何回でも。
何十回でも。
何百回でも。
それで貴方の気が済むというのなら
それで貴方がこの形のない想いを信じられるというのなら
私は貴方の為に何度でも何度でも
この誓いの言葉を紡ぎ続けましょう
誓い
「……んっ…」
小さく寝息を立てて眠る愛しい愛しい恋人を見詰めつつ、快斗は一人そっと小さく笑みを零す。
毎日見る光景。
毎日見る事の出来る幸せな光景。
そっと髪を撫でてやれば、眠ったままなのにそれが分かったかの様に幸せそうに微笑む恋人。
それに余計に笑みが零れる。
あと何年。
あと何十年。
彼と一緒に居られるのだろう。
「新一」
「………」
もちろん起こしたい訳ではないけれど、それでも何故か言葉は口をついて出ていた。
彼の名前を呼ぶ時。
彼の名前を呼んだ時。
俺は俺で居る事が出来る。
私は私で在る事が出来る。
「愛してる」
言葉を紡ぐ。
小さく、小さな誓いを。
「一生……死んでも俺は新一を愛し続けるよ」
紡ぐ。
誰も聞く事のない小さな、けれど何物にも代えられない小さな誓いを。
「愛してる」
紡がれた誓いに、眠りに囚われていた恋人は満足そうに微笑んだ。
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