る幸せ」 のありがたさを
   たぶんこれまでになく実感したから。


   先々がどうなるのか、人間はいつでもわからないものですが
   今、こうして出会えるチャンスに感謝しつつ、それぞれの瞬間を
   精一杯味わうしかないんだなあと、しみじみ感じたひとときでした。



   ・4月23日(金)ソワレ 当日の出演者

   ミッキー 武田真治  エディ 岡田浩暉  リンダ 鈴木亜美  ミセス・ジョンストン 金志賢
   ミセス・ライオンズ  杜けあき  ミスター・ライオンズ 小鈴まさ記 
   サミー 伊藤明賢  ナレーター 下村尊則

   アンサンブル
   池谷祐子  栗須裕之  戸室政勝  中村桃花  西原純          (敬称略)



   4・20

   出張続きでバタバタしていますが
   「クレイジー・フォー・ユー」福岡公演千秋楽のお話を少しだけ。
   土日ごとに3回見た今回の福岡公演、週末はそこそこお客さんが入っていましたが
   聞くところによると、平日ソワレはやはりかなりの空席だったとか。
   四季ファンとして胸が痛みますが、千秋楽は完売だったようで少しホッとしました。


   さて結局キャスト不動だった福岡公演、楽はダンスシーンの
   気合いが凄かったです。 1幕ラストの 「アイ・ガット・リズム」 、初めて
   気がつきましたが、ザングラーフォーリーズの女の子達は
   後ろの方で抱き合うようにして泣いてるんですね。
   あれは楽仕様?それとも毎回決まりの演出なのかなあ。


   いつもスタイルが良くて綺麗なテスを見せて下さった高倉さん、
   若干お疲れだったのか、珍しくダンスで足がふらついたりする場面も
   ありましたが、最後まで上品な笑顔が素敵でした。
   (そういえばボビーの前に広げる新聞が中途半端に破れ、ささっと切れ端をかき集める
   高倉さんの素早さに感心・・なんてことも)


   ザングラーの志村さんは、3回目で個人的にも慣れてきましたし
   朴訥な雰囲気が 「テッスィ」 「ごきたえ」 等々の一種のなまりに
   ピッタリしてきた印象です。 
   ボビーと鏡になってパンを頬ばる見せ場のシーン、楽は
   口の動きが微妙にずれ、お互い相手に合わせようとするせいか
   かなりの 「高速もぐもぐ」 になってて内心ちょっぴりウケました☆


   カーテンコールは別れを惜しむようにスタンディングで何回も。
   木村ポリーと加藤ボビーの去り方も、キスあり、一人残って引っ張り込まれるボビーあり
   お姫様抱っこ+ポリーの投げキスあり。 5〜6通りくらいあったんじゃないでしょうか。
   男性のお客様から 「クレイジー最高!」 「京都で待ってます!」 等の声がかかって
   客席から笑いが起きる場面もありましたっけ。


   翌朝の西日本新聞で、集客率は57%超に終わったという記事が出ておりまして
   今後の福岡シティ劇場の運命に不安を残してはいますが
   まずは毎回素晴らしい舞台を見せて下さった、キャストとスタッフの皆さんに
   地元民として心から御礼を言いたい気持ちです。


   次は京都で甘〜い恋の花を一杯咲かせて
   さらなる「クレイジー・フォー・ユー」ファンを獲得なさいますように。
   最高にハッピーなひとときをありがとうございました♪


   新キャストなんて出ちゃったら、私もあとさき考えずに新幹線で乗りつけます(笑)。
   


   4月18日(日)マチネ 福岡公演千秋楽 当日の出演者

   ボビー・チャイルド 加藤敬二  ポリー・べーカー 木村花代  
   ランク・ホーキンス 川原洋一郎  アイリーン・ロス 増本 藍  ベラ・ザングラー 志村 要
   エベレット・べーカー 石波義人  ボビーの母 斉藤昭子  テス 高倉恵美  
   ユージーン・フォーダー 村澤智弘  パトリシア・フォーダー 西田有希  
   ムース 荒木 勝  サム 吉賀陶馬ワイス  ミンゴ 畠山典之


   ビリー 厂原時也  カスタス 坂本 剛  ジュニア 大空卓鵬  ピート 大塚道人
   ジミー 田中宣宗  ワイアット 澤村明仁  ハリー 西門宇翔 
   パッツィー 柏 円  シーラ 高橋佳織  ミッツィー  大石眞由  
   スージー 徳江みさほ  ルイーズ 恒川 愛  ベッツィー 村上 智
   マギー 山崎菜摘  ベラ 村上絵里子  エレイン 鈴木真理子                    (敬称略)



   4・17

   仕事帰りにレイトで映画 「シャーロック・ホームズ」 観てきました。
   公開から約1ヶ月、木曜の夜だし少ないかなと思ったら
   50人くらい観客が入ってて、結構な人気作なんですね。


   ストーリーは魔術と呪いの恐怖を武器に世界征服をたくらむ
   ブラックウッド卿が引き起こす殺人と陰謀の謎を
   ホームズとワトソンが追うというもの。
   派手なアクション多めで、男性客にも十分ウケそう。


   ロバート・ダウニー・Jr氏といえば、個人的には
   「アリーマイラブ」 のラリー役が一番印象に残っている俳優さん。
   アリーが恋におちる男性の中でもとびきり魅力的なキャラクターでしたが、
   ご本人が薬物使用で逮捕されて、途中降板してしまったのがホントに残念。
   ドラマの中でもラリーが突然いなくなり、彼のメガネをかけた雪だるまを
   アリーが寂しそうに見つめるシーンを今でもよくおぼえています。


   数年のキャリア中断ののち、「アイアンマン」等で人気が復活しているそうですが
   あれから10数年、立派なオジサマになられましたね〜。
   人物像としては、従来のシャーロック・ホームズのイメージとはたぶん違うんだと思うけど
   原作の細かいエピソードにはそれなりに忠実なのでしょうか。 
   私自身は子供の頃に読んだ記憶だけなので、あまり抵抗はありませんでしたが
   原作への思い入れによって評価が分かれるところかも。


   事件の解決そのものは、魔術や呪いを科学的かつ現実的に解明しちゃうので
   ちょっぴり夢がなくて物足りないけど、楽しむツボは別にあります。
   映画はベイカー街での共同生活がワトソンの婚約により終わりを告げるという
   タイミングなのですが、親友を取られたことで拗ねるホームズが
   まるで知的な名探偵らしからぬ子供っぽさで、これが可笑しい。


   事件にあまり深く関わらないようにしようと務めるワトソンを
   あの手この手で引き込もうとするし、婚約者であるメアリーに嫌味を言って
   ワインをぶっかけられたり、怪しい占い師を買収して 「メアリーは全身にイボがある!」 と
   言わせたり。 いったいキミはどんだけワトソン君が好きなんだ(笑)。


   探偵としての能力は良いとして、好奇心が強くて厚かましくて「喰えない」男なのに
   ワトソンの婚約やアイリーンに対してはすぐ動揺してしまうもろさが
   ダウニーホームズの可愛げにつながってると思います。
   彼自身はあまり笑わないのですが、ユーモラスな場面も多いし
   愛すべき人物に出来上がっているのではないでしょうか。
   半ばあきれながらも、ホームズを助けに駆けつけてしまうワトソン(ジュード・ロウ氏)の
   上品で端正な美貌との対比も良かったです。


   ただひとつだけ残念だったのは、ホームズが唯一心を奪われた女性アイリーンが
   日本でいえば知念里奈さんみたいな、少女っぽい雰囲気の女優さんだったこと。
   メアリー役の女優さんの方が迫力ありましたし、できればアイリーンはもう少し
   色気と芯と翳りのある大人の女性で見たかったかな。


   と、いろいろ言ってますが主役2人の演技力は素晴らしいし、
   娯楽映画としてはかなりのヒット作になるのではないでしょうか。
   ちょっと暗めでクラシックな趣のある音楽や、古い活版印刷のような
   エンドロールも格好良くて素敵でした。


   ラストは謎を残す結末で、もしかして・・と思ったらもうすでに続編の話もあるとか。
   原作はあるし、3部作ぐらいはすぐ作っちゃいそうな雰囲気ですね。
   ロバート・ダウニー・Jr氏の魅力を再認識する映画鑑賞でした。



   4・14

   「ハゲタカ」 目当てにレンタルDVD屋さんに行きたいのですが、
   近所のお店はレンタル料金が結構高いし、平日には行きにくいので
   ネットで借りてポストに投函返却できる 「楽天レンタル」 の会員になりました。


   で、さっそく予約リストに入力したら 「ハゲタカ」 の
   「借りやすさ」(在庫状況ってこと?)は中ぐらいだったので
   結構待たされるのかなあと思ったら、昨日予約して
   今日にはもう 「発送しましたメール」 が。
   手元に届くのには2、3日かかるんだと思いますが
   あれこれの手間を考えると、これは便利だな〜。
   出張の合間に時間を作って、ゆっくり見たいと思います。


   ところで、「放浪記」がキャンセルになったシアタークリエ、
   6月下旬に 「クリエ ミュージカル・コンサート」 の上演が決定したそうです。
   山口祐一郎さん、石川禅さん、井上芳雄さんはじめ「エリザベート」や
   「レベッカ」 「モーツァルト!」 でおなじみの面々が勢揃い。
   久しぶりに 「マリー・アントワネット」 も登場で、なかなか豪華ですが
   誰がどの曲を担当するか、という部分にあまり冒険がなさそうなのが
   ちょっと残念。 
   以前 「レミゼ」 コンサートがありましたが、あんな感じになるのでしょうか。


   これだけの顔ぶれが揃うせっかくの機会だし、できれば遊びの要素も
   取り入れて欲しいなあ。
   たとえば山口さんのルドルフとか、石川さんのヴォルフガング等々
   本編ではありえないキャスティングで、私たちファンの度肝を抜いていただきたいわ☆



   4・11

   昨夜NHKテレビ 「トップランナー」 大森南朋さんの回を観ました。
   前半は 「ハゲタカ」 後半は 「龍馬伝」、合間にこれまでの
   出演作の紹介や俳優としての姿勢についてトークという内容です。
   大森さんは20歳そこそこでデビューして、主役を演じるようになるまで
   10年以上の下積み時代があったのですね。
   「小さな役でもいい、カメラの前に立ってはじめてわかることがあるから
   できるだけ沢山映画に出たいと思っていた」 というお話が印象的でした。


   で、「龍馬伝」収録現場に潜入したMCの箭内さんが
   大森さんの魅力の秘密として図式付きでクローズアップしたのは
   一重まぶたのあの目です。ふむふむやっぱり(笑)。


   ご本人も 「二枚目俳優さんのように(目が)パッチリしていないから
   そちら側じゃないと早くから気づくことができた」 みたいなお話を
   なさっていましたが、なんのなんの今になれば、あの
   お世辞にも爽やかとは言いがたい曇り空のような目が(ほめてます)
   大森さんの存在価値を高めているわけで。
   箭内さんも 「悲しみ顔ですよね」、と仰っていましたが
   ホントに何をしていても内面の苦悩とか、抑えこんでいるものを
   想像させる素敵な目だと思います。


   そういえば以前、演劇雑誌かなにかで
   「演出家は精神的サディスト、俳優はマゾヒストでないと務まらない」
   という文言を読んでなるほどと思ったことがあります。


   アイドルはまた別の目的を持つ存在でしょうけど
   こと演劇に関しては、「内面のなにかを引きずりだしたい。そのためには
   手段を選ばない」 という立場と 「ぜひ引きずり出してほしい、そのためには
   どんなことをされてもいい」 という立場の間でかわされる
   一種独特の愛憎というか信頼関係が必要なのかも。


   そういう点で、大森さんのあの独特の目が生み出す表現は
   演出家や監督のサド心を限りなくそそる存在なんだろうなあと
   ちょっと不謹慎ながらも思ってみたり。


   「龍馬伝」 の感想もしばらく書いていませんでしたが、ここ2回ほどの
   武市先生は、関係者や子孫の方から抗議されるんじゃないかと
   心配になりつつ、ドラマティックで最高に面白かったです。
   吉田東洋に足蹴にされて暗殺を決意してから
   以蔵の師弟愛を利用して、ひそかに暗殺者へ導いていくところまで
   繊細な表情の変化がお見事でした。
   とくに家に龍馬が駆けつけて来た時に 「おう、龍馬」 って
   静かに振り返る場面。 すっかりダークサイドの自分自身に
   乗っ取られた不気味さがあってぞっとしたな〜。


   今日の 「第15回 ふたりの京」 は恋愛パートが長くて
   ちょっともたついた感じもありましたが、予告ではいよいよ歴史の
   動きが加速する雰囲気でしたし、キャストの皆さんのさらなる熱演に期待です。
   (それにしても香川さんの弥太郎が毎回可愛すぎじゃありません?
    今日は大根ノリつっこみに思わず大笑いでした☆)



   4・8

   今日は県外に出張してきました。
   お天気が良かったので、新幹線の窓から景色を見てすっかり旅気分。
   桜の季節もあと少しですが、こんな風に目と心を
   楽しませてくれる植物はスゴイものですね。


   帰ってから、昨日から始まったドラマ 「臨場」 録画を見ました。
   まずは内野さんとの再会が嬉しかったです。
   のっけから朝採れキュウリと共に登場でウケましたが
   やっぱりアレは倉石のラッキーアイテムなのかしら(笑)。


   しかし変死体が仕事の中心なので、話のトーンが暗いのは仕方ないとして
   脇の登場人物達まで表情が暗いのは、なんとなくもったいないような。
   ああいうドラマにコミカルパートを入れるのは難しいのかもしれませんが、どこか
   ほっとできる場面とか、明るいキャラクターも登場させて欲しいなあ。
   内野さんも先日の製作発表で、新しい味を加えるような
   お話をなさっていたそうですから、今後の展開に期待したいと思います。


   さて話変わって。
   少し前に東京で観てきた 「蜘蛛女のキス」。
   25年前に製作された映画 (ミュージカルではありません) が
   今年ようやくDVD化され、5月に発売予定だそうです。
   いずれレンタルでも視聴できそうですし、これは嬉しい☆



   4・4

   ここ数日仕事の繁忙期でバタバタしていましたが、ようやく
   「クレイジー・フォー・ユー」 福岡公演にたどりつきました。
   開幕週の土曜日マチネとしてはやっぱり少ないけど、それでも
   1階席は7割以上は埋まっていたんじゃないでしょうか。
   春休みということもあってか、子供連れのお客様が多い印象でした。


   2006年1月の長崎公演以来4年ぶりのCFY、2005年10月に広島で
   観劇したキャスト表も合わせてみると、当然ながらキャストはかなり変わってます。
   4年前から出ていらしたのは、加藤さんと畠山さん、それから大石さんかな。
   福岡ソング&ダンスやWSSカンパニーでお見かけした俳優さんも
   数人いらっしゃって、再会は嬉しいかぎり。


   さて、本編は何度見ても甘やかで楽しい気分にしてくれる
   ミュージカルらしいハッピーなストーリーです。
   アメリカの音楽や雰囲気が好きな私にはラグタイムや
   カントリーミュージック風のアレンジがたまりません。
   とくにサムやミンゴたちのコーラスが美しい〜。


   加藤さんのボビーは、さすがのダンス。 どの場面を写真にとっても
   絵になりそうなバランスの良さは素晴らしいの一言です。
   ただ、デュエットのダンスは前回見た樋口ポリーとの方が
   軽やかだったような気もします。 
   加藤ボビーで一番好きなのは、ミーティングの後に別れを告げる場面。 
   「君の笑顔 おぼえていたい」 もちろん寂しさもあるけれど、一緒に過ごした日を
   愛おしむ優しい眼差しが曲調によくあってるなあと思います。


   木村さんのポリーは今回が初キャスティングというわけではないそうですが
   個人的には初見でした。 前回見た樋口ポリーに比べるとじゃじゃ馬ぶりは
   ちょっと控えめ。 でも、ポリーは本質的に優しい女の子のはずだから
   こういう感じも十分アリなのではないでしょうか。 


   面白かったのは、ポリーとボビーが初めて酒場で会話するシーン。
   唐突なキスに笑い声があがるところですが、
   この日は、後方席からビックリしたらしい子供さんの
   「あー!」 って大きな声が響いたので
   客席さらに大笑い。 なかなか笑いの波がひかず、
   舞台の俳優さん達もあれはちょっと可笑しかったかも☆
   でも、こういうライブ感こそナマの舞台の醍醐味ですよね。


   アイリーンは増本さん。 「コーラスライン」 もそうでしたが、
   しっかり八重沢さん路線を歩んでいらっしゃいます。
   気の強い赤毛美人ぶりはなかなか良かったけど、八重沢さんの
   意表を突いたブリッコ演技の面白さにはあともう少しって感じかな。
   でも増本さんのきりりとした美貌はとっても好きです。
   この日はランクとのナンバーで、赤いスカーフを足をうまくからめることができず
   川原さんが転がりながら自分で足を縛るという超展開がありました。


   さて広島では広瀬さん、長崎では栗原さんで拝見した
   ベラ・ザングラー。 今回は志村さんがシングルキャストになっているようです。
   個人的にはストレートプレイによく出ている俳優さんという印象でしたが、
   志村さんってホントはまだ若い方なのかな。 
   栗原さん、広瀬さんのザングラーに比べると結構いかめしい感じを
   前に出していらして、そのぶんテスへの恋心がちょっと弱く感じられるのが残念。


   振り返ってみれば、広瀬さんのザングラーってずいぶん色気のある人物だったなあと
   つくづく思いました。 たとえばポリーにキスされちゃった時、両手は
   酒瓶とグラスでふさがっているから立っているだけなのに、
   1回目と2回目の気合いというか、味わい方は明らかに違いましたっけ。
   (たぶんちょっとした角度のつけ方の違いなんだと思いますが)


   男性アンサンブル陣ではお懐かしい顔ぶれがちらほら。
   畠山さんのミンゴは相変わらずの美青年ですし、大塚さんのピートも繊細な雰囲気が
   素敵です。 いつどこにいても目つきの鋭さで目立つ厂原さんのビリー、カスタスは
   そういえば前は脇坂さんだったなあと色々思い出しつつ楽しませて頂きました。


   パッツィーは池末さんの印象がとても強いのですが、柏さんも可愛らしい方ですね。
   テスの高倉さんが顔は小さいし足は長いしで、出てくるたびにスタイルの良さに惚れぼれ。
   それから、出番はそう多くないけど個人的に、エベレットの石波さんが良かったです。
   表情が細やかで、ボビーの母親に恋する場面やカテコでのサービス精神あふれる笑顔に
   オジサマ好きの血が騒ぎました(笑)。


   今回は約3週間の限定公演。 福岡シティ劇場の今後がかかっている
   大事な上演でもありますし、私もできるだけ家族を連れて行ったりしたいなあと
   思っています。
   パンフレットをちらっと見たところによれば、ボビーは加藤さんの他に
   荒川さん、田邊さん、松島さんがキャスティングされていますし
   ポリーには石塚さんのお名前もありました。
   できれば福岡でも新キャストの登場に期待したいところです。



   4月3日(土)マチネ 当日の出演者

   ボビー・チャイルド 加藤敬二  ポリー・べーカー 木村花代  
   ランク・ホーキンス 川原洋一郎  アイリーン・ロス 増本 藍  ベラ・ザングラー 志村 要
   エベレット・べーカー 石波義人  ボビーの母 斉藤昭子  テス 高倉恵美  
   ユージーン・フォーダー 村澤智弘  パトリシア・フォーダー 西田有希  
   ムース 荒木 勝  サム 吉賀陶馬ワイス  ミンゴ 畠山典之


   ビリー 厂原時也  カスタス 坂本 剛  ジュニア 大空卓鵬  ピート 大塚道人
   ジミー 田中宣宗  ワイアット 澤村明仁  ハリー 西門宇翔 
   パッツィー 柏 円  シーラ 高橋佳織  ミッツィー  大石眞由  
   スージー 徳江みさほ  ルイーズ 恒川 愛  ベッツィー 村上 智
   マギー 山崎菜摘  ベラ 村上絵里子  エレイン 鈴木真理子



   3・30

   当サイトでもリンク先としてご紹介している
   シアターリーグさんのニュースで
   ワースト映画のランキングに関する話題を見かけました。


   すっかりおなじみになったラジー賞にならい
   国内でもワースト映画のランキングがいくつかの雑誌で
   紹介発表されているのですね。
   雑誌 「映画秘宝」 が発表した、映画ライター80名の投票による
   2009年のワースト映画ランキング 「トホホ10」 の顔ぶれは以下の通り。


    1.「DRAGONBALL EVOLUTION」(実写版)
    2.「ターミネーター4
    3.「2012
    4.「宇宙戦艦ヤマト 復活篇
    5.「しんぼる
    6.「カムイ外伝」
    7.「13日の金曜日」
    8.「HACHI 約束の犬」
    9.「スノープリンス 禁じられた恋のメロディ」
    10.「20世紀少年」シリーズ


   残念ながらというべきか、幸いというべきかわかりませんが
   私はこの10本の映画どれも見ていませんので、ランキングに
   同意も反論もできませんが、おおかたの見方と
   だいたいのところで一致してるのかな。


   個人的にはここ数年映画館で見た映画の中で
   「残念でしたで賞」 を選ぶとしたら、
   一番にあげるのは、4年前に公開された 「子ぎつねヘレン」 でしょうか。
   たまたま動物好きの友人に誘われて出かけたのですが、終映後
   明るくなったとたん 「ごめんなさい」 って詫びが入りましたっけ(笑)。


   子役さんの演技が完璧でないのは当然としても
   周囲を取り巻く大人達の顔ぶれが、かなり豪華なのに
   (大沢たかおさん、松雪泰子さん、阿部サダヲさん、吉田日出子さん、藤村俊二さん他)
   脚本的に全く使いこなされてなくて、ホントもったいなかったな〜。
   ただ大沢さんが、主役の男の子をヘレン・ケラーを育てる先生をもじって
   「サリバンくん」 と呼びかける声の優しさだけは、なぜか今も耳に残っています。 


   雑誌 「anan」 の恒例好きな男性ランキングもそうですが、
   ベストとワースト、どちらも話題性というか
   ある種の連帯感という点で、同じくらい人を惹きつけるんでしょうね多分。



   3・26

   皆さんこんばんは。 きみこむです。
   カルビーの堅あげポテトとストロベリーティなう。


   てなわけで(笑)ツイッター始めてみました。
   いまだブログやSNSはもちろん、DSや携帯ゲームにすら参加していない
   ネットに関してはナウマン象レベルの私、ホントは
   ツイッターにもさほど関心なかったのですが、あるビジネス雑誌がきっかけで
   とりあえず試してみようかと思い立ちまして。


   お試しってことで、まだサイト内にリンクも張りませんが
   名前は 「きみこむ」 のままですので、もしすれ違う
   ご縁のある方がいらっしゃいましたら、その折にはどうぞよろしく。


   それにしても 「○○なう」 って言葉はなかなか面白いですね。
   以前テレビでみた航空自衛隊・ブルーインパルスのアクロバット飛行で、
   司令官が宙返りのタイミングを複数の仲間に伝えるのに
   「ナウ!」 と言ってて格好いいなあと感心したのを思い出します。


   新しいことを始めたとはいえ、昨日アカウントを取っただけなので
   まだツイート (投稿のこと。小鳥のさえずりの意味だとか) はしていません。
   四季に東宝、その他ミュージカルや演劇関連を中心に
   いくつかフォロー登録はしてみたものの、システムもよくわからないし
   今後の展開はまったくの未知数って感じでしょうか。
   (それに私のような語りたがりには140字は短すぎるし、結局
    無口な小鳥のままで終わりそうな気も☆)



   3・23

   久しぶりのまとまった休み、ゆっくりするぞーと張り切っていたら
   連休中、仕事関係の知人宅にご不幸があり、急遽遠方へ行ったり
   あわただしく過ごしておりました。


   さて先週末、「THE 39 STEPS 秘密の暗号を追え!」 福岡公演を
   観てきたのでそのお話を。
   1700人以上収容できる福岡市民会館は、ざっと見たところ8割近い入りで
   地元としては上々の集客だったのではないでしょうか。
   事前情報をまったく入れないで行ったので、開演前に解説があるのを知らず
   最初を少し聞き損ねてしまいました。


   私が客席に入った時には、たぶん演出の男性(お名前はわからず)がこの作品の楽しみ方を説明中。
   「ばかばかしい内容なので、登場人物に同情せず客観的に楽しんでください。
    この作品のために、腕っこきの役者4人をやとったという設定で、大道具の移動も
    すべて役者がやります。」
   説明のあと、下敷きになっているヒチコック映画 「三十九夜」 のDVDと
   サイン入りプログラムのプレゼントもありました。


   ところで 「三十九夜」 をご覧になった方は?と尋ねられて手を上げたのは3、4人ぐらいでしょうか。
   「東京でもそんな感じでしたから、見てなくても大丈夫です」
   という説明がありまして、確かに予習無しでも大丈夫でしたが、
   つまるところパロディなので、可能なら観ておいた方がより深く楽しめそう。


   本編は、石丸さん演じるイギリス人、リチャード・ハネイが
   退屈しのぎに出かけた劇場で謎の女スパイを拾ったことから国防に関する陰謀に
   巻き込まれ、無罪の罪で逃げ回りながら暗号の秘密を解明しようとするお話。
   下敷きはサスペンスでも、少人数で映画をそのまま表現しようとすると
   なぜかコメディになるという企画は、なかなか面白いです。


   以前話題になった 「親指タイタニック」 とか、レゴブロックで作る 「スターウォーズ」 のように
   壮大な物語をわざとチープに表現したコメディがありますが、あれに近いかな。
   個人的には3年ぐらい前に見た、有名映画をホームビデオで再現しようと
   怪優ジャック・ブラックが奮闘する映画 「僕らのミライに逆回転」 を思いだしました。


   たとえば警察に追われるハネイが、かくまわれた農家の小さな窓から逃げ出すシーン、
   農家の大がかりなセットはなく、出てくるのはハネイが手に持っている正方形の木枠だけ。
   でも枠は胴まわりぎりぎりの大きさだし、目に見えない壁にそれをどうやって固定するの?
   と思ってみていたら、石丸さんがまっすぐ立ったまま、木枠を頭からかぶって
   足元まで落としてみせたので、観客も大笑い。
   まあ、一応窓枠はくぐったよね(笑)。


   こういうのを観ると
   映画なら簡単に映像化できることを、舞台で表現するのがいかに難しいことか。
   でも同時に、観客の想像力を使えば、舞台ではどんなことでも可能だとわかって
   嬉しくなってしまいます。 なんというか、有限の無限性が感じられるといいますか。


   映画なら夜の窓辺に立って外を眺めるハネイ。 観ている先は画面切り替わって街灯のそばに立つ
   トレンチコートに帽子の二人の怪しい男。 と、ほんの数秒で簡単に説明できるところですが
   こちらだと中央に立つハネイが窓の外を見る。 すると下手側に
   明かりのついた街灯を手に持って男が二人急いで出て来る。
   ハネイが窓のそばを離れると、男たちも街灯を持ったまま袖に引っ込む。
   また、窓の外を見ると男二人が走って出てくる。
   で、もういちど見ようとしたけどやっぱりやめた(笑)ので、おたおたする男二人。


   とまあ、ずっとこんな感じなので殺人やサスペンス部分はあまりリアルじゃなく
   あくまでどたばたコメディの雰囲気です。
   客席もお茶の間でドリフのコントにツッコミを入れてるような
   気楽〜な笑いが楽しい♪


   しかし、大変なのは4人の俳優さんたちですよ。
   石丸さん以外は複数の役を担当しますが、一番担当が多いのは今村ねずみさんと浅野和之さん。
   帽子や上着での早がわりも多いし、警察官、牛乳屋、通行人、駅の物売りに
   劇場支配人、ホテルを経営する老夫婦、悪役の教授、記憶力を誇る芸人、政治集会の主催者など
   あらゆる役を声色を変えながら演じわけます。
   それに加えて椅子を片付けたり、大道具を押し出したりするのも自分たちで
   やらないといけないので、舞台上はもうてんやわんや。


   高岡早紀さんは劇団☆新感線作品をはじめ、舞台への進出もめざましいですが、
   スタイルがよいし演技もなかなか上手で失礼ながらびっくり。
   外国なまりのある女スパイと田舎っぽい農家の嫁、それにハネイと逃げ回ることになる
   ちょっとトロい女性の3役をみごとに演じ分けていらっしゃいました。


   石丸さんが演じるリチャード・ハネイは、劇中でラジオニュースが語るとおり
   「ウエーブした茶色い髪に、細い口ひげが魅力的なすこぶるハンサム」。
   行く先々で女性をとりこにする甘い笑顔、走り回っても声が乱れない技術の確かさ、
   気品のある動作は健在です。
   それにハネイが劇場のボックス席で舞台を眺めるシーンでは、たくさんのお客様が
   内心 (ラウル・・・) と思ったことでしょう。


   それにしても、このばかばかしさはちょっとクセになりますね〜。
   地元で複数回の公演をやってくれてたら、ぜひもう一回観たかったなあ。
   演劇的想像力を刺激される、予想以上に楽しい作品でした☆



   3・20

   封切られたばかりのミュージカル映画 「NINE」 を観てきました。
   5年ほど前に別所哲也さんがグイドを演じ、デヴィッド・ルヴォー氏が演出を
   手がけた舞台版の評判にふれて以来、ずっと気になっていた作品です。


   ストーリーをほとんど知らない状態だったのですが、
   一言で乱暴に言っちゃえば 「女々しさ120%」 のお話なんですね〜。
   物語は撮影直前になっても脚本ができずに苦しむ、映画監督・グイドが
   記者会見から逃げ出すところから始まります。


   早く映画を作らないといけないのに、愛人を呼び寄せては本妻を怒らせ
   亡き母を思い出しては嘆き、ときどき年配の衣装デザイナーに慰めてもらう。
   他にもファッション誌の女性記者や馴染みの主演女優など
   美しい女性が次々に現れては彼に惹かれるのがちょっと不思議。


   どうしても創作の刺激を求めるのか、妻以外との女性と自堕落な
   関係に陥ってしまう芸術家の映画は時々ありますが、
   グイドの空想の中で歌い踊る女性達のシーンが、この作品のカナメなのでしょう。
   まさに 「CHICAGO」 的手法です。

 
   主役級の女優さんをふんだんに使ったショー場面は豪勢だけど、ストーリー的には
   謎解きもどんでん返しもなく、ずっと悩んでは夢想するグイドを追うだけなので
   正直途中でダレる部分もありました。
   ダンスは 「CHICAGO」 の方がよくできているような気がしますが
   砂とタンバリンを使った振付はパワフルで面白かったなあ。


   全体を通してみると 「ドリームガールズ」 の圧倒的な歌唱力や 「ヘアスプレー」 の
   躍動感には残念ながら及ばないし、「CHICAGO」 のような痛烈な皮肉も少ないので
   見た目は綺麗だけど、味とか歯ごたえはあまりない料理って感じでしょうか。


   ただ、主役のダニエル・デイ・ルイス氏の情けなさっぷりはお見事(ほめてます)。
   それに個々の女優さん達の演技も良かったです。
   個人的にはマリオン・コティヤールさん演じる妻ルイザが持つ、
   クラシックな美しさに惚れ惚れ♪。
   アメリカのロマンス小説では、よく 「これぞ」 というデートで黒のミニワンピースを
   着るシーンがあり、実際問題として大柄な欧米女性にあれが似合うかなあと
   疑問だったのですが、ルイザの着こなしで初めて納得しました。


   で、終映後一番に思ったのは
   「舞台版をご覧になった方の感想はどうなんだろう?」 ってこと。
   予告編がよく出来ていて期待値が高かったこともあり
   正直言って大満足とはいかないけれど、やっぱりなんとなく気になる 「NINE」 でした。



   3・17

   桜がいち早く開花した福岡ですが、
   最近一日の寒暖差が激しくて
   今日は薄着でプルプルしてました。


   さて、以前にも、この日記で話題にしたパンケーキのお話。
   おなじみロイヤルホストでは現在、平日に500円でパンケーキ食べ放題のイベントを
   開催しているそうです(ただし時間帯は15時〜18時限定)。


   最初は62店舗のみで実施だったのが、始めてみれば初日から
   品切れになる店もでるほど好評で、19日からは
   実施店舗を130店に拡大するのだとか。


   通常はパンケーキ3枚で一皿のところ、今回はまず最初に5枚出てきて
   さらに食べられるようだったら、無料で追加して下さるんだそうです。
   以前に比べるとサイズが多少小さくなったとはいえ
   5枚は結構なボリュームですね〜。


   昼食には遅く、晩ご飯には早いけど、せっかくの機会だし
   童話 「ちびくろサンボ」 で、木の周りを人食い虎がぐるぐる回るうち
   早く走りすぎて黄色いバターになった。 そのバターでパンケーキを沢山焼いて
   みんなで食べたという結末を思い出しつつ、お腹一杯食べてみようかな。



   3・13

   「相棒」 シーズン8最終回 「神の憂鬱」 を見ました。
   いやー最高の終わり方でしたね〜。
   事件もなかなか面白かったけど、なんといっても今回の関心事は神戸くんが
   特命係へ来た本当の理由です。


   結局、庁内S(スパイ)ではなく、新しい顔認証システムを使いこなす運用官と
   捜査官として、二人が連携できるかのテストだったということで、
   警察庁の上層部が 「いい人選でしたね」 「ええ、そう思います」 
   と嬉しそうに話す場面は、ドラマ制作者の気持ちを代弁してるみたい。


   それにしても、シーズン8の最初から神戸くんを
   色々と気遣っていた大河内監察官、最後にバーで飲む
   プライベートシーンでも全く笑わないのがある意味スゴイけど
   神戸くんのこと、ホントに心配してるんですね。
   (でも、本人はあまり気づいてない風なのがまた面白い)


   事件が解決しても、警察庁に戻らず特命係に残る決断をした彼のため
   これまたプライベートで一人飲んでいる右京さんを
   わざわざ訪ねて、大河内は頭を下げます。
   「神戸をよろしくお願いします。」
   ・・・って、ご親戚の方ですか?(笑)。


   翌朝、二日酔いで出勤してきた神戸くんに
   右京さんが意を決したように言う言葉がまた良かった。
   「ようこそ、特命係へ」 
   捜査の時なら、相手の目を見て何でも遠慮なく言うのに
   全然目を合わせないところが、ちょっとぎこちなくて
   右京さんなりに精一杯気を遣ってるんですね。


   で、そのまま神戸くんを花の里デートにお誘いして、
   甘い?ムードが盛り上がったところで
   いつもの課長がBGMを止めながら(笑)登場、
   「いいねー相変わらずヒマそうで」 のセリフに
   耳慣れたテーマ音楽がかぶってきて、
   視聴者も思わずニッコリできるあのラストは秀逸でした。


   半年後にシーズン9が始まるとしたら
   今度は本物の相棒として神戸くんが登場するのですね。
   一見クールなようで、実は結構負けず嫌いの激しい面もあり
   シリアスでもコミカルでもアクションでもそれなりの
   雰囲気で見せてしまえる及川さんの神戸尊は、この半年で
   予想以上の良キャラクターに成長したんじゃないでしょうか。


   前任者の亀山刑事とはまた違う形で、相棒ワールドに
   楽しさを加えて下さった新・相棒の神戸くん。
   次シーズンでは伊丹刑事をはじめとした他キャラクターとの
   からみにも、ますます期待したいところです♪



   3・9

   ようやく時間の余裕が少しできて
   たまってた録画を見ています。
   でも、今月から始まった大沢たかおさんの
   ネスレのCMになかなか出会わない・・・。
   30秒バージョンは一体いつ流れてるんだ〜。


   さてここ数週間、戦線離脱していた 「龍馬伝」、
   先週からまた見はじめました。
   今年の初めは 「JIN」 の内野龍馬の印象が強すぎたせいもあって
   福山龍馬に違和感があったのですが、
   なんだかいい感じに練れて来ましたね〜。


   それに、今作で初めてしっかり見た大森南朋さん演じる
   武市半平太の切なくて危なっかしい魅力ときたら(笑)。
   これまでの歴史ドラマ等で描かれた武市像とは違うのかもしれませんが
   指導者として攘夷へ突き進む信念はありつつ、どこか情が捨てきれない
   優しさや真面目さが、あの揺れるまなざしにいちいちあふれちゃうので
   そんなに感じやすくて、幕末の混乱期に大丈夫なの?と、つい心配になってしまいます。
   ひとり悩む武市が、黒い襟巻きをしたもう一人の自分にそそのかされる場面なんて
   「引きさかれた愛」 というより 「引きさかれた武市先生」 ヒロインの巻って感じでした。


   あ、それから先週の 「相棒」 「右京、風邪をひく」も良かったです。
   今回はいきなり冒頭で事件が解決するところから始まり、
   ばらばらのパズルみたいに、時系列が行ったり来たりする不思議な筋書き。
   偶然の重なりのようでいて、実はどのピースも必要だったのだとわかる
   展開がドラマティックで面白いなあ。


   風邪をひいた右京さんを前に、神戸くんが(ふっ)と笑ってからのやりとりや
   マンションの管理人さんと失恋した女の子に振りまわされる表情など
   上品かつコミカルな場面は、及川さんと水谷さんならではの雰囲気ですね。
   得意満面で廊下を歩く、伊丹刑事と芹沢刑事の歩き方にも大ウケでした。
   ホント、先輩のこと大っ好きなんですね芹沢さん♪


   新相棒を迎えたシーズン8の良さがどんどん出てきたところでの
   最終回は惜しい気もしますが、まずは明日の 「神の憂鬱」 で
   神戸くんの内偵話にどんな決着がつくのか、心して見届けたいと思います。
   大河内監察官との人間関係も明らかになるといーなー。



   3・7

   苦手な決算と確定申告から解放されて
   腰に手をあてて高笑い中のきみこむです。


   さてさて、今月に入ってミュージカル関連の新しい話題が
   聞こえてくるようになりましたね。
   その筆頭はなんといっても、
   東宝 「エリザベート」 新キャスト発表。
   石丸さんはスーザン・ボイルさんとの共演や映画その他
   各方面で大活躍ですが、ついにトートで大型ミュージカルですかー。


   ファントムを演じないまま四季を退団してしまわれたのは
   至極残念でしたので、人気演目での再会は嬉しいけど
   個人的にはできればフランツから始めて、いずれトートへ
   転身して頂きたかった気もします。
   (もちろん逆でも良いのですが、なんとなくトート→フランツは
    可能性が低そうなので)


   で、なぜ石丸フランツ希望かといえば、それはもちろん
   オペラ座ファンのサガとして
   山口トートと石丸フランツに愛されるシシィが
   おなじみの三角関係を彷彿とさせるからでございます。(きっぱり☆)


   人外の魅力と官能的な歌声で孤独な彼女を惹きつけ、
   愛と死と恐怖で彼女の人生を彩り
   ただ一度の口づけで舞台が終わる。


   と、こう書いてみると、やっぱりエリザとオペラ座には
   いろいろと共通点があるんですね。


   しかし、石丸トートってどんな感じなんでしょう。 
   石丸さんって黄泉の帝王というには優しそうだし
   なんだか元男役のシシィズの方が強そう(笑)。


   もう一人の新トート、城田優さんについてはどんな方なのか
   あまり知識がないのですが、「ROOKIES」 に入っていたほど若いのに
   ルドルフじゃなくて、トートでご出演ってとこがスゴイなあ。
   ウイーン版のマテトートみたいに、若くて熱っつーいイケメン閣下かしら。


   今回は新シシィ、新ルドルフも登場ですし、演技よし歌よしの
   杜さんが演じる新ゾフィがまた新しい楽しみになりました。
   今年の帝劇遠征はもちろん決定ですが、できることなら
   来年、このキャストでの地方公演も熱烈歓迎です☆



   3・4

   仕事関係の原稿を頼まれ、締め切りまぎわで
   バタバタしているうちにオリンピックも終わり、
   3月になってしまいました。


   さて、韓国で上演されている
   ミュージカル 「モーツァルト!」 のCDを聴きました。
   日本でも大人気の東方神起・ジュンスさんがご出演だそうですが
   これには参加なさっていないのですね。
   恥ずかしながら韓国のミュージカル俳優さんについて知識がなく
   ヴォルフを演じている3人がどんな方なのか
   全く知りません。 が、「僕は音楽」 を聞き比べる限りでは
   個人的にはパク・ウンテさんの声や歌い方が繊細で一番好きです。


   他の俳優さんももちろん上手なんだけど、パク・ウンテさんの歌は
   気持ちの込め方にメリハリがあるというか
   言葉がわからなくても伝わるモノが多いような。
   日本版でいうと 「僕こそ ミュージック」 のところで
   ちょっぴり声にふるえるような息づかいが入ってて
   いかにも感受性の強いヴォルフらしいなあと思います。


   それから、こちらも初めてお名前を知ったコロレド大司教役のミン・ヨンギさんが
   日本のコロレド様より若い声なのに決して細くなく、支配的で
   雄々しい美声がファントムっぽくて素敵♪
   このお二人に限らず、どのキャストもまんべんなく歌が安定していて、
   韓国ミュージカルの底力を感じますね〜。


   年末の帝劇M!、遠征の予定はなかったのですが
   これを聞いていたら、山口さんのコロレド様が懐かしくて
   たまらなくなってしまいました。
   新ヴォルフが出るかどうかも気になりますが、秋は
   とりあえず赤とゴールドの神々しいお姿を拝みに行きますか♪



   2・26

   ここ数日、女子フィギュアスケートで日本中を沸かせた
   浅田真央選手、銀メダルおめでとうございます。
   「金もしくは銀」 という雰囲気のプレッシャーは大変なものがあったと思うし 
   ご本人も悔しかったでしょうけれど、まずは 「お疲れさまでした」 と
   声をかけてあげたい気分です。


   今季、男子女子共に全員が8位入賞を果たし、メダルも2個獲得したことは
   近年まれにみる素晴らしい成果だったのではないでしょうか。
   個人的には、4位に入ったアメリカの長洲未来選手の滑りがとても魅力的で
   思わず目を見はりました。 
   次々に新しいスターが生まれてくるのですね。 今後が楽しみです。


   さて、一昨日のドラマ 「相棒」 はコミカルなほのぼの回でした。
   ドジで憎めない3人組のリーダーはお久しぶりの三宅弘城さん。
   とある家の床下に隠されている3億円を狙って、隣家に侵入した3人が
   縛りあげた住人の夫婦に手づくりのチャーハンを差し入れる (しかもスープつき) 場面なんて
   あまりのありえなさぶりに大笑い。 
   しかもそこへ偶然右京さんが通りかかっちゃうんですから、
   彼らの計画が成功するわけありません。 
   犯罪ドラマとしてのリアリティはないのでしょうけど、結局殺人もおきなかったし
   娯楽としては上々の出来だったと思います。


   それに、右京さんに置いてけぼりをくらって拗ねたり
   裏づけ取りに駆け回ってもなかなかほめてもらえない神戸くんの
   表情にも笑わせて頂きました。
   犯人を投げ飛ばした姿もすこぶる格好良かったし (あれは柔道、それとも合気道?)
   回を追うごとにチャーミング度がアップして、及川さんにしか出せない
   「神戸カラー」 がすっかり定着してきたんじゃないかなあ。


   雑誌 「デジタルTVナビ」 に掲載されていた水谷さんと及川さんの
   インタビューを読むと、主役のお二人が関係の変化を
   心から楽しみつつ絆を深めてる様子がよーくわかります。
   及川さん、他の共演者さん達からも愛されてるんですね。


   それにしても、水谷さんの可愛い天然ぶりには大ウケですよ。
   及川さんと親子ほど年が離れてるという意味なのでしょうけど
   「もし僕が17歳で生んでれば・・」 って、それ年令以前に難しい問題があるのでは(笑)。



   2・23

   オリンピック、アイスダンス・フリーをテレビで見ていました。
   いつもはだいたい夜のダイジェストニュースで
   すませてしまうので久しぶりに見ましたが、最近の
   アイスダンスって、リフトが大変なことになっているのですね〜。


   金メダルに輝いたカナダのバーチュー&モイヤー組も
   上品かつ清浄な印象のアイスダンスが素晴らしかったのですが、
   個人的にはベテランの風格たっぷりだった
   フランスのデロベル&シェーンフェルダー組が
   印象に残りました。


   解説を聞いて知ったのですが、このお二人は
   ペアを組んで20年。 それぞれ別の相手と結婚して
   女性のイザベル・デロベルさんは去年出産しての復帰だそうです。
   ということは、たぶん40才近い年令ってことですよね。


   長きにわたって競技生活を続けるだけでなく、オリンピックで世界と闘う
   レベルを維持し、6位入賞という結果もしっかり残すなんてホントに凄い☆
   選曲がミュージカル 「ラ・マンチャの男」 から 「見果てぬ夢」 で
   これも挑戦し続ける二人の姿とダブって感動的でした。


   そして、なんといっても眼福だったのは、われらが 「オペラ座の怪人」 ナンバーで
   銀メダルを獲得したアメリカのメリル・デービス&チャーリー・ホワイト組。
   女性は肩だけを白いレースが覆う深紅の衣装、
   男性はオフホワイトのドレスシャツに黒のズボンでシンプルに。


   高速のコンビネーションスピンがきらめくシャンデリアを思わせる
   オーヴァチュアから始まって、「ミュージック・オブ・ザ・ナイト」 からスローなテンポに変わります。
   ファントムとクリスというよりは、ラウルとクリスの若々しい恋をイメージしているのでしょうか。
   なめらかに甘く、情感たっぷりのラブソングの山場は 「心のおもむくまま」 で、
   男性が片足で立ったまま、自分の背中に女性を乗せる綺麗なリフト。


   ゆったりした曲調から、がらりと雰囲気が変わるのは 「ファントム・オブ・ジ・オペラ」 。
   ダイナミックでスピーディなダンスの振付と技術がスゴイです。
   スピンで深紅のドレスの裾が舞う様子も、氷に映えて美しかったな〜。
   最後はオーヴァチュアに戻っての情熱的なフィニッシュで
   終わったとたんに中継アナウンサーさんから 「素晴らしい!」 の一言。
   「映画にも舞台にもいないクリスティーヌが、ここにいました。」 というホメ言葉も
   なるほどですけど、しまいには 「スピード感、キレ、緩急・・・・うーん・・・」 って
   アナウンサーさん唸ってましたね(笑)。


   高橋大輔さんの時もそうでしたが、 「オペラ座の怪人」 は
   ホントにドラマティックな名曲揃いなんだなあと
   あらためて感心したオリンピック観戦のひとときでした。 



   2・21

   出張帰りに急に思い立って、ゲキ×シネ 「蜻蛉峠」 見てきました。
   実は先月ゲキ×シネのラインナップ再演ということで
   「SHIROH」 も見たので、2本まとめて感想を簡単に。


   まず 「蜻蛉峠」。
   冒頭、シャモのかぶりものをかぶった堤真一さんとシモネタ連発の古田新太さんによる
   まったく展開の見えないコント?から始まります。
   記憶をなくした男・闇太郎(古田さん)が蜻蛉峠を越えて流れついたのは、
   ヤクザの激しい抗争で荒れた雰囲気の宿場町。
   このろまん街を舞台に、闇太郎の幼なじみ・お泪(るい)をはじめヤクザ者達が
   からみあい、やがて闇太郎の失われた記憶に隠された事実が見えてくる・・という物語。


   途中で歌やダンスが入ったり (男3人によるなんちゃってパフュームは可愛かった♪)
   脱線する面白さはありましたが、登場人物はほとんど死んじゃうし
   結末がせつなくて暗いこともあって、見終わってすっきり爽快とはいかない感じかな。
   でも、見どころはもちろんあります。 
   なんといってもヤクザ者・天晴を演じる堤真一さんの着流し姿の美しさ☆  
   大徳利を片手に、笑いながら刀で斬りまくる
   堤さんの殺陣の迫力と色気だけでも、見る価値は充分あると思います。 


   そして、ずっと見たかった 「SHIROH」。
   中川晃教さんの歌は相変わらず素晴らしいし、上川さんの華のある立ち居振る舞いも
   素敵でした。 吉野圭吾さん、泉見洋平さんといったおなじみの
   ミュージカル俳優さんに再会できたのも嬉しかったなあ。 
   皆さんの細やかな表情がアップで見られるのは、ゲキ×シネならではの良さですね。


   2作品どちらにも良さがあると思いますが、ミュージカルファンとしてのひいき目を
   差し引いても、物語としての深みはやはり 「SHIROH」 の方が上という気がします。
   こちらも沢山の登場人物が死んでしまうし、ハッピーエンドとは言い難いのですけども。


   さて劇場での予告によれば、今年の秋はゲキ×シネに 「蛮勇鬼」 が登場とのこと。
   本編の上演時からとても評判が良かったようですし、これは今からホントに楽しみ♪



   2・17

   眠狂四郎シリーズといえば、人気の剣豪小説であり
   市川雷蔵氏の当たり役として有名な作品ですが
   今年、GACKTさんが眠狂四郎に扮する舞台が
   上演されることを知りました。


   「眠狂四郎無頼控」

   東京公演   5月14日〜28日(日生劇場)
   大阪公演   9月28日〜10月20日(新歌舞伎座)
   名古屋公演 11月20日〜12月3日(中日劇場)


   主演はもちろんGACKTさん、「おくりびと」 の小山薫堂氏が
   脚本を担当するそうです。
   5月には日生劇場で東京公演が開幕、先行予約も始まっているのに
   公式サイトを見ても、共演者が全く発表になっていないというのは
   なんだか不思議だなあ。


   まさか一人芝居ってことはないと思うのですが
   (殺陣には相手が必要でしょうし)
   今後の情報がちょっと気になります。



   2・14

   このところの大きな気温差のせいか、うちの両親が
   交代で風邪をひいて外出もとりやめた週末。
   確定申告の準備やら両親の世話やらであっという間です。


   さて、今日は先月の観劇で書きそびれていたお話を。
   実はマイレージの期限と仕事の休みが重なった1月下旬、
   東京へ日帰り遠征してきました。
   目的はぜひ一度見たいと願っていたミュージカル 「蜘蛛女のキス」 観劇。


   荻田浩一さんによる日本演出版の再演だそうで、
   前回に引き続き主役を演じる石井一孝さんと浦井健治さんに加え、今回は
   元・四季の金志賢さんが参加なさっています。


   この作品は、南米とおぼしき刑務所に3年収容されているモリーナと
   新しく入ってきた政治犯ヴァレンティンが出会い、関係を深めていく物語。
   原作小説では 「蜘蛛女」 という言葉はほんの少ししか出ないそうですが、
   ミュージカル版では映画好きなモリーナが崇拝する、映画女優のオーロラが
   「死」 を象徴する蜘蛛女として彼の幻想の中にたびたび現れます。


   セットは刑務所内部がメイン。モリーナ達が寝起きする2つのベッドが手前、
   奥には他の檻が見えてますが、上手側が必要に応じて刑務所長の部屋や
   病院の手術台に変わったり。
   さらに上手袖近くにはスライド式の壁が時々出てきて、
   スクリーンの役目を果たしていました。


   全体を通して感じたのは、色んな情報を同時進行的に盛り込んでるなあってこと。
   モリーナが映画の話を始めると、スクリーンに映画の一場面らしい映像が出たり、
   舞台上で俳優さんが演技やダンスをしている最中に文字が映し出されたり。
   座席の関係もあるのでしょうが、どこを見れば良いのか
   迷ってしまう (で、結果的にあちこち見落とす) ことが結構あったような。


   一番顕著にそれを感じたのは山場ともいえる、モリーナとヴァレンティンが
   出所前夜に結ばれるシーンでした。
   利用されそうだと思いながら、恋心を断ち切れないモリーナと
   そんな彼の気持ちを (たぶん) 充分わかっているヴァレンティン。
   舞台の中央近くで向き合って立った二人が、互いの想いを確かめます。


   ヴァレンティンがモリーナに口づけようと近づくと、とまどいながら
   「なぜこんなことするの?」
   微笑みながら答えるヴァレンティン 「・・したいからさ」

   好きだから、じゃないんかい!というツッコミはさておき(笑)
   別にキスだけで充分だと思うのですが、ここで袖にスクリーンが出てきて
   映されるのは、エロティックにからみあう男性二人の手。
   ベッドを共にしたことを表現してるんだと思うのですが、映像に気を取られていると
   舞台上で見つめ合う二人の表情の変化は、把握できないままで終わっちゃいそう。


   情報の多さは、わかりやすさをめざして結果そうなったのか、わざと混沌を演出して
   わかりにくくしたのか、そのへんの意図はよく見えず。
   蜘蛛女とオーロラの関係性も説明は少ないし、現実と幻想の境目も
   ぼやけた感じがずっと続くので、男性ダンサーさん達のダンスも含めて
   消化不良の部分があったような気がします。
   それに時折挿入される映写機の音も、初見では規則性がよくつかめなかったなあ。
   1幕終了して、幕間で席を立つお客様から 「なんかストーリーがわからない・・」 という声も
   聞かれました。  観劇回数を重ねると、もっと見えてくるものがあるのかもしれません。


   さてお久しぶりの浦井さんと石井さん。
   どちらも歌が安定しているし、石井さんは細かいところまで気を遣った
   モリーナの演技が魅力的で良かったです。
   ただ唯一心残りがあるとすれば、あのぱっちり大きな瞳を活かし
   ヴァレンティンへの恋心を、熱ーい目線で表現して欲しかったという点でしょうか。
   (一般男性との最大の違いは、視線の温度だと思うので)
   個人的に、石井モリーナの想いが一番ストレートに感じられたのは、
   彼が母親への愛情を語る場面でした。


   浦井さんの舞台を拝見するのは 「ルドルフ・ザ・ラストキス」 以来。
   原作のヴァレンティンはモリーナとは正反対のマッチョな男という
   設定だそうで、それからすると浦井さんのヴァレンティンは
   石井さんより少しだけ背も低いし、すらりとした美青年ですね。
   2幕でモリーナとうち解けてくると、どうしても可愛い笑顔や
   優しい表情が出てきちゃいますが、 1幕のワイルドな男臭さはなかなかのもので、
   浦井さん、ホントにうまくなられたんだなあと感心。


   金志賢さんの蜘蛛女、ハスキーでソウルフルな歌声が中性的で
   夢かうつつか、幻想的な存在としてはピッタリだったと思います。
   とくに劇中劇 「サンクトペテルスブルグの炎」 でのオーロラとしての演技は
   真に迫ってしかも美しく、素晴らしかったです。


   元四季といえば、囚人達ををいじめぬく暴力看守コンビ。
   ひのあらたさんと田村雄一さんは、いやはや凄いの一言でした。
   ミュージカルでここまで暴力表現をやる必要あるのかなあという
   気もしないではありませんが、ブロードウェイ版もこんな味付けなのでしょうか。
   彼らの上司である刑務所長を演じたのは消臭プラグのお殿様・今井朋彦さんでした。
   初めてナマの舞台を拝見しましたが、セリフが明瞭で聞き取りやすく
   知的かつサディスティックな風貌がこの役にハマッてましたね〜。
   プログラムによれば、今井さんは初ミュージカルだそうですが
   歌っても歌わなくてもいい、あの存在感は貴重でした。


   それから、お元気なお姿と美声に再会できて
   とっても嬉しかったのがモリーナの母を演じた初風さん。
   あの年代であれほど歌えて演技もうまいミュージカル女優さんは
   少ないし、ぜひお身体に気をつけて今後も活躍して頂きたいと願っています。
   息子がもう戻ってこないのを知りながら、車椅子に乗った母が
   モリーナを送りだすシーンは泣けたなあ。


   初見ではやや欲求不満も残りつつも、不思議な魅力が感じられた 「蜘蛛女のキス」。
   ホントはトニー賞を受賞したブロードウェイ版の演出と、どう変わっているのかを
   一番知りたいのですが、まずは近いうちに映画版ビデオを手に入れるつもりです。



   2・11

   毎週水曜日に楽しみに見ているドラマ 「相棒」。
   4月からは内野聖陽さん主演の 「臨場」 が
   この枠に帰ってくるそうです。


   個人的には内野さんの刑事モノなら 「ゴンゾウ」 の方が
   面白かったけど、シリーズ化しやすいのはこういう1話完結型の
   作品なのでしょうね。
   自宅で毎週内野さんに会えるのは嬉しいけど、そうなると
   「JIN−仁」 の続編はどうなるのかなあ。
   秋には大沢さんは 「ファントム」 の準備に入っちゃうだろうし、ホントに
   今年映画化されるなら、夏のスケジュール次第って事でしょうか。


   ところで、昨日の 「相棒」 は伊丹刑事メインのお話でした。
   10年前の事件がもとで命を狙われ、
   特命係の二人が警護につくという展開が面白かったです。
   真犯人の動機が薄すぎるとか、実行犯が証拠になるブレザーを着たまま
   犯行におよぶなんてわかりやすすぎ?とかツッコミどころは
   あれこれありますが、右京さんが伊丹刑事への信頼を表すセリフなど
   見どころも満載でした。


   なかでも、神戸くんと伊丹刑事の車中での会話とオチは良かったな〜。
   伊丹を悩ませている10年前の古傷の原因は
   犯人達への強引な取り調べではない。
   むしろ犯人ではない人物を傷つけてしまったことに違いないという
   神戸君の推察と、それを引き出す巧みな会話がよくできてます。 
   「俺だって凡人の一人ですよ?」 という口調も優しく
   しんみりと伊丹に真情を吐露させてしまったのに、まさか作り話だったとは
   神戸くんてば、なんというプレイボーイ(笑)。


   でも、ラストの右京さんの微笑みからすれば
   あれは責められるたぐいの嘘ではなく、「ミス・グリーン」 の回でも見せた
   神戸くんのさりげない思いやりが生んだものなのでしょう。
   日頃はコワモテの皮肉屋だけど、実は純粋でまっすぐな伊丹の
   良さもしみじみと感じられたし、事件としてはやりきれないけど
   全体に登場人物への愛情が感じられる回でした。


   しっかしあらためて振り返ってみると
   このドラマって男性俳優さんの占有率が高いですね〜。
   今回なんて女性でセリフがあるのは冒頭出てくるラーメン店の女の子だけ。
   浜野の妹も短い映像だけだし、事件にからむのは全て男子学生ばかり。
   2時間ドラマだと、お色気担当の女優さんとかザッピング対策としての
   ラブシーンもありますが、今シーズンにかぎっては
   及川さんが華やかな美人パートを引き受けてるから良いんですね多分♪



   2・7

   福岡 「コーラスライン」 千秋楽に行ってきました。
   限りなく撤退に近い「休止」という印象の発表から約2週間。
   福岡シティ劇場の前には楽公演というのにスタンド花もなく
   なんとなく寂しい気持ちで入口をくぐりました。


   私の席は1階後方列だったのですが、客席に入るとカメラを手にした
   10数人の報道関係者がずらりと最後列通路に勢揃い。
   えらく数が多いなーと思っていたら、開演直前に黒っぽいスーツ姿の
   浅利代表が舞台上へ。 少し下手寄りに立って
   「浅利慶太です。 この舞台の演出をしています。」 と、ご挨拶なさったと思います。
   続けて、皆さんにお詫びを・・と仰ったので、ついにお別れのご挨拶が
   始まるのかと緊張が走る客席。


   後ろの報道陣が一斉にシャッターを切り始める中、代表からのお話の趣旨は
   休止報道以降ものすごい数のメール反響があり、先日の決定は
   少し早すぎたのではないかと思った。 
   東京一極集中を避けるという以前からの四季としての考えも合わせて
   検討した結果、来年度後半に希望していた上演を繰り上げて実行する。
   やるとなると4月からで時間がないので、直接こうしてお話する。


   このへんで、なんだか胸がドキドキしてきたのですが、「スケジュールを申し上げます。
   コーラスラインの後は、4月1日からクレイジーフォーユーを・・」 と、浅利代表が具体的な
   日にちを仰った瞬間に、客席から拍手と歓声が上がりました。


   今日が最後と思って覚悟していただけに
   大好きな演目が福岡で見られると思ったら、思わずホッとして嬉し涙がほろり。。。
   私のお隣も、前の席の女性も同じタイミングで涙をぬぐっていらっしゃいましたから
   同じ気持ちのお客様は多かったのではないでしょうか。


   CFYの後は 「エビータ」 「春のめざめ」 をGWと初夏に、
   8月は 「はだかの王様」 「人間になりたがった猫」 に
   子供達を招待するというお話がありましたが、一般公演はしないってことかな?
   ちょっとこのへんのニュアンスがよくわからず。


   で、9月から年内は劇場の改装もあるので、それ以降は流れを見てあらためて考える。
   反響の内容は公式サイトで見て下さい。 インターネットを見ないお客様のために
   100部だけ印刷して入口に置いてる、というお話と共に 「ひとつお願いがあります」 と浅利代表。
   四季が福岡から去らないようにと、チケットを無理して買わないでください。
   (なんでも食費をきりつめるというメールもあったそうで) そのかわり四季の舞台を
   観たことがない人が沢山いるから、一度見てみろと勧めてほしい。 とのこと。


   つまり、限られたリピーターの支えには限界があるから
   地元でのミュージカルファンの裾野を広げて欲しいってことですね。


   最後に今日のコーラスラインについて触れ
   「千秋楽、一生懸命やると思いますから、どうぞゆっくりご覧ください」
   で、代表のご挨拶が終わりました。


   本編はもちろん、皆さんいつも通りの大熱演。
   道口さんはグレッグの方がセクシーで好きだなあとか、
   松浦アルの笑顔が優しくてとっても良かったとか、感想は色々ありましたが
   半分くらいは、どこかフワフワした気持ちで見ていたような気もします。


   もちろん、四季の姿勢について複雑な思いもないではありません。
   でも撤退が少し先延ばしされたに過ぎないとしても、念願のCFYとエビータを
   福岡に持ってきて下さるだけで、個人的に現時点では充分満足です。


   まずは春からの上演決定に心からありがとう。
   福岡シティ劇場がお休みになることだし、今年こそは
   貯金しようと思っていましたが、こちらもちょっと先延ばしですな(笑)。



   ・2月7日(日)福岡公演・千秋楽 当日の出演者

   ザック 深水彰彦  ラリー 影山 徹  ダン 朱 涛   マギー 和田侑子  
   マイク 斎藤洋一郎  コニー 大口朋子  グレッグ 武藤 寛   キャシー 坂田加奈子
   シーラ 増本 藍  ボビー 道口瑞之  ビビ 上條奈々  ジュディー 鳥海郁衣
   リチー 西尾健治  アル 松浦勇治  クリスティン 染谷早紀  ヴァル 石倉康子
   マーク 三雲 肇  ポール 田邊真也  ディアナ 熊本亜記

   フランク 笹岡征矢  ロイ 宮本聖也  トム 林 晃平  ブッチ 吉田龍之介
   ビッキー 橋本 藍  ロイス 岩沢英美  トリシア 勝田理沙            (敬称略)



   2・3

   書きそびれていましたが、先月レンタルして見た
   映画 「ファントム・オブ・パラダイス」 の話。


   以前から見たいと思っていながら、なかなかチャンスがなかった
   オペラ座翻案ものですが、いやーカルト映画の傑作と言われるだけのことは
   ありますね。 B級の匂いプンプン、でも不思議な魅力が一杯です。


   これは無名の作曲家ウィンスロー(ウイリアム・フィンレイ)が、悪徳プロデューサー・スワンに
   次々と陥れられて悲しい末路をたどる物語。
   タイトルの 「パラダイス」 は劇場の名前です。
   ウィンスローが顔に大ケガをしてマスクをかぶるところ、恋をした
   女性歌手フェニックス(ジェシカ・ハーパー)に自分の曲を歌わせようと
   劇場で殺人を犯す点などがオペラ座からのアイディアかな。 
   それに 「ファウスト」 や 「ドリアン・グレイの肖像」 の要素と
   ロックテイストがとり込まれて、耽美で悲惨で過激な場面がてんこ盛り。


   本家オペラ座はファントムとラウル、クリスの三角関係ですが
   こちらはラウルにあたる人物が、悪魔と契約をして若さを保っている
   極悪人というところが悲劇に拍車をかけてて泣けますわホント。
   スワン役のポール・ウィリアムスは、実際に音楽家として名をなした人だそうで
   35歳にしてはちょっと老けてるけど、独特の色気というかオーラを発していますね〜。


   映画としてはラストのパラダイス劇場での惨劇が最大の山場だと思いますが
   個人的なイチオシは、雨の夜、ウィンスローが天窓から覗いているのを知りながら
   スワンがフェニックスとのキスを見せつける場面。
   キスの合間にモニター画面を確認するスワンの
   楽しそうな表情ときたら (しかも積極的なのはフェニックスの方)
   もう色悪以外のなにものでもありません。
   でも、それ以上に悲しくて美しいのが、雨で濡れる窓ガラスと
   その向こうで泣いている仮面の男のショットでしょう。


   ウィンスロー役の俳優さんの、銀色のマスクをしてもよくわかる
   見開きっぱなしでギラギラした視線が、怖いのにどこか滑稽で切なくて
   よくできた造型だなあとつくづく感心。
   音楽はアカデミー賞主題歌賞にノミネートされたそうで
   フェニックスが歌う 「OLD SOULS」 が
   輪廻を思わせる哲学的な歌詞と静かなメロディでとても素敵です。


   ご本家オペラ座以上に報われないファントム・オブ・ザ・パラダイスですが、
   数年後に 「キャリー」 で世界に衝撃を与えるブライアン・デ・パルマ監督らしさも
   ちらほらと感じられるユニークな作品でした。



   1・30

   昨年の民間ドラマで最高視聴率を獲得した 「JIN−仁」。
   映画化決定のニュースがスポーツ新聞から出たと思ったら
   すぐにTBSサイドから否定するコメントが出たりして
   なんだかファンをやきもきさせる展開になっています。
   あの最終回の様子からして、なんらかの続編はあるのでしょうが
   すぐに発表できないのは、NHK 「龍馬伝」 への遠慮もあるのかなあ。


   さて、ドラマ終了後も大きな盛り上がりを見せている原作の
   作者・村上もとかさんの特集が2月にテレビ放映されるそうです。
   村上さんがどんな方なのか大いに興味がありますし、
   作品の誕生秘話も期待できそうですね♪


     NHK・BS2 「マンガノゲンバ 村上もとかスペシャル」 
     2月21日(日)深夜 0時20分〜1時



   1・27

   昨日、福岡シティ劇場の専用契約を今春は更新しないことが
   劇団四季・浅利代表より発表されました。
   今朝の地元テレビ番組でもアナウンサーさんが
   開口一番 「いやー新聞見てビックリしましたねー」 と仰っていましたし
   予想していたこととはいえ、九州のミュージカルファンにとっての
   衝撃はやっぱり大きいです。


   今日の西日本新聞を読むと、一応記事タイトルには
   「休止」 とありますが、再開のめどは立っていないようですし
   限りなく撤退に近い印象を受けました。
   じゃあ先週の新聞記事はなんだったんだ、という感じですが
   改修工事は四季ではなく、劇場の所有者である福岡地所が行うとのこと。
   でもこれが劇場から他業種への転換を意味するかどうかはわかりません。


   福岡市内には、老朽化した福岡市民会館以外に
   大劇場としての設備を整えた会場があまりありませんので
   (博多座は使用団体が限られるし、アクロス福岡はコンサートホール仕様)
   せめてここを、団体をとわず演劇やミュージカルの上演場所として
   残してもらえるとありがたいけど、これはまた四季とは別の話ですね。


   記者会見では、全国に9つある専用劇場のうち
   こんな状況なのは福岡だけという話も出たようですが
   残り8つを見れば東京で4つ、それに神奈川、大阪、名古屋、京都ですから
   結局のところ、関東と関西を中心とした大都市圏のバックアップがないと
   専用劇場を続けるのは難しいということなのでしょうか。 そう考えると
   諸々の状況の中では、今年までよく頑張ったという感じなのかな。
   それに、東北や北海道地区の四季会員の皆さんは、一番近い専用劇場が
   東京だったわけですから、九州・中国地区の会員にとってのそれが大阪になるのは
   ある意味バランスがとれてるとも言えますし。


   個人的には徒歩20分で行ける福岡シティ劇場から
   四季の名前が消えるのはホントに寂しいですが、ぼちぼちペースでの遠征は
   今後も続けるつもりですし、全国ツアーもありますから
   まずは心おだやかに今後の動きを見守りたいと思っています。



   1・25

   今日でサイトオープンから丸6年になりました。
   ここ2年ほど個人的に色んな事がありましたが、こうして
   大好きな観劇を通じてミュージカルファンの皆さんと
   楽しく交流を続けて行けるのがなによりの幸せと
   心から感謝申し上げます。


   さて週末ようやっと 「コーラスライン」 観劇してきました。
   私は数年前の東京公演以来だったのですが、今回の方が
   セリフがすんなりと自分の中に入ってきたように思います。


   登場人物で、大きく印象が変わったのがヴァル。
   東京で観たヴァルがどなただったのか、キャスト表が見つからないので
   わからないのですが、石倉さんのヴァルはとってもキュートで魅力的でした。
   「ダンス10 ルックス3」 は、バストとヒップと顔を整形して
   仕事を手に入れたという歌ですが、悪びれず純粋に喜んでる様子が可愛かったな〜。
   コニーがもらす 「私も (大きな胸が) 欲しいわ」 に 「買ってらっしゃいよ」 
   と気軽に勧める声がまた優しくて、良かったです。


   深水さんのザック、セリフ声が良いのは当然として
   想像以上に踊れる方なのにビックリ(失礼)。
   自分の中で深水さんは、 「異国」 の神田やLKのスカーのように
   踊らない役柄のイメージがあったせいかもしれません。


   それから、福岡BB以来になる道口さんとの再会も嬉しかったですが
   あの男っぽい低音で 「おっ立った」 の下ネタ連発は
   なんだか美声のムダ遣い感が(笑)。
   でも黒い衣装に長めのオールバック、すらりとした
   道口さんの立ち姿は独特の華やかさがあって素敵でした。


   「コーラスライン」 もあと2週間。
   今週はキャスト変更があったようですし、できればあと1回行きたいな〜♪


   ・1月24日(日)マチネ 当日の出演者

   ザック 深水彰彦  ラリー 影山 徹  ダン 松浦勇治  マギー 和田侑子  
   マイク 斎藤洋一郎  コニー 大口朋子  グレッグ 道口瑞之  キャシー 坂田加奈子
   シーラ 増本 藍  ボビー 丹下博喜  ビビ 上條奈々  ジュディー 鳥海郁衣
   リチー 西尾健治  アル 川口雄二  クリスティン 染谷早紀  ヴァル 石倉康子
   マーク 三雲 肇  ポール 田邊真也  ディアナ 熊本亜記

   フランク 笹岡征矢  ロイ 宮本聖也  トム 林 晃平  ブッチ 吉田龍之介
   ビッキー 橋本 藍  ロイス 岩沢英美  トリシア 勝田理沙



   1・23

   今日の西日本新聞朝刊で、福岡シティ劇場が
   5月頃から約5ヶ月かけて全面改装するという記事を読みました。
   来年春に予定されている九州新幹線の全線開通をにらんでの
   計画で、来週には浅利代表から発表があるとのこと。


   「コーラスライン」 集客状況が芳しくないだけに
   撤退の文字がいつ公式サイトに出るかハラハラしていた身としては
   劇場存続は、何より嬉しいニュースです。
   地元のレストランに勤める知人のところも、開通による
   新規客をあてこんでお店のリニューアルに取りかかかっているとか。
   博多駅周辺を核として、これから1年ぐらいの間に色んなことが
   変わっていくんでしょうね。 
   まずは新幹線さくら号様様、ってことで正式発表が楽しみです。 



   1・19

   レンタルしてきた 「相棒 シーズン2」 の話。


   今ではすっかり人気が定着したドラマですが、
   最初の頃はほとんど見ていなかったので
   シーズン8の最初から神戸くんと密談していた
   大河内監察官がメインになる 「ピル・イーター」 は初見でした。
   神経質で冷徹な印象の大河内が、腹心の部下・湊が起こした心中事件の
   真相究明を特命課に依頼するというストーリーです。


   ピル・イーターのあだ名がある大河内、いつも持ち歩いている薬ビンの中身が
   実はラムネ菓子だったというオチはなかなかお茶目で可愛いけど
   最大の爆弾は、亡くなった部下の恋人は大河内自身だったという真相ですよね。
   これ当時リアルタイムで見た人は、さぞビックリしたんだろうな〜。
   でも、きわどいエピソードを含む回としては
   全般に演出が上品で良かったんじゃないでしょうか。


   例えば大河内と湊の会話とか、特別な関係を感じさせる
   回想シーンは一切なく、大河内が湊にかける言葉も言わせない。 
   余分な甘いセリフがないからこそ、大河内が
   黙って涙を流すシーンと、ラストで棺桶に納められた湊の頬にふれる場面に
   クールな仮面の下の激情が想像できて、一種の感動すら覚えます。
   これ以降、大河内監察官の人気がアップしたというのもうなずけるような。



   そういえば昔、せっかくの純愛も演出のおかげで風情半減しちゃった
   ドラマ (つかこうへい原作の「ロマンス」) を見たのを思い出しました。
   風間杜夫さんと西村和彦さんが演じる男同士のベッドシーンがあったのですが
   驚いたのは異性か同性かではなく、あまりに直裁的なその表現方法ですよ。 
   互いに腰までシーツをかけた上半身裸で、
   横になったまま見つめ合い、顔を寄せる(キスはしない)だけですが、
   西村さんの顔に触れる風間さんの手が震えてたのが妙にリアルでした。
   でも、センセーショナルな映像が必ずしもセクシーではないんだなあと
   思ったものです。


   同性愛をドラマで描くのももちろんアリだと思いますが、それをどこまで
   あからさまな映像にするかは、品位というか作る側の感性が
   問われるところなんじゃないのかなあ。
   裸になるシーンが必要なら脱ぐのは一人だけ、年上の風間さんは
   きちんと服を着て (たしか高名な医者の役)、事後に
   眠る恋人の髪を撫でるとか、それだけでも充分だったはず。


   男性同士とはいえ、15年来の恋を実らせる設定の中で
   西村さんの思いつめたような眼差しと、風間さんらしい切ないお芝居が
   良かっただけに、想像の余地や余韻が少ない映像は残念至極。
   まこと 「秘すれば花」 とはよく言ったものでございます。



   と、話が脱線してスミマセン。
   ドラマのラブシーン話は色々ありますので、また機会があればってことで。



   さて、明日は水曜日。
   神戸くんと大河内監察官は別に特殊な関係ではないと思いますが
   彼が特命課に送りこまれた謎に右京さんが迫るのか、シーズン8の
   大きな転換ポイントになりそうな次回の放送がとっても待ち遠しいです。



   1・17

   ここしばらく土曜日も終日仕事なので、日曜日に
   ようやく週末モードになってます。
   さて先週、ドラマ 「JIN−仁」 からの流れで興味を持ち
   大沢たかおさんの過去の出演映画をレンタルで観ました。
   借りたのは江口洋介さん主演 「GOEMON」 と 綾瀬はるかさん主演の 「ICHI」。


   大沢さんの役柄は、「GOEMON」 では名前も懐かしい忍びの霧隠才蔵、
   「ICHI」 では、子供の頃のトラウマで刀を抜くことが出来なくなった
   心優しい武士・藤平十馬です。
   霧隠才蔵は主君に裏切られて家族を殺された上、五右衛門をかばって
   処刑されてしまうし、十馬は市に淡い恋心を抱きつつも敵役と相打ちで死んでしまう役柄。 


   大沢さんって、なんだかこういうちょっと悲しくて切ない運命の人物が
   妙に似合いますね〜。 背が高くて結構な大男なのに
   表情や風情に透明感があるというか、はかない雰囲気が感じられるからかな。


   でも、「JIN」 でも感じたんだけど、この方案外コミカル路線も行けそうな。
   「ICHI」 で、十馬が渡辺えりさん演じる巨漢の下女から朝ご飯のお膳を前に
   抱きつかれてジタバタする場面には思わず笑ってしまいました。
   田村正和さんが昔やっていらしたような、大人向けコミカルドラマ路線に
   いずれ挑戦して欲しいなあ。


   で、来週の「コーラスライン」 観劇までのつなぎといっては何ですが
   今週末は 「ファントム・オブ・パラダイス」 と 「相棒 シーズン2」 から
   噂の 「ピル・イーター」 回を借りてきました。
   なんだか刺激が強そうな組合せで(笑)かなり楽しみです♪



   1・11

   「55ステップス」 思い出話の続き。


   「ソング&ダンス」 は、タイトルが示すとおり
   通常は脇役的な位置づけになるダンサーさんが、
   中央でスポットライトを存分に浴びるのも大きな特徴ですね。


   ダンスナンバーはどれも良かったけど、ひとつだけということなら
   個人的に選ぶのは 「アプローズ」 でしょうか。
   ビートのきいた導入から、舞台に立つ高揚感と躍動感あふれる
   盛り上がりへの流れが最高でした。
   ライトが明るくてお顔もよく見えるし、踊る皆さんも役柄でなく
   自分自身の笑顔でいられて楽しかったんじゃないのかな。


   遊び心一杯で面白さ爆発だったのがボクシングを
   コミカルに表現した、「はやく王様になりたい」。
   こういうのこそ、ソンダンでないとできないアイディアですね〜。
   タイミングがちょっとでもずれると面白さが変わっちゃう大変な曲ですが
   原田麦子さんのラウンドガールに目を奪われる男性観客たちや
   ボクサーの恋人設定らしい井上さんのブーイング、レフェリーの奮闘ぶりなど
   細かいところまで何度見ても楽しめました。


   写真を撮られる瞬間、斎藤さんのレフェリーは丸めがねを
   取らないで真面目に写るんだけど、萩原さんはメガネを取って
   「二枚目ポーズ!」 って感じで二カッと笑うところがツボ☆
   いつだったか、1幕が終わって初見らしいお客様が
   「四季にあんなミュージカルがあるの?!」 ってお友達に尋ねていましたっけ。


   これまで私はどちらかというと、ダンスよりも歌重視派だったのですが
   (特にオペラ座は他演目に比べると、ダンスの比重が小さいですし)
   福岡WSSの流れからソンダンにきて、すっかりその踊りの
   ファンになったのが萩原隆匡さん。 
   ダンスに関してはまったくの素人ゆえ、あくまで個人的な見解なのですけど
   萩原さんのダンスの魅力は、動から静になる瞬間がきわめて正確な点では
   ないでしょうか。


   たとえばエビータのナンバーで、数回バンザイするような振付のところ。
   若いダンサーさんだと力と勢いがあるので、激しい動きになると手が最後の一瞬で止まりきれずに
   ぶれちゃうこともあるけど、萩原さんは音符に寸分の狂いもなくぴたっと止まる。あの瞬間が
   見てる側にすごい快感をもたらすような気が致します。
   音に直すと、ふわっときてピタッ。 の連続なのですが、
   ピタッとくる前にふわっがあるからこそ、優雅な色気がかもし出せるというか。 
   もしかすると剣の達人とか、そういう種類の身体使いにも共通するものなのかもしれません。


   そういえば、萩原さんが司会を務めたリハーサル見学会で
   「ダンスを習って10年ですがなかなか上手になりません。どうすれば
   うまくなれますか?」 というお客様からの質問に
   萩原さんが
   「あー僕は11年ですから、同じくらいですね。」 
   (えぇーっと客席はもちろん、鈴木ほのかさん達も驚く)
   でも、皆のざわめきもさほど気にせず
   「きっと僕より○○(質問者)さんの方が上手いと思いますよ」 と
   謙虚にまとめちゃったので、客席一同さらにどよめく(笑)。
   てなこともありました。


   女性ダンサーさんは顔と名前が全員は一致させられなかったのですが
   どの女優さんもとにかくスタイルが良くて、女性観客にとっても
   十分な目の保養でした。 
   オペラ座クリスティーヌ風バレリーナは今さん。 ファントムの魔力に引き寄せられては
   心惑わせるしっとりした風情に、本編とはまた別の色香があって良かったです。
   それに、ラウル役を務める金久さんのバレエダンサーがこれまた色っぽくて
   毎回まあどうしましょ奥様状態(笑)。


   「メモリー」 赤いドレスのソロダンスは前半は須田さん、途中から
   加藤久美子さんとバリエーションズのソロが取りかえっこになりました。
   どちらも素敵でしたが、加藤さんのメモリーには女らしさとか悲しみが、
   須田さんには野性味と誇りの高さが感じられました。
   考えてみればこれって両方ともグリザベラを表現する大事な要素ですね。


   この他にも
   イベントをいつも盛り上げて下さった鎌滝さんや斎藤さん、
   バリエーションズで韓国と中国のイケメン参上!なダンスが
   すこぶる格好良かった金久さんと徳永さん。
   きりっとした笑顔が印象的な厂原さん、タップでのコミカルな表情が
   魅力的な駅田さんなどなど、思い出せばもう書ききれないほど。
   いやーホントに楽しくて、ミュージカルファンにとっては至福の演目でした。
   素晴らしい思い出の数々に心から感謝です。



   今月下旬から新たに全国ツアーが始まる 「55ステップス」。
   福岡とは違う顔ぶれになりそうですが、ぜひ沢山の方に
   素敵なミュージカルの宝石箱を楽しんで頂きたいと思います。


   で、もし再度ファントム俳優さんのご出演があったら
   過保護な父兄会も今度は全国レベルで結成ですね♪



   1・8

   本格的に仕事が始まってぎゅうぎゅうになってますが
   やっぱり書いておきたいので。 「ソング&ダンス 55ステップス」 思い出話の続きです。


   福岡公演で初登場、完走だったシンガー枠の金森勝さん。
   ずっとLKスカーをお待ちしていましたが、結局登場はありませんでしたので
   福岡は 「美女と野獣」 のビースト以来でしょうか。


   金森さん、今回キャスト変更にともなって担当曲が結構変わりましたよね。
   ほんの数回だった 「スターライト・エクスプレス」 は少年っぽい歌い方が良かったし、
   「僕の願い」 のカジモドも前回のソング&ダンス同様素晴らしかったです。
   白い光をあびながら、天に祈るように絶唱する 「もう なにも いらない」 に
   毎回心を揺さぶられました。
   

   そのままトプシーから続く 「ゴッドヘルプ」。
   井上エスメラルダが縄を解き、醜い仮面をそっと取ってくれても、
   恐れふるえながら恥じ入るように顔を伏せる様子。
   仮面を持つ手をとめ、愛しげに頬をよせるエスメラルダに
   衝撃を受け、息をあえがせて逃げ出す表情など
   細やかな演技がどれも切なくてたまりません。


   金森さんのカジモドは、ノートルダムの塔に見立てた袖によじ登る途中、
   「みな神の子」 という言葉に一瞬はっとして顔を上げるんですね。
   背後で響く女性コーラスに高井さんの重低音が荘厳な美しさを添え、
   3曲通してのドラマティックな構成が、実際にお芝居を観てるようでした。


   ドラマティックといえば、 「南十字星」 からのピックアップ曲 「祖国」 も。
   シンプルな白い服で、ひとり正座して歌うスタイルがちょっと珍しいです。
   祖国という言葉を私たちは普段ほとんど使わないけど、
   日本を離れると、きっとその重さを実感するんだろうなあ。
   たぶん2分にも満たないくらいの短さだと思うのですが
   金森さんの歌声は、いつも万感の想いを伝えて下さいました。


   うちの母を連れて行った時、演目の説明は全然していないのに
   終わった後で
   「(処刑場の)十三階段を見ると、戦犯の人達を思って胸が痛くなるねー」
   と言い出したのにはビックリ☆
   あの雰囲気、歌詞と階段のセットだけで必要な情報は
   すべて受け取れるものなんですね。



   さてさて、完走組といえば我らがファントム俳優・高井さんのお話もせねば。
   1幕最初のソロは 「チム・チム・チェリー」。 
   曲は短いのにスリル満点、ファンにとっては
   サーカスに来たような気分を味わえる時間だったな〜。
   (って、どんなちっちゃいサーカスなんだ・笑)


   真面目な高井さんらしく、いつも真剣に取り組んでいらっしゃったのですが
   たまーに腕にかけた縄がからんで、煙突ぽふぽふが1回飛んじゃったり、
   足のまわりの縄ぐるぐるが危ないことになったりしてましたね。
   ラストは、演技的には高笑いしながら楽しそうに縄とたわむれる場面なんですが、こちらにも
   ひしひしと緊張が伝わって来るので、もう気の毒やら可笑しいやら。 
   いやーどれもこれも良い思い出でございます。


   そういえば、高井さんがこの曲についてイベントで仰っていましたが
   「俺の名はバリーだ!」 と思っていたら、正しくは 「俺の縄張りだ!」 だと
   大阪公演で初めて気づいたそうで(笑)。
   しかも高井さんだけでなく、周りの俳優さん達も (あの人バリーっていうんだー) って
   思ってたという話に客席も大笑い・・なんてこともありましたっけ。


   しかし、コミカル担当が多い1幕から、2幕のロイド・ウェバー特集で見せる
   高井さんの転身は華麗と言っても良いのではないでしょうか。
   「ミュージック・オブ・ザ・ナイト」 や 「スターライト・エクスプレス」 で劇場全体を圧倒する
   雄々しい美声に、初見のお客様はきっと度肝を抜かれたと思います。
   とくにオペラ座のラスト、漆黒のマントにクリスティーヌを包みこみ
   横顔だけを見せて闇に溶けていく演出は、ミステリアスで素敵でした。
   あれで手袋なしだったら、もう完璧!だったんですけどね〜☆



   書き始めたら、まだまだ熱く語りたい思い出が一杯。
   ダンサーさんのお話までなかなかたどり着きません。
   ごめんなさい、あともう少しだけ。 次回に続きます。



   1・4

   昨日千秋楽を迎えた福岡 「ソング&ダンス 55ステップス」。
   カテコの様子は掲示板で触れましたので、こちらでは
   書きそびれていた思い出話を少し。


   公演期間も後半になってから、キャスト変更ラッシュが落ちついた
   今回の福岡公演。 俳優の皆さんはイベント準備も加わって大変だったと
   思いますが (特に萩原さんの超短期Uターンとか) 私たち観客としては
   色んな組合せや曲担当で見ることができて、大変お得でした。


   デュエットの組合せが一番変わったのは 「スターライト・エクスプレス」 だと思います。
   高井さんはもちろん不動ですが、ラスティ枠は金森さん、厂原さん、田中さん、李さんの4パターン。
   アラフォーとは思えない可憐な金森さんに、きりりとした厂原さん、ヘタレ具合が可愛い李さんと
   それぞれ印象の違いが面白かったですが、一番ウケたのは田中さんとの組合せ。
   以前の日記にも書きましたが、高井さんのねじ伏せるような歌いっぷりと
   決して負けてない田中ラスティは、まるで師弟対決か口ごたえ満載の父子ゲンカ(笑)。


   でも組合せって面白いもので、交代した李さんはぺたんと完全に座り込み、
   表情もうつむきがちだったせいか、さすがの高井師匠も人間が丸くなって(?)
   少し優しかったかな。  楽ではラスティの背中に
   かすかにほほえみかけるような表情も見られました。


   女性シンガーさんは木村さんと今井さんの交代がありましたが、
   どの枠も安定していて素晴らしかったです。
   今井さんに交代してすぐに聞いた時は、LKやリトルマーメイドが
   声は綺麗だけど、さらっとしてちょっぴり物足りない面もあったのですが
   終盤に向けてどんどん盛り上がった感じでしょうか。


   そうそう今井さんといえば、イベント等で拝見した素顔の明るさがまた印象的でした。
   本編カーテンコール時、舞台奥でシンガーさん達が待機しながら
   楽しそうにじゃれたりするのですが、
   (なんとあの高井さんが井上さんや金森さんと抱き合うようにしてたことも)
   今井さんが登場した週だったかな、見に行ったお友達から
   「高井さんが今井さんに後ろから、がしっとハグされて硬直してた」
   というお話を聞いて思わず大笑い☆ 
   まるで肉食系女子に襲われる草食系男子(笑)ですが、イベント時も
   隣に立つ高井さんをちょこちょこかまったり、フレンドリーで元気な人柄が感じられました。


   女性シンガー枠の皆勤賞は、いつも変わらぬ笑顔と
   歌声で客席を魅了して下さった井上智恵さんと鈴木ほのかさん。
   井上さんと金森さんが司会を務めたトークイベント、
   ゲームの説明が、あせってカミカミになっちゃった金森さんに
   「落ちついて、落ちついて」 って、井上さんが笑顔で背中を
   軽くぽんぽん叩いてあげる様子が微笑ましかったです。
   井上さんの担当ナンバーはどれも良かったけど、個人的にはエビータが
   一番パワフルで好きでした。 
   福岡シティ劇場での 「エビータ」 上演はもうずいぶんやってないそうですし
   いつか実現しないかな〜。


   鈴木ほのかさんはさすがの貫禄ですが、今回なによりも
   歌を、心を伴うセリフとして伝える表現力につくづく感服。
   冒頭 「アプローズ」 鈴木さんのプチソロ 「♪あの音の とりこだわ」 では
   毎回、喜びと胸の高鳴りが感じられました。
   それに 「マンマ・ミーア!」 ドナのナンバーの鈴木さん、いつも涙でうるうるでしたね。
   鈴木さんには、ぜひ本編のアムネリス役も演じて頂きたいです。


   ・・と、書き出したらあれもこれもと思い出話が止まりません。
   この続きはまた近日中に譲りたいと思います。



   ・2010年 1月3日(日)福岡公演・千秋楽  当日の出演者

   【ヴォーカルパート】
   金森 勝  高井治  李 涛  井上智恵  鈴木ほのか  今井美範


   【ダンスパート】
   金久 烈  鎌滝健太  厂原時也  斎藤准一郎  徳永義満  前田順弘
   新庄真一  君島龍矢  花島佑介
   泉 春花  加藤久美子  須田綾乃  駅田郁美  今 彩乃  原田麦子
   柴田厚子  岡村美南  小菅 舞  井上佳奈            (敬称略)



   1・1

   あけましておめでとうございます。


   今朝の初仕事は、昨年に続いて一人で挑戦する博多雑煮作り。
   前の晩からダシを仕込み、人参、大根、里芋、カツオ菜、ブリ等の
   具材を下ゆでして準備万端。
   なのに朝になって味を合わせてみると、どうもひと味足りないような?


   塩が去年のメーカーと違うからかなあと、首をかしげつつ
   それでも一応出来上がって最後、器にそそぐ段になって気がつきました。
   「かまぼこ入れるの忘れてたよ、ミキ・・・。」


   このためにメーカー品をふんぱつしてたのに
   すっかり忘れてました。 かまぼこって、エッセンス豊富なので
   味にかなり影響するんですよね〜。
   てなわけで、最後にばたばたしたものの
   どうにか無事に博多雑煮が出来上がり。


   で、さっそく食べたうちの母の感想は
   「うん、おいしい。 九分九厘、昔のままの (つまりは自分の) 味だねー。」
   ほめてくれたのは嬉しいけど、足りない分はなに?って聞いたら
   「風情」 だそうです。  なんなんだそれは(笑)。



   さて皆さまはどんなお正月をおすごしでしょうか。
   今年も 「ミュージカルへの愛と小ネタあふれるファンサイト」 をめざして
   楽しく歩みを進めていく所存です。
   2010年もどうぞよろしくお願いいたします(^^)。