何故か夜中の3時に火蓋が切って落とされた『科学者VS怪盗&名探偵のジャンケン大会(名前変わってるし・爆)』もいよいよ大詰め?
果たして誰が勝者となるのか…。
〜正しい工藤邸の訪ね方5〜
『それじゃいくぜ?』
『ええ』
それじゃあ…
『じゃんけん…ポン!!』
…………出された手に今度こそKIDが固まった(爆)
『ふっ…てめえの負けだぜKID?』
『………』
固まったKIDに対し、無意味に勝ち誇ったような笑みを浮かべる名探偵。
―― 三回戦『パー』対『グー』でまたまた名探偵の勝ち。
………勝者:平成のシャーロック・ホームズ工藤新一
『あら…呆気なさ過ぎてつまらなかったわね』
折角の特別ルールが意味をなさなかったじゃない。
固まったKID様に更に追い討ちをかけるようにそう言う女史。
―――てか女史…やっぱり相討ち(…)を狙ってたんですか?
『灰原…お前俺にも飲ませたかったんだろ…』
『愚問ね』
愚問らしい…(爆)
『………さあ、飲め!』
灰原女史への言及は敢えて避け(…)、新一は哀の手から妖しげな色をした方の薬を奪い取るとKIDへと突きつけた。
『うっ……』
『俺の薬が飲めねえなんて言わねえよな?』
………新一さんそれは女史のお薬では?
『はい…』
………KID様もそこ突っ込まなくていいのか?(笑)
どうやら観念したらしいKID様…もう正に字の如く泣きながら新一に差し出されたお薬を受け取り、それを口に含むと何処からとも無くミネラルウォーター(六○のおいしい水)を取り出して薬を飲み込んだ。
『よし』
KIDが薬を飲み込んだのを確認すると新一は非常に満足げに頷いた。
が、そこで(マッドサイエンティストの)灰原女史から…、
『じゃあ工藤君はこっちね』
と、白と赤のカプセルを渡される。
『あっ………』
――忘れてた(爆)
そう、勝っても負けてもどっちかを飲まなければいけない事に変わりはなかったのだった(笑)
『さっさと飲みなさい』
にっこりと、けれど決して逃がすつもりはない事を哀の鋭い瞳がひしひしと伝えてくる。
『わあったよ…飲めばいんだろ飲めば』
少々投げやりながらも効能が解っている為、新一は安心して(?)薬を口に含むとKIDからミネラルウォーター(しつこい様だが六甲のおい○い水)を奪い取ると喉へと流し込んだ。
と、途端に睡魔がその身体を侵し始める。
これだけ即効性のブツを作れるなんて凄いよな…と哀にとってはある意味一番の賛辞(?)になりそうな事を思い浮かべつつ、新一はその睡魔に身を任せたのだった。
『っと……』
素直に眠りの淵へと落ちて行った新一を危なげも無く抱きとめると、KIDは哀に向かって悠然と微笑んで見せた。
『狙い通り…ですか?』
『あら、ばれてたの?』
まあ貴方の事だから負けてくれるとは思っていたけれど。
KIDの問いに哀もまた悪びれも無く微笑む。
『最近要請が多くてお疲れの様ですからね』
『ついでに言えば読書の秋と銘打って、新刊の発売日が続いてるのよ』
『ああ、成る程。そういう事でしたか』
『本当なら彼があの薬に手を伸ばした時にそのまま飲ませようかと思ったのだけれど…』
『どうせなら面白い方が良い、ですね?』
私もそう思ってわざとあっちに手を伸ばしたんですが。
『ええ』
だと思ってたわよ。
互いの補足説明に納得して、哀とKIDは共犯者の笑みを浮かべたのだった。
でも……女史にはまだ突っ込みたいところがあるらしい(ぇ)
『解ってた割にはジャンケン弱かったわね?』
もう少し引っ張ってくれるかと思ってたのに…。
『それは…ι』
二回目までは予定通りだったんですが、最後のだけは予想外だったんですよ…ι
哀のやっぱり詰まらなそうな様子に、ポーカーフェイスがもはや過去の遺物となっている怪盗。
はっきり言って怪盗KIDなのかどうかも既に怪しい(爆)
『あら…じゃあ最後のは本気で固まってたの?』
あれが演技ならアカデミー助演男優賞でもあげようかと思ってたのに…。
………主演は誰だ?(そりゃ名探偵に決まってるじゃないですか〜vv by KID様)
『…………ι』
どうやら何も言い返せないらしいKID様。
本気で固まっていたらしい…。
かくして『科学者&怪盗VS名探偵のジャンケン大会(大会名変わりすぎ…)』は無事(?)科学者と怪盗の勝利(…)で幕を下ろしたのだった。
「と、言う訳です」
ちなみに彼女曰く、
『起きた時には工藤君の記憶は無い筈だから解説してあげて頂戴。』
だそうです。
と、ご丁寧に哀の口調でそう語ってくれた怪盗を新一は思いっきり睨み付けた。
「じゃあ何か? 俺はお前ら二人にまんまと嵌められたって訳か?」
お前の飲んだあの妖しげな薬は何だったんだよ!!
「まあそうとも言いますが、貴方の為を思ってなんですよ?」
ちなみに私が飲んだのは………貴方をベットに運べるように且つ、貴方に手が出せないようにと遅効性の睡眠薬だったのですが、なにぶん薬の効きにくい身体ですから貴方より先に目が覚めてしまいまして。
さらっとあの妖しげな薬の意外な程普通の効能を語りつつも、あくまでも自分の為だと言い張る怪盗を新一は思いっきり睨み付けた。
「だからって嵌めていい理由にはならない!!」
どうやら相当ご立腹の名探偵。
怒鳴りながらご自慢の右足で怪盗をベットから蹴り落とした。
「ぅわっ……」
油断していたこともありKID様見事に落下(爆)
――油断していたとはいえ…それで良いのか怪盗KID…ι
「……出てけ」
「え…」
「出てけっつてんだよこのバ怪盗!!」
再び工藤邸に新一の絶叫が響き渡る。
「名探偵…それはあんまりじゃないですか…?」
私は名探偵の事を考えてですねえ…
「うるせえ!さっさと出てかねえと通報するぞ?」
もしくはぐるぐるに縛り上げてサーカスにでも売り飛ばすか?
「………サーカスってι」
私は見世物ですか名探偵…ι
名探偵の余りの物言いに立ち上がろうとしていたKIDは思わずずっこけた。
「それが嫌ならさっさと帰れ!」
「……解りましたよ」
泣く泣く帰り支度(マントつけたりシルクハット被ったり…)をしながらKIDの脳裏を、もしかして…と嫌な予想が過ぎる。
――お隣のお嬢さんはこれを理解した上で私に説明しろと仰ったんですかねえ…ι
…………………女史の事だからきっと…っていうか確実にそうでしょうねι
「ほら、支度が終わったんならさっさと帰れ」
身支度を整えたKIDに更に追い討ちをかけてくれる名探偵。
はっきり言ってその視線は普段現場で追われている時の物よりも鋭い(笑)
負けず嫌いの名探偵…どうやら哀とKIDにまんまと嵌められたのがよっぽど悔しいらしい。
「(うわぁ…めちゃめちゃご立腹じゃんι)」
そんな新一の様子にKID様、もうポーカーフェイスもなにもあったもんじゃない(爆)
「(こりゃ次の予告状はレベル上げてご機嫌取るしかないかなぁ…ι)」
やっぱりそこでご機嫌取りなのか?
KID様がどうやって名探偵のご機嫌取りをしようか悩んでいる間に新一の中では一つの結論が出る。
「さっさと帰れって言ってんだろこの詐欺師!」
………怪盗KID…たった今、罪状一個追加(爆)
「名探偵…この場合詐欺罪にはならないんじゃ…。」
あれって財物や金銭が絡んだ場合な筈…。
「うるせえ! 俺が詐欺だって言ったら詐欺なんだよ!」
流石は女王様vv……ゴーイング・マイ・ウェイっぷりが板についてます♪
本気になったら刑法さえ変えそうな勢いですね♪
「………ι」
流石のKID様もどうやら新一さんの女王様っぷりに反論出来ない模様です。
「解ったらさっさと帰れ!」
「………解りましたι」
このままここに居たら余計に扱いが悪くなる一方だとKIDは冷静に判断したらしく、
「それでは名探偵。また貴方が私に会いたくなった頃に伺いますねv」
それから読書も程ほどにして下さいね?
と、にっこりと微笑んでちゃっかり帰宅の挨拶を済ませると、そのまま工藤邸のベランダからハングライダーで飛び立った。
「…一生そんな時は来ないから安心しろ」
という名探偵の冷たい言葉を背に受けながら………。
しかし…忘れているかもしれないが、夜中の3時から妖しげな(…)ジャンケン大会をして、新一さんが睡眠薬を飲んで…寝て…起きて更に詳細を聞いた後という事は…。
「ママー。みてみて!かいとうキッドだよ〜!」
「きゃ〜vvKID様〜vv」
現時刻………午後2時。
ちなみに平日なので、当然ながら道端には幼稚園帰りのお子様方や、お買い物へ向かう奥様方がいらっしゃる…(爆)
――無論名探偵とKID様、学校はサボりv
そして工藤邸には…、
「あいつには正しい帰り方を教えるべきだったか…ι」
…とぼやく名探偵だけが残されたのだった…。
END.
結局この最後が書きたかったが為に引っ張りに引っ張られたジャンケン大会(爆)
いやぁ〜ご乱心出来て書いてる自分が一番楽しかった(ぇ)
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