怪盗とは得てして忍びでやって来る訳で
その登場の仕方は怪盗としてはおかしくなかったのだが…
〜正しい工藤邸の訪ね方〜
「不法侵入だな」
工藤邸の二階の部屋にKIDが一歩足を踏み入れた瞬間、パチッと部屋に電気が灯された。
「名探偵、まだ起きていらっしゃったんですか?」
「………夜の9時に寝てる男子高校生がこの地域に何人居るのか聞きてえもんだなι」
そう、時刻は現在午後9時10分。
夜型人間を自負する名探偵がこの時刻に寝ている筈がない。
「手厳しいお言葉で」
「…いや、そんなに厳しくないだろ…ι」
新一さん、ご尤もです…ι
「それにしても、どうして私がここから入ってくると解ったんですか?」
「んなもんお前の今までの行動パターンからすれば直ぐ解んだよ」
KID様…さり気無く話題転換しましたね?
「流石名探偵…愛ですねvv」
「…………殺されてえか?」
「いえいえ、折角名探偵の愛が実感できたところですし…」
「……………携帯何処置いたっけな…」
本気で携帯を探しに行こうとする新一。
流石にこれにはKIDも慌てずにはいられない。
「め、名探偵!?」
「安心しろ。『不法侵入者』とだけ言って通報してやる」
つうか、「怪盗KIDに愛語られてました。」なんて通報出来ねえし…。
「やっぱりあ…」
「予定変更。『怪盗KIDが不法侵入』に切り替える」
「名探偵〜!!」
「いやならさっさと出てけ!!」
この状態で愛だの恋だの語られたくねえ!!
「そうですか…やはり訪問の仕方が良くなかったですか…」
「は?」
俺今そこを問題にしてたか?
新一の疑問をよそに、KID様の中では勝手に結論が出されたらしい。
「解りました。また後日改めてお伺いします」
あ、もちろん不法侵入ではなく。
「あ、ああ」
KIDの勢いに押される形で思わず新一は頷いてしまう。
それだけ言い残すと、KIDはふわっと工藤邸の2階から軽やかに飛び降りる。
そしてそのまま夜の闇へと飲み込まれて行った。
「…………って、あいつまた来るのか?」
たっぷり10秒ほど経ってから、ようやく事態を把握した名探偵。
「…不法侵入じゃないあいつの訪れ方って一体何なんだ?」
それは名探偵と呼ばれる新一にも予想のつかない事だった。
END?
またくだらんブツを……ι
KID様ご乱心…ιカッコいいKID様は何処〜?(爆)
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