頬に贈られるキスが好き
額に贈られるキスが好き
唇に贈られるキスが好き
大好きな人から贈られるキスが好き
〜優しいキスの見つけ方〜
「新一ってさ…キスに弱いよね」
「ぶっ…」
快斗の突然の問題発言に新一は思いっきりコーヒーを噴き出した。
そんな新一に快斗はタオルを何処からとも無く取り出して渡してやる。
けれどその発言は止まるどころかより深い物になっていく。
「だって弱いじゃん」
頬にされるのも、額にされるのも好きでしょ?
「……うるさい!」
どんなに新一が叫んでも上気した頬が快斗が言った事が本当だと言う事を示してしまっているのだけれど。
「後は…」
首筋も弱いし…それから…。
「こら!! それ以上言うんじゃねえ!!…///」
それ以上続けようとすればやっぱり真っ赤になった新一がソファーに座っているにもかかわらず、器用に思いっきり右足を振りかざしてくれて。
快斗の方も苦笑しながらそれを器用に避けてみせる。
「だって事実でしょ? 新一ってキスすると溶けちゃうしv」
知ってる?目がとろんってしてくるんだよ?
「………そんな事知りたくねえって…///」
つうか真顔でそんな事言うな!!
どんなに凄んで見せてもその赤くなった頬では怖くもなんともなくて。
それどころか寧ろ余計に可愛らしくなってしまって。
快斗は新一の腕を掴むとぐいっと自分の方へと引き寄せる。
「っと…。おい! かい……んっ……」
そして抗議の為に開かれた唇を自分の唇で塞いで、そっと舌を新一の口腔に潜り込ませる。
「…んっぅ…やめ………っ……」
何とか抗議の声を上げようとする新一の咥内をそのまま味わいつくすようにキスを続けて。
角度を変えながら新一の息が上がるぎりぎりまでその甘さを味わう。
そして、名残惜しげに唇を一舐めしてからやっと新一を解放した。
「…何すんだよ!!///」
「ん〜? だって好きでしょ?」
漸く息をなんとか整えた新一からの言葉にも快斗はしれっとそう言い放つ。
だって新一が嫌がっているのではなくて、ただ照れているだけなのを快斗は知っているから。
「だって新一が一番キスされるのが好きなのは唇でしょ?」
「っ……///」
これ以上ない程赤くなった新一の頬に額に何度も何度もキスを落として。
真っ赤染まって温度を上げている耳にもキスをして。
そしてその耳元で小さく囁く。
「俺もね、好き〜v」
新一とキスするの俺も大好きvv
「………///」
「だからね…偶には新一からして欲しいなv」
にっこりと微笑んで快斗は腕の中の新一にお強請りする。
その天使のような微笑が新一には極上の悪魔の笑みに見えたのは言うまでもない。
「かい…」
「してくれないなら俺がするけど?」
さっきよりずーっと濃いやつねv
悪いけど抵抗しても離す気ないからvv
「なっ…///」
極上の笑みを浮かべたまま結構怖い事を言ってくれる快斗に真っ赤になりながらも新一の顔は少々強張る。
「それが嫌なら新一からして欲しいなvv」
「……わぁったよ…///」
何とも確信犯的なやり方に少し頬を膨らませながらも、新一は快斗の首に手を絡ませて。
快斗を引き寄せそっと触れるだけのキスをした。
「これで良いだろ!///」
「うんvありがと新一vvv」
貴重な新一からのキスを手に入れてすこぶるご機嫌になった快斗の腕の中で新一は、そんなに構ってやってなかったか?と内心で首を傾げて。
そういえばここのところ事件への要請や好きな作家の新刊の発売日が立て続けに続いていた事を思い出して苦笑する。
それなら最初から素直に強請れば良いのに。
まったく…つくづく可愛い奴だよな。
「新一?」
くすくすと腕の中で笑い出した新一に快斗は首を傾げて。
そんな快斗の頬に新一は両手を当てて。
そのまま快斗の唇に自分の唇を重ねた。
そのまま何度も何度も快斗の唇を啄ばんで、最後に快斗の唇を一舐めしてやる。
「……///」
新一の意外な行動に珍しく真っ赤になってしまった快斗に満足して。
新一はその耳元に唇を寄せ、囁いてやった。
「お前だって一番キスされるのが好きなのは唇なんだろ?」
END.
最近バカップルに磨きがかかってます…(笑)
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