「御伽噺のラストはね…何時だって残酷なんだ。」
そう呟いたあいつの顔が目に焼きついて離れてくれない。
〜終焉の刻〜
その日も何時もと同じ日になるはずだった。
何時もの様にあいつといて、何時もの様にあいつとじゃれあって…。
そうやって過ぎていく筈だったんだ。
なのに…。
『俺、明日からパリに行くんだ』
『また、唐突だな』
『だからもう会えない』
唐突に言われた言葉。
それを理解するのにどれだけの時間が掛かったのだろう。
何時の間にか俺の心の中に入ってきて、何時の間にか俺の隣にいるのが当然になっていて…。
なのに最後には…。
『俺のことは忘れて幸せになってね』
そんな風に言ってさっさと行ってしまうなんて。
何時だって俺は受身で。
何時だってお前は俺を追いかけてきてくれたのに。
いきなりいなくなるなんて…。
この想いはどう消化したらいい?
この想いは何処へ行けばいい?
「何時だって御伽噺のラストは…残酷なんだ」
そう…何時だって…御伽噺のラストは残酷。
幸せなんて結局は砂上の楼閣に過ぎないから…。
何時だって…残酷なんだ。
けれど…気づくのは何時だってその残酷さが身を引き裂いてから。
その前に気付く事ができたならどうにかできたのだろうか?
もしも、ラストが無い御伽噺の主人公になれたなら幸せになれたのだろうか?
それはもう誰にも解らない真実…。
END.
何だかぱっと浮かんだだけ(爆)
って言うより冒頭の台詞を使いたかっただけ(オイ)
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