サヨナラ
そう言えたならお前を開放してやれるのだろうか
サヨナラ
そう言えたならお前は楽になれるのだろうか
オレンジ
「………」
携帯と睨めっこをして早一時間余り。
折りたたみ式のそれを開いては閉じ、開いては閉じを繰り返している。
まったく、往生際が悪いと自分でも思う。
電話で済まそうとしている辺り余計に。
――パタン
開いては閉じる。
――パタン
何度繰り返したか解らない。
それはまるで俺達の関係の様だと思う。
待っていてくれと言った。
必ず帰るからと。
その度にアイツの辛そうな顔を見て。
その度にアイツの涙を見て。
何度彼女にもう待たなくてもいいと、待ってくれるなと言おうと思ったか知れない。
けれど、その度に俺の中にある幼馴染に対しては過剰過ぎる程の独占欲がそれを許そうとはしなかった。
そして今も―――。
―――サヨナラ
そう言えばお前の心の傷は少しは言えるだろうか。
――サヨナラ
そう言えばお前を開放してやれるだろうか。
けれど、その言葉を告げるにはまだ俺の心の準備が出来ていないんだ…。
end.
言わずと知れたSMAPの『オレンジ』からです。
この曲は大好きv切なくて切なくて泣けてきます;
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