「あ、これ欲しい〜♪」


 工藤邸では快斗のこの言葉が日常だった






主夫のささやかな楽しみ






「今度は何だよ…ι」


 楽しそうにテレビを眺めている快斗に新一は「またかι」と溜息を吐く。
 それが工藤邸では既に日課になっていたり。


「これこれ♪」


 テレビを指差して、まるで子供が玩具を見ているかの様に瞳をキラキラと輝かせている快斗。

 その様子に溜息を吐きつつも、新一は読んでいた本から顔を上げ視線をテレビへと移した。
 が、その内容にしばし呆然とした後不思議そうな視線を快斗へと向ける。


「………あれは必要なのか?」
「おもしろいじゃん♪」
「………いや…面白い面白くないの問題じゃねえだろι」


 快斗が見ていた番組…それは全国の主婦(夫)のお楽しみ…………『テレフォ○ショッピング』だった(爆)
 ちなみに今出ていた快斗が欲しがっているものとは…、

 『スイッチを入れて床に置くと自動的に掃除をしてくれる機械』

 である。


「ねえ新一〜あれ買っていい?」


 旦那様に可愛らしく(…)強請る妻(快斗)


「………こないだもそう言って最新型の掃除機この番組で買っただろ…ι」


 それを何とか回避しようとする旦那様(新一)



 ――ちなみにお金は当然快斗本人のポケットマネーから出ている(笑)



「だってさ〜楽しそうなんだもん」

 あんなのが部屋うろうろしてたら面白くない?


 奥さん(快斗)は旦那様(新一)に何とか(自分が)買うのを承諾させようとその商品の利点(?)を説明してみる。

 ――てか、うろうろって…掃除してもらうのが目的じゃなくペット感覚?


「…………邪魔」


 が、旦那様には選択の余地すらない模様。

「新一のいけず〜!!」
「………何でもいいから静かにしてろ」


 かなり投げやりな新一の言葉。
 けれどそれも仕方の無い事で……。


「大体なあ…お前買ったって何時も三日かそこらで飽きるじゃねえか」
「だってぇ〜」
「だってじゃねえ! ったく、お前がテレフォンショッピングやら通販やらで買った物体で一部屋埋まりそうだし…ι」
「だってさぁ…ああいうの見てると欲しくなっちゃうんだもん!」


 どうやら一部屋埋まりそうなのは否定出来ないらしい(爆)


「買うんだったら今ある物体を捨ててからにしろ」
「え〜そんな勿体無いこと出来ない!」
「………だったら買うな!」
「…だって日々新しいの出て来るんだもん!」
「そんなの当たり前だろうがι」
「だから買うの〜!」
「だから今ある物体を処分してからにしろって言ってるだろ!」


 ――キリが無いι


「だってさ…これくらいなんだよ? 主夫のささやかな楽しみって」
「………ささやか…」


 お前のこれはささやかと言えるのか!?


 内心突っ込みをしながらも旦那様(新一)は自分の読書時間を確保する為に仕方なく、


「解った…勝手に買え」


 と、買う事に了承をしてやる。


「やった〜♪ありがとぉ新一〜♪」


 新一の言葉にルンルンと電話片手に注文を始める快斗。



 ――しつこい様だが、この代金も当然快斗本人のポケットマネーから出る(笑)



「………俺は礼を言われる立場なのか?」


 本に視線を戻しつつも、首を傾げる新一なのだった。





 ちなみに、その商品も3日と経たないうちに飽きられ他の物体達と同じ様に部屋に収納される事になったのだが…。








END.


テレフォンショッピング好き〜vv買わないけど(笑)


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