ぽかぽかの春の日差しに包まれて

 お庭でお昼寝なんて素敵じゃない?








〜ぽかぽか〜








「ん〜やっぱり日向ぼっこって最高♪」
「ん。確かに悪くねえかも」


 工藤邸の大きな大きな木の下まで春の日差しは差し込んでいて。
 ほかほかになった芝生の上で二人して寝転んでみる。

 もちろん新一の片手にはお気に入りの推理小説の新刊があるのだけれど。


「新ちゃん、こんな時ぐらい本読むのやめられないの?」
「うるせえな。しょうがねえだろ今日発売だったんだから」


 そんな新一も新一らしくていいんだけど、なんて思いつつそれでも何とかならないかなと快斗は一人考え込む。

 折角こんなに良いお天気で、せっかくこんなにぽかぽかなのに。
 ん〜何かないかなぁ?


「ん? どうした?」
「どうしたら新一が本を離してくれるか考えてるの」
「事件があったらな」
「…俺は今、この場所で離して欲しいんだけど?」


 むっとした俺にくすくすと笑う新一に余計に悔しくなって。
 そのままの勢いで新一が持っている本を取り上げた。


「快斗! てめえ返せ!!」
「いや♪」
「嫌じゃねえ!」
「いやったらいや〜♪」


 そのままルンルン気分で、文句を言う新一を腕の中に閉じ込めて。
 腕の中を覗き込めばこっちをしっかり睨んでくる蒼の深さに引き込まれて。


「離せ」
「いや〜vv」
「ったく…暑いんだよ」
「いいじゃん♪ ぽかぽかでしょ?」


 たまにはこんな風に陽だまりの中お互いの体温で温まるのも良いんじゃない?
 光は暖かいけどまだ風は少し冷たいし。
 大事な大事な新一が風邪を引いても困るしね?


「勝手にしろ」
「うん、勝手にする♪」


 快斗の腕の中が思ったより暑くなくて。
 それよりも温かいと思ってしまったから…まあいいか。






「まったく…春になるとああいうバカップルが増えるのよね」


 お隣からは彼らが陽だまりの中で寄り添って仲良くお昼寝している姿が目撃されたとか。











END.


何だって11月にこんな話を書いてるんだ自分?(爆)
春が恋しいのかなぁ…ι


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