膨大な量のそれに
今年もそんな時期が来たのかと溜め息を吐いた
〜年賀状〜
「………それ全部かよι」
「そんなに嫌そうに言わないの。新一のなんだから」
去年家にきた膨大な量のそれを、解りやすいようにと各ジャンルに分類してくれている彼は本当にまめだと思う。
自分の物でもそんな事ギリギリにならなければやる気にならないから。
「…しょうがねえだろ」
「はいはい。じゃあ印刷してあげるから、どのデザインが良いかだけ決めて?」
「ん…」
幾つか候補が絞ってあったのか、パソコンのディスプレイに映し出されたそれを適当に眺めて。
その中で一番シンプルなデザインのものにする。
「これ」
「了解♪」
当初は業者に頼めば良いと言ったのに、勿体無い!と快斗に半ば押される形で結局家で印刷することにした。
まあ、印刷するのは快斗なんだけど。
「なあ快斗…」
「ん?」
テキパキと作業をする快斗を見詰めつつ、新一はずっと思っていた事を口にした。
「お前絶対俺の事甘やかし過ぎ」
「そんな事ないよ?」
「いや、ある」
きっぱりと言い切った新一に苦笑して。
快斗は仕方ないと本音を口にする。
「だってさ、これだけの枚数新一がやったら疲れちゃうでしょ?」
「そりゃそうだろうな」
「そうしたら俺の相手して貰えなくなっちゃうもんv」
折角の年の瀬で学校も休みだから、新一には思う存分俺の相手して貰いたいの〜♪
「………」
ルンルンと語る快斗に新一は固まって、何だか冷や汗まで出てきた気がする。
「…快斗」
「ん?」
「それは…今日だけだよな…?」
「え? ずっとだよv」
もちろん姫始めも付き合って貰うからvv
これだけ頑張った快斗君からのお誘いを嫌とは言わないよね?
「………」
快斗の確信的な一言に新一は固まって、来年は絶対に業者に頼もうと誓ったのだった。
END.
新一さんの家にくる年賀状…絶対量半端じゃねえよなι
整理するだけで一苦労っぽい…。
ちなみに、うちの母上は毎年父の分まで印刷してます(苦笑)
甘やかし過ぎです…(爆)
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